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「SPYAIR」ライブレポ&インタビュー『ANI-ROCK FES. 2018/銀魂 LIVE CARNIVAL 2018』【特集第13回】

2018.6.1

Report

Live/Event

アニメ作品と音楽という、異なるカルチャーを愛するファンたちが、共に楽しめる場を創りたい。そんな想いから誕生した音楽フェス、それが『ANI-ROCK FES.』だ。

Cocotameでは、『ANI-ROCK FES. 2018』に出演した全11組のアーティストのライブレポートと突撃インタビューを敢行! アニメと音楽がクロスオーバーした先に、どんなステージが生まれたのかを時系列で明らかにしていく。

『銀魂 LIVE CARNIVAL 2018』そして『ANI-ROCK FES. 2018』としてもトリとなるSPYAIRのライブレポートとライブ直前インタビューをお届けする。

SPYAIRライブ直前インタビュー

――皆さんは、『銀魂』のイベントにこれまでも多数出演されています。前回、2016年の「ANI-ROCK FES.」にも出演されていましたし、『銀魂』との付き合いも長くなりましたね。

UZ(Gt./Pr):そうなんですよ。『銀魂』への想いも強くなりますよね。

――特に思い入れのあるキャラクターは誰ですか?

KENTA(Dr):『銀魂』と聞くと「サムライハート(Some Like It Hot!!)」の思い出が強力なので、(泥水)次郎長ですね。

MOMIKEN(Ba.):「サクラミツツキ」がオープニングテーマだった「一国傾城篇」で活躍していた月詠さんですね。月詠さん、良いですよね。あの「わっち」というのが良い(笑)。

IKE(Vo.):好きなキャラクターは今までもよく聞かれているんですが、僕はやっぱり定春ですね。

UZ:僕はもう、神楽ちゃんで!

IKE:みんな結構、首尾一貫してるよね。

UZ:神楽ちゃんが好きすぎて、去年のハロウィーンではコスプレもしました。

IKE:あれは完璧だった!(笑)

UZ:『劇場版銀魂 (完結篇 万事屋よ永遠なれ)』で「現状ディストラクション」を主題歌にしていただいてるんですけど、映画で神楽ちゃんが大人になるんですよ。あれはかわいかったですねー。

――揺るぎない『銀魂』愛を感じますね。ところで、SPYAIRヒストリーにおいても、『銀魂』はスペシャルな存在ではないかと。

IKE:本当にそうですね。去年秋に出したアルバム『KINGDOM』に入っている「スクランブル」もゲーム『銀魂乱舞』のテーマソングにしていただきましたしね。そして今日、ステージで発表するんですけど、7月からの『銀魂 銀ノ魂篇』のオープニングテーマに決まりました!

UZ:もう5曲目ですよ!

KENTA:短い尺のステージなら、『銀魂』の曲だけでできちゃうよね(笑)。

IKE:今日はアニメファンの皆さんに、感謝を伝えるイベント。僕らはそういう世界で生きてきたので、皆さんに求められる曲を聴かせてあげたい。昨日の『ハイキュー!!』も、今日も、それを意識したセットリストにしています。

――そういった意味も含め、これまでの『銀魂』楽曲を振り返って、それぞれ印象深い曲を教えていだけますか?

UZ:僕は完全に「サムライハート (Some Like It Hot!!)」ですね。デビューして3枚シングルを出して……言い方を選ばずに言えば、SPYAIR、全然売れなかったんですよ(苦笑)。ほんとに崖っぷちの時期で、これ以上売れなかったら地元に帰るしかないくらい、追い込まれていた状況で。

SPYAIR「サムライハート (Some Like It Hot!!)」(2011年6月8日発売)

SPYAIR「サムライハート (Some Like It Hot!!)」(2011年6月8日発売)

そんな時に「サムライハート (Some Like It Hot!!)」を『銀魂』のエンディングテーマにしていただいて、初めてプチヒットしたんです。これが世の中に広がるということなんだ! という体験をさせていただいた。SPYAIRは『銀魂』に救われたんです。東京に残って音楽を続けられたのは、本当に『銀魂』のおかげ。感謝してます。

IKE:僕は「スクランブル」かな。『銀魂』との歴史の中で、最初の「サムライハート (Some Like It Hot!!)」ももちろん印象深いんですが、今の僕らの状況を含め現在進行形で走っている曲は「スクランブル」という気がする。ライブでも、最近よくやっているので、これからもっと浸透してくれたら嬉しいですね。

