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連載Cocotame Series

「14th TIMM」に海外から100名を超す音楽関係者が来日! その場にいることがチャンスに繋がる

2017.10.10

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アジア最大規模の国際コンテンツ見本市「Japan Content Showcase 2017」※として、「東京国際映画祭(以下、TIFF)」併設マーケットの「TIFFCOM」や「東京国際アニメ祭(TIAF)」と合同で開催される音楽の国際マーケット「第14回東京国際ミュージック・マーケット(以下、14th TIMM)」が、今年も10月23~25日に開催される。

本イベントに過去数年にわたり出展者として参加しているソニー・ミュージックエンタテインメント(以下、SME)とソニー・ミュージックアーティスツ(以下、SMA)、Zeppホールネットワーク(以下、ZEP)が今年も参加し、ブースを展開したり、Anly、CHAI、ねごとなどのアーティストがShowcaseにてパフォーマンスする予定だ。

今回はSME、SMA両社の担当者に、海外の音楽関係者から日本の音楽シーンがどのように見られ、過去にどんなニーズがあったのか、また「東京国際ミュージック・マーケット(以下、TIMM)」という場を活用する意義などについて、話しを聞いた。

日本の音楽の多様性と、アーティストたちの唯一無二の個性を世界に知ってもらう、年に1度のチャンスを見逃してはならない。

「Japan Content Showcase 2017」とは

音楽、映画からゲーム、アニメ、マンガ、キャラクターなど日本国内のコンテンツ産業の海外展開を支援するプロジェクト「JAPAN国際コンテンツフェスティバル(コ・フェスタ)」のコア・イベントでもある、アジア最大規模の国際コンテンツ見本市。「TIFF」併設マーケットの「TIFFCOM」と、音楽の国際マーケット「TIMM」、アニメーション関連を中心とした「TIAF」との合同マーケットとして開催される。

「TIFFCOM」と「TIAF」の会場である池袋・サンシャインシティ コンベンションセンターと、「TIMM」の会場である渋谷・エクセルホテル東急に、コンテンツホルダーがブースなどを出展。世界各国から集まったバイヤーと活発な商談やセミナー、情報交換が行なわれる。

14th TIMM

昨年の「TIMM」をきっかけにReiがフランスのフェスに出演

ソニーミュージックグループでは、SMEとSMAが7年前から「TIMM」にブースを出展し、自社のアーティストや楽曲、アニメ作品などを海外へ積極的に紹介。

昨年の「TIMM」内で開催されたShowcaseでパフォーマンスした女性シンガーソングライター・Reiは、「TIMM」で来日していたヨーロッパのブッキングエージェントの目に止まり、今年、フランス・ベルフォールで行なわれた「Les Eurockeennes」への出演を果たすなど、「TIMM」をきっかけに新たな扉が開いたケースがあった。

今年の「14th TIMM」でもSMEとSMAがそれぞれブースを出展。Anly、CHAI、ねごとといった所属アーティストをはじめ、音楽・映像・ゲームなど自社コンテンツを紹介する。

SMEで自社コンテンツの海外展開を推進する伊佐山 健(SME 海外推進グループ Gマーケティングルーム プロデューサー)は、「TIMM」への出展について「毎年、100名を超える、日本の音楽に関心がある海外のバイヤーやコンサートプロモーターたちに会うことができる貴重な機会。オーガナイズされた場所でもあり、商談もスムーズに進みます」と語る。

SME 海外推進グループ Gマーケティングルーム プロデューサー 伊佐山 健

SME 海外推進グループ Gマーケティングルーム プロデューサー
伊佐山 健

「毎年、このために来日される常連の顔ぶれもいて、今ではダイレクトにコンタクトが取れるようにもなっています。ここでの繋がりを、アーティストマネジメントやデジタル部門など社内のさまざまセクションで活かすことができています」(伊佐山)

■海外ツアーの実現に向けた、新たな国・地域でのパートナー探しに効果

現在、「TIMM」で活発に商談が行なわれているのがイベントへのブッキングだ。日本国内ではここ数年、ライブエンタテインメント市場が右肩上がりの成長を続けているが、それはアジア諸国や欧州でも状況は同じ。それを受けて、新しいアーティストやコンテンツを各国のブッキングエージェンシーが探しているという。

