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連載Cocotame Series

キャラクタービジネスの心得

ピーターラビット™のコンセプトショップが軽井沢と京都にオープン――限定グッズや見どころを解説【前編】

2023.10.30

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キャラクタービジネスを手掛ける上で、知っておきたい心得をその道のプロたちに聞いていく連載「キャラクタービジネスの心得」。

今回は、「ピーターラビット™」初の常設コンセプトショップ『Peter Rabbit™ SHOP&BAKES』を取り上げる。イギリスの代表的な焼き菓子や紅茶、限定アイテムを含む多彩なグッズが並ぶこのショップは、2023年7月に軽井沢店、9月に京都・二寧坂店がオープン。外観や内装、限定グッズにそれぞれの地域色が表われていることも相まって、「ピーターラビット™」の新たな聖地として注目を集めている。

本記事では、『Peter Rabbit™ SHOP&BAKES』のオープンに携わったソニー・クリエイティブプロダクツ(以下、SCP)の担当者にインタビューを実施。「ピーターラビット™」初のコンセプトショップの詳細を聞いた。

前編では、『Peter Rabbit™ SHOP&BAKES』をオープンさせた経緯、各店の限定アイテムや見どころを語る。

  • 原田健至プロフィール画像

    原田健至

    Harada Kenji

    ソニー・クリエイティブプロダクツ

  • 鹿間絵理プロフィール画像

    鹿間絵理

    Shikama Eri

    ソニー・クリエイティブプロダクツ

初のコンセプトショップ『Peter Rabbit™ SHOP&BAKES』

初のコンセプトショップ『Peter Rabbit™ SHOP&BAKES』軽井沢店画像
コンセプトショップ『Peter Rabbit™ SHOP&BAKES』ロゴ画像

 
「ピーターラビット™」のふるさと、イギリス湖水地方のように、歴史を感じる場所、自然豊かな土地にオープンしたコンセプトショップ。イギリスの代表的な焼き菓子と紅茶、「ピーターラビット™」のかわいらしい限定アイテムなどを取り扱っている。軽井沢と京都の2店舗に出店。ショップの運営は、全国各地の観光地を中心に、土産物などの販売を通じて日本古来の伝統文化を継承し広めていく株式会社寺子屋が行なっている。

コンセプトショップは、作品世界に触れる新たなタッチポイント

──原田さん、鹿間さんは、「ピーターラビット」の初のコンセプトショップ『Peter Rabbit™ SHOP&BAKES』の立ち上げに、どのような形で携わっているのでしょうか。

原田:私は「ピーターラビット」のキャラクタービジネスにおいて、マーケティングやブランディングの担当をしています。今回はプロデューサーという立場で、ショップの立ち上げに携わっています。

鹿間:「ピーターラビット」のクリエイティブディレクターを担当しています。今回はショップのオープンにあたり、コンセプト作りや内装、オリジナルグッズの監修などを担当しました。

──自由が丘(東京)と横浜(神奈川)に「ピーターラビット」のカフェはオープンしていますが、コンセプトショップは初めてです。出店することになった経緯を教えてください。

原田:実は、2019年ごろからコンセプトショップを立ち上げようという構想があり、「SNOOPY茶屋」や「SNOOPY Chocolat」でも協業させていただいている寺子屋の皆さんと話を進めていました。コンセプトまで具体的に詰めていたのですが、コロナ禍の拡大により、一度話が立ち消えてしまって……ようやくコロナ禍の収束が見えかけてきた、去年くらいから再びお話をさせていただきました。

原田画像1

──コンセプトショップの出店は、「ピーターラビット」のキャラクタービジネスにおいてどのような効果を見込んでいるのでしょうか。

原田:「ピーターラビット」は、誕生から120年以上が経過した今も色あせない“エバーグリーン”のIPです。子どものころに「実家に絵本があった」「図書館で借りて読んだ」という体験をされた方がとても多いのですが、最近は少し遠ざかっているという方も多いと思います。そういった方々に、現在進行形のタッチポイントとして「ピーターラビット」を体験していただく場をご提供する意図も含めて、オープンすることになりました。

──ショップの展開というと、大きな街の中心地から徐々に全国へ広げていくというイメージがありますが、軽井沢と京都という観光地からオープンしたのはなぜでしょう。

原田:『Peter Rabbit™ SHOP&BAKES』は、「ピーターラビット」が生まれたイギリスの湖水地方のように歴史を感じる場所、自然豊かな土地に出店するというコンセプトがありました。軽井沢は自然が豊かで緑が多く、京都は“千年の都”と称されるほど歴史を積み重ねてきたクラシカルな街です。加えて、今回協業していただいている寺子屋は京都に本社を構えていらっしゃって、観光地でのコンセプトショップ運営を得意とされているので、まずはこの2店舗からスタートしました。

