おしゃれでかわいくてちょっと不思議――フランス生まれの「リサとガスパール」が愛される理由【前編】
2023.06.07
ソニー・クリエイティブプロダクツ
芸能事務所から選抜された女性タレントたちが、チームを組んでゲームで対戦! 現在は8チームが参戦する世界初の“ガールズ・エンタテインメントeスポーツ”リーグ、それが「eQリーグ」だ。昨年行なわれたプレシーズンマッチを経て、2019年1月からは毎月1回、イジリー岡田の総合司会で、本選1stシーズンのリーグ戦が行われている。そして3月16日(土)には、東京・神田明神ホールにて、「Aグループ」4チーム、「Bグループ」4チームそれぞれの順位が決まる1stシーズンのDay3が開催される。
このイベントの企画・運営を手がけているソニー・ミュージックコミュニケーションズ(以下、SMC)で、「eQリーグ」の総合プロデューサーを務める岸治樹と、イベントの広報を担当する椎根剛に、“ガチでエンタメ”な「eQリーグ」誕生の背景と見どころ、今後の展開について聞いた。
目次
岸治樹
Kishi Haruki
ソニー・ミュージックソリューションズ
椎根剛
Shiine Tsuyoshi
ソニー・ミュージックソリューションズ
――「eQリーグ」のプロジェクトは、岸さんの発案だったそうですね。
岸治樹(以下、岸):SMCは「EVO Japan」という大規模なeスポーツイベントの制作運営などを請け負っていますが、eスポーツが注目を浴びている今こそ、さらに新しいゲームコミュニティを作れないか? と考えたのがきっかけでした。
――女性芸能人とeスポーツという組み合わせは斬新だと感じました。
岸:我々ソニーミュージックグループが手がけるものなら、やはりエンタテインメント要素は不可欠です。スポーツ界には芸能人女子フットサルリーグもありますし、eスポーツをエンタテインメント化するにあたり、“ゲーム×芸能人女子”という組み合わせは新規性もエンタメ度も高いと考え、「eQリーグ」の企画を提案しました。その後、「AnimeJapan」などの大型イベント運営の経験値の高い椎根にもジョインしてもらって、2018年初頭から本格的に「eQリーグ」の起ち上げに取りかかりました。
椎根剛(以下、椎根):現在は岸が総合プロデューサー、僕は広報的な立場で「eQリーグ」の運営に携わっています。
――近年eスポーツは、スポーツ大会の一種目になることが検討されていたり、最近では学校の部活動への採用が検討されたりと注目を集めていますが、「eQリーグ」は本格的なeスポーツを志しながらも、よりエンタテインメント志向であることが特徴と考えていいのでしょうか。
岸:はい。ゲームで雌雄を決する“ガチさ”をお客様に楽しんでもらうことはもちろんですが、単純に腕を競うだけなら、わざわざ「eQリーグ」をやる意味はないと思うんです。
椎根:実際、日本国内のeスポーツイベントはゲーム好きの方には十二分にアピールできていますが、一般の方がイベントに足を運ぶにはまだまだハードルが高いと感じています。「eQリーグ」はもっと身近で、ゲームに詳しくなくても観ていて楽しいイベントにしたい。女性芸能人同士が真剣勝負をして、笑いあり涙ありのドラマを繰り広げる様子を、ドキュメンタリー感覚、バラエティ感覚で丸ごと楽しんでもらえるものにしたかったんです。
岸:ですからプレイするゲームも、格闘ゲームや海外のeスポーツ大会でよく採用されるFPS(ファーストパーソン・シューティング)、TPS(サードパーソン・シューティング)などではなく、バラエティに富んだパーティーゲームを中心に、様々なゲームメーカーさんにご協力を仰ぎながらセレクトしています。
――現在開催中の本選1stシーズンでは、『OVERCOOKED!2』、『スーパーボンバーマン R』(以下、『ボンバーマン』)、『太鼓の達人 セッションでドドンがドン!』(以下、『太鼓の達人』)の3ゲームが採用されていますね。ゲームをセレクトする基準はあったのですか?
岸:ルールをそれほど詳しく知らなくても、熱いバトル感やチームの攻防が分かりやすいものを選んでいます。『OVERCOOKED!2』は海外のゲームですが、女性やファミリー層にもとても人気がありますし、『ボンバーマン』や『太鼓の達人』はシリーズの歴史も長く、選手にも観客にもおなじみ。専門知識がなくても親しみやすいタイトルが、「eQリーグ」にふさわしいと考えています。
※『OVERCOOKED!2』:プレイヤーが協力し合いながら、食材を組み合わせて料理を作るアクションゲーム
※『スーパーボンバーマン R』:ボムやキャラクターの特殊スキルを駆使し、ステージ上のクリスタルを奪い合うアクションゲーム
※『太鼓の達人 セッションでドドンがドン!』:音楽を選び、指示されたタイミングに合わせて太鼓型コントローラを叩いてポイントを競うゲーム
――芸能事務所対抗というシステムがユニークですが、参加する女性芸能人、芸能事務所はどのように募ったのですか?
