浮々、桜鳥、音門、九条、トゥルシーによる座談会！ 『VEE』はVTuber全体の切り抜き動画【後編】

（写真左より）九条林檎（くじょうりんご）／吸血鬼と人間のハイブリッドレディ。ミュージカルをはじめ、物語性のあるコンテンツ作りに力を入れている。また、雑学好きをいかして、さまざまな知識や情報などを面白く伝えたり、悩み相談に答えたりするなど、豊かな人間の生活の実現を目指したコンテンツを展開している。

音門（おとかど）るき／666年生まれの1357歳。もともとは魔界に住んでいたが、悪魔の才能がないことから悪魔の学校を退学になり、現在は日本在住。日本語と韓国語での配信を主軸にし、ゲームや歌など、国内だけでなく、海外のリスナーに向けても発信している。

トゥルシー・ナイトメア／フルネームはトゥルシー・ナイトメア・マッドネス・4世（よんせい）。通称“魔王”。10万19歳（本人いわく17歳）。歌と雑談、ゲームなど、マルチに配信。現在、恋愛シミュレーションゲームを自身で制作している。

桜鳥（おうどり）ミーナ／歌やおしゃべり、参加型ゲームにピアノ弾き語りなど、幅広いジャンルでコンテンツを制作。もっとも力を入れているのが、目標を達成するまで配信をつづける“耐久配信”で、ぶっ通しで数千人と挨拶をする配信などでも知られている。

浮々（うきうき）ゆにこ／2023年11月にデビューした新人。もの作りと舞台が好きなユニコーンの獣人。C＃というプログラミング言語と、Unityというゲームエンジンを使って、さまざまなコンテンツを制作する。

仕事をしていないときは仕事をしている

――（前編よりつづく）皆さんは、VTuberのお仕事が休みのときは、どんな過ごし方をしているんですか？

九条：我は機材オタクなので機材にガンガン投資していきたいと思っている関係上、デビュー当初から副業をやっております。なので仕事をしていないときは仕事をしておりますね（笑）。あとはインプットの活動も大切にしておりまして、先日は魔王様（トゥルシー・ナイトメア）と一緒に舞台を観に行ったりしました。

トゥルシー：あのときは楽しかったですね。自分は基本的には家にいることが多くて、配信以外の時間は寝ていることが多いです。睡眠時間が異様に長い女として有名でして、普通に16時間とか寝れちゃうんですね。やっぱ魔族は睡眠が宝ですから。

音門：桜鳥ミーナが耐久配信している時間と同じくらい寝ているので、『VEE』の陰と陽と言われてます。ここでバランスを取ってるんじゃないかっていう声もあるよね。

トゥルシー：足して2で割ってくれと言われるようになりました。

音門：あと魔王は、インターネットの情報に敏感です。

トゥルシー：そこはよく見させてもらってるので。だから“自宅警備”ですね。家とインターネットを警備してます。

音門：私も配信をしていない時間はほぼ仕事をしていますね。韓国語ができるので、韓国語の動画翻訳とかメディア翻訳とかをしてます。翻訳された文章を最終チェックする検閲みたいな仕事で、家でできるので普段は外に出ないかな。

桜鳥：桜鳥も基本的にお仕事をしてるんですが、ショート動画も出してたりするので、仕事を早く終わらせて動画を作ったりしてます。あとは大人になってから独学で習得したピアノの弾き語りを練習したり、ボイトレしたり、企画を練って運営さんに出して、下ネタが過ぎて怒られたりしています（笑）。

浮々：ゆにこもVTuberをしてないときは仕事をしてましてですね。IT企業勤務ってちょっとキラキラな職業やってるんですけれども、裏ではドロドロのIT労働をやっております。そういう関係で、プログラムとかもできるようになったっていうのもありまして。

トゥルシー：げっ、意外にみんな働いてる。マズイ！

浮々：趣味でいうと、部屋のなかに温室を作って水耕栽培をしています。土を使わずLEDの力だけで工場みたいにしてトマトやオクラを作ってますよ。あとイチゴ狩りがしたかったけど一緒に行く友達がいなくて「そうだ、家のなかだったら好きなだけひとりでできる」と思いつき、最近イチゴを育て始めました。

九条：皆さまいろいろな過ごし方が出ましたけれど、VTuberの場合はすべてが配信の糧になっていくんですよね。移動中やお風呂のなかでも企画を練ったり、アイデアが閃いたり。何でもかんでも仕事につながるのがVTuber業の良いところだと思います。

――それぞれが個性的で、それぞれ自分の世界をお持ちですが、そんな皆さんにとって『VEE』とはどういう場所でしょうか。

音門：プロデューサーさんの受け売りですけど、良くも悪くも学校みたいなところかなって。学校ってワーワー騒いでる子たちもいれば、勉強してる子もいるし、運動が得意な子とか文化部ですごい賞を取ってる子とか、いろんなタイプがいるじゃないですか。『VEE』もたくさんの個性が集まってる場所で、普段はそれぞれやりたいことをやってるけど、いざというときはわーって集まって団結する。そういうときに「この子ってこんな一面があったんだ」って発見できたりするのが、私はすごく楽しいんですよね。

トゥルシー：わかります。青春を取り戻す場所というか、第2の青春なんじゃないかな。

音楽にフォーカスした大規模イベントを開催

音門：イベントごととかも、本当に文化祭みたいな気持ちで出てるんですよ。2月28日にZepp Shinjuku(TOKYO)で『VEE CONCEPT LIVE「Merge」』という『VEE』初の大型オフラインイベントを開催するんですが、それもすごい楽しみにしていて。

