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連載Cocotame Series

デビュー35周年!TM NETWORK×映像

『TMN final live LAST GROOVE 1994』プレミアム上映会レポート

2019.05.10

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TM NETWORK(以下、TM)は2019年でデビュー35周年。TMN(TM NETWORKは1990年にTMNと改名)の終了ライブ「TMN 4001 DAYS GROOVE」を収めたライブ映像『TMN final live LAST GROOVE 1994』が、全国の映画館で1日限定プレミアム上映されるなど盛り上がりをみせるなか、CocotameではTM NETWORK×映像を大特集!

2019年4月21日(日)、それは“TM”のデビュー35周年記念日であり、“TMN”の終了宣言から25周年にあたるメモリアルデーだった。この日、全国14都市・34カ所の映画館で『TMN final live LAST GROOVE 1994』5時間超えの“一挙見”マラソン上映会が開催。今回はそのなかでも、TMメンバーの木根尚登も上映前トークゲストとして登壇したTOHOシネマズ新宿・スクリーン9での模様をレポートする。

「このライブひとつでTMを語れる」木根尚登が語った『TMN final live LAST GROOVE』の魅力

TMの代表曲「Get Wild」を主題歌に起用し、大ヒットを記録したアニメ映画『劇場版シティーハンター <新宿プライベート・アイズ>』、その“聖地”にもなったTOHOシネマズ新宿。当日は同会場に約500人、全国の会場をあわせて約8,000人が『TMN final live LAST GROOVE 1994』を同時に体験するという特別な一日となった。

16:00スタートの上映会に先立って、まずは冒頭にトークイベントが行なわれた。司会として登場した音楽コンシェルジュ・ふくりゅう氏が「当時(1994年)東京ドームのライブに行った人はどれぐらいいますか?」と会場に問いかけると、なんと半数以上の観客の手が挙がるのだから驚きだ。

木根尚登を迎えたトークでは、ライブ映像作品『TMN final live LAST GROOVE』、そして25年前のライブ当日についてさまざまな話題が繰り広げられる。

まず『TMN final live LAST GROOVE』の特徴として随所に挿入されるドキュメンタリーパートについて、木根は「“終了”という名のプロジェクトをみんなで演出して楽しんでいた」と当時を振り返った。

そして、「実はライブ当日に腰を痛めていた」というエピソードを明かしつつも、ギター、ピアノ、ハーモニカなどさまざまな楽器を演奏したことから「できることは全部やった」、「この2日間のライブひとつで50年後にもTMを語れる」と話す。

またデビューから35年が経った現在、TMとして表だった活動こそないものの、確かな事実として「今のところ3人とも元気です!」(笑)という心強いコメントを残しトークを締めくくった。

このトークに関する詳細は「otonano」特設サイトで掲載中のレポート(新しいタブで開く)も参照してほしい。

あの東京ドームと大歓声の渦中に入り込めた喜び……『TMN final live LAST GROOVE 5.18』

2デイズにわたるTMN「終了」ライブ全曲が一挙上映されることとなったこの日。まずは『TMN final live LAST GROOVE 5.18』(154分)の上映からスタートした。

上映前のトークで木根も触れていたように、ライブ当日やそれに至るまでの打ち合わせ、リハーサルの模様をとらえたドキュメンタリー(モノクロ映像)が随所に挿入され、それらが一体化してひとつの作品となっているのが『TMN final live LAST GROOVE』の大きな特徴。初日のライブも、まずは冒頭にこのドキュメンタリーが挿し込まれる。

そして映像が東京ドームの様子に切り替わると、たちまち観客とドームの熱気が伝わってくる。この、ライブ会場に包み込まれるような一体感は、5.1chサラウンド仕様に生まれ変わった今回のリマスター映像ならではのものだろう。これまでDVDで何度も観ていた映像だったが、正直、この冒頭のドキュメンタリー明けの大歓声だけでも感無量……劇場で体験する価値があったと感じられた。

