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連載Cocotame Series

50年の歩み~meets the 50th Anniversary~

100年ブランドを目指す「ボンカレー」のこれから

2018.05.29

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2018年は、ソニーミュージックグループが生まれて50年という節目の年。本連載「50年の歩み ~meets the 50th Anniversary~」は、同じく50年目を迎える企業、商品、サービスを取り上げ、その歴史を紐解くことで、「時代」を浮き彫りにするという特別企画だ。

シリーズ2「ボンカレー」編の第3回では、現在とこれからの「ボンカレー」が明らかになる。「ボンカレー」を100年ブランドにするために必要なものとは?

全17種をラインナップする「ボンカレー」

── かつての「ボンカレー」は独身男性の友というイメージが強かったのですが、現在はどういった層から支持を集めているのでしょうか? 「ボンカレー」の“今”についても教えていただければ。

中島:今は、以前と比べてより幅広い方々にご愛顧いただけるようになりました。手頃な価格の『ボンカレーゴールド』は30~40代の男性やファミリー層が中心なのですが、内容量の多い『ボンカレーネオ』は若い男性に人気など、シリーズごとに異なっています。

『ボンカレーネオ 中辛』

『ボンカレーネオ 中辛』

── やはり内容量の多い商品は若い男性から人気なんですね。

中島:初代『ボンカレー』は180gでしたが、1989年の『ボンカレーゴールド200』で200gに増量、『ボンカレーネオ』は230gとなっています。ただ、全体としては健康ブームなどに伴う小食化の影響もあって、元の180gが主流となってきていますね。

── 現在の「ボンカレー」のラインナップ(レギュラー製品)は何種類くらいあるのでしょうか?

中島:沖縄限定の商品も含めると、7シリーズ17製品となっています(編集部注:次回更新で、編集部による全レギュラー製品食べ比べレビューを行ないます。お楽しみに!)。

── それらの中で一番人気はどれでしょう?

中島:やっぱり『ボンカレーゴールド 中辛』が大定番ですね。頭ひとつ抜けています。その次が『ボンカレーゴールド 甘口』です。「甘口」というとお子様向けの味付けと思われる方も多いのですが、ボンカレーの「甘口」はフルーツの自然な甘みを売りにしています。辛いものが苦手という方はもちろん、そうではない方にも美味しく食べていただけると思います。

『ボンカレーゴールド 中辛』

『ボンカレーゴールド 中辛』

『ボンカレーゴールド 甘口』

『ボンカレーゴールド 甘口』

── 「甘口」と言われると子どもの頃に食べたきりなのですが、そう言われると気になりますね。シリーズの中には、沖縄限定の『ボンカレー』というのも存在するんですね。

中島:はい。実は沖縄は、今でも初代『ボンカレー』の人気がとても高く、電子レンジ調理対応の『ボンカレーゴールド』や『ボンカレーネオ』も販売していますが、販売数の約9割が、初代『ボンカレー』となっています。そのため、徳島の製造工場では月に1度、沖縄のために50年前の味わいを再現し続けています。

── 何か理由があるんでしょうか?

中島:沖縄には、最初に入ってきたものを愛好し続けてくださるという県民性があるとのことで、初代『ボンカレー』もそれが理由で長く支持されているのではないかと分析しています。また、沖縄の水道水は本州と異なり硬水のため、ご飯が固く炊き上がる、つまり昔のドロッとしたカレーの方が合うといった事情もあるようです。

── では、沖縄に行けば、今でも50年前の『ボンカレー』を味わうことができるんですね。

中島:はい、時代とともに味付けを進化させている『ボンカレーゴールド』とは異なり、『ボンカレー』は今でも50年前の味わいを、そのまま守っています。そのため沖縄のお土産に『ボンカレー』を買って帰られる方も多いと伺っています。また、松山容子さんが描かれたパッケージが懐かしいと、インスタにアップしてくださる方もいらっしゃいます。ちなみに、この沖縄限定『ボンカレー』は、インターネットの公式通販でも取り扱っていますので、ご興味のある方はぜひ、ご利用ください。『ボンカレーゴールド』などとは全く異なる味付けですが、若い方にはそれを新鮮に感じる人も多いようですね。

沖縄限定商品『ボンカレー』

ボンカレーの「レトルト」技術がこれからの日本社会を救う!?