岸:メンバー集めは、様々な芸能事務所にお声がけするところからのスタートでしたが、最初はアイドルグループ対抗という案も出ていました。でも実際に当たってみると、松竹芸能さんやホリプロさん、そして先日活動を終えた妄想キャリブレーションがソニーミュージックとご縁があったことからディアステージさんに参戦いただけるなど、大手事務所さんが続々と手を挙げてくださったんです。
椎根:こちらとしてもエンタメ感をより高めるには、様々なタイプのタレントさんに出てもらった方がありがたくて。
岸:美少女に芸人さんが噛み付くみたいな関係性も面白いでしょうし、事務所対抗というバトル形式にすれば、プロレスの軍団抗争のような盛り上がりも期待できるだろう……と、現在のような形が徐々に出来上がっていきました。
――現在は本選の1stシーズンが開幕中ですが、昨年のプレシーズンマッチから常に進化し続けているわけですね。
椎根:正直に言えば、プレシーズンマッチの段階ではまだ全てが手探りでした。でも今年1月の本シーズンからは各事務所のスタッフの皆さんとも密に会議を開いて、試合のルールや細かい部分まで話し合うことで、よりよい環境作りを行なっています。我々も、このゲームはこのチームの誰が得意だとか、このメンバーはこういう個性があるとか、さらに深く理解できるようになりましたね。それを大会プログラムや進行にいかすことで、エンタテインメント性がどんどん増幅していると感じます。
岸:選手の皆さんも、「eQリーグ」とはこうあるべき、こうありたい、という想いが共通認識としてはっきりしてきました。選手も我々も、日々、成長していっているプロジェクトなのだなと実感します。
――そんな手作り感も「eQリーグ」の魅力かと思いますが、観戦する上では、各チームのカラーが分かるとより応援のしがいもあると思います。参加8チームの魅力をご紹介いただけますか?
椎根:「OSCAR'S」(オスカープロモーション所属)は、タレント、モデルによるビューティー軍団……でありながら、賑やかな女性芸人さんも参加する美と笑いの混成チーム。プレシーズンの頃よりも一体感が濃くなり、明るいチームカラーが魅力です。
岸:「SUN COLOR'S」(サンカラーズ所属)は、メンバー数が5名と少数精鋭なこともあり、結束が強いですね。清楚なムードは他のチームとは違ったカラーで、ゲームに対する姿勢がとても真面目。一生懸命、練習してきている成果が現われていると思います。試合に負けるととても悔しそうで、気持ちを表に出してくれるチームですね。
椎根:「teamSMQ」(サンミュージックプロダクション所属)も、芸人、グラビアアイドル、タレントと様々なジャンルのタレントが集まる混成チーム。ゲームの腕もめきめき上がっているんですが、惜しいところで勝利を逃しているので応援したくなりますね。親しみやすさが魅力です。
岸:「Shochiku Sisters」(松竹芸能所属)は、ゲームが得意な増田みなみさん以外は全員が芸人さんで、とてもノリが良い。せつこさんや餅田コシヒカリさんは、持ちネタのモノマネも披露してくれたり、リーグ全体を盛り上げてくれるムードメーカーですね。
椎根:「スタダGG!」(スターダストプロモーション所属)は、事務所内のプロゲーマー育成プロジェクトが母体なので、ゲームの総合的な実力は折り紙付きです。他のゲーム大会にも出場している“ゲームガチ勢”。1stシーズンからの参戦で、新しい風を吹かせてくれています。
岸:「DS☆ゲーム部」(ディアステージ所属)は、Mia REGINA、CYNHN、ENGAG.ING、虹のコンキスタドール、ディア☆、シンセカイセンという6つのアイドルグループから、ゲーム好きのメンバーが1名ずつ集まった選抜チームです。他のチームとは違う独特の雰囲気を持っているので、対戦チームとのトークバトルも見所になってきました。
椎根:「BlueWeeds」(blueskywalkers/エヌウィード所属)は、唯一の複数事務所の連合軍。ゲームの上手いキャプテン・白河優菜さんとトーク担当の副キャプテン・福田朱子さんのバランスも絶妙で、完成度の高いチームだと思います。他のメンバーの天然さが今後もっと出てくると、さらに面白くなるでしょうね。
岸:「ホリッち」(ホリプロ所属)は、アイドルグループ出身の石田晴香さん、石田安奈さん、永島聖羅さんという正統派と、三田寺理紗さん、山口百恵さんなどの個性派が揃い、そのトーク力が魅力ですね。事務所の先輩である総合司会のイジリー岡田さんからもよくいじられながら、大会をとても盛り上げてくれています。
――イジリー岡田さんの楽しいMCも「eQリーグ」の見所ですよね。観客の皆さんも、イジリーさんの名司会ぶりを楽しみにしている様子が分かります。
岸:そうなんですよね。イジリーさんは男性ファンにも大人気ですし、「eQリーグ」自体を大切に考えてくださっている。ご自身はあまりゲームをご存知ではなかったはずなんですが、対戦ゲームについてもすごく勉強してくださっていて……ゲームの実況を担当してくださるeスポーツキャスターの馬人(うまんちゅ)さんとの名コンビぶりも、磨きがかかってきました。
椎根:イジリーさん、馬人さんと選手たちのコミュニケーションも、1stシーズンに入って相当ノリが良くなっています。そこも「eQリーグ」の見所のひとつになってきましたね。
――岸さんは、「eQリーグ」企画の目的は新たなゲームコミュニティを作ることと仰いましたが、「eQリーグ」のファンの方々についてはどんな手応えを感じていますか?