KENTA:僕は「現状ディストラクション」かな。僕らにとって初めての劇場版の曲だったから、絶対に公開初日に観ようと決めていたんです。でも、人気のある作品なので映画館に行っても席が全然空いてなくて、唯一取れたのが、一番前の列の左端だったんです。

SPYAIR「現状ディストラクション」(2013年7月3日発売)

SPYAIR「現状ディストラクション」(2013年7月3日発売)

スクリーンを見上げながら、自分達の曲が流れた時、SPYAIRを救ってくれた『銀魂』を劇場で観ていることに感激したし、首が痛かったことも含めて(笑)、めちゃめちゃ記憶に残っていますね。

ライブでもかなり盛り上がる1曲なので、みんなが求めてくれる楽曲になっているのが、素晴らしいなと思います。

MOMIKEN:僕は「サクラミツツキ」ですね。僕らの転機になった「サムライハート (Some Like It Hot!!)」があって、そこからまた『銀魂』とコラボしたい気持ちになっていた時に、再びオープニングテーマの話をいただいた曲なんですね。また関われるのが嬉しくて、『銀魂』への想いが強すぎたのか、同時期に手がけていて本当は先に作るべきだった曲よりも、「サクラミツツキ」のほうが先にできちゃったんですよ(笑)。

原作にも笑いと涙と感動があるし、哀愁もある。曲自体にも切なさと疾走感があって、走るようにペンが進んだんです。あんなふうに歌詞を書けることはなかなかないですし、タイトルを決めるのにもいつもは時間がかかるんですけど、すぐ決まりました。すごく思い出深いですね。

SPYAIR「サクラミツツキ」(2013年3月13日発売)

SPYAIR「サクラミツツキ」(2013年3月13日発売)

――1曲1曲に、思い出が詰まっていますね。

UZ:そうなんです。こうしてたくさんアニメソングを担当させていただけることには、感謝しかないですね。日本の皆さんに届くのはもちろんですけど、ジャパニーズアニメは世界中にファンが多い。『ハイキュー!!』の曲も『銀魂』の曲も、俺らが行ったことのない国でも、ライブに行くとその曲を待っている人が必ずいるんです。ジャパニーズアニメのすごさを、海外に行くたびに実感しますね。

KENTA:アニメのテーマソングをやると、めちゃくちゃ沸きますしね。

UZ:そう。とくに「サクラミツツキ」は、イントロを弾いた瞬間にドーン!となります。

KENTA:英語じゃなく、日本語のままみんなが合唱してくれるし、会場の声がIKEよりデカいときもありますよ、国によっては(笑)。

IKE:もう、僕いらないんですよ(笑)。でも、ほんとにいろいろなものがある中で、一番広く世界に僕らの音楽を伝えてくれたのがジャパニーズアニメ。アニメのスタッフさんも含めて、作品と一緒に作り上げるた楽曲たちを、これからも大切にしていきたいですね。

SPYAIRライブレポート

『ANI-ROCK FES. 2018』出演者は残すところあと1組となり、スクリーンで繰り広げられるアーティストクイズはお約束ということで引き続き敢行。ヒントの「僕らはよくインタビューで銀魂に救われたバンドだと答えています」というメモに喜ぶ坂田銀時(以下、銀さん)だが、その続きに「実はハイキュー!!にも救われてます」と書かれており、「とんだ尻軽じゃねーか!」と怒り出す。

だが『銀魂』とはTV、映画、ゲームで縁のあるSPYAIR。銀さんも「最後は任せたぞ!」とエールを送り、この日最後のライブの幕が開ける。

どこからともなく聴こえてきた“Hey! Hey! サムライハート”という声に、客席も手拍子と大合唱で応えて瞬く間に会場が一体に。1曲目は『銀魂』のエンディングテーマ「サムライハート (Some Like It Hot!!)」。のっけからタオルを回して、バンドもお客さんも『銀魂』が取り持った空間を全力で楽しむ。

『ANI-ROCK FES. 2018/銀魂 LIVE CARNIVAL 2018』SPYAIRのステージ

演奏後も声援が止むことはなく、IKEが「ようこそ『銀魂 LIVE CARNIVAL』へ!」と威勢よく声を放って「RAGE OF DUST」へ。さらに「WENDY ~It’s You~」ではコール&レスポンスで盛り上げ、更に観客を煽っていく。