ライブ初日となる『TMN final live LAST GROOVE 5.18』ではTMのデビュー曲「金曜日のライオン」から、TM前半期の1987年までの楽曲をメインに19曲がプレイされた。セットリストには、ウツ(宇都宮隆)・木根のツインボーカルに胸が熱くなる「アクシデント」、そして「1/2の助走」「CONFESSION」「永遠のパスポート」という木根作曲の初期ミディアムナンバー連発など、当時演奏されること自体がレアという曲も多数含まれた。

TMNへの改名後に発表された「We Love The Earth」「Love Train」も交えつつ緩急のきいたステージが展開される前半戦。比較的しっとりした曲が多めということもあり、上映会の会場もしばらくは落ち着いた様子だ。

しかし、後半に差しかかった「ALL-RIGHT ALL-NIGHT (No Tears No Blood)」のあたりで、シビれを切らすかのように場内にペンライトの光がともり始める。この曲の後に挿入されたドキュメンタリーでは、ライブの打ち合わせからウツがこっそりと帰る……というシーンで会場がクスクスという笑いに包まれるなど、そこにはすっかりと一体感が生まれつつあった。

そして、お待ちかねの「GET WILD'89」。この2日間に演奏されたナンバーは原曲のイメージを逸脱しないアレンジのものが多かったが、演奏されるたびに姿を変えることで有名な「Get Wild」はやはり別格だった。ここでは“リプロダクション”が行なわれた1989年のバージョンをベースにしつつも、ツインドラムの生演奏も駆使した『TMN final live LAST GROOVE』ならではのアレンジとなっている。

シンセの印象的な「デーデーデーデー」、ウツの声をサンプリングした「ゲッゲゲッゲッゲゲッ…」のフレーズを小室哲哉が鳴らすと、東京ドームの大歓声とリンクして、上映会場の熱気も上がる。観客のペンライトも一挙に増えるのがわかった。

続く「DRAGON THE FESTIVAL」で、初日最大の盛り上がりが形成されてからの、「SELF CONTROL」。原曲の間奏にあたる部分がイントロに引用されたシンセのフレーズも、ラストのサビで木根がメインボーカルをとるところも、とても感動的だ。ライブ映像・音源でも何度も聴いてきたが、やはりこの日の演奏の“エモさ”はたまらない。

ウツの「4001日分の感謝をこめて……」というコメントから、本編ラストを感動的に締めた「ELECTRIC PROPHET」。そして、ファンの意表をついてドームのセンターステージで行なわれたアンコール「SEVEN DAYS WAR」。ラストの「ラー…ラー…」というコーラスに合わせ観客の手拍子が入るところでは、演奏と手拍子の間に東京ドームの広大さならではのタイムラグがあり、その感覚を劇場の音響で体験できたのもうれしかったところだ。

こうして、2時間半におよぶ『TMN final live LAST GROOVE 5.18』の濃密なライブ上映会はひとまず幕を閉じた。しかし、「この濃さの映像を2連続で……耐えられるのか(特に体力的に)!?」……若干の不安と、それ以上のワクワクを感じながら、続く『TMN final live LAST GROOVE 5.19』の上映を待つことにした。

幻と化していた“2日目の「GET WILD '89」”がついに……!『TMN final live LAST GROOVE 5.19』

15分間の休憩を挟んだのち、場内アナウンスなしでさっそく上映スタートした『TMN final live LAST GROOVE 5.19』(145分)。映像は再びモノクロのドキュメンタリーシーンから始まり、それを絶妙なタイミングで遮るように、場面が東京ドームのライブシーンへと移っていく。

木根とともにアコースティックギターを携えたスタイルで登場したウツ、1曲目を飾ったのは、「金曜日のライオン」と並ぶTM始まりのナンバーである「1974」だ。この日は、1988年以降およびグループ名を「TMN」にリニューアルしてからの楽曲を中心にしたセットリストが展開。「GET WILD '89」を除き、初日とは全曲異なる楽曲が演奏された。

1曲目で早くも最高潮という盛り上がりから、2曲目にミディアムナンバーの代表曲「STILL LOVE HER」を配置するという流れは何度観てもシブい……! またこの曲では、上映会前のトークでも「できることは全部やった」と語られていたが、コーラスにピアノにハーモニカにと大活躍した木根のプレイにも会場の注目が集まる。