──それぞれの店舗は、どのような立地にあるのでしょうか。

原田:軽井沢店は、旧軽井沢銀座通りという土産物店やカフェ、飲食店が並ぶ商店街にあります。京都店は、清水寺への参拝道として知られる二寧坂にオープンしました。

「ピーターラビット」は認知度が非常に高いIPです。そのため、このお店を目当てに訪れる方はもちろん、たまたま通りがかった方にも認識してもらい、立ち寄ってもらえるという強みがあります。そういう意味でも、老若男女が訪れる観光地に出店するのは理に適っていると考えました。

軽井沢はフルーツ、京都は花をモチーフに限定アイテムを販売

──『Peter Rabbit™ SHOP&BAKES』について、寺子屋の皆さんとともに考えた最初のコンセプトはどんなものですか?

鹿間:まず、イギリスの焼き菓子店という、モダンでありながらクラシカルな雰囲気のあるショップにしたいという大きなコンセプトがありました。そこから細部を詰めていったという感じですね。

鹿間画像1

──店舗のデザインにおいて、最も大事にしたのはどんな点ですか。

鹿間:店舗名にもあるように“ベイクショップらしさ”は大切にしました。内装もそうですし、ディスプレイでは焼き菓子を並べるための楕円の棚も欠かせないなと。特にクリアなアクリルケースに、焼き菓子が積み上げられている光景はマストだなと思いました。

京都店内でこだわった焼き菓子のディスプレイ

──最近、都内でもベイクショップが増えているように感じますが、流行っているのでしょうか。

原田:そうですね。百貨店で英国展などの催事が開催されれば、スコーンを買うために行列ができますし、イギリスの焼き菓子の人気は非常に根強いなと思います。「ピーターラビット」はイギリスの作家ビアトリクス・ポター™さんが生み出した絵本ですから、こうした伝統菓子との相性も良いと考えました。

なので、『Peter Rabbit™ SHOP&BAKES』では、焼き菓子のクオリティにもこだわっています。京都の焼き菓子職人の方に、本場イギリスの味を研究していただいた上で作っているので、ぜひその味もお楽しみください。

──焼き菓子のメニューはどんなものですか?

原田:クッキーやスコーン、フィナンシェ、パウンドケーキといったオーソドックスなものから、イギリスの伝統的なお菓子マデイラやジンジャーブレッドなど常時10種類くらい揃えています。

鹿間:お店の立地が観光地なのでお土産を意識して、お菓子はすべて個包装にしました。もちろん、ご自身で食べてみたいという方でも手に取っていただきやすいと思います。

こだわりのイギリスの伝統的なお菓子

──オリジナルグッズについても詳細を教えてください。

鹿間:軽井沢と京都、それぞれに『Peter Rabbit™ SHOP&BAKES』限定グッズをご用意しました。軽井沢は信州のフルーツ、京都は花を基調としたオリジナルアートを作り、トートバッグなどに展開しています。ほかにも2店舗共通のアートを使ったグッズもあります。

──アートは描き下ろしなんですね。

鹿間:原作のアートも店内で使用していますが、グッズはビジュアル的な新鮮さも必要だと考え、描き下ろしのイラストを使いました。

原田:このアートは、ビアトリクス・ポターさんが描いたものではありませんが、イギリスの出版社にリクエストを出して、新しく描き下してもらっています。

鹿間:グッズや内装デザインは、すべて本国の監修も受けているので、クオリティコントロールもしっかりしています。

原作の世界観を落とし込んだ店舗デザイン

──それぞれのショップの特徴についても聞いていきます。軽井沢店は、上品なピンクを基調としたとてもかわいらしい雰囲気です。ピーターラビットというとトレードマークであるジャケットの淡い青色のイメージが強かったので、この配色は意外に感じました。

鹿間:「ピーターラビット」が120周年を迎えたとき、新しく素材集を作ったんですが、その際、思い切ってピンクをベースカラーにしたところ、社内でも「ピーターの青いジャケットが映えて良いね」という声が上がりました。その流れで、軽井沢店はピンク色を基調色にしましたが、甘くなりすぎないように内装はモダンなデザインにしています。

──「原作の世界観をこうやってデザインに落とし込んだ」という、こだわりのポイントがあれば教えてください。

鹿間:原作には食に関連する物語がたくさんあるので、店内でも食にまつわるアートや文章をピックアップして飾っています。軽井沢店と京都店共通でリボン柄のアートを用意したのですが、そのなかに「ピーターラビット」の絵本に出てくる鳥を隠して入れているので、ぜひ探してみてください。

──先ほど「タッチポイントを増やしたい」というお話がありました。例えばSNSで話題になるような写真映えするスポットを用意するなど、工夫した点はありますか?