だが、この日はトリの大役。会場がすでに温まり切っているのはもちろん、バンドの気合いも並々ならぬもので、熱気は前日を凌駕するものだったように思う。

そしてギターの感傷的なフレーズをイントロに、『銀魂(第2期延長戦)』のオープニングテーマ「サクラミツツキ」が奏でられる。出会いと別れ、そして再会の約束を描いた歌詞は、伝説の花魁・鈴蘭を巡るアニメの物語とマッチしたもの。スクリーンにはその印象的なシーンにサクラの花びらのエフェクトを加えた映像が流され、一層ドラマチックな雰囲気に。

そこから畳みかけるようにハード&グルーヴィーな「ROCKIN’ OUT」へと移り、IKEの「まだまだ行けますかー!」という呼びかけに、ますます奮い立たされたオーディエンスは、続く「ジャパニケーション」でさらなる高みへ。

『ANI-ROCK FES. 2018/銀魂 LIVE CARNIVAL 2018』SPYAIRのステージ

ここでIKEは『銀魂』と『ハイキュー!!』に対する想いについて、ゆっくりと語り始める。「アニメは人を繋いでくれます。僕らの届けられなかったところまで、僕らの楽曲を届けてくれました。『銀魂』大好き、ありがとう!決して『ハイキュー!!』に浮気したわけじゃないからね(笑)。全部好きだから」。

そしてラスト2曲、まずはPlayStation®4・PlayStation®Vita用ゲーム『銀魂乱舞』のテーマソング「スクランブル」。徐々に勢いを増していくようなメロディー、一気に視界が開けるようなサビの開放感に、1万人を超える観衆が酔いしれる。

『ANI-ROCK FES. 2018/銀魂 LIVE CARNIVAL 2018』SPYAIRのステージ

そこから荒々しいビートで勢いをつけ、「現状ディストラクション」へ。発破音と共に銀テープが降り注ぎ、会場の高まりは最高潮。

『ANI-ROCK FES. 2018/銀魂 LIVE CARNIVAL 2018』SPYAIRのステージ

すべてをなぎ倒すようなパワフル極まりない演奏に、IKEの魂を焦がすような歌声。“真っ白なまま 燃え尽きていたい”という言葉がひしひしと伝わってくる。歌詞の最後の一節、IKEの“今という今を生きる”という歌を受けて、会場が声をひとつにして“その為に”と返し、最高の景色を見せてライブは終了した。

最後に「あらためて『銀魂』に人生救われてると思います」と語ったIKE。さらに7月から再開する『銀魂』でオープニングテーマを担当することを報告し、会場が歓喜の声で包まれたことは言うまでもない。

そしてSPYAIRライブ後、フェスの締め括りはやはり万事屋の3人組がスクリーンに登場。坂田銀時が「最後にもう一度グッズを見ていってくれ」と守銭奴なところを見せつつ、アーティスト、スタッフ、そして何よりお客さんのみんなに感謝を伝え、大団円となった。

両日ともにアニメ作品と音楽の両方への熱い想いで貫かれたイベントだったように思う。願わくば、これからも第3回、第4回と、末永く続けてほしい。

<セットリスト>
1.サムライハート(Some Like It Hot!!)
2.RAGE OF DUST
3.WENDY ~It’s You~
4.サクラミツツキ
5.ROCKIN’ OUT
6.ジャパニケーション
7.スクランブル
8.現状ディストラクション

SPYAIRオフィシャルサイト
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テレビアニメ『銀魂』をおさらい

週刊少年ジャンプで好評連載中の『銀魂(作者:空知英秋)』を原作としたテレビアニメ。

舞台は、地球が「天人」と呼ばれる宇宙人の襲来を受け、攘夷戦争ののち天人の侵略を受け入れて開国した江戸時代末期。攘夷志士が弾圧され、天人たちが闊歩する江戸の街で、謎の過去を持つ風変わりな侍・坂田銀時(以下、銀さん)が何でも屋「万事屋」を開く。

そこに転がり込んできた、剣術道場のひ弱な跡取り息子・志村新八(以下、新八)、宇宙最強の戦闘民族「夜兎族」の少女・神楽、犬のような巨大宇宙生物・定春たちが、江戸を舞台に笑いあり、涙あり、シリアスなドラマありの、破天荒な活躍を繰り広げる。

『銀魂 LIVE CARNIVAL 2018』では、銀さん、新八、神楽の万事屋メンバー達が登場し、個性あふれる掛け合いで、『ANI-ROCK FES.』を盛り上げる。

イラスト上段左から志村新八、坂田銀時。下段左から神楽、定春。

イラスト上段左から志村新八、坂田銀時。下段左から神楽、定春。

 

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――特集第2~13回目は、ライブレポート&インタビュー――

(C)空知英秋/集英社・テレビ東京・電通・BNP・アニプレックス

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