「ボンカレー」全17品&おすすめアレンジレシピを食レポ!!<後編>
2018.06.06
2018年は、ソニーミュージックグループが誕生して50年という節目の年。本連載「50年の歩み ~meets the 50th Anniversary~」は、同じく50年目を迎える企業、商品、サービスを取り上げ、その歴史を紐解くことで、「時代」を浮き彫りにするという特別企画だ。
レトルト食品の元祖・大塚食品「ボンカレー」について語り尽くしたシリーズ2。その最後は、実際にそれらを食するかたちで締めくくりたい。本連載スタッフによる、現行17製品の食べ比べ食レポと大塚食品おすすめの“公式”アレンジレシピ5種の食レポをご覧あれ。まずは、前編として“公式”現行17製品の食べ比べをお届けします!
・Cocotame編集部 編集者I
40代2児のパパ。カレーは辛いものに限る派。ボンカレーと言えば「青春の味」です。
・担当フリーライターY
40代独身貴族。週に一度はカレーを食すカレー好き。カツカレーがそろそろ胃に来るお年頃。
・担当カメラマンM
50代独身男性。定期的にホームパーティを主催する美食家。カレーはもちろんお酒も大好き。
大塚食品が「レトルトカレーの永遠のスタンダード」と謳う、「ボンカレー」の中核シリーズ。発売自体は40年前ですが、定期的に、その時代の日本人の好みに合わせた味のブラッシュアップを行なっているため、「ボンカレーの懐かしさ」を残しつつも、「古くささ」は感じさせない仕上がりとなっています。『甘口』から『大辛』までの辛さ違い4種のほか、デミグラスソースを使った『森のデミカレー』をラインナップ。
ライターY:『甘口』は給食のカレー感がありますね。でもこれ、文字通り「甘い」っていう感じではなくて、大人でも受け入れられる、自然な甘みがあります。
編集I:野菜の甘みを強く感じますね。私は辛党ですが、この甘さは好きですね。美味しい!
カメラマンM:久しぶりに「ボンカレー」を食べたんですけど、今のはきちんと肉感があるんですね。じゃがいももごろっとした食感が楽しめて美味しいです。
ライターY:では、続けて売れ線の『中辛』を。『甘口』よりもスパイス感が増していて、全体的な味の膨らみを感じます。
カメラマンM:『甘口』と全然、味の傾向が違いますね。これは全くの別もの。
ライターY:大塚食品さんも言ってましたけど、『甘口』に辛みを足したというような単純な味付けにはなってないんですね。
編集I:これぞ「ボンカレー」って感じがします。子どもや学生時代に食べていた記憶通りの「青春の味」です(笑)。
ライターY:そして『辛口』は『中辛』の延長線上にあって、より辛い。私はこれが一番好きかな。
カメラマンM:とは言え、やっぱり『中辛』とは別もの。一段と本格的になった。この味を固形ルーでつくるのは大変だと思いますよ。
編集I:香辛料が鼻に抜ける感じがありますね。『大辛』はもっと辛いんですか?
ライターY:いや『大辛』はだいぶ味の傾向が違います。人によっては痛いと感じるくらい辛い。ハバネロ感がありますね。
カメラマンM:辛いインドカレーが好きな人はこれくらい辛い方が良いんじゃないですか? ちょっと後に残る辛さですね。水を飲みたくなる感じの。
編集I:私はこれが一番気に入りました。辛いものが大好きなので、もっと辛くてもいいくらい。子供がいると家でここまで辛いカレーはつくれないんですが、「ボンカレー」なら子供に『甘口』を、大人は『大辛』をって分けて出せるのが良いですね。製造終了してしまったという『超熱辛』も食べてみたくなりました。
ライターY:そして、最後は変わりダネの『森のデミカレー』を……うぉっ、これは好みが分かれるかも。デミグラスソースというよりも漢方薬感がありますね。なんだろう、これはクルミの風味?