鹿間:軽井沢店の外壁には、ピーターとリンゴの大きなウォールアートが描かれています。そこで写真を撮られる方が多いですね。

軽井沢店のウォールアート

原田:あと、軽井沢は避暑地として利用されることも多いからか、犬の散歩がてらにお店を発見したという方もいらっしゃって、愛犬とピーターの写真を撮って楽しんでいる方もたくさんいました。

──反響はいかがですか?

原田:オープン初日から多くの方が行列に並んでくださって、予想以上の反響でした。またほかのIPのショップに比べて、平日に来店されるお客様が多いというのも特徴ですね。

──どういった層の方が多いのでしょうか。

原田:修学旅行で軽井沢を訪れた学生さんたちの団体客からインバウンドのお客様、ご年配のお客様まで、幅広い方々にご来店いただいています。今まで「ピーターラビット」に触れてこなかったであろう、若いお客様もたくさんいらしていただいています。

鹿間:あとは外装をピンクにしたことによってインパクトも生まれ、「何のお店だろう」と入店される方も多いですね。そうやって興味を持ってくださるのは、若い方が多いように感じます。

鹿間画像2

──つづいて、京都・二寧坂店の特徴も教えてください。

原田:昔からある町屋をリノベーションした、和の雰囲気が漂うお店です。建物をいかしつつ、「ピーターラビット」のクラシカルなテイストとトレンドを鹿間がうまく融合させてくれました。テーマカラーも軽井沢とは違い、紫や緑など京都の雅を感じさせる色合いが魅力です。

鹿間:二寧坂に出すお店は、看板に色をつけたり、派手な装飾をしたりしてはいけないという決まりがありました。そういう制約のなかで、「ピーターラビット」感を演出しています。そして京都店の入口では、ピーターラビットのワンシーンを再現した大きなフィギュアがお客様をお出迎えします。フォトスポットとしてとてもインパクトがあります。

京都店入口にあるピーターラビットのフィギュア

原田:軽井沢店はスペースの問題もあって店内飲食ができないのですが、京都店にはイートインスペースを設けています。店内に和風庭園のようなスペースがあり、そこで「ピーターラビット」の世界観を表現しています。購入していただいた焼き菓子や紅茶、コーヒーを楽しみながら、くつろいでいただける空間になっています。

京都店のテラス画像

──花をモチーフにした京都限定グッズもあるそうですね。軽井沢店のグッズとはまた違って、不思議と和の雰囲気をしっかりと感じます。

鹿間:すずらんや桜、朝顔、なでしこなどの花をあしらって、ピーターのアートと組み合わせ、限定グッズに落とし込んでいます。確かに和の雰囲気がありますよね。

ミニトートバック

ミニトートバック 各1,650円※右からサクラ、ナデシコの京都店限定デザイン

──人気のグッズについて教えてください。

原田:「ピーターラビット」のキャラクターグッズが勢ぞろいしているのですが、ショップのオリジナルグッズが圧倒的に人気です。やはり、ここでしか買えないというのが魅力なんでしょうね。2店舗共通のグッズのほか、軽井沢店限定、京都店限定のグッズも複数ご用意しています。

鹿間:紅茶も味や香りが違うものを取り揃えており、それぞれ違うパッケージデザインにしています。そこもゆっくりご覧ください。

紅茶缶

紅茶缶 各864円

後編につづく

文・取材:野本由起
撮影:干川 修

関連サイト

『Peter Rabbit™ SHOP&BAKES』公式サイト
https://peterrabbitshopandbakes.jp/(新しいタブで開く)
 
ピーターラビット™日本公式サイト
http://www.peterrabbit-japan.com/(新しいタブで開く)
 
ピーターラビット™日本公式サイト“Friend to Nature”特設サイト
http://www.peterrabbit-japan.com/nature(新しいタブで開く)
 
ピーターラビット™日本公式Instagram「ピーターラビット™のいる暮らし」
https://www.instagram.com/peterrabbit.jp/(新しいタブで開く)

(TM) & © FW & Co.,2023

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