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清 竜人が語る、15年間のクリエーションと貫かれてきた思い【後編】

2024.06.25

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デビュー15周年を迎えたシンガーソングライター、清 竜人。後編では、先ごろ楽曲が配信リリースされた清 竜人25の再結成に至った胸中や、監督業、俳優業を含めた表現への思いを語る。

記事の前編はこちら:清 竜人が語る、15年間のクリエーションと貫かれてきた思い【前編】

清 竜人25を再結成した理由

出会いから結婚、ハネムーンを経て、幸せな生活やつかの間の浮気に、まさかのお葬式まで。一夫多妻制を貫く清家で繰り広げられる多彩なラブ♡ストーリーを展開したアイドルグループ、清 竜人25は、2017年6月に幕張イベントホールで行なわれた『清 竜人25“ラスト♡コンサート”』をもって解散。約3年間に及んだプロジェクトに終止符を打った。

清 竜人25「ボーイ・アンド・ガール・ラヴ・ソング」ラストコンサート@幕張メッセイベントホール

そのラストコンサートから約7年。清 竜人が35回目の誕生日を迎えた2024年5月27日に、新たなメンバーを迎えた清 竜人25の再結成を発表。彼が直々にプロポーズして集めたという4人とともに、伝説のグループが復活した。

清 竜人25 画像

清 竜人25

「大前提として、15周年で何かお祭りごとができたら良いなって考えていたなかで、正直、清 竜人25を再度やるのであれば、もうこのタイミングしかないなと思って。40歳になったらたぶん動けないし、オーディエンスがエンタメとして見られる、最後の時期かなと。ちょうど15周年のタイミングでもあったので、ラストチャンスとしてもう1回やってみようかなぐらいの感じで。

あと、解散してから7年経つグループなのに、あのパッケージをもう一度見たいって根強く言ってくださるファンの子たちもまだまだ多いんですね。だから、感謝の気持ちも込めて、最後にその期待にも応えられるようなことができたら良いかなと思って、再始動を決めましたね」

清 竜人25 再結成

既にアイドルやタレントとして活躍しているという新たな“妻”たちが誰なのか。6月19日に第1弾楽曲として配信された、オリジナル清 竜人25のデビュー曲のリメイク、「Will you marry me ?」ではようやく彼女たちの歌声を聴くことができたが、その全貌は、7月11日に神奈川県・KT Zepp Yokohamaで行なわれるお披露目イベント直前に発表される予定となっている。

バイオグラフィーに戻ると、その清 竜人25を解散する直前の2016年12月、清 竜人は和彫りの刺青を背負った全裸にモヒカン姿で、新プロジェクト、清 竜人TOWNの始動を発表。すべての音源とライブを無料にし、「演者と観客の垣根を取り払う」と宣言した。

「ずっとやりたいなと思ってたけど、やれてなかったのが、青春パンクみたいなものだったんですよ。6枚目のアルバム『WORK』の最後の曲『I Don’t Understand』がパンクで、自分なりに次への布石の意味を込めたところもあって。

どっかで回収はしたいし、やりたいなという気持ちが、清 竜人25も終わりに向かっているなかで、ちょっとうずうずしてきて(笑)。何か新しいことをしたい。でも、単純に新しくバンドを組んでやるっていうんじゃないなっていうのもどこかにあって。

清 竜人25をやった直後で、エンタテインメントのモードだったので、何かしらそこにエンタメ性というか、新しいチャレンジングなエレメントをプラスしてできないかなというところもあって、音源はすべて無料で、ライブも無料で、全員がメンバーという形でのパフォーマンスをやりましたね」

会場に集まった全員が演者となる全国ツアーを行なったのち、2017年7月、CLUB CITTA’でのライブを持って清 竜人TOWNは解散した。

映像監督と俳優業へ導いた10代のころからの映画体験

シンガーソングライターからスタートし、ミュージカルや一夫多妻制のアイドルグループ、リスナーもメンバーとしたパンクバンドを経て、2019年5月には20代最後のアルバムとして、7枚目のアルバム『REIWA』をリリース。4月1日の新元号発表と同時にアルバムタイトルを発表したこの作品では、昭和歌謡のクリエイターたちとコラボし、時代をつなぐ流行歌手となった。

いっぽうで、同年12月には根本宗子作・演出の舞台『今、出来る、精一杯。』にて初の俳優業に挑戦。主演を務めるとともに、劇中の音楽も担当した。

『今、出来る、精一杯。』Blu-ray 4/5(水)発売!