『TMN final live LAST GROOVE 5.19』の上映においては、『5.18』の上映を経て楽しみ方をつかんだのか、会場でペンライトを振って楽しむ観客がかなり増えている。序盤では、「RHYTHM RED BEAT BLACK」のBメロにある「It's called“RED”!」「It's called“BLACK”!」のフレーズにあわせて灯るライトがとてもキレイだった。

続く『5.19』前半最大の見せ場と言えば、やはりTMの代表作とも言えるコンセプトアルバム『CAROL』から抜粋された組曲だろう。TMおよびTMNのサポートメンバーだった浅倉大介もショルダーキーボードを携えてゲスト出演し、イントロダクションとなる「A DAY IN THE GIRL'S LIFE」から圧巻のステージを繰り広げた。組曲のラストである「JUST ONE VICTORY」を終え、ウツが「浅倉大介に大きな拍手を!」とコメントするシーンでは、上映会の会場でも拍手が沸き起こる。

「HUMAN SYSTEM」と小室の美しいキーボードソロを挟み、ライブはやがて怒涛の後半戦へ。TM史上でも異色なハードロック/ヘヴィメタルナンバー「TIME TO COUNT DOWN」「69/99」ではペンライトだけでなく拳も自然と上がり、上映会場にはとうとう強い一体感が生まれていた。

そして、この後のシーンは『5.19』の上映でも最大と言える見どころとなった。

今回のプレミアム上映会、および2019年5月22日リリースのBlu-ray 10枚組BOX『TM NETWORK THE VIDEOS 1984-1994』には、これまで映像ソフト化された『TMN final live LAST GROOVE』には収録されていなかったシーンが追加されている。なかでも『5.19』で松本孝弘がギターでゲスト参加した 「GET WILD '89」は楽曲ごと初収録となった。

今回の上映に参加する前からライブのセットリストは知っていたわけで、事前にわかっているだけにドキドキしたシーンだ(実際、観客席でもかなりのザワつきが感じられた)。続く「YOU CAN DANCE」もここからの流れを汲んだ再編集バージョンの映像となっており、過去のDVDなどでは観られなかったカットをたっぷりと観ることができた。この部分はぜひBlu-ray BOXもしくは後日開催が発表された東阪Zeppでの上映会で、より多くの人に確認してほしいと思う。

「YOU CAN DANCE」の極めて高いテンションからなだれ込むように始まる「DIVE INTO YOUR BODY」もまた圧巻で、サビの「We say yeah!」のフレーズでは会場中の拳が上がる。この上映会は、じっくりと見入っているのが基本スタイルだったからこそ、「ここぞ」というタイミングで堰を切ったような盛り上がりがあるのがとても楽しい。

しだいに終演へのカウントダウンが始まるなかでの「THE POINT OF LOVERS' NIGHT」。楽曲の位置としては、アップナンバーが続いたあとでのクールダウンとなるが、逆に、会場の温度がグッと上がっているのを冷静に感じながら盛り上がるポイントでもある。

そして「NIGHTS OF THE KNIFE」。TMNのラストシングルとなった切なくもあたたかいこの曲で、『5.19』のライブ本編は幕を閉じる。

映像に収録されているアンコールの大歓声はものすごく、劇場の音響で聴いたときにはあまりの音量に鼓膜が破れるかと思ったほどだ。そして……『5.19』最後の最後に演奏されたのは、音源としては未発表という幻の楽曲「TIME MACHINE」。“4001日のタイムマシンに乗って”という意味もこめて、節目節目に珠玉のバラードを披露してきたTMNが有終の美を飾った名演だ。

全パフォーマンスを終えた3人が舞台裏に去っていく光景を、執拗なまでに追い続けるカメラ。ライブビデオであり、TMN「終了」のドキュメンタリーでもある『TMN final live LAST GROOVE』ならではのこの映像は、何度観てもジーンときてしまう……。