カメラマンM:たまねぎを焦がした時の独特の苦みがありますね。ハンバーグやパスタのソースなんかにしても良いかもしれません。
編集I:「ハヤシライス」が好きという人には好まれそう。でも、味はしっかり「カレー」です。私は辛党なので『大辛』が一番気に入ったんですが、『甘口』もすごく良かったですよ。こういう機会がなければ、おそらく固定概念から一生口にすることはなかったと思うので、この味付けを知ることができたのは良かったです。これを読んでいる辛党の人にもぜひ『甘口』も試してもらいたいですね。
名称を変えずに、味を進化させてきた『ボンカレーゴールド』に対し、『ボンカレー』は頑なに50年前の味を堅守。店頭販売は沖縄エリアでしか行なわれていませんが、大塚食品のオンラインストアでも入手可能です。もちろん、当時そのままの味わいを守るために、電子レンジ調理には対応していません。
カメラマンM:ではさっそく『あまくち』から試してみましょう……。うん、なるほど。確かに昔のレトルトカレーってこういう味でしたね。
ライターY:ちょっと薬っぽい苦みがありますね……。厳密にはスパイスの苦みなんでしょうけど。
編集I:沖縄の水で炊いたご飯がちょっと固くなるらしいので、ひょっとしたらそちらと合わせるとより美味しく感じるの……かも? 好みが分かれるところですね。
ライターY:先にこの『ボンカレー』を食べて、その後に今風の『ボンカレーゴールド』を食べると、「ボンカレー」がこの50年、どれだけ味を進化させてきたのかがわかって面白いですね。私は正直「ボンカレーの進化すげえ!!」って思っちゃいました(笑)。
沖縄限定の元祖『ボンカレー』の味付けを残しつつ、具をボリュームアップするなどし、電子レンジ調理にも対応させたのが『ボンカレー50』です。もちろん、パッケージは松山容子さん。手に持っているレトルトパウチが電子レンジ調理対応のものになっているのがポイントです。こちらは、沖縄県だけでなく、日本中で購入できます。
ライターY:これ、驚いたんですけど、『ボンカレー』と全然違う味に感じるんですよね。電子レンジ調理に対応したことで、蒸れた感がなくなったのが大きいのかも。
カメラマンM:何も聞かされずに食べたら同じ味付けだと分からないレベルですね。
編集I:取材でも、電子レンジ調理対応で美味しくなったっておっしゃっていましたけど、本当にここまで変わるものなんですね。
『ボンカレーゴールド』の内容量180gを大きく上回る、内容量230gを実現した、新しい『ボンカレーネオ』(2009年発売)。単に量を増やしただけでなく、具材の大型化・素材・製法にこだわるなど、食べ応えの点でもリッチになっています。味付けは『甘口』『中辛』『辛口』の3種類。
カメラマンM:「ネオ」というだけあって、見た目からだいぶ違っていますね。肉もブロックじゃなくて、平べったい。
編集I:具の分量も『ボンカレーゴールド』より明らかに多いですよね。じゃがいもも大きいです!
ライターY:いま、『甘口』を食べているんですが、『ボンカレーゴールド 甘口』よりも、甘みがより強く感じます。よりねっとりしているというか。
カメラマンM:舌に残る甘みですね。好き嫌いは分かれるかもしれないけど、インパクトはある。
ライターY:『中辛』もいってみましょう。こちらは赤ワインでローストしたビーフと野菜の味わいが売りだそうですよ。
編集I:確かにお肉が美味しいですね。存在感がある。
ライターY:かみしめた時の風味が『ボンカレーゴールド』と別ものです。肉を食べてるなって感じがありますよ。
編集I:辛党期待の『辛口』はどうかな……う〜ん、なるほど『ボンカレーネオ』は全体的に甘めの傾向があるのかな? 個人的にはもう少し辛い方が好きですね。
ライターY:とは言え『中辛』よりもスパイシーですよね。間違いなくこちらの方がキャラが立っています。
カメラマンM:ただ、デミグラスソースが入っている割には『ボンカレーゴールド 森のデミカレー』ほどのインパクトは感じませんでした。ガラムマサラっぽい風味は喉の奥に感じるんですけどね。
ライターY:量が多いことも『ボンカレーネオ』の特長なので、一口目のインパクトよりも、きちんと最後まで美味しく食べられることを重視しているのかもしれません。飽きない感じは確かにある。
編集I:具が大きくてそれだけで食べ応えがありますからね。
今年3月に登場した、最新世代の「ボンカレーグラン」。「自然が育んだ食材を贅沢に使ったひとつ上のカレー」というコンセプトの通り、具材へのこだわりがさらに進化しています。味付けも辛さではなく、『森のめぐみデミグラスカレー 中辛』『大地のみのりビーフカレー 中辛』『太陽のはぐくみキーマカレー 辛口』と、これまでとは異なる区分になっています。
ライターY:さっそく『森のめぐみデミグラスカレー 中辛』を食べてみたのですが、ナッツ感がすごいですね。『ボンカレーゴールド 森のデミカレー』に近いんですけど、こっちの方がより酸味を感じます。
カメラマンM:具にドライクランベリーが入ってるのも面白いですね。個性的だなぁ……でも、嫌いじゃないかも。
編集I:それ以外の具もナッツが中心ですからね。僕はナッツ大好きなので、アリです。大アリ。レトルトでこの食感を保っているのもすごい。
ライターY:じゃあ『大地のみのりビーフカレー 中辛』はどうですか? こっちは具的にはかなりスタンダードですよ。
編集I:まず香りがすごく良いですね。そして味も美味しい。すごくコクがある。私はだんぜんこっちの方が好みです。
カメラマンM:バターの風味が強いですね。肉の味もそれに引き立てられている。
ライターY:そして、パッケージに書かれているよう、鼻に抜ける香りにマスカルポーネ感もありますね。とにかくコクがあるので、がっつりいきたい人におすすめです。いやしかし、『ボンカレーグラン』はどれも個性の振り幅が大きいですね!