「音楽のサブスクリプションサービス(定額制配信サービス)が急激に規模を拡大しており、音楽の楽しみ方は様変わりしました。例えばSpotifyに配信した楽曲が、世界各国のさまざまなプレイリストに波及していき、配信から2年後にビッグヒットが生まれるといった例もあります。その過程で重要になるのは、やはり効率的な情報出しと、それをライブへと繋げる導線づくりです。ここ数年は、海外のブッキングエージェンシーの、日本の音楽への興味関心が高まり、良い商談もできているので、SMAのアーティストの海外公演も増加しています」(伊佐山)

今年のSMEブースでは、アーティストはもちろんのこと、ZEPがシンガポールにオープンしたライブホール「Zepp@BIGBOX Singapore」についてもアピールしていくという。

「海外のアーティストに『Zepp@BIGBOX Singapore』を使っていただけるような働きかけもする予定です。また、海外ツアーの実現に向けて、新たな国・地域でのパートナー探しもこれまで以上に積極的に行なっていきたいと考えています」(伊佐山)

■今年のSMAブースでは、ガールズバンド ねごとをフィーチャー

SMEとともにここ数年、毎年「TIMM」に出展しているSMAでは先述したように、昨年、Reiが「TIMM」をきっかけにチャンスを掴んだ。

今年も積極的に所属アーティストを推し出し、Showcaseではソニー・ミュージックレコーズに所属する沖縄出身の女性シンガーソングライター Anlyと、SME 次世代ロック研究開発室に所属する“Neoカワイイ”ガールズバンド CHAI、SMA所属のガールズバンド ねごとをフィーチャー。日本の音楽の多様性を示す布陣となっている。

毎年、出展ブースに立って情報交換を行なうというジェーン・ルー(SMA マーケティング本部 インターナショナルマーケティング部)は、「海外の音楽関係者がここまで集まる機会は本当に貴重ですし、実際にライブを見てもらえることも大きいです。

また、音楽関係者だけではなく、この期間は『TIFFCOM』と『TIAF』も開催されているため、映像関連の関係者も多く集まります。SMAには俳優やお笑い芸人も所属していますし、彼らを紹介するのにも良い機会。もちろん音楽においてもブッキングやタイアップの可能性を探るチャンスにもなります」と意欲をのぞませる。

SMA マーケティング本部 インターナショナルマーケティング部 ジェーン・ルー

SMA マーケティング本部 インターナショナルマーケティング部
ジェーン・ルー

今年、SMAが「TIMM」において積極的に推していくバンド ねごとは、5年前に韓国のフェスに出演したことがあったものの、その後、海外展開についてはほとんど動きがなかったという。

「昨年は香港でのアニメ系イベントに出演し、今年は台湾でのロックイベントに呼んでいただいて、海外展開への機運も高まってきました。彼女たちは独自の音楽的価値観を表現していて、その音楽性は海外でも意外なところで広く受け入れられると感じています。そのため、ロック系のイベントだけでなく、さまざまな可能性を探っていきたいと考えています」(ジェーン)

SMAでは海外展開を図っていくうえで、海外ツアーやイベントへのブッキングとともに、タイアップも重視する。

「当社所属の新人女優・佐生雪が昨年、国内大手飲料メーカーのインドネシア版のCMに起用され、現地はもちろん、日本でも話題になりました。英語でInstagramも投稿していて、7万人のフォロワーがついています。同様のチャンスが『TIMM』でも見つけられるのではないかと考えています」(ジェーン)

■マネジメントとレーベルの協力体制も重要に

「TIMM」の会場では、こうした自社所属アーティストやコンテンツのアピールだけでなく、同業他社が、今、どんなジャンルの音楽を推しているか、さらには、その楽曲やアーティストをどういった手法で紹介しているのかを見ることができるので、そこから学ぶことも多いのだという。

「近年は中南米のプロモーターとも良い関係を構築でき、所属アーティストのメキシコ公演なども増えたことで、これまで点でしかなかったプロジェクトが徐々に線になってきています。昨年、LiSAがメキシコで公演を行ない、先日も東京スカパラダイスオーケストラが中南米ツアーを行なって、とても熱いライブになり成功を収めました。今年もこの部分は拡大させていきたいですね。また、テンセントなどの中国の大手企業も初めてブース出展していますし、中国マーケット進出へのきっかけもつくっていきたいと考えています」(ジェーン)

