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“かゆみ”と戦い続けて50年!! 『ウナコーワ』の正しい使い方と選び方、知ってますか?【連載第19回】

2018.10.16

Interview

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ウナコーワ

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2018年は、ソニーミュージックグループが生まれて50年という節目の年。本連載「50年の歩み ~meets the 50th Anniversary~」は、同じく50周年を迎える企業、商品、サービスを取り上げ、その歴史を紐解くことで、「時代」を浮き彫りにするという特別企画だ。

今回取り上げるのは、虫さされの定番薬「ウナコーワ」。

多くの人が1度は使ったことがあるであろうこの薬が、どのようにして誕生し、進化してきたのか。さらに「ウナコーワ」の正しい使い方から選び方まで、メーカーの担当者に聞く!

120年以上の歴史を持つ興和が生み出した虫さされ薬

興和株式会社 医薬事業部 ヘルスケア国際営業本部 営業企画部 部長 服部祐典さん

興和株式会社
医薬事業部 ヘルスケア国際営業本部
営業企画部 部長
服部祐典さん

――まずは興和株式会社の歴史について教えてください。

服部さん:興和株式会社は、1894年に綿布問屋として創業した、120年余の歴史を持つ企業です。「興和グループ」の中核企業として、繊維・機械・建材などの輸出入や、3国間貿易を行なう“商社”機能と、医薬品・医療機器・環境・省エネ関連製品などの“メーカー”機能を併せ持ち、その事業フィールドは多岐にわたっています。

―― 一般消費者としては、「ウナコーワ」や「キャベジンコーワ」「バンテリンコーワ」など、コーワ=医薬品というイメージが強いと思いますが、それはあくまで「興和グループ」というグループ企業のひとつの側面なんですね。では、50年前に『ウナコーワ』を発売した背景についても聞かせてください。

服部さん:『ウナコーワ』を発売した1968年頃は、日本の生活環境が今とはだいぶ違っていて、たとえばクーラーの普及率はまだ5%前後だったと言われています。玄関や窓も風通しを良くするために開けっぱなしというのが普通だったんですよね。当時の日本の住宅の窓には、一般的に網戸が設置されていなかったため、そこかしこに虫が入ってきてしまう。虫さされは“夏の風物詩”といった感じでした。

虫よけと言えば「蚊帳」か「蚊取り線香」かという時代。それで、虫に刺されたときにサッと塗れる薬があったら良いんじゃないかということで開発したのが『ウナコーワ』。当時すでに他社から、クリームタイプの虫さされ薬が発売されていたのですが、刺されたらサッと塗れる容器入りの液体タイプを採用し、差別化を図りました。

――発売当時から、あのサッと塗れる液体タイプだったんですね。お客さんの反応はいかがだったのでしょうか?

服部さん:製品そのものが優れていたことに加え、弊社は当時からプロモーション戦略に力を入れていたこともあり、テレビCMや新聞広告などで大きな反響をいただいたと聞いています。最初の広告キャラクターは、ピンキーとキラーズさんで、「ピンキーは平気よ ウナもってるの……」というコピーが話題になったそうです。その後も、たくさんの著名タレントのみなさんにご登場いただいています。

――ところで「ウナコーワ」の「ウナ」にはどういう意味があるんですか?

服部さん:「かゆみに素早く効く!」という想いを込めたブランド名です。私も含め、今の人たちには全くなじみがないと思うのですが、至急電報=ウナ電に由来します。英語で「至急」を意味する「URGENT」のモールス符号を、和文モールス符号に当てはめると「U」が「ウ」、「R」が「ナ」となることから、ウナ電と呼ばれていました。ちなみに、当時は至急振込のことを「ウナフリ」と言うなど、ウナ=速いという意味が定着していたようですね。

――なるほど。そういった歴史を背景にしたネーミングだったんですね。では、話を変えさせていただいて、今夏はとんでもない猛暑で、その結果、蚊も元気がなくなってしまっているという報道がされていましたが、それは本当なのでしょうか?

服部さん:気温が35度を超えると、蚊の活動は大幅に弱まると言われています。今年は35度を上回る日が全国各地で続きましたが、この暑さは蚊にとっても厳しかったようです。なお、多くの蚊は26~31度くらいで最も盛んに吸血活動を行なうとも言われています。

――実感としても今年の夏はあまり蚊に刺されなかったような気がします。ただ、去年などは10月にも30度近くという暑さが続いていましたから、今年もまだ油断できませんね。

『新ウナコーワクールリニューアル55mL』

『新ウナコーワクールリニューアル55mL』

「ウナコーワ」の正しい選びかた

――かゆみのメカニズムについてお伺いします。そもそもなぜ蚊に刺されると、痛くなるのではなく、かゆくなるのでしょうか?

服部さん:蚊は卵を育てるためにタンパク質が必要で、ヒトや動物の血を吸います。そのため、血を吸うのはすべてメスでオスは吸血行動をしません。蚊に刺されると、蚊のだ液を異物と認識して、体内でヒスタミンが放出されます。このヒスタミンが、かゆみを伝える神経線維末端の「ヒスタミン受容体」に結合すると、かゆみ信号が発生するんです。

ウナコーワがかゆみを抑えるメカニズム図版

そして「ウナコーワ」は、ふたつの主要成分でかゆみを素早く、しっかり止める薬です。まず、局所麻酔剤「リドカイン」でかゆみ信号の伝わりをストップさせ、ヒスタミン受容体にヒスタミンが結合することをブロックする「ジフェンヒドラミン塩酸塩」でかゆみの元をブロックする作用があります。その上で、「l-メントール」「dl-カンフル」といった清涼化成分の働きで、ひんやり、クールな感じを与えるのです。

――こうした成分は、この50年間変わっていないのでしょうか?

