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Like It!~これが私の好きなもの

武田梨奈:人生に影響を与えた映画は80年代の作品【前編】

2022.05.12

愛してやまないモノ、ハマっているコトの魅力を存分に語ってもらう連載「Like It!~これが私の好きなもの」。

今回は、80年代映画を愛してやまない武田梨奈が登場。幼少期から親しんできたという作品たちについて聞く。ドラマ『ワカコ酒』でのキュートなイメージとはまた違った自身の空手家としてのルーツがそこにはあった。

前編では、特に好きな80年代映画と、作品にまつわる思い出を明かす。

武田梨奈 Takeda Rina

1991年6月15日生まれ。神奈川県出身。2009年5月『ハイキック・ガール!』で映画デビュー。2013年、第1回ジャパンアクションアワードでベストアクション女優最優秀賞を受賞。2015年より主演している連続ドラマ『ワカコ酒』で人気を博し、シーズン6が放送中。現在、ドラマ『妖怪シェアハウス-帰ってきたん怪-』出演中。出演映画『Sexual Drive』公開中。日米印合作映画『Shambhala-シャンバラ-』が公開待機中。

週末の夜に家族で映画を見ることが楽しみだった

──1980年代に制作された映画に愛と造詣が深い武田梨奈さんに、その魅力を語ってもらいます。まず、世代的にはリアルタイムではない武田さんですが、どのようなきっかけで80年代映画に触れていったんですか?

それは父の影響ですね。もともと父が映画好きだったんです。私の家では、私が保育園のころから週末の夜に家族で映画を見ることが楽しみのひとつになっていました。うちは父と弟、そして私が空手をやっているんですが、始めたきっかけは、ジャッキー・チェンさんの映画の影響だったりするんです。

そんな環境でいろんな映画を見ていくなかで、すごくハマった作品が『グーニーズ』(1985年)でした。初めて見たときに、映画のなかの作り物だとは思えなくて、こういう世界ってほんとにあるのかも! という感覚になったんです。どっぷりハマってずっと繰り返し見てました。そのあとも父の好きな映画を見せてくれてたんですが、ほとんどが1980年代の作品だったんです。どれも面白くて、私の人生に影響を与えた映画はほとんど1980年代の作品だなって思いますね。

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販売元:NBC ユニバーサル・エンターテイメント
© 1985 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

──『グーニーズ』のどんなところに惹かれたんですか?

『グーニーズ』を見たときに変な血が騒いだんですよ(笑)。当時の自分と同い年くらいの男の子たちが冒険をするんですけど、決してファンタジーという感じではないんですよね。宝探しに行くんですが、そもそも家の屋根裏で見付けた地図がきっかけというのが、すごく身近に感じたんです。もしかしたら、本当に隠された財宝がどこかにあるんじゃないかな? と、当時いろんな妄想が膨らみました。

──自分も主人公たちの仲間になったような、日常の延長として捉えられたんですね。

そうなんです。あと、出てくる仕掛けもアナログなんですが、工夫されてて面白かったですし、ほんとに夢を見させていただきました。

──『グーニーズ』で好きなキャラクターは?

一番はデータですね。『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』(1984年)でハリウッドデビューしたキー・ホイ・クァン(現・ジョナサン・キー)が演じているんですが、すごく無邪気な子で、人を驚かせようとしたり何かを発信しようとしてるところがとてもかわいらしいなと思いました。

映画『グーニーズ』より。写真左がデータ。© 1985 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

そもそも『グーニーズ』も、最初はハリウッド作品のなかに同じアジアの男の子がいるというところに惹かれたんです。データがいるのといないのでは、『グーニーズ』の作品自体が大きく変わってくると思うんです。洞窟に入ったときにデータがぼそっと「この洞窟を歩いてると、もしかして中国にもつながってるかも」と言うシーンがあります。その言葉にいろんなことを考えさせられますし、データというキャラクターに監督が込めた想いを感じました。

父に「空手と言えばこれを見ろ」と勧められた

──ほかにはどんな作品を見ていたんでしょうか。

『ダイ・ハード』(1988年)は、毎年クリスマスになると父が見せてくれてました。父はブルース・ウィリスが演じる刑事、ジョン・マクレーンに憧れていて、私のケータイの父の連絡先は“ジョン・マクレーン”の名前で登録されてるんですよ(笑)。

──お父さんから着信があると“ジョン・マクレーン”って出てくるということですか(笑)!?

