CDジャケット、ミュージックビデオ、歌詞カードを連動――BURNOUT SYNDROMESの楽曲が持つ世界観を深める手法とは?
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エンタテインメントにまつわる様々な分野において幅広いソリューションを提供する、ソニー・ミュージックコミュニケーションズ(以下、SMC)。本特集では、SMCのカンパニープレゼンテーション「w/」にて行なわれた、様々な事例をテーマに現場の担当者がトークセッションを行なう「Talk Crossing」をレポート。
特集第7回のテーマは、『エンタテインメントからスタートした空間プロデュース』。
音楽ジャケットの製版をルーツとするSMCが空間プロデュース事業をスタートすることになった背景とは? これまで手掛けてきた店舗、展示会、イベントなどの事例を交えながら、現在までの歩みを紐解いていこう。
目次
中村貴雅
Nakamura Takamasa
ソニー・ミュージックコミュニケーションズ
白井秀徳
Shirai Hidenori
ソニー・ミュージックコミュニケーションズ
SMCが空間プロデュース事業に乗り出したのは、1993年のこと。当時のことを中村が振り返る。
「CDのブームに伴い、CDショップでより多くのお客様に商品に触れてもらい、満足度を高めるためにCD試聴機『VX01』を開発したのが出発点でした。このCD試聴機を導入した多くのCDショップから、『どこに設置するのがいいか?』『稼動率を高めるには?』などと、店舗の空間づくりに関する質問、要望が多く寄せられたことをきっかけに、そのソリューションとして空間プロデュース事業をスタートさせることになりました」
以降、事業は拡大を続け、リテールショップの店舗づくり、イベント、展示会などへと発展していく。設計に携わる白井がその変遷を紹介する。
銀座山野楽器
「前述の経緯で、銀座山野楽器のCDショップ空間をプロデュースすることになり、その後楽器店や音楽教室なども手掛けました。音楽教室では、演奏される楽器によって部屋の防音レベルに差をつけるなど、専門的な知識と経験が必要です。もし音漏れが発生してしまっても施工のやり直しがききませんが、現在までクレームもなく無事に運営されています」
オープン当時の「Zepp Sapporo」
ライブハウス「BlueJay Way」
「音楽教室からの派生形として、ライブハウスも手掛けるようになっていきます。ライブホール『Zepp』の一号店として1998年にオープンした『Zepp Sapporo』は、Zeppの名前の由来でもあるLed Zeppelinにちなんで飛行船をイメージしました。
そして同じソニーミュージックグループのマネジメント会社、ソニー・ミュージックアーティスツが、かつて原宿で運営していたライブハウス『BlueJay Way』を手掛けた際は、ライブを楽しむだけでなく飲食もできる空間にしました。ビートルズの楽曲が店名の由来となっているため、ビートルズをイメージしたデザインになっていました」
ダイニングバー「Curage」
「さらにその派生形として、飲食店も手掛けていますが、仙台のダイニングバー『Curage』の設計では、オーナーから“店内にクラゲを泳がせたい”という希望があったのですが、クラゲは寿命が短く、水のメンテナンスが大変。そこで水流でふわふわ動くフェイクのクラゲを水槽で泳がせることにしました。2階は真っ暗な空間にLEDライトを光らせ、深海をイメージした空間になっています」
2013年に行なわれたSMCの展示会
「最近は店舗だけではなく、イベントや展示会の案件も増えています。2013年に開催したSMCの展示会はもちろん、昨年はイギリスのV&A博物館が監修する展覧会『DAVID BOWIE is』の会場施工を担当したり、『東京ゲームショウ』や『AnimeJapan』のアニプレックスブースなどもSMCが手掛けています。はたまた、屋外イベント『スパルタンレース』の会場施工や、コンサート物販のテント設営なども担っています」
このように、まるで連鎖するかのようにその範囲を拡大してきたSMCの空間プロデュース事業。昨年のソニーミュージックグループの新オフィス開設の際には、受付やカフェ、社員食堂、リフレッシュルームなど、コミュニケーションエリアの設計・施工を手掛けた。
オフィスデザインについて、白井はこう話す。
「店舗は商品を売ることを目的としていますが、オフィスは人が主役です。そのため、商業施設やショップとは違う提案を心掛けました。ほどよい緊張感、背筋がピンと伸びるような空気感、そして愛社精神を持てるような雰囲気を演出しています。ただし、ずっと緊張しっぱなしでは疲れてしまうので、肩の力を抜けるような場所づくりも意識しました」。
最後に、SMCが空間デザイン、設計、施工をする意義、事業を行なう上でのポリシーについて、ふたりは次のように締めくくった。
「その時、その時代のセンスを大切にしつつ、コストを意識したうえでデザインするのが私のポリシーです。今後も、これからも私の軸である"目新しさ"は変わらずに追い求めていくと思います。みなさまの心に残るような空間を作っていきたいです」(白井)
「ソニーミュージックグループの一員であるSMCが手掛ける以上、音楽にまつわる空間はもとより、飲食店舗もオフィスもすべてある種の"エンタテインメント空間"と捉えています。空間デザイン業界の同業他社とは異なる立ち位置で仕事をしていると思いますので、エンタテインメントの色をさらに前面に打ち出し、引き続きこの業界で頑張っていけたらと思っています」(中村)
1台のCD試聴機をきっかけに、店舗からイベント、展示会、オフィスまで、ジャンルを超えた様々な空間をプロデュースしてきたSMC。もしかするとあなたもすでに、SMCが手掛けた空間に足を運んだことがあるかもしれない……!?
施工実績写真:©YOSHITERU BABA
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