カメラマンM:それで言うなら『太陽のはぐくみキーマカレー 辛口』もすごそう。これはズッキーニかな……。たくさんの具が入っています。私はけっこう好きな味です。この爽やかな酸味は日向夏果汁のものなのかな。
ライターY:見た目はカラフルで派手なんですけど、味は落ち着きがあってしみじみ美味いですね。この3種類の中では一番、野菜感があります。
編集I:いや、これは私も好きです。ズッキーニがすごく良い。
ライターY:『ボンカレーグラン』は好みが別れそうなものの、総じてハイレベルですね。『ボンカレーネオ』が"ボリューム感”とするのなら、『ボンカレーグラン』は“具のクオリティ”って感じがしました。
編集I:どれも完成度が高いですよね。この記事の後編でアレンジレシピを紹介していますけど、『ボンカレーグラン』については、トッピングとかアレンジはしないで、このまま食べてほしいって思いました。
近年、調剤薬局向けのレトルト食品も積極的に展開している大塚食品が、まだ小さな子供たちのために作り出したのがこちら。牛乳1本分のカルシウムや、約7gのたんぱく質などを、手軽に摂取することができます。まだ熱いものが食べられない子供のために、温めることなく食べられるようにしたのもこの製品の特徴です。
ライターY:『こどものためのボンカレー』は、う~ん、大人にはちょっと厳しいかも(笑)。まぁ、当り前ですけどね。
編集I:スパイス感はありません。ミルキーな感じが強いですね。
カメラマンM:小さくカットされた野菜がたくさん入っていて、健康には良さそうですけどね。離乳食の次みたいな?
編集I:そうですね、たしかに大人にはちょっと厳しいテイストなんですけど、この小さな野菜にきちんと野菜の味わいが残っているのは感心しました。
厳選素材の牛スネ肉・本格ブイヨン・牛テールスープを使用するなど、「味」にとことんこだわった究極のボンカレー。2015年に発売された当時は、税込価格540円という価格も話題になりました。
ライターY:「The」を冠したネーミングから気合いと誇りを感じる『Theボンカレー』は、さすがにお高いだけあって、肉がすごいですね。『ボンカレーネオ』の肉も美味しかったですけど、こちらはちょっと次元が違う。
カメラマンM:カレーとしての味付けも、ほかの「ボンカレー」とだいぶ違いますね。
編集I:肉の味を引き立てる味付けですよね。後に残る酸味もあってすごく美味しい。本当にレトルトですか、これ?
ライターY:良い意味で「ボンカレー」感がない(笑)。
カメラマンM:これ、このままカフェのメニューとして出せますね。正直、お値段にはびっくりしましたけど、確かにそれくらいの価値がありますね。
ライターY:レトルト食品でもここまでいけるのだということを、その生みの親である大塚食品が自ら証明してくれました。文字通り「究極」なので、興味のある方は、ぜひともお試しください。本当にビックリすると思いますよ。
次回は、「ボンカレー」を使った公式アレンジレシピを再現して食レポを行なう。こちらもお楽しみに!
取材/文:山下達也(ジアスワークス)
撮影:松浦文生
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