「そもそも役者業にまったく興味がなかったんですよね。でも、根本宗子さんからオファーをいただいて。音楽劇であり、僕の歌唱シーンもあり、音楽も担当する上で主演しないかという話だったので、トータルで考えたときに、根本さんとあのタイミングで一緒にやるっていうところにもすごくアンテナが立ったというか。ビビッとくるところがあったので、そういう形で初舞台を経験したという流れでした。

でも、実際に舞台に立ってみると、自分が思ってたよりは興味があるなと思いました(笑)。僕、10代のころは音楽と並行して映画を撮るのも好きで、プライベートでショートムービーみたいなものをよく撮ってたんです。そのときはキャストが足りないから自分も出るっていうこともやっていて。でも当時は、仕方なくぐらいの感じで、演じることよりも撮ることのほうが好きだった。

だから、あんまり興味はなかったんですが、やってみると、畑は違えどもクリエーションには違いない面白みがあって。特に初めての演技経験が舞台だったのも良かったのかもしれない。

稽古を含めると2カ月弱ぐらい拘束されて、当時は途中でちょっと嫌気がさしましたけど(笑)、今思うと、最初のタイミングで、じっくりと腰を据えてやれたのが良かったのかなと。最近、たまに映像作品に呼ばれることもありますけど、それからは演じることに対する抵抗もなくなりましたね」

10代のころは、地元、大阪にある単館系の映画館に学校をさぼって毎日通うほど、映画が好きだったそう。

「音楽を聴くより映画を見てる時間のほうが多かったかなというくらい、映画はすごく好きでしたね。当時は時間が合うものをとにかく見に行くみたいな感じで、いろんな映画を見てました。

日本の監督では小林政広さんが好きでよく見ていたし、海外の監督だと、ベタだけど、(ジャン=リュック・)ゴダールが好きですね。そのふたりの作品は学生時代からよく見てました。僕が初監督映画『IF I STAY OUT OF LIFE...?』を撮ったのが2022年なんですけど、クランクインした8月20日に小林政広さんが亡くなって、完成した9月13日にゴダールが亡くなったんですよ。何か縁を感じるところがありましたね」

清 竜人の初監督長編映画『IF I STAY OUT OF LIFE...?』は、2022年2月にYouTubeチャンネル「みせたいすがた」の第4弾として公開されたSNSドラマ『HANARE RARENAI』と、新たに撮り下ろした『秋人』に分かれたオムニバス作品で、2編とも清 竜人が監督、音楽、主演を務め、『秋人』では脚本も担当した。

「EPISODE 1」 HANARE RARENAI

「今は見る量はちょっと減っちゃいましたけど、変わらずに好きなので、映画からインプットして、音楽のアウトプットにつながってる部分もありますし、単純にそもそも好きだったから撮りたいなっていう自然な動機はありました。

ただ、映像を撮ると、音楽も含めて撮るっていう感じなんです。頭のなかで音楽が鳴ってる状態で撮るんで、それが良いのかわかんないですけど、撮るだけでなく自分で音楽をやりたくなっちゃうし、普通に監督するのとはまた違うかもしれないですね」

誰かの生活の一助になるためにクリエーションをつづける

2022年9月には、ドラマ『オールドルーキー』にカメラマン役で出演。地上波のドラマ出演は初となり、大きな反響を呼んだ。

「10年前だったら断ってたと思うんですけど、舞台があり、ショートムービーや映画を撮って、自分で出るっていう経験を踏んだ上での流れだったので興味があったんですよね。