岸:最近では、ファンの方から「応援幕を作っていいですか?」とか「揃いの学ランを着て応援に行っていいですか?」というお問い合わせも来ていて。ペンライトを持ってくる方などもいて、客席の一体感や熱が増してきているのをうれしく思います。毎試合足を運んでくれる固定ファンも増えてきていますし、ファンの方々が選手の皆さんと「eQリーグ」についてSNSでやり取りをしているケースも増えました。個人ブログで「eQリーグ」について発信してくれる方も多くなりましたね。
椎根:それと同時に選手の皆さんの意識も上がっていますね。「eQリーグ」のことを、より多くのファンの方に届けようとSNSで発信してくれる機会も増えて、まさにコミュニティが出来上がりつつあります。
岸:最近では、『スーパーボンバーマン R』の通信対戦機能を使って、ファンの方たちを相手に練習するチームも出てきました。「teamSMQ」と「Shochiku Sisters」の芸人さん同士が合同練習会を始めたり、チーム同士のコミュニティも広がっているようです。
椎根:チーム同士の交流は、YouTubeのeQリーグ公式チャンネルで配信されている番組「eQキャンプ」でバラエティ企画をやっていることも影響していると思います。
岸:「eQキャンプ」は、チームやタレントさんの個性をより深く知ってもらうための試みです。公式チャンネルでは、各大会の生中継を行なったり、アーカイブも残していますので、ぜひ「eQリーグ」と併せて観ていただきたいです。
――明日開催のDay3、そして4月のDay4の残り2回で1stシーズンを終えますが、今後の展開はどう考えていますか?
岸:まずは1stシーズンの残り大会をしっかりと成功させること。前回のDay2は、これまでのチーム間のコミュニケーションや、選手それぞれのゲームの実力の向上、「eQリーグ」に対する熱意の盛り上がりが結実し、我々が当初の目標としていた、勝ち負けを巡った涙あり笑いありの感動的な光景がいくつも観られました。
椎根:僕らが描いている、エンタメ×ゲーム×女性芸能人=「eQリーグ」という理想にさらに一歩近づいたように思えましたね。
岸:これまでも感動的なドラマは生まれてはいましたが、『太鼓の達人』の最高難度モードで僅差の白熱する勝負があったり、『スーパーボンバーマン R』で大逆転劇が起こったり、トークの応酬で盛り上がったり、イベント中の3時間ばっちりと全チームの歯車が上手くかみ合い、「eQリーグ」としての一致団結を感じられたのは、前回のDay2が初めてでした。今後はその盛り上がりをさらに高めていきたいです。
椎根:いま目標としているのは、「eQリーグ」の番組化です。会場では生のイベントをやりつつ、試合の解説や選手たちのドラマをより見せられる機会は、積極的に狙っていきたいですね。
岸:「eQリーグ」の発展という意味では、チーム数を増やして、下部リーグを作ることも考えられますしね。おかげさまで、業界内のプロジェクトの認知度も上がり、参加したいと手を挙げてくれる事務所さんも増えています。
椎根:また、今はチーム応援施策として、スポーツチームやアスリートを支援できる電子トレカ売買サービス「whooop!」とコラボしているんですが、その「whooop!」でも新しい展開ができないかと考えているところです。
岸:次なる展開も、熱の高いうちに仕掛けていきたい。ゲームイベントなどにも積極的に出ていって、「eQリーグ」をより多くの人に認知し、応援してもらえるイベントに成長させていきたいです。ぜひ一度、生で彼女たちのガチな戦いをご覧いただけたらうれしいです。
<開催日時>
Day3:2019年3月16日(土) 開場16:30 / 開演17:00
Day4:2019年4月13日(土) 開場16:30 / 開演17:00
<開催場所>
神田明神ホール
2023.06.07
ソニー・クリエイティブプロダクツ
2023.05.29
ソニー・ミュージックエンタテインメント
2023.05.10
ソニー・ミュージックレーベルズ 他
2023.05.02
ソニー・ミュージックソリューションズ 他
2023.04.25
ソニー・ミュージックマーケティングユナイテッド
2023.04.21
ソニー・ミュージックエンタテインメント