ピンク・フロイド、『鬱』リミックス&アップデイト盤10/29発売

2021.09.06

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ピンク・フロイド初の『360 Reality Audio』化も実現

8月に発売された『原子心母(箱根アフロディーテ50周年記念盤)』が話題を呼んでいるピンク・フロイドの新たな作品『鬱(リミックス&アップデイト)』が、10月29日(金)にリリースされることが決定した。

1987年に発売された『鬱│A Momentary Lapse Of Reason』がデヴィッド・ギルモアとアンディ・ジャクソンによってオリジナルマスターテープからリミックスされ、ニューバージョンとしてまったく新たに生まれ変わる(The Later Years Boxからの分売)。さらに、セッションミュージシャンが参加していた一部の曲では、リチャード・ライトのオリジナルのキーボードテイクや新たに発見された音源を使用して再編集し、さらにニック・メイスンも新たにドラムトラックを追加録音。ドラムとキーボードのパートがオリジナルメンバーの音源で初めて再現され、デヴィッド・ギルモア、ニック・メイソン、リチャード・ライトの3人のピンク・フロイドのメンバーによって創造された最も望んでいた姿でのリリースとなる。「リミックス&アップデイト盤」は、ドラムスやキーボードがより浮き出たサウンドで、1987年のオリジナル盤とは一線を画すものとなっている。

『鬱』は前作『ファイナル・カット』以来4年ぶり、ピンク・フロイド通算13枚目のオリジナルアルバムで、ロジャー・ウォーターズ脱退後にリリースされたデヴィッド・ギルモアを中心とした“新生ピンク・フロイド”としての初の作品だ。デヴィッド・ギルモアのクリエイティビィティが前面に打ち出された親しみやすいメロディが全体を包み込み、それまでのピンク・フロイド作品とは異なったサウンドスケープを出現させている。全米3位・全英3位を獲得してその後のワールドツアーも大成功を収め、1988年3月に行なわれた最後の来日公演での光と音の大スペクタクルショーは観るものすべての度肝を抜いた。アートワークは、ヒプノシスのストーム・トーガソンが担当し、フロントカバーはイギリスのデボンシャー、ソーントン・サンズにある海岸に500台以上のベッドを実際に並べて撮影されたもので、今回の作品にはその別バージョンが使用されている。

また、『鬱(リミックス&アップデイト)』は、初の『360 Reality Audio』(以下360RA)化により没入感のある立体的な音場を再現。ほかのピンク・フロイドの作品に先駆け、ドルビー・オーディオとUHDバージョンでもリリースされることになっている。360RA、ドルビー・オーディオ、UHDバージョンは各デジタルサービスフォーマットで10月19日(火)より入手可能となる。

さらに、「幻の翼」のスペシャルバージョンビデオを公開。オーディオ部分は360RA立体音響ミックスが使用されており、YouTubeのビデオを自宅のヘッドホンで視聴すれば、シミュレーションされた360RAサウンドを体験することができる。

「幻の翼」(360RA VIDEO)
“Learning to Fly (2019 Remix)” 360 Reality Audio version

 

『360 Reality Audio』(サンロクマル・リアリティオーディオ)

ソニーのオブジェクトベースの360立体音響技術を用いた没入感のある新しい音楽体験。ボーカル、コーラス、ピアノ、ギター、ベース、はたまたライブオーディエンスの出す音まで、個別のサウンドを全天球(360度)の空間に自在に配置することができるため、アーティストやクリエイターが新しい形でその創造性を発揮することができる。リスナーはアーティストやクリエイターの意図を正確に再現した音のフィールドに没入することができる。この新しいフォーマットで360 Reality Audio向けに作られた音楽コンテンツは、対応可能な音楽ストリーミング・サービスにより楽しむことができる。
 
『360 Reality Audio』の詳細はこちら(新しいタブで開く)

デヴィッド・ギルモアは今回の「リミックス&アップデイト盤」について、「僕たちはこのアルバムを録音してから何年か後、もっとタイムレスなものにするためにアップデイトすべきだという結論に辿り着いたんだ。僕たちが大好きで演奏するのに慣れていた伝統的な楽器をもっとフィーチャーしてね。そうするメリットがあるんじゃないかと考えた。それから、これまではリックのキーボード・パートのうち、これまで使っていなかった音源を探して見つかったものが、新しいヴァイブや新しいフィーリングをもたらすのに役立ったんだ」と語っている。

また、ニック・メイスンは、「35年もたってアルバムを編纂し直すなんて、初めはちょっと変な感じがしたけれど、同じ作品を別の視点から見たいというみんなの意欲が長年の間に計り知れないほど大きくなったのは間違いない。デジタル・テクノロジーによって、“素晴らしい新世界”だった時代の初期の作品を紐解く機会は、必然的にますます興味深いものになっている。曲の中に新しい要素を見つける、いや新しい科学によってそれまで隠れていた要素を見つけることができるメリットがあるのは間違いない。思うに、アルバムを過去に遡り、その機会を利用して、2つの大規模なツアーでアルバムの多くをライヴで演奏するという経験から学んだことを多少活かすことにより、ほんの少しオープンなサウンドを作ることができる要素があると思う。スタジオを無制限に利用してドラムのトラックを録音し直すのは楽しかった。『鬱』はかなりのストレスと時間的制約の中で録音したもので、実際最終ミキシングと次のツアーのリハーサルが同時進行だったんだ。リックの仕事の一部を改めて取り入れる機会を得たのも良かったね。あれもまた、テクノロジーのポジティヴな大変動が本当に多くのデジタル的なチャンスを与えてくれて、バンド感を圧倒的なものにしてくれた気がする。このリミックスのメリットの1つがそうであるといいね!」とコメントしている。

