イメージ画像
イメージ画像
連載Cocotame Series

必見! 「舞台 PSYCHO-PASS サイコパス Virtue and Vice」舞台稽古潜入レポート

2019.04.22

  • Twitterでこのページをシェアする(新しいタブで開く)
  • Facebookでこのページをシェアする(新しいタブで開く)
  • LINEでこのページをシェアする(新しいタブで開く)
  • はてなブックマークでこのページをシェアする(新しいタブで開く)
  • Pocketでこのページをシェアする(新しいタブで開く)

2019年4月18日から東京・大阪で上演される「舞台 PSYCHO-PASS サイコパス Virtue and Vice」は、アニメ「PSYCHO-PASS サイコパス」シリーズの世界観をもとにオリジナル脚本を書き下ろしたスピンオフ作品。鈴木拡樹演じる公安局刑事課三係監視官・九泉晴人(くせんはると)と和田琢磨演じる同監視官・嘉納火炉(かのうひろ)がバディを組み、連続バラバラ殺人事件の謎に迫っていく。今回は、貴重な舞台稽古の模様をレポートする。

「今までにないアクションを」──本広克行の思いを形にした自由な発想のアクション演出

東京都内、某日。この日行なわれたのは、アクションシーンの稽古。スタジオの扉を開けてまず驚いたのが、稽古場いっぱいに組まれた巨大な2階建てのセットだ。階段で上階に登れる上、シーンに応じてさまざまな形に組み替えられる可変式になっている。アニメの総監督であり、本舞台でも演出を務める本広克行氏の前にはステージセットの模型も。この模型を使い、セットの配置と役者の動きをチェックしながら演出していくようだ。

殺陣・アクション監督は、数々の舞台で殺陣やアクションを指導してきた奥住英明氏(T.P.O. office)。本広氏からは「今までにないアクションを」というオーダーがあったと話す。「アクション監督は、アクションに関する構成を決める権限を持っています。本広さんの指示を受け、『それなら空でも飛ばして撃ち倒しちゃいます?』と自由な発想でアクションを提案しました。今までの舞台構成とは違う、斬新なアクションをお見せしたいですね」(奥住氏)。

その言葉どおり、カメラやスクリーンを使った演出も取り入れている本舞台。セットを活かした躍動感あふれるアクションに期待が高まる。

刻々と変わるアクションに即時対応。キャストの瞬発力に驚嘆!

今回の舞台で描かれるのは、連続バラバラ殺人事件をめぐるオリジナルストーリー。監視官の九泉晴人と嘉納火炉が事件の捜査を進めていくと、街にバラバラ死体が撒かれるという市民の色相悪化を狙ったサイコハザードが発生する。同時に、武力闘争組織「ヒューマニスト」が犯行声明を上げ、さらに大きな事件を予告する……というのが序盤の展開だ。

この日の稽古では、サイコハザード発生現場でのアクションシーンが作られていった。和田琢磨が演じる嘉納が執行官とともに現場の混乱を収めていると、鈴木拡樹が演じる九泉が応援に駆け付けるというシーンだ。奥住氏指導のもと、まずはひとつずつアクションをつけていく。稽古場の下手で和田が暴徒を制圧したところへ、鈴木が演じる九泉が執行官を引き連れて上手から登場。監視官と執行官、そして暴徒たちが乱戦を繰り広げるというのが大きな流れだ。早々に敵を倒した和田は、歌舞伎の見得を切るようなポーズを決めて余裕しゃくしゃく。周囲のスタッフを笑わせ、場を和ませていた。

嘉納火炉役の和田琢磨は、稽古場を和やかなムードにしていた。

一方、鈴木は一つひとつのアクションを丁寧になぞっていく。ドミネーターを構えた状態で舞台に現われるか、それともしまったままのほうがいいか、本広氏や奥住氏と相談する場面も。鈴木が率先してさまざまなパターンを試し、結果として「ドミネーターを手にして入ってきたものの、敵の人数が多いからしまう」という演出に。

ただし、ドミネーターを収納するケースは腰の後ろに装着している。ケースの位置を目で見て確認することもできないため、スムーズにしまうのはなかなか難しい。ドミネーターは値の張る小道具とあって、「落としたら大変だね」と声をかける奥住氏。すると、執行官・大城奏人(おおしろかなと)役の池田純矢が「拡樹君は完璧だから大丈夫!」と返し、稽古場に笑いが広がる。アクションの練習では緊張感がみなぎるが、ひとたび動きが止まると演者を中心に和やかなムードが漂っていた。

