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連載Cocotame Series

ミュージアム~アートとエンタメが交差する場所

「ソニーミュージック六本木ミュージアム」とは

2019.02.14

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1月11日より「ソニーミュージック六本木ミュージアム」が開館した。このミュージアムは、大好評を博した「スヌーピーミュージアム」跡地にオープンし、さまざまな企画展が催される予定だが、まずはその企画展第一弾として「乃木坂46 ArtWorks だいたいぜんぶ展」(以下、「だいたいぜんぶ展」)が5月12日まで開催されている。

そこで、Cocotameでは「ソニーミュージック六本木ミュージアム」と「だいたいぜんぶ展」を特集。第1回は、「ソニーミュージック六本木ミュージアム」を開館し企画展の主催も担う二人に、「ソニーミュージック六本木ミュージアム」のコンセプトや今後の方向性などについて話を聞いた。

    • 森 三千男

      Mori Michio

      ソニー・ミュージックエンタテインメント

    • 青柳安亮

      Aoyagi Yasuaki

      ソニー・ミュージックエンタテインメント

 
――まず、「ソニーミュージック六本木ミュージアム」を開館した意図からお伺いできますか。

森:1つには、ソニーミュージックグループが手掛けた「スヌーピーミュージアム」が成功したということが大きいですね。もともとソニーミュージックグループとしても、「ピーナッツ」に限らず、自分たちのIP(知的財産)を活用して、新しいエンタテインメントの楽しみ方を提供するエキシビションビジネスができればと考えていました。その上で、「スヌーピーミュージアム」を開催したこの場所で、期間限定ではありますけど、引き続き活用させていただけることになったことをタイミングに、ある種の実験も含めて考えてみようと思ったのが最初のきっかけでした。

――会社の新しい事業分野として、ミュージアムの運営を始めようということですね。

森:そうですね。ソニーミュージックグループは、音楽ビジネスから始まって、アニメやキャラクタービジネス、ソリューションビジネスなどを展開してきましたが、その延長で、エキシビションビジネスを考えました。

ただ、アートのビジネスと一口に言っても幅は広くて。ものすごく芸術性の高いところから大衆的なもの、オールドアートからコンテンポラリーなものまで、様々なものがあると思うので、一旦枠は決めずに、いろんなところを攻めてみようと考えています。まだ試行錯誤しているところではあるのですが、主催だけじゃなく、他社とのコラボレーションも含めて、いろんな方向性を探っていきたいと思っています。

――これまでも様々な展示会、展覧会に関わってきたとは思いますが、エキシビションビジネスをより大きくしていくきっかけとなったものは何かありますか?

森:2年前に開催したデヴィッド・ボウイの大回顧展「DAVID BOWIE is」は、我々が日本に招致し、運営を手掛けた展覧会なのですが、それが名刺がわりにもなっていますね。

2017年1月~4月まで品川・寺田倉庫G1ビルにて開催された
大回顧展「DAVID BOWIE is」

展覧会と言えば、10月11日から来年1月13日まで上野の森美術館で開催される「ゴッホ展」にもいち主催社として関わらせていただいています。ただ、ソニーミュージックグループが単独で企画するエキシビションは、もう少しエンタメ色の強いものになるのかなと。アートというよりはポップカルチャーとして、面白くて楽しい見せ方をしたいという想いが根底にはありますね。

青柳:従来の展覧会の枠には収まらないようなアニメやアイドルといったポップカルチャーを、弊社ならではの楽しみ方で提案できればと思います。

――記念すべき第一弾を「だいたいぜんぶ展」にしたのはどうしてですか?

森:乃木坂46の多彩な世界観や魅力をさまざまな方向から楽しんでもらえる展覧会ができないかと以前から乃木坂46のプロデューサー 今野義雄さん(SME コーポレートビジネスマーケティンググループ ゼネラルマネージャー 兼 ソニー・ミュージックレーベルズ ソニー・ミュージックレコーズ ゼネラルマネージャー)と一緒に考えていて、開催の機会を探っていました。そこに本ミュージアムを立ち上げることになり、一気に実現に向けて走り始めました。

現在、ミュージアムショップで販売しているグッズの評判が非常にいいのですが、当初より企画展示そのものだけでなく、周辺のグッズやカフェも含めてトータルで楽しめる場、ライブに近い楽しみ方を提供したいという想いがありました。

乃木坂46はマネジメントも我々グループが手掛けているということもあり、非常に身近な存在で、さまざまな展開を実現しやすかったということもありました。

――今後も大回顧展「DAVID BOWIE is」のように海外アーティストの展示も考えられるわけですよね。

森:そうですね。さまざまなアイデアもありますし、海外でやっている展示をそのまま日本にパッケージごと持ってきてやらないかという話が来たりもしています。そこは常に検討していますが、最終的にはビジネスとして成立するかどうかで決めていくと思います。

――では、乃木坂46を題材にすることが決まった後、オープンまでの道のりを教えてください。

森:我々はミュージアムビジネスに関してまだまだ初心者なので手探りなところが多かったのですが、通常大きな美術展が数社で共同開催することが多い中、「スヌーピーミュージアム」はソニーミュージックグループだけで主催・運営してきたという実績があるので、その経験値が非常に役に立ちました。

2016年4月から2年半の間開催した「スヌーピーミュージアム」

青柳:「スヌーピーミュージアム」のほか、大回顧展「DAVID BOWIE is」や「DREAMS COME TRUE WONDERLAND MUSEUM」、「KISS EXPO TOKYO 2016」などもグループ内で手掛けていたので、蓄積していたノウハウを総結集して、なんとか辿り着いたという感じです。本当にギリギリまでみんなで話し合っていましたね。

2016年10月に原宿ラフォーレミュージアムで開催した
「KISS EXPO TOKYO2016 ~地獄の博覧会~」

――展示についてこだわった点はどこでしょう。

森:内容については、ファンの方はもちろんのこと、ファンではない方々にも楽しんでもらえるような面白い展示にしたかったので、単純に並べて見せるだけではない展示の仕方にしたことがポイントだったと思います。

デザイン&グラフィックマガジン「MdN」の本信光理編集長に企画者として立っていただき、本信さんのアイデアを中心に企画展のコンセプトを作っていきました。会期中は、展示内容をいろいろ替えていきながら、飽きさせない演出をしていければと思っています。

――実際にオープンして、ご自身で見た感想としては?

