sumikaが劇場アニメ『君の膵臓をたべたい』のために書き下ろした楽曲たち<インタビュー後編>
2018.08.21
様々な人にとっての”sumika(住処)”のような場所になって欲しいとの願いを込めて、片岡健太(Vo./Gt. 以下、片岡)、荒井智之(Dr./Cho. 以下、荒井)、黒田隼之介(Gt./Cho. 以下、黒田)、小川貴之(Key./Cho. 以下、小川)の4人で結成されたsumikaは、今年結成5周年を迎えた。
5周年記念フリーイベント、そして初の日本武道館公演2daysを含むホールツアー「sumika Live Tour 2018 "Starting Caravan"」を完走し、8月29日には、劇場アニメ「君の膵臓をたべたい」(以下、キミスイ)のオープニングテーマ&主題歌となる両A面シングル「ファンファーレ / 春夏秋冬」の発売が決定するなど、さらなる注目が集まっている彼らに話を聞いた。
インタビュー前編では、フリーイベント、そして初の日本武道館公演を終えた彼らの声をお届けする。
――結成5周年おめでとうございます。5周年ということで、6月29日、日本武道館にてフリーイベント「sumika 5th Anniversary『Humor』」が開催されましたが、ファンやsumikaチームへの愛が詰まっていましたね。
片岡:そうですね。日本武道館の5周年フリーイベントは、ステージ上では僕ら4人ですけど、「ゲストメンバーやスタッフチームに支えられて、ステージが作られている」ので、その過程も含めて楽しんでもらえたのではないかなって。
――裏側を見せようと思ったきっかけは?
片岡:今年1月に「ATTiC ROOM」というsumikaのファンクラブができまして。その発足にあたって、sumikaのロゴから着想を得て、“屋根裏部屋からの視点”でちゃんと顔が見えるような場を作っていきたいなというイメージがありました。去年まで、そういう裏側って、そこまで出していなかったんですけど「見てもらおう」という意識が強まっていたタイミングでした。
発足当初は、まだ6月29日の日本武道館は決まっていなかったので、「スタッフチームも見せていきたい」というマインドがあって進んでいく中で、もしかしたら武道館でやれるかもしれないというのは、歩みながら見えてきたことでした。
――実際、主要スタッフを含め、全国各地でsumikaを支えているスタッフさんを紹介したり、盛りだくさんでしたね。
荒井:やっぱり、sumikaって、メンバーだけではなく裏側のスタッフも熱意がある人たちが関わっているんだよって。そこは、僕たちのことを好きでいてくれる人たちに知ってほしいし、僕たちのことを好きと言ってくれている人の中には、そういうものが見えることによって、安心してくれることもあるのかなって。
――なるほど、顔が見える安心感。
荒井:そうですね。だから、フリーイベントの映像の中で紹介したスタッフだって、ホントに一部なんですけど、マネージャーを始め、全国のスタッフに一緒に出てもらって、コメントをもらうというような映像を作ったのは、もともとはそういう部分でお客さんに安心してもらいたいというのがすごく大きなことでした。
――バンドの活動も大きくなっている中で、より多くの人たちの協力で成り立っているわけですね。
小川:バンドの活動ってモノ作りだけではないので、メンバーだけではできないことって本当にたくさんあって。CDの発売もそうですし、ライブ1本やるにしても、ライブ会場をおさえたり、チケットを販売したりだとか。今のsumikaにはどういう人たちが関わっているのか、全部知ってもらってこそ、真のsumikaを知ってもらえることになるのかなって。
黒田:あとは、スタッフが本当におもしろい人たちばかりなので、単純にみんなに紹介したい、みたいな(笑)。
荒井:ユーモアがある人たちばっかりだからね。
片岡:下手したらメンバーよりキャラ立ってる。
小川:それぞれ濃いから!
――確かに、情熱とユーモアをもった方たちばかりで。そういう方たちの支えもあって、本当に濃密な5年だったんだろうなと。
片岡:脇目もふらず、夢中で走ってきたってこういうことなのかなって思いますね。夢中になる時って、ホントに頭の中が真っ白になるんですね。真っ白になってフラットになると「この人たちのおかげで今がある」って見えてくるんですよ。
家でひとりでいるだけだと、ロジカルに考えたり、頭の中でどんどん足し算していっちゃうんですけど、ライブになると真っ白にさせてくれるメンバーたちがいて、夢中になって、ふと気づく瞬間があるんです。「この人のおかげだ」って。日々感謝しなければならないなっていうのは漠然とあるんですけど、真っ白になった瞬間にポツンと思い浮かぶことこそ、本当に大事な人や支えてくれている人なんだろうなって。
――5周年のイベント『Humor』は盛りだくさんでしたが、ライブパートに関して、自分たちの初ライブのセットリストでやろうというのはどうしてだったのですか。
片岡:これ結構、直前に決めたよね?
