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連載Cocotame Series

ヒットの活かし方

耳で“聴く”から体に“効く”へ。アプリ『life image』が描く未来【後編】

2022.07.01

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“0”から生み出された“1”というヒット。その“1”を最大化するための試みを追う連載企画「ヒットの活かし方」。

2000年に第1弾が発売され、多くのファンに愛されてきたリラクゼーションミュージックのコンピレーションCD『image』シリーズ。その名を冠した音楽アプリ『life image』が誕生した。より生活に密着した音楽を提供することで、人々のウェルネスに貢献することを目的としたこのアプリに込められた想いと狙いとは。開発の中核を担ったソニー・ミュージックレーベルズの原賀豪と梶望が語る。

後編では、アプリが目指す未来像と今後の『image』ブランドについて聞く。

  • 原賀 豪

    Haraga Go

    ソニー・ミュージックレーベルズ

  • 梶 望

    Kaji Nozomu

    ソニー・ミュージックレーベルズ

習慣として使ってもらえるアプリに

前編からつづく)――2年の開発期間を経て、ついにローンチされた『life image』ですが、アプリとして目指しているのはどういったところですか。

梶:『image』シリーズは耳で“聴く”音楽でしたが、『life image』は体に“効く”アプリにしていきましょう、というのが僕が最初に立てたコンセプトでした。同じ“きく”でも違うものにしていきましょう、と。“体に効く”とは生活に根ざしたもの、つまり習慣として使ってもらえるアプリになれるかどうかがすごく大事なポイントだと思っているんです。

良い睡眠がとれたり、気持ち良く集中できたり、心地良くリラックスできたり……日々に必要な習慣として、この『life image』がちゃんと位置付けられたら成功かなと思うんです。ただ、医学的には僕らは素人ですので、睡眠・呼吸器内科の医師・白濱龍太郎先生にアドバイザーをお願いして、監修していただいています。

原賀:昨今、ウェルネス志向、健康志向という言葉をよく耳にしますし、実際に志向されている方もすごくたくさんいらっしゃると思うのですが、その方々が必ずしも音楽好きとは限らないですよね。むしろ音楽にあまり関心がないという人のほうが多いかもしれない。そういった方に対して、「音楽でもウェルネスを追求することができるんですよ」ということを届けたいんです。既存の『image』ファンの方々だけでなく、その周りにも潜在的なユーザーが大勢いらっしゃるはずだと思ってもいて。そういった層に届けるためにも、いろんな業種の方々とコラボレーションイベントを開催していきます。

――そのコラボレーションイベントのVol.1 は、東京・江古田、蓮華寺にて、フラメンコギタリスト、沖仁さんのライブとEN TEAのお茶とのコラボ、Vol.2は、浅草・緑泉寺での「暗闇ごはん」体験を開催しました。今後も幅広く展開されていくんでしょうか。

“life image プレミアム・エクスペリエンスVol.1”

 

2022年5月に東京・江古田、蓮華寺で行なわれたローンチ記念イベントでは、参加者がフラメンコギタリスト・沖仁のミニライブを鑑賞し、そのあと『life image』を体験。参加者は、健康管理トラッカーの『Fitbit Charge 5』を装着し、EDA(皮膚電気活動)、心拍数を計測。耳をふさがずに音楽を聴ける、イヤカフ型のワイヤレスイヤホン、『ambie』で『life image』を聴きながらEN TEAのお茶とお菓子を楽しみ、それらの体験ごとに数値を計測した。都会の喧噪から離れた緑豊かな蓮華寺の境内で、実際に自身がリラックスしていくのを『Fitbit』に表示された数値で知ることができ、『life image』の効果を実感できるイベントとなった。(Photo:竹下智也)

原賀:はい。ヨガやエステ、医療など、ウェルネスや健康以外にも広げてコラボしていきたいと考えています。

梶:今の社会って多くの人にとってストレスフルだと思うんですよ。特にコロナ禍の影響は大きいと思っていて。そうしたなかでこのアプリを使うことによって少しでも精神的な安定を感じていただくことができたら良いですよね。睡眠もそうですし、リラックスもそう、あるいは作業をするときの集中もそうなんですけど、人々の生活のなかに音楽が入り込むことができて、より良い形で貢献できたらすごくうれしいです。