── 「ボンカレー」の歴史はレトルト食品の歴史でもあるわけですが、大塚食品では、カレー以外のレトルト食品も取り扱っているのですか?

中島:はい、ひとつは料理人・道場六三郎さん監修の「銀座ろくさん亭」シリーズとして、ちらし寿司や釜めし、そしてカレー、ハヤシライスなどをレトルト食品化しています。そしてもうひとつが、「マイサイズ」というローカロリー訴求の製品。こちらは調剤薬局向けに「マイサイズ いいね!プラス」という高齢者に向けた、塩分1gや、タンパク質10gのものも展開中です。

── レトルト食品の技術を健康食品にも活用されているんですね。

中島:ええ、常温で長期保存ができるレトルト食品の特性が、こうした高齢者向けの食品にぴったりなんです。高齢者の方から、これは常温、これは冷蔵、これは冷凍といった仕分けを煩わしく感じるという声をいただくことがありまして、レトルト食品ならそういったことを気にせず買い置きできるので、好評をいただいています。さらに言うと、我々のレトルト食品は電子レンジ調理に対応しているため、火を使う必要がありません。さまざまな意味で、高齢者の方にも安心してご利用いただける食品というわけです。

── レトルト食品の強みを最大限生かされていますね。

中島:そのほかにも、日常生活の中でも味の好みが異なる家族が、同じ食卓で、それぞれ自分の食べたい辛さのカレーを食べたり、災害が起きた時の備蓄用など、レトルト食品が役立つシーンはたくさんあります。

そうした活用法の広がりもあって、実は昨年、遂にレトルトカレーの市場規模が、固形ルーの市場を逆転しました。

── 今や、カレー=レトルトカレーになっているんですね。

“「ボンカレー」=国民食”から“世界の「ボンカレー」”へ

── 「ボンカレー」の今後の目標について、教えてください。

中島:50年、続けてきた商品なので認知度については、それなりのものがあると思っています。ただ、レトルトカレーひとつ取っても、各社からたくさんの商品が発売され、人それぞれ味の趣向が異なる中で、若い人の中には「ボンカレー」を食べたことがないという人も増えてきているのが事実。今後、「ボンカレー」が次の50年を歩み、100年ブランドとして続いていくためには、まずは手に取って、食べていただかなければなりません。

また、残念ながら50年経った今も、「レトルト食品」の技術の素晴らしさをきちんとお伝えし切れていないという忸怩たる思いもあります。それは逆に言えば、伸びしろがまだあるということなので、今後は商品開発に加えて、そうしたコミュニケーションにも力を入れていきたいです。「ボンカレー」のホームページに、プロの料理家やブロガーさんたちの考案したアレンジレシピを載せたりしているのもその一環です。遅ればせながらTwitterアカウント(@boncurry_jp)も今年、開設しました。今後は、ここから最新情報を発信していく予定ですので、ぜひフォローしていただけたらうれしいです。

── 海外展開についてはどのように考えていらっしゃいますか?

中島:まさにそこが、次の50年の課題だと考えています。既に上海に工場があり、現地で材料を調達するかたちで「ボンカレー」を製造・販売しているのですが、食文化の違いもあり、まだこれからという段階です。欧米も冷凍食品文化が強く、レトルト食品の認知があまり進んでいないという課題があります。こうした状況を踏まえつつ、今後はアジアを皮切りに、「ボンカレー」とレトルト技術を世界中に広めていきたいと考えています。特に2020年は東京が世界から注目される年になるので、「ボンカレー」も世界の皆さんに知っていただく大きなチャンスです。いろいろな展開を練っていしますので、今後の「ボンカレー」の飛躍にご期待ください!

ボンカレーの公式サイト(新しいタブで開く)

取材/文:山下達也(ジアスワークス)
撮影:松浦文生

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