浮々：ゆにこもウキウキが止まらないです。Dev-gのメンバーにとっては、ファンの方とリアル空間で会える初の機会ですから。

――どんな内容のイベントになるんですか？

桜鳥：今回は音楽的な側面にフォーカスしたイベントなので、オリジナルとかカバーとかいろんな曲をいっぱい披露する予定です。

九条：ライブに加えて会場展示企画も用意しているので、開場した瞬間から楽しんでいただけるかと思います。

――皆さんオリジナル曲を持っているんですね。

九条：『VEE』にはですね、ご褒美システムというものがあるんです。自身のYouTubeチャンネル の登録者数が1万人、2万人、5万人、10万人に達したときにプレゼントがもらえる仕組みで、その景品のなかに“オリジナル楽曲を作ってもらえる” や“3Dモデルを作ってもらえる”というのがあるんですね。そういうわけでオリジナル楽曲を所有しているメンバーも多いので、イベントではそれぞれのオリジナル楽曲がスペシャルな状態で観られるやもしれません。

音門：イベントのコンセプトが、“Devの垣根を越えてMerge（マージ：融合／統合）に向かう”というものなんですが、いろんな企画を準備してます。等身大パネルとかの展示企画もありますよ。

九条：そういう全部をひっくるめたイベントの演出を、うちのプロデューサーの渡辺タスクが担当します。

この渡辺タスク、ニコニコ動画で伝説的な人気を誇る「砂の惑星」という楽曲のアニメーションミュージックビデオを作った南方研究所の人間で、元はアニメーターでございます。なのできっとすごい演出をしてくれるでしょう。楽しみ～。

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トゥルシー：なんか圧を感じるな。

九条：この記事をプロデューサーが読むだろうから、ちょっとジャブを打ってみました（笑）。

音門：そこも本当に楽しみだよね。我々も思いっきりニコニコ動画見てたから。

九条：そんなプロデューサーが作った『VEE』には、実に多種多様で十人十色な方々が集まってきているんですが、我は最近すごいことを発見しちゃったんです。2018年にデビューしてからVTuber業界をじっと見つめてきて気づいたんですけれど、『VEE』ってVTuber業界の縮図なんですよ。

今VTuber業界って本当に多様化していて、たくさんのいろんな個性の方がいらっしゃいます。例えばアイドルの方、自分で作曲ができる方、ゆにこ氏のようにプログラミングができる方などがさまざまに存在してるんですが、『VEE』にはそういう方たちが全員います。だから「この系統のVTuberが好き」という好みがある人は『VEE』に来ていただければ、その系統で活躍していらっしゃる方がきっと見つかると思っております。

トゥルシー：確かに『VEE』って、VTuber業界のオイシイところを集めたイメージがあるかも。

九条：VTuber全体の切り抜き動画みたいな感じですね。

全員がご褒美ゲットできたらうれしい

――では最後に、皆さんの2024年の抱負を教えてください。

九条：2024年、我は計算上年女でございます。なので、ますます皆さまに楽しんでいただけるコンテンツを作っていきたいのですが、高く高く飛ぶには何より整備というものが大事でございます。ということで、今年の我の抱負はインフラ工事。自分自身の基盤をもっと強くしてさまざまなことをもっと効率化して、たくさんのリソースをもっと使えるようにして皆々様の幸せにさらに貢献していきたい。そう思う次第でございます。

音門：VTuberはYouTuberと同様に数字がついて回る職業なので、今年は登録者数5万人を達成して『VEE』のご褒美システムでプレゼントを受け取り、リスナーの皆様と一緒にお祝いしたいっていう目標があります。あと『VEE』メンバーのなかには1万人達成してない子たちが何人かいるので、視聴者を巻き込みながらみんなで応援して、メンバー全員がご褒美ゲットできたらうれしいですね。

トゥルシー：VTuberに大切なもの、それは健康と体力です。今の自分は特に体力が激しく欠けてまして、家の階段を上がっただけで息切れする始末です。ちょっとやばさを感じているので、今年はジムとか温泉とかいろんなところに行って、体力と健康をアップさせようかなと。まずは腰痛の改善を目指します～。

桜鳥：今までの配信ってセーブしてたところがあるんですけれども、今年は限界突破を目標にしています。

トゥルシー：え!?　もう十分じゃね？

桜鳥：今年のお正月から耐久耐久でやってきて、配信自体も収益化完全オフでつづけてたりするんですけれども、もっと先へ行きたいなと。自分で自分の幅を決めるんじゃなく、少しでももがいて、どこまで自分のラインを押し広げられるかっていうところに挑戦したいと思っています。

――ストイックですね！

音門：ミーナちゃん、日中は別のお仕事もしてるけど、睡眠時間ちゃんと取れてる？

桜鳥：大丈夫です。たまにまとめてドカンと寝ているので。

浮々：ゆにこはデビュー前から目標がありまして、本当にお友達を作りたいんですね。皆さんと仲良しになりたいんですが、なぜか配信をするとみんな怖がって引いていくんです。

――何か原因があるんでしょうか。

九条：配信を見るとわかるのですが、ゆにこ氏はですね、人間のことを実験対象に思ってる節があるんですよ。

桜鳥：見にきた人たちを培養槽に閉じ込めたりしてましたね。

音門：友達になるときの証として脳みその一部を提出しないといけないんで、ちょっと怯えています。

浮々：皆さんこういう反応なんですけど、この状況を打破するのがゆにこの2024年の抱負でございます。『VEE』のタレントの皆さんをどうにか手なずけ……じゃなく心を通わせて、ズブズブの関係になりたいですね。

トゥルシー：か、陰ながら応援してます……。

文・取材：諏訪圭伊子