音楽史に残る2日間の祭りを25年越しに体験できた喜び

こうして『TMN final live LAST GROOVE 5.18』『TMN final live LAST GROOVE 5.19』あわせて5時間超えというマラソン上映が終わり、劇場は大きな拍手に包まれた。

TMNが10年間の活動のラストに仕掛けたエンタテインメントであり、音楽史に残る2日間のお祭り。当時はまだ小学生で、リアルタイムで体験することができなかった筆者は、この上映会でようやくあの日へのタイムスリップ・追体験ができたと感じた。それこそ、劇場を後にしてからしばらくは喪失感があったほどに……。

5時間超という上映時間も、前半は(おもに体力的な)不安があったものの、終わってみれば結構あっという間だった。特に『5.19』はその性質上、「終わりの時間が近づいてくるのがもったいない」と感じながら観るライブですらあった。

TMとTMNのライブを大画面・大音響で観る良さは多くの人に知ってほしいと思えるもので、この日限りでなく後日再び上映の機会(しかもライブハウスの音響で)があることは喜ばしい。これらの上映イベント、あるいはBlu-ray BOX『TM NETWORK THE VIDEOS 1984-1994』発売を機に、より多くの音楽ファンの間にTM熱が再燃することを期待してやまない。

取材・文=柳 雄大
写真=山本 佳代子

【5月17日】TMN東京ドーム公演25周年記念前夜祭!ライヴ・フィルム『TMN final live LAST GROOVE 1994』一夜限りのライヴハウス上映@Zepp 開催!

【第Ⅰ部・第Ⅱ部 通し券(全席自由)】
上映作品 第Ⅰ部|『TMN final live LAST GROOVE 1994.5.18』
上映作品 第Ⅱ部|『TMN final live LAST GROOVE 1994.5.19』

開場|15:30  開映|16:30
Zepp DiverCity(TOKYO)|完売
Zepp Osaka Bayside(OSAKA)|若干数

登壇|石坂健一郎さん(M-TRES代表取締役)、
川崎幹雄さん(『TMN final live LAST GROOVE 5.18 』『TMN final live LAST GROOVE 5.19』監督)
藤井徹貫さん(音楽評論家)

*第Ⅰ部上映前、16:00頃登壇予定
*登壇は、予告なく変更になる場合がございます。また都合により、登壇が中止になる場合もございます。
*上映時に、TMN、TM NETWORKの登壇は、ございません。
*当日券は、一般発売終了後、残席のある場合のみ5月17日(金)より販売いたします。Zepp DiverCity(TOKYO)の当日券の販売予定はございません。

席種|全席自由
前売券|4,000円(税込) 当日券| 5,000円(税込)
■入場者プレゼント付(先着での配布になります。配布はなくなり次第終了とさせていただきます。)
【2019年/日本/BD/4:3/2ch/2019リミックス・サウンド/315分(途中休憩を含む)】

【第Ⅱ部限定 鑑賞券(全席自由)】
上映作品|『TMN final live LAST GROOVE 1994.5.19』のみ

開場|19:00   開映|19:20
Zepp DiverCity(TOKYO)|完売
Zepp Osaka Bayside(OSAKA)

席種|全席自由
前売券|2,500円(税込) 当日券|3,000円(税込)
■入場者プレゼントは、ございません。
*当日券は、一般発売終了後、残席のある場合のみ5月17日(金)より販売いたします。Zepp DiverCity(TOKYO)の当日券の販売予定はございません。
【2019年/日本/BD/4:3/2ch/2019リミックス・サウンド/145分】

■TM NETWORK完全生産限定Blu-rayボックス

『TM NETWORK THE VIDEOS 1984-1994』
2019年5月22日発売/(Blu-ray BOX)32,400円/ソニー・ミュージックダイレクト
※1994年5月18、19日に行われた東京ドーム公演の映像作品『TMN final live LAST GROOVE』のほか、1985年に行われた「Dragon The Festival Tour featuring TM NETWORK」の東京・日本青年館公演や1980年代のライブ映像などを収録
http://www.110107.com/tm_network_the_videos(新しいタブで開く)

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