服部さん:実は「ウナコーワ」は、時代の変化とともに、少しずつ進化を続けています。虫さされのかゆみには、刺されてすぐにかゆくなる「即時型反応」と、時間が経ってからぶり返すようにかゆくなる「遅延型反応」とがあります。虫に刺されてしばらくしてからぶり返すようなかゆみには、「遅延型反応」を念頭において、赤み・はれにすぐれた効き目を発揮する成分を配合する『ウナコーワエースL』(液体タイプ)や『ウナコーワエースG』(ジェルタイプ)がおすすめ。屋外でのアクティビティなど、虫の多い場所に行く際にはこちらをお持ちいただきたいですね。

ウナコーワがかゆみを抑えるメカニズム図版

『ウナコーワエースL』(液体タイプ)

『ウナコーワエースL』(液体タイプ)

『ウナコーワエースG』(ジェルタイプ)

『ウナコーワエースG』(ジェルタイプ)

――当初は液体タイプでスタートした「ウナコーワ」ですが、今は成分や容器の形状などが異なる、さまざまなタイプの製品を販売されていますよね。これはどのように使い分ければいいのでしょうか?

服部さん:そうですね。家などで使うときには新ウナクールがスタンダードですが、お出かけ用には、プチサイズの『プチウナコーワ』という携帯型商品も用意しています。ほかにも、より一層清涼感を得たいときには「l-メントール」「dl-カンフル」を増量した『ウナコーワクールパンチ』など、シチュエーションに合わせて使い分けていただければと思います。

海外でも大人気!! 「ウナ」が世界の共通語になる?

――ウナコーワの進化について、この50年で成分以外に進化したポイントを教えてください。以前の製品でやっていた「もろこしヘッド」のような工夫が使用感とともに記憶に残っているのですが、なぜやめてしまったのでしょうか?

服部さん:「もろこしヘッド」は今でも健在です。先ほどお伝えした、よりクールな清涼感を追求している『ウナコーワクールパンチ』で、今でも採用されています。

――それは知りませんでした!

服部さん:ちなみに「もろこしヘッド」は、興和のスタッフが研究に研究を重ねて生み出した自慢のブラシ。塗り心地が良くなるよう、ブラシの配置・本数やプラスチック材質などをとことん吟味して誕生しました。ブラシの本数は成型可能な最大限となる“4列89本”、さらに先端を中央に集中させ、先端の密度を高めた形状にしています。これによって、表面張力が働き、薬液がブラシ先端に留まるので、必要な箇所に必要な分だけ、スムーズに塗布できるようにしています。

『ウナコーワクールパンチ』にも、もろこしヘッドが採用されている

『ウナコーワクールパンチ』にも、もろこしヘッドが採用されている

――ほかに、そうした形状面での工夫があればお話を聞きたいです。

服部さん:全く変わっていないように見える、通常の「ウナコーワ」のヘッド部分のスポンジも、何度となく改良を重ねてきています。汚れがつきにくく、より塗りやすい構造を追求しているんですよ。

――あと、ずっと気になっていたのですが、「ウナコーワ」はどこに保存しておくのがベストなのでしょうか? ネットで調べると冷蔵庫に保存するという人もいました。これは正しい保存法なのでしょうか?

服部さん:詳しくはそれぞれの添付文書をお読みいただきたいのですが、室温保存で問題ありません。冷蔵庫で冷やすというのは、薬液を塗ったときの冷たい刺激を求められてのことかもしれませんが、冷蔵庫での保存は興和としてはお勧めしていません。おそらく冷やした方が効くという誤った認識が広まってしまったのではないかと思います。

――なるほど、室温保存で問題ないんですね。ところで、話は変わりますが、今、「ウナコーワ」が中国で「神薬」と呼ばれていると聞いたことがあります。ご存じでしょうか?

服部さん:はい。台湾出身のドラッグストア研究家の鄭世彬氏が、これまでに日本のOTC医薬品を解説する購入ガイドブックを出版されており、その書籍のなかで「台湾人が買うべき日本の医薬品10」に、『キャベジンコーワ』と『ウナコーワ』が紹介されました。その後も、台湾のテレビや新聞などで定期的に紹介され、そのときに「日本の神薬10選」と紹介されたことから、「神薬」と言われているようですね。

――「ウナコーワ」は海外でも販売されているのでしょうか?

服部さん:じつは2016年から台湾のドラッグストアでも販売を開始しています。また現地ではTV CMなど、プロモーションも展開しています。今後もより多くの方に注目していただけるようさまざまな施策を考えていますので、ご注目ください。

興和には「ウナコーワ」のみならず、「キャベジンコーワ(1960年発売)」や「キューピーコーワ(1954年発売)」など、50周年を超える、ブランド力の高い商品がほかにも存在します。「ウナコーワ」もそれに負けず、今後も皆さまに変わらぬご愛顧をいただけるよう、今度は「100周年」を目指して、より一層の商品開発に努めていきたいと考えています。

ウナコーワの公式サイト

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