荒井:1週間前ぐらいだね。曲数も悩んでたよね。
小川:ずっと悩んでて、「これだ!」っていうところに行くまで時間がかかりました。
片岡:sumikaっていうバンドがスタートした時は3人だったんですけど、途中で小川くんが入ってきて、スタッフチームも増えてきて、当然あの時と同じにはならないし、ゼロ地点のことを今やってみたら、比べやすいじゃないですか。そういう意味でも、すごく大事なセットリストだったし、勝手に感慨深くなっていました。
黒田:初ライブの時って、曲がなくて「それしかできない」って状態だったしね。それが、今は曲があって「どれにしようか? どんなライブにしようか?」って曲を選べる状態っていうことにもグッとくる。
片岡:分母が増える中で、ちゃんと自分たちで選択してるっていう。初ライブの映像を観てから臨んで、オープニングSEも初ライブと同じにしたんですけど、武道館では、そこで歓声が鳴るところから全然違った。
そのあとは、光景も自分たちの演奏も含め、見るもの聴くもの全てが違うんですけど、最初のSE時点で感動しちゃったので、ちょっと泣きそうなままステージにあがりました。
――その翌日から6月30日、7月1日の2日間で「sumika Live Tour 2018 "Starting Caravan"」の日本武道館ワンマン公演が行なわれましたが、この時は、どんな気持ちでステージに臨みましたか。
片岡:公演自体は「Starting Caravan」(全国14ヶ所16公演)というツアーの一貫だったので。
小川:まず、頭をツアーの意識に戻しましたね。
片岡:名古屋公演2daysの次で、名古屋での反省が最新の反省なので、そこをアップデートして、日本武道館にどう活かすのか。日本武道館の2日間を経て生まれた反省もあって、それはその次の京都公演にどう活かそうかっていう、その連続ですよね。
ただ、日本武道館公演を経て、そこからツアーファイナルに臨んでいけるって、なかなかできる経験ではないので、その後の残り3公演、気を緩ませることなく、ツアーを完結させられるというのは、すごく特別な経験だと思います。
――印象深かったシーンはありますか。
黒田:2日目の一番最後、「「伝言歌」」かな。荒井さんが最後タメたところですね。そこは、ほんと一瞬、「あ、武道館だ」って意識してドキっとした。「もう終わる」って。
片岡:通常の演奏って、ステージだけが照らされていることが多いですけど、最後、「「伝言歌」」は、客電がついたままやったんですよね。お客さんだけじゃなくて、その場にいる全員の顔が見える状態でやったから、「ここまで全部地続きで今日まで来たな」って思ったし、みんなフラットに明るくなった状態で、それぞれの生活に戻って行くというか。
僕らも僕らのやるべきことをやる生活に戻るから、良い意味で夢から覚めて、日常に戻してくれたのが最後の曲「「伝言歌」」ですね。僕は、客電がついたタイミングで、明日もがんばろうって思えました。
インタビュー後編では、劇場アニメ『君の膵臓をたべたい』で手掛けたオープニングテーマ曲・劇中歌・主題歌、それぞれの楽曲についてお届けする。
sumikaオフィシャルサイト
sumika Twitter
片岡健太 Twitter
荒井智之 Twitter
黒田隼之介 Twitter
小川貴之 Twitter
写真:後藤壮太郎
取材/文:古城久美子
発売日:2018年8月29日(水)
初回生産限定盤:CD+DVD+スリーブケース仕様+原作者・住野よる書き下ろしショートストーリー「日々の透き通るもたれ合い」封入
¥1,600+tax / SRCL-9900~9901
通常盤:CD only ¥1,000+tax / SRCL-9902
[CD]
1.ファンファーレ *劇場アニメ『君の膵臓をたべたい』オープニングテーマ
2.春夏秋冬 *劇場アニメ『君の膵臓をたべたい』主題歌
3.ファンファーレ (Instrumental)
4.春夏秋冬 (Instrumental)
[DVD] ※初回生産限定盤のみ
sumika Film #4
1.ファンファーレ MUSIC VIDEO
2.Documentary
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