あと、これは極めてビジネス的なことを言いますけど(笑)、冒頭で申し上げたように、寝ている間にグルグルと再生回数を稼いで利益に還元するというシステムは、おそらくこれまであまりなかったと思うんですよね。インディーズではあったでしょうけど、メジャーレーベルでそれを真剣にやっている人はまだそんなにいないと思うんです。日本はまだどちらかというとヒットチャートをメインに戦っているところが大きい気がして。でも海外ではアーティスト名も曲名も知らないヒット曲というものが実際、生まれているわけですよ。

加えて我々には膨大な音楽の資産があります。今、いろんな人がいろんなやり方でその資産のいかし方のトライアルをしていますけど、この『life image』は、そのなかでの僕らなりのやり方、ひとつの提案です。これが成功したらレコード会社の資産をいかす上での一例になるわけで、僕らとしては音楽に携わる者として冥利に尽きますよね。音楽業界に良い形で貢献できて、しかも新しいビジネスとしてほかでもそうした動きが生まれてきたら、こんなにうれしいことはないので。

――先駆けと言えますね。

梶:なのでビジネスとしてもちゃんと成功させたいです。原賀さんが「道のないところにどうやって道を作っていくかが大変だった」とおっしゃっていましたが、それって今後、とても大事なことになると思っているんですよ。それこそ最初は、いろんな人のところに相談に行って「10年早いよ」と言われましたけど、逆に言うと、10年後にはそれが可能なものになってくるわけです。そのときからもう2年経っているので、単純に考えたらあと8年なんですよね。そんなのあっという間じゃないですか。それまでにこのアプリがよりレコメンデーション的な機能を進化させて、さらにファンをつけることができていたら、ほかに対してアドバンテージを持てますよね。そこに新たなテクノロジーとして脳波を測れるとか、もしくはバイタルセンシングでセルフレコメンデーションができますとなっていったら、それをいち早く取り入れてマーケットを制することができる。そうやって誰もやっていない領域に先んじて踏み込んで知見を貯めていく、経験を積んでいくということが大事なんだと思うんです。実際、今もいろんなところに種まきをしていますから。

原賀:生まれたばかりのアプリなので、ここから皆さんに意見をいただきながらチューンナップしていかないといけないなと思っています。

音楽を通じてリラクゼーションを

――今後、『image』というブランドをどのようにしていきたいと考えていますか。

原賀:先ほど少し申し上げましたが、『life image』というアプリに関しては、既存の『image』ファンの方々に使っていただけたらありがたいですし、音楽を聴く習慣がないという方々には、音楽を通じてリラクゼーションが得られるということに気付いてもらえるものになったらと思っています。『image』がCDという形で販売されている限り、レコード店やeコマースでないと手に入れられないですし、基本的にはそういう音楽を聴く人以外には買ってもらえない。

でも、アプリになったことで、多くの人に『image』の音楽を楽しんでもらえる絶好のチャンスができた。今まで音楽好きな方のためのものだった『image』がその枠を飛び出して、もっともっと一般的に広がっていく可能性を得たわけです。実際、聴いてもらえれば十分に満足していただけるだけの音楽的な魅力が『image』には備わっていますから。そこは自信を持ってお薦めできるので、ぜひ楽しんでもらいたいですね。

――CD『image』のリリースや、シリーズ立ち上げから行なわれてきたコンサート“live image”の開催もつづいていく、と。

原賀:『image』のCDリリースについては、これからもつづけていく方向で考えていて、今年も8月3日のリリースで最新作『image22』を準備しています。また、2020年度に企画されていながらコロナ禍の影響で中止となってしまった“live image”に関しても、いつか開催できたらなと思いますので、今後に期待していただきたいです。

文・取材:本間夕子
撮影:下田直樹

リリース情報


 
リラクゼーションアプリ『life image』
 
iOS
https://apps.apple.com/us/app/life-image/id1616089512(新しいタブで開く)
 
Android
https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.co.sonymusic.artist.lifeimage(新しいタブで開く)
 

CDアルバム『image22』
発売日:8月3日(水)
詳細・予約はこちら(新しいタブで開く)

関連サイト

『image』公式:https://www.sonymusic.co.jp/artist/image/(新しいタブで開く)

連載ヒットの活かし方

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