青柳:限られたスペースではありますが、それぞれのコーナ−ごとにファンの求めるものを、最大限きっちりと落とし込むことができたのではないかと思います。

森:もちろん、後から考えるとまだまだ“もっとこうしたい”というのがあるのですが……。その中でも、倉庫の中というコンセプトに沿って、現場のスタッフのこだわりがギリギリまで働いていたと思います。積み上げたストレージボックスに全部、1つひとつ手書きで曲名などを書いたりしました。

「だいたいぜんぶ展」なので、全部ではないんですが、見えないところにまできちんとこだわっているというところが、全体観としてもよく出ているのかなと思いますね。

――手応えは感じていますか?

森:SNSでの反響は気になっていて、しょっちゅう見てしまいますね(笑)。グッズで売り切れが出てしまうことがあるのは本当に申し訳ないのですが、総じて評判はいいようなので一先ずホッとしています。

アイドルやアーティストを題材にしてどこまでクオリティの高い展示ができるか半信半疑なところもありましたが、今後もこういう形の展覧会をやれる可能性があるんだなと手応えを感じました。

青柳:内覧会にメンバーも来てくれて。二期や三期のメンバーが「自分がいない頃のアートワークを観ることができた」と喜んでくれたのがうれしかったですね。ファンから見ても、デビューから今までのアートワークの歴史がきちんと網羅されているので隅々まで楽しめるのではないかと思います。

――メンバーの握手会やサイン会があるわけではないけれど、数多くの人が来場しています。

森:そもそも今、音楽ビジネスは、かつてのように音楽そのものだけで売れる時代ではなくなってきている。もちろん、音楽そのものはなくなりませんが、ビジネスとしても、アーティストのためにも、いろいろな展開を考えなければいけないと思うんですね。エキシビションを開催できるくらいのパワーを持つアーティストを育てていくということは大前提ですが、この「だいたいぜんぶ展」は、アーティストが不在のところでも工夫すればビジネス展開ができるという、これからの経験値になるのかなと思っていますね。

青柳:メンバーがいるから行こうというのももちろんとてもありがたいのですが、タイトルにも打ち出している通り、アートワークに焦点を当てているので、これまでの歴史を観たいという方やアートに興味がある方も行きたいと思ってもらえたらいいなと思いますね。

――ソニーグループということでいうと、ソニー独自開発により超高精細映像システム「Crystal LED ディスプレイ」を用いたライブ映像の評判も高いですね。

青柳:あの映像は本当に綺麗ですよね。メンバーの目がキラキラしていて。ソニーの担当者も感心していました。

森:これからのソニーミュージックグループのエキシビション開催において、ソニーの技術を活用していくということは大きなテーマとしてはありますね。テクノロジーをエンタメに活用していくことによって、大きな相乗効果が期待できると思いますので。

――最後に今後の展開の予定や目標をお伺いできますか?

森:なにかアイデアあったらください(笑)。

青柳:(笑)。
べニュー(場)があるといろんなIPを活用したビジネスの展開が可能です。ソニーミュージックグループにはライブホールの「Zepp」が非常に好調なのですが、今後さまざまなベニューを開発していき、幅広いエキシビションやイベントを継続的に開催していきたいと思っています。

森:国内外の音楽アーティストやアニメコンテンツなど、いろいろと計画しているエキシビションがあります。「ソニーミュージック六本木ミュージアム」自体は期間限定なのですが、別の場所でもこのようなコンセプトを引き継いで続けていきたいですね。

ソニーミュージック六本木ミュージアム

■所在:東京都港区六本木5-6-20
■最寄:東京メトロ六本木駅より徒歩7分、麻布十番駅より徒歩10分

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乃木坂46 Artworks だいたいぜんぶ展

■会期:2019年1月11日(金)~5月12日(日)
■会場:ソニーミュージック六本木ミュージアム(東京都港区六本木5-6-20)
■時間:10:00~20:00(入場は 19:30 まで)※会期中無休
■チケット料金:下記の通り(消費税込)
区分      一般・大学生 中学・高校生  小学生
前売券     1,800円     800円     400円
当日券     2,000円    1,000円     600円

ご希望の入館時間のチケットをご購入ください。
10:00~11:30、12:00~13:30、14:00~15:30、16:00~17:30、18:00~19:30

※入れ替え制ではないので、上記の時間内にご入館いただければ滞在時間の制限はありません。

※前売券はローソンチケットでお求めください。来館日の前日(月末日は2日前)まで購入可能です。

※障がいをお持ちのお客様は、前売券、当日券それぞれ半額でチケットをお買い求めいただけます。
入館時に障がい者手帳をご提示ください。
※6歳未満(未就学児)は入場無料となります。
※当日券は前売券の販売状況に余裕がある場合のみ、各回の約30分~1時間前よりミュージアムの窓口にて販売します。

©乃木坂46LLC

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