はい、もう、何年も前から(笑)。あと、私が空手を習い始めてから見た『ベスト・キッド』(1984年)にもすごく影響を受けました。それまでブルース・リーさんやジャッキー・チェンさんの映画を見ていたんですが、父に「空手と言えばこれを見ろ」と勧められたんです。

『ベスト・キッド』デジタル配信中
Blu-ray:2,619円(税込)/DVD:1,551円(税込)
発売・販売元:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
© 1984 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.

──『ベスト・キッド』も少年が主人公でしたし、一緒に鍛えるみたいな感覚だったんですか?

そうですね。あと、身近でできるトレーニングがたくさん詰め込まれてるんですよ。私、映画で良いなと思うものを真似したくなるんです。『ロッキー』(1976年)の、生卵を一気に飲むのとか(笑)。

──実際に飲んだことがあるんですか?

はい。すぐにできますし、お金もかからなくて、かっこ良いなと思って(笑)。

──武田さんのチャレンジ精神がかっこ良いです。

ありがとうございます(笑)。でもほんとに『ベスト・キッド』は、いろんなことが参考になりました。私が通ってる空手の道場でも、稽古のあと必ずみんなで雑巾掛けをするんです。床拭き用の掃除道具もあるんですが、あえて自分たちの体を動かして自分たちの使ったものをきれいにする。それも、礼に始まり礼で終わる精神的な稽古の一貫だと思うんです。そうしたものが『ベスト・キッド』にはちゃんと詰め込まれています。ただのエンタテインメントじゃないなというのはすごく感じますね。

映画『ベスト・キッド』より。主人公ダニエルとミスターミヤギ(右)。© 1984 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.

──ノリユキ・パット・モリタ演じるミヤギ先生に、武田さんも学んだと。

ほんとにそうです。今見ても、セリフの一つひとつが身に染みます。あの映画は空手の話をしているだけのように思うかもしれませんが、「道を歩くとき、左側を歩いても安全。右側を歩いても安全。 しかし真ん中を歩けば、車に轢かれてグシャだ。空手も同じだ。空手をやるも良し、やらないも良し、中途半端にやるとグシャだ。」「バランスが大事だ。空手だけでなく人生も。」というセリフだったり、作品のなかでちゃんと人生と空手をリンクさせてるのがすごく良いなと思います。

──相当見てますね!

自分のなかでちょっと落ち込むことがあったりすると、こうした1980年代の作品を見て自分を見つめ直すことが多いです。最近『ベスト・キッド』の続編ドラマ『コブラ会』が作られましたが、若い世代の方々には、ぜひ昔の『ベスト・キッド』と両方見てほしいなと思いますね。

──武田さんが敬愛するジャッキー・チェンも1980年代に大活躍しましたが、初期のカンフー時代と、『プロジェクトA』(1983年)以降の現代寄りの作品と、どちらが好きですか?

どっちも好きなんですよ。ただ、最初は、『ドランクモンキー 酔拳』や『蛇拳』(ともに1978年)など、カンフー時代のジャッキーさんのオリジナリティのある感じが、すごくユーモラスでハマったんです。でもジャッキーさんの作品はどれも唯一無二の魅力がありますし、絶対見終わったあと真似したくなる要素が詰め込まれてますよね。ジャッキーさんの作品は、生活の、身の回りにあるもので戦ったりトレーニングしたりするのが面白いなって思います。

──やっぱり、自分でもやりたくなってしまうと。

真似したくなってしまいますね。かっこ良いなと思っちゃうんです(笑)。酔拳の動きをやってみたり、『少林寺木人拳』(1976年)の木人は持ってないですけど(笑)、普通の木で真似してました。

今だったらトレーニングひとつでも、いろんな方法で調べられるし、情報があふれてるじゃないですか。でもそうではなく、身の回りのものを使って自分で見付け出すところが魅力的だなと思います。

ジャッキーさんは、『ポリス・ストーリー/香港国際警察』(1985年)での傘や椅子など、誰もが日常で触れてるもので戦うじゃないですか。バスのなかで戦ったりもしますし。なので、普段歩きながらでも常に妄想は膨らんじゃいますね(笑)。

──傘でバスにぶら下がりたいと思ったり(笑)?

