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STAGE ~私たちの世界~

木原瑠生インタビュー:「ROCK MUSICAL BLEACH」~Arrancar the Beginning~主演という挑戦【後編】

2024.05.09

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5月12日より上演される「ROCK MUSICAL BLEACH」~Arrancar the Beginning~で主人公・黒崎一護役を務める俳優、木原瑠生。後編では、役作りと稽古の様子を語る。

一護の役作りで重視したのは“声の演技”

手すりに腕をかける木原瑠生

記事の前編はこちら:木原瑠生インタビュー:「ROCK MUSICAL BLEACH」~Arrancar the Beginning~主演という挑戦【前編】

「ROCK MUSICAL BLEACH」~Arrancar the Beginning~の黒崎一護に限らず、漫画やアニメ、ゲームなど2.5次元の舞台やミュージカルに出演する機会が増えてきた木原瑠生。原作ファンが役者に求めることのひとつに“再現度”がある。ビジュアルも含め、原作キャラクターのイメージにどこまで役者が近づけるかは重要なファクターだ。そこに木原は、どう向き合っているのだろうか。

黒崎一護の衣装を着た木原瑠生

黒崎一護(木原瑠生)

「今までやってきた役もそうなんですけど、ありがたいことに、自分にちょっと似てる部分があるキャラクターが多いんです。何かに真っ直ぐ向かっていて、信念を貫くキャラクターの役が多いので、自分自身もすごく共感できるんですね。今回の一護もそういうところが魅力だし、さらに今までに経験したキャラクター以上に、たくましさが求められると思うんです。

僕自身のたくましさは……まだまだ足りないなと思うんですが(苦笑)、うれしいことにビジュアルとか舞台上での言動だったりは、仲の良い友達からは『合ってるね』と言ってもらえることが多いんです。そこは素直に武器として、よりキャラクターに近づけるにはどうしたら良いかを、今回も考えました」

うつむきながら語る木原瑠生

そこで思い浮かんだのは“声の演技”だった、と木原は言う。

「やっぱり『BLEACH』といえば、アニメの印象も皆さんにはすごくあると思うので、アニメのイメージになるべく近く、臨場感のある台詞を言えたら、ファンの方も喜んでくれるかなと思うんです。実際、台本にもかっこ良く、強く決める台詞が多いので。

そこはまさに勉強中で、稽古でもいろいろ試してる最中なんです。とはいえ公演数も多いから、あまり無理して声を潰してしまっては本末転倒。大前提として、『良いお芝居をするんだ!』という気持ちを忘れずに、演出家の児玉明子さんともしっかりコミュニケーションをとりながら、僕の理想の一護に挑戦したいです」

すました表情の木原瑠生

アーティストとしての歌の活動がミュージカルにもいきる

ストレートプレイと違い、音楽と芝居が一体となったミュージカルだというのも「ROCK MUSICAL BLEACH」の難しさであり面白さだ。10代から活動していた劇団番町ボーイズ☆時代は、ダンス&ボーカルユニット、銀河団 from 劇団番町ボーイズ☆や、今も所属する男女混合ボーカルグループ、Love Harmony's, Inc.のメンバーとして活躍し、2021年からはソロアーティストとしても精力的に音楽活動を行なっている木原にとって、ロックミュージカルは魅力的な舞台でもある。

「歌ってお芝居して殺陣もしてと、なんかすごく大変なことをやらせてもらっているんですけど……歌うのは大好きなので、全然苦ではないです。むしろ今の自分にはミュージカルは合っていると思うし、チャレンジしたぶん返ってくるものがたくさんあるから、すごくやりがいがありますよね」

顔に手を当てる木原瑠生

これまでやってきたアーティスト活動で培ったスキルも、ミュージカルにしっかりといかせているという。

「やっぱり、ずっと歌をやってたことは、僕にとって大きなメリットですね。ミュージカルだと先に歌稽古をやることが多いんですけど、そこを完璧にした状態でお芝居のことを考えられるから、それぞれに集中できますし、普段の歌とミュージカルでは発声に違いはありますが、歌に込めた感情をそのままお芝居にも持っていけるから、歌をやってて本当に良かったなと思います」

足を組み、視線を逸らす木原瑠生

さらに「ROCK MUSICAL BLEACH」だからこそ、歌唱でこだわりたいこともあるそうだ。

「今回は、台詞と同じでなるべく男性の声の特性をいかして歌うことを意識しています。曲調もロックなので、ギターがずっと鳴ってることが多いんですよ。その曲調に合うように、声をいつもより太めに出すことは心がけてます。

逆に『ROCK MUSICAL BLEACH』での経験で、自分のアーティスト活動にいかせることもすごく多いです。発声の仕方にも幅が広がるし、ロックな歌い方をもっと磨くことができるし……ソロ活動で今後発表する曲が、もしかしたら超ロックになるかもしれないですね(笑)」

真剣な表情でこちらをみつめる木原瑠生

アーティスト活動のなかでも、ライブで歌うのが好きな木原にとって、舞台作品ならではのライブ感も大きな魅力なのだという。

「歌も舞台も “ライブ”だから、やっててものすごく楽しいんですよ。舞台も歌のステージと同じように、同じことをやっていても、公演日が違い、お客さんが違うと、毎回毎回、違うものになるのが魅力で。激しいアクションが多い作品だと、シンプルに身体の節々に影響が出たりもしますけど(笑)、相手役の方とのやりとりも、台詞や動き方は同じでも、お芝居の感覚は、初日と千秋楽では全然変わりますからね」