『鬱(リミックス&アップデイト)』はアートワークも装い新たに、故ストーム・トーガソンのディレクションのもとロバート・ダウリングが撮影したベッドが並ぶオリジナル盤のジャケット写真の別テイクが使用される。そして、アイコニックなオリジナル盤のジャケットのイメージを反映させた2021年のアルバムアートワークは、ヒプノシスのオーブリー・パウエルと、ストームスタジオのピーター・カーゾンがデザインとアートディレクションを担当した。オーブリー・パウエルは新たなアートワークについて、「ヒプノシスのパートナー、ストーム・トーガソンがデザインした、ベッドが500台以上並ぶアイコニックな写真をアップデイトしようと思っていた。アーカイヴに目を通していたときに、海がセットに迫ってきているヴァージョンの写真を発見したんだ。ストームが、ベッドが全部(流されて)なくなってしまうことを恐れて撮影を中断した直前のものだった。それから、マイクロライト・プレーン(超軽量飛行機)を改めてフィーチャーしようと思ったんだ。飛行機を間近で撮った写真がなかったから、似たような白の飛行機を探し出して、ピーター・カーゾンに機体をリタッチで赤に塗り直してもらった。それからそのマイクロライト・プレーンをデザインの全面に持ってきたんだ。デヴィッド・ギルモアとニック・メイスンに承認してもらって、オリジナルの人気アートワークへの新鮮なアプローチの出来上がりさ」とコメントしている。

 

ピンク・フロイド (Pink Floyd)

全世界で2億5,000万枚以上のセールスを誇り、永遠にロック史に輝く“時代を超越する音芸術”。サイケデリックで幻想的なサウンドと文学/哲学的な歌詞、実験性に溢れた録音手法や常識を超えたスペクタクルなステージング。常にアートと密着しながら、ロックの進化とともに歩みつづけ、いまもなおさまざまなシーンに影響を与えつづけている。

リリース情報

『鬱(リミックス&アップデイト)│A Momentary Lapse of Reason (Remixed & Updated)』
発売日:10月29日(金)
■1CD:2,750円
ソフトパック/28ページオリジナルブックレット+日本版ブックレット/新規解説・歌詞・対訳付
予約はこちら(新しいタブで開く)

■2LP:6,600円
【完全生産限定盤】輸入盤国内仕様
180g重量盤/ハーフスピード・カッティング45回転盤/28ページオリジナルブックレット+日本版ブックレット/Newデザイン帯付見開きジャケット/新規解説・歌詞・対訳付
予約はこちら(新しいタブで開く)

【収録内容】
1.生命の動向│Signs Of Life
2.幻の翼│Learning To Fly
3.戦争の犬たち│The Dogs Of War
4.理性喪失│One Slip
5.現実との差異│On The Turning Away
6.空虚なスクリーン│Yet Another Movie
7.輪転│Round And Around
8.ニュー・マシーン(Part 1)│A New Machine Part 1
9.末梢神経の凍結│Terminal Frost
10.ニュー・マシーン(Part 2)│A New Machine Part 2
11.時のない世界│Sorrow

(2LPはSide A:1~3 / Side B:4~5 / Side C:6~10 / Side D:11)

David Gilmour: Guitars, Vocals, Keyboards & Sequencers
Nick Mason: Electric & Acoustic Drums & Sound Effects
Richard Wright: Piano, Vocals, Kurzweil, Hammond Organ

Produced by Bob Ezrin & David Gilmour
Remixed by Andy Jackson with David Gilmour,
Assisted by Damon Iddins
Additional editing by Devin Workman
Original Recording Engineered by Andy Jackson
Assisted by Robert (Ringo) Hrycyna
With Marc DeSisto, Stan Katayama, Jeff DeMorris

【輸入盤】
『A Momentary Lapse of Reason (Remixed & Updated)』
発売日:10月29日(金)
■Deluxe CD+Blu-ray Box
■Deluxe CD+DVD Box
CD:A Momentary Lapse of Reason (Remixed & Updated)(収録曲は上記と同一)
Bonus Material:Blu-ray/DVD(Blu-ray/DVDの収録内容は共通)

【収録内容】
映像:
■ミュージックビデオ
・Learning To Fly│幻の翼
・Album Cover Photo Shoot 1987│1987年のアルバム・ジャケット用撮影
・Learning To Fly (alternate version)│幻の翼(オルタネイト・ヴァージョン)
■Concert screen films (1987)│コンサート・スクリーン映像
・Signs Of Life│生命の動向
・Learning To Fly│幻の翼
・The Dogs Of War│戦争の犬たち
■ドキュメンタリー
・デヴィッド・ギルモア&ストーム・ソーガソン インタビュー
・『鬱』アルバム・ジャケット撮影について

オーディオ・オンリー:
■1987年のアトランタ公演
・The Dogs Of War│戦争の犬たち
・On The Turning Away│現実との差異
・Run Like Hell│ラン・ライク・ヘル
DVD:<『鬱(リミックス&アップデイト)』 - DVD(Surround Sound Audio)
・Stereo PCM 48/16
・5.1 Dolby Digital 48/16
・5.1 dts 48k/16
Blu-ray:<『鬱(リミックス&アップデイト)』 - Blu-ray(High Resolution Audio)>
・Stereo PCM 96/24
・5.1 dts Master Audio 96/24
・5.1PCM 96/24

関連サイト

日本公式:http://www.pinkfloyd.jp/(新しいタブで開く)

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