14th TIMM 商談

中国をはじめ、海外進出にはマネジメントだけでなく、レーベルなど各セクションの協力も必須だという。

「例えば楽曲を紹介したくてもYouTubeにその楽曲のミュージック・ビデオ(以下 MV)がないと紹介しづらいのが現場の実情です。日本にはアイドルやロックバンド、ダンスボーカルグループ、シンガーソングライターなど、本当に幅広い音楽のジャンルがある。でも、世界ではそれすらもよく知られていません。どの国で、誰がブレイクするのか、そのきっかけがどこにあるのかは、こういった場に来てわかることがたくさんあります。少なくとも海外に向けたアピールは、もっと工夫する必要があると感じています。

是非、会場に足を運んでもらって、海外のニーズを直接肌で感じてもらいたいですね」(ジェーン)

海外のミレニアル世代に音楽を届けていくために何をすべきか?

SMEで海外事業を推進し、「TIMM」を主催する音楽産業・文化振興財団「PROMIC」の理事も務める大竹 健(SME 役員室 本部長)は、日本の音楽コンテンツの海外展開のカギは「映像と音楽をいかにシンクロさせてアピールしていくかにある」と指摘する。

SME 役員室 本部長 大竹 健

SME 役員室 本部長
大竹 健

「アニソンが世界中で好まれている理由は、映像と音楽が融合したコンテンツであるからだと思います。昨年、ピコ太郎さんのMVが世界のチャートを席巻しましたが、このブレイクも同様です。映像がエフェクトとなり、より深く音楽を伝えてくれている。これはMVやアニメとのタイアップというだけでなく、国内外のコマーシャル映像と音楽をシンクロさせることでもチャンスが生まれると感じています」(大竹)

さらに「国内のプロモーターやマーケターは、SNSやストリーミングの使い方がまだ世界基準に達していないと感じます」と続ける。

「この10年、国内市場はCDなどのフィジカルの売上を守ることが重視され、オンラインで速効性のあるマーケティングプランを打ち出しにくい環境にあったと思います。しかし今後、特に海外のミレニアル世代に音楽を届けていくためには、フィジカルからオンラインを中心としたマーケティングに視点を変えてみたり、AIなどの最新テクノロジーを導入することも考えていく必要があるでしょう。『TIMM』は、そうした世界の音楽マーケットの実情をアップデートするのにも活用できると思います」(大竹)

海外のニーズをどこまで敏感に察知できるか、自分たちの課題点をどうやって見つけていくのか。アンテナをより高くし、その感度を上げることこそ、「TIMM」のような場に足を運ぶ目的とも言える。

「国内でも個々には海外展開に取り組む事例が増えていますが、自分の範囲内、会社単位での話で終わってしまっているように思います。SMAのジェーンも言っていましたが、『TIMM』の場で同業他社が何をやっているのか、海外のどのパートナーと組んでいるのかを知ることが重要です。また、来日した関係者が日本の音楽をどういうところで“発見”しているのかを知ることができれば、おのずと海外戦略の道筋も見えてくるでしょう。多くの音楽業界関係者にこうした場を有効活用してもらい、日本の音楽を世界に知ってもらうきっかけづくりができれば、これほど素晴らしいことはありません」

今年の「14th TIMM」では、どんなアーティストが海外展開へ羽ばたくチャンスを掴めるのか? 初ブース出展の中国企業からはどのような話が聞けるのか? 海外のバイヤーやコンサートプロモーターのニーズにはどのような変化が生まれているのか? セミナーの場では何が語られるのか? 感度の高いグローバルな音楽業界人の「TIMM」への興味関心はますます高まっている。(コンフィデンス編集部)

『1 4th TIMM』の公式サイトはこちら(新しいタブで開く)

《開催日時/会場》
【商談マーケット & セミナー】
日時: 2017年10月23日(月)、24日(火)
会場: 渋谷 エクセルホテル東急
〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂1-12-2(渋谷マークシティ内)

【JCS合同セミナー、マッチングイベント】
日時:2017年10月25日(水)
会場:池袋サンシャインシティ コンベンションセンター
〒170-0013 東京都豊島区東池袋3-1

【TIMM 連携イベント (ライブ・ミュージック ショーケース)】
日時:2017年10月23日(月)、24日(火)、25日(水)
会場:TSUTAYA O-EAST (Shibuya)
〒150-0043 渋谷区道玄坂2-14-8

■主催(Japan Content Showcase):
経済産業省
一般財団法人音楽産業・文化振興財団 PROMIC
公益財団法人ユニジャパン
一般社団法人日本動画協会

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