額に手を当てポーズをとる木原瑠生

彼が“芝居が変わる”というのは、もちろん、良い意味でだ。その理由も、自身のなかでははっきりしている。

「今までやってきた作品もそうですが、共演者の方が本当に素晴らしいので、毎回、すごく刺激をいただけて、自然に僕が変わっていくんです。共演者の皆さんからは、すごく影響を受けていますね。

稽古中や初日あたりでは気づけなかったことも、本番を重ねることで気づかせてもらえたり、落ち着いてお芝居ができるようになると自分でも気づけたり。そういう、日々変わっていく感覚は、最初から完成されたものを収録して残す、映像作品とは違った面白さですね。カメラに狙われて演じる映像と違って、舞台上は常に全身をお客さんに観られているから、台詞がないときは『どうそこにいたら良いかな?』と考えるのも面白いです」

斬魄刀“斬月”を振り回す『BLEACH』ならではのバトル演出

足を組み、こちらをみつめる木原瑠生

『BLEACH』といえば、バトルシーンも見どころ。ヒーローアクションを経験してきた木原瑠生の殺陣にも期待がかかる。

「はい、結構戦ってます(笑)。アクションは大変なんですけど、一度負けてもまた立ち上がる感じが僕のなかではエモいんですよ。一護もこんなに頑張っているんだから、俺もやってやるぜ!! って気持ちにもなる。

だから体力もつけなきゃいけないし、衣装もわりとシンプルなので身体を少しでもたくましくしておきたいんですよね。一護があまりに貧弱だと、お客さんも観る気にならなくなっちゃいますから」

そして黒崎一護のバトルといえば、肩に背負っている斬魄刀“斬月”がトレードマークだ。巨大な斬魄刀を派手に操る殺陣のアクションも、木原瑠生にとってはチャレンジだ。

「僕らはあれを“出刃包丁”って呼んでるんですけど、ほんとに超デカいマグロがさばけるくらいのサイズなんですよ(笑)。ただ、過去の舞台で使っていたものに比べると、材質も変わってずいぶん軽くなったと聞きました。

といっても、普通の殺陣で使う模造刀よりはやっぱり重たいし、形が特殊なので構えるときも重心を取るのが大変なんです。でも、彼は死神の力を持っている人だから、刀の重さはあえて表現しないほうが良い。

今までも刀を振るう役はいくつかやらせてもらっていますが、今回は長さもあるし、重さもあるし、舞台の広さにも限りがあるしで、扱いはかなり難しいです。周りの皆さんが本当にアクションもお上手な方ばかりなので、バトルシーンでどれだけ一護を主人公らしく、かっこ良く観せられるかを、ほんとに頑張りたいです」

ハードなシーンも多い「ROCK MUSICAL BLEACH」~Arrancar the Beginning~。そこに座長として挑む木原瑠生だが、本作の稽古場は、どのような雰囲気なのだろうか。

「僕、こう見えて意外と人見知りなところがあるんですけど、経験を重ねることで、カンパニーのなかでどういたら良いかがだんだんとわかってきました。今回も、待機時間の居場所がそれぞれなんとなく決まっているから自然と話ができるようになって。

稽古終わりで一緒にご飯を食べに行ってプライベートな話もするし、すごく温かい雰囲気で楽しいです。僕も身体作りをしたいから、自前のお弁当を持ってきている人がいたら『そのおかず、どうやって作ってるんですか?』って聞いて参考にさせてもらったりしてます(笑)」

稽古場での話になると、木原の表情もさらに明るく和む。

「これも舞台の良いところで、スタッフさんもキャストさんも一からみんなで良い作品を作っていこうという目標があるから、物語の敵味方関係なく、仲間意識は自然と強くなりますね。スタッフさんも結構おっしゃっていて、僕も確かになと思ったんですが、僕らは作品のために集まっているんですけど、目指しているのは“劇団BLEACH”。

演出の児玉さんは、ライブ・スペクタクル『NARUTO -ナルト-』も演出されていた方なんですが、そのときのカンパニーも“劇団NARUTO”の感覚になっていたとおっしゃっていました。僕も劇団経験者なので、その感覚はすごくわかるなと思って。しかも今回の『Arrancar the Beginning』はまだ『破面篇』の前編。後編も“劇団BLEACH”で一緒にお芝居できるんだと思うと、より気合いが入りますね」

こちらに微笑む木原瑠生

そして木原は、『BLEACH』らしいバトル演出も楽しみにしてほしいと語る。

「まだ舞台装置を見ていないんですけど、映像とシンクロした派手な演出もあると聞いてます。そこも見どころだと思うし、合わせるのは大変かもしれないけど、僕もすごく楽しみにしています。

『Arrancar the Beginning』は、何かを守りたいとか、それぞれのキャラクターの決意が見える物語です。各キャラクターの心情が、歌でもお芝居でもエモく感じてもらえると思います。一護はかなりの葛藤がありつつ、そこからどう成長するかを楽しんでもらえると思うので、今まで『ROCK MUSICAL BLEACH』を観てきた方も、初めてこの舞台を観る方も、胸熱な展開をたっぷり楽しんでください!」

文・取材:阿部美香
撮影:古里裕美
ヘアメイク:lnc.GLEAM
スタイリング:MASAYA

舞台情報

「ROCK MUSICAL BLEACH」~Arrancar the Beginning~
<東京公演>2024年5月12日(日)~5月26日(日) 天王洲 銀河劇場
<大阪公演>2024年5月31日(金)~6月2日(日) COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール
公演日程・チケット情報(新しいタブで開く)

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