常に新しいものや刺激を求める性格でもあるし、そういう活動スタイルでもあるので、新しいチームに入ったり、新しい分野でパフォーマンスをするっていうのはどんどんやりたいなという気持ちがありますね。

あとは、やっぱりまだ世の中はテレビ文化だなって感じました。しれっとアルバムを出してもなんのリアクションもなかったりするけど、テレビに出ると反響はありますし、知り合いから連絡が来るんですね。特に興味がなくてもテレビをつけてる人も多いでしょうし、当たり前ですけど、大きいメディアはやっぱ目につく頻度が多いですね」

「すべてを自分の作品、自分の表現に費やしてる」と言う清 竜人だが、彼にとってはXへの投稿も、表現の場のひとつであるようだ。


「どのメディアも大切にしてますけど、例えば、Zeppでライブして歌うと、その日だけに限って言うと、2,000人とか2,500人ぐらいしか聴けないじゃないですか。でも、Xで何か言葉をつぶやくと、そのポストだけで、20万人が見たりする。

逆に20万人に一度にライブを見てもらえることってなかなかないじゃないですか。別に数で比較するわけじゃないんだけど、ある種、僕にとっては、すげーおいしいステージなんですよね。だから、そういうのはすごく意識してますね。

しょうもないことを呟くのも良いんですけど、短い言葉だとしても、ある種、自分の作品をたくさんの人に見てもらえるプラットフォームと考えたときに、別にそれがライブ会場だろうが、SNSだろうが、テレビだろうが、僕としては関係ない。

この仕事をしてるからには、ひとりでも多くの人に聴いてもらいたい、見てもらい、読んでもらいたいという気持ちがある。自分の表現をたくさんの人に受け止めてもらえる場があるっていうことが、今はすごく幸せだなと思ってますね」

奇才、天才、変人、歌舞伎者、トリックスター……。捉えどころのない彼はさまざまな称され方をするが、それはあくまでも表現の“手段”の変遷に過ぎない。“みんなの期待に期待以上で応えたい”“できるだけ多くの人に自分のクリエーションを届けたい”という“目的”は、これからも一貫してブレることはないだろう。

「この仕事をするからには、使命というとちょっと言葉が大げさですが、普段、一生懸命に学校に行ったり、働いたりしてる人の一時の娯楽だったり、癒しだったりのために、僕は日々、クリエーションしてる。それは間違いないです。

そういったところで人々の役に立つ、と言うとまたこれも大げさなんですけど、日々の生活の一助になれば良いなという気持ちは、年齢を重ねてますます強まっています。そういった意味では、本気でばかげたこともするし、15周年を経て、これからもクリエーションしていきたいという気持ちですね」

記事の前編はこちら:清 竜人が語る、15年間のクリエーションと貫かれてきた思い【前編】

文・取材:永堀アツオ

リリース情報

清 竜人25「Will you marry me ?」ジャケット写真

清 竜人25「Will you marry me ?」
配信中

試聴・購入はこちら

ライブ情報

『Kiyoshi Ryujin 15th Anniversary Band Tour 2024』フライヤー画像
 
『Kiyoshi Ryujin 15th Anniversary Band Tour 2024』
【東京公演】
日程:2024年6月26日(水)
会場:東京・LIQUIDROOM
 
【大阪公演】
日程:2024年6月30日(日)
会場:大阪・BIGCAT
 
チケット発売中
【eプラス】
https://eplus.jp/kiyoshiryujin/(新しいタブを開く)
【ローソン】
https://l-tike.com/kiyoshiryujin/(新しいタブを開く)
 
『KIYOSHI RYUJIN25~REUNION PARTY~』
日程:2024年7月11日(木)
会場:KT Zepp Yokohama
 
『清 竜人 弾き語りコンサート 2024 夏』
日程:2024年8月31日(土)
会場:自由学園明日館講堂
 
チケット発売中
https://eplus.jp/kiyoshiryujin/(新しいタブを開く)

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