池田純矢のダイナミックなアクションも見どころ。

今回の舞台には、10人以上のアンサンブルキャストも参加している。スタントができるキャストもいるため、ダイナミックなアクションで見せ場を作ってくれそうだ。稽古では、鈴木や和田のアクションを受け、宙返りしたり階段をずり落ちたりする場面も。彼らがいるからこそ、アクションシーンが華やかに際立つことを改めて認識させられた。

ひと通りアクション指導が終わったところで、そこまでの動きをゆっくり再現することに。嘉納に加勢して暴徒を倒す九泉、アクロバティックなアクションを見せる大城、激戦のなかでも服装を気にする井口(中村靖日)など、ステージ上では同時多発的にバトルが発生。ステージを見つめる本広氏と奥住氏は、それぞれの動き、舞台上のバランスをチェックしていく。

セリフとアクションのタイミングを合わせるため、「このセリフはカットしよう」「この動きを追加して」と細かい調整が入ることもしばしば。そのオーダーに応えつつ、臨機応変にアクションを変えていくキャストの瞬発力、応用力、記憶力に圧倒される。実際に動きながらアクションの流れを体で覚え、新たな指示が入ればその都度動きをアップデートする。そのうえで、キャストから「こうしたほうがカッコよく見えるのでは」という提案もしていく。軽々とこなしているが、素人からすればとんでもない離れ業としか思えない。

ヒューマニストのリーダー・三島慎吾役の高橋光臣。稽古でも熱演が光っていた。

しかも舞台全体からすると、この場面はごく一部。ほかのシーンも見学したが、警棒を使った殺陣、セットを活かした立体的なアクションも。多数のアクションシーンが盛り込まれているため、何度も稽古を繰り返し、一つひとつの動きを体に刻んでいくキャストの姿が印象的だった。もちろんアクションシーンに限らず、通常の芝居もしっかり流れを作らなければならない。和田は「『こんなに頑張ってるんです!』ってお客さんにも見せたい」と冗談交じりに話していたが、その言葉にも納得。細部まで目を配り、時間をかけてひとつのシーン、ひとつの舞台を作り上げる様子は、それ自体が映画のワンシーンのようだった。

目まぐるしく変わる演技構成にも主演の鈴木拡樹はじめ、全員が瞬時に対応していた。

約1カ月の稽古を経て、いよいよ幕を開けた「舞台 PSYCHO-PASS サイコパス Virtue and Vice」。魂のこもった演技とアクション、かつてない演出は一見の価値がある。

「舞台 PSYCHO-PASS サイコパス Virtue and Vice」

【公演日程】
<東京>
2019年4月18日(木)~4月30日(火・祝)
日本青年館ホール

<大阪>
2019年5月3日(金・祝)~5月6日(月・祝)
森ノ宮ピロティホール

※5月6日(月・祝)、全国の映画館62カ所にて大千秋楽公演のライブビューイングが決定

【キャスト】
鈴木拡樹・和田琢磨 中村靖日 多和田任益 小澤雄太 町井祥真・池田純矢 高橋光臣 山崎銀之丞

【ボイスキャスト】
常守朱(CV花澤香菜) 禾生壌宗(CV榊原良子) ドミネーター(CV日髙のり子)

【スタッフ】
原作:サイコパス製作委員会
演出:本広克行
脚本:深見真
音楽:菅野祐悟
ストーリー監修:Production I.G
制作:ソニー・ミュージックエンタテインメント、ポリゴンマジック
主催:舞台「サイコパス」製作委員会

------------------------------------------

【主題歌】
凛として時雨「laser beamer」好評配信中(ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズ)

 width=

------------------------------------------

「舞台 PSYCHO-PASS サイコパス Virtue and Vice」公式サイトはこちら(新しいタブで開く)

©サイコパス製作委員会 ©舞台「サイコパス」製作委員会

  • Sony Music | Tech Blogバナー

公式SNSをフォロー

ソニーミュージック公式SNSをフォローして
Cocotameの最新情報をチェック!