やってみたいなと思います(笑)。映画のなかのジャッキーさんの人間くさい感じが好きですね。アクションシーンも、スタントなしで肉体だけでぶつかり合って戦う。それに、強い攻撃ができるだけじゃなく、やられる側の受け身もご自身でやれるのがすごく魅力的でした。

人間同士が目の前でぶつかり合える時代だった

──1980年代は、今よりテクノロジーがなかったからか、人間力が伝わるものが評価されたり、観客の支持を集めた感はあります。

そのころは携帯電話も普及してなかったですし、人間同士が目の前でちゃんとぶつかり合うことが多い時代だったのかもしれません。そのぶん、人の心が見えやすいというか。アクション映画だけじゃなく、青春ものを見ていても、そういった人と人との気持ちの通い合う姿に、良いなと思う瞬間がたくさんあります。現在の作品は、“SNSを通じて”という描写が当然のように出てきますが、それだと人の心がちゃんと見えにくいなと思ったりするんです。

例えば、『エンドレス・ラブ』(1981年)も、最初に見たときは、前半はなんてピュアで美しい純愛映画なんだろうと子どもながらに思ったんです。そしたら、後半の恋愛描写や展開に、「え?」って思いがけないシーンがたくさんあって、若干トラウマになりかけました(笑)。でもそれって、相手に対して真っすぐすぎるがゆえに起きてしまった事件だったのかなと思ったんです。

1980年代は、私はまだ生まれていませんが、ちゃんとその時代背景を描きながら作品を撮っているんだなと感じたんです。そうやって映画を見て、私は自分ができなかった人生経験をたくさんさせてもらってる気がしますね。

──1991年生まれの武田さんから見て、古くささみたいなものは感じないですか?

逆にかっこ良いと思います。音楽も好きですし、ファッションも真似したくなります。青春ものもすごく好きで、『ブレックファスト・クラブ』や『セント・エルモス・ファイアー』(ともに1985年)など、学校の友達同士を描いた、身近に感じるものが特に好きでした。

ダンスシーンが見どころの『フットルース』(1984年)も、ヒロインがちょっとぶっ飛んでて良いんですよね。あと、音楽が流れて突然みんなで踊り出したりするシーンも、ストーリーに沿って、そのときの心境をみんなで音楽で語り合ってるって感じがして、すごく好きです。『フットルース』は、音楽がいきてる映画という印象があります。同じく、音楽が印象的な映画でいうと、『フラッシュダンス』(1983年)も好きです。アクション映画ではないんですが、私のなかではアクション映画というか、『ベスト・キッド』に通じるものがあります。

──主人公が困難を乗り越えて、這い上がっていくストーリーですね。

主人公がただ踊りが好きで、独学でやってきたという成長過程が見えるんです。そう考えると、私は成長過程が見える作品が好きなのかもしれないですね。『スタンド・バイ・ミー』(1986年)もそうですよね。

今、Netflixなどのオリジナル作品で、1980年代を舞台にしてる作品が増えてるじゃないですか。私は今『ストレンジャー・シングス 未知の世界』にハマってるんですけど、たぶん物語の舞台が今の時代だったら、あの面白さは描けてないと思うんです。きっと、スマホもインターネットもない環境で、みんなで試行錯誤しながら探っていくことに、モノや情報があふれてる今の時代だからこそ、多くの人が魅力を感じてるのかなと思いました。そうした時代背景も含めて、私は1980年代の文化がすごく好きですね。

後編へつづく

文・取材:土屋恵介
撮影:荻原大志
スタイリング:松野仁美
衣装協力:Jacket,Dress / tiit tokyo (THE PR) Other / Stylist own

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