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sumikaが劇場アニメ『君の膵臓をたべたい』のために書き下ろした楽曲たち<インタビュー後編>

2018.08.21

様々な人にとっての”sumika(住処)”のような場所になって欲しいとの願いを込めて、片岡健太(Vo./Gt. 以下、片岡)、荒井智之(Dr./Cho. 以下、荒井)、黒田隼之介(Gt./Cho. 以下、黒田)、小川貴之(Key./Cho. 以下、小川)の4人で結成されたsumikaは、今年結成5周年を迎えた。

インタビュー後編は、260万部の大ヒット小説を原作にした劇場アニメ『君の膵臓をたべたい』(以下、キミスイ)で、彼らが手掛けたオープニンテーマ「ファンファーレ」、劇中歌「秘密」、主題歌「春夏秋冬」についてお届けする。

sumika×住野よる×『キミスイ』

――『キミスイ』のオープニングテーマ、劇中歌、主題歌をsumikaが担当するということで、フリーイベントでは、この日のためだけに、編集されたスペシャル映像が流れていましたね。

黒田:あの日だけの粋な計らい!

片岡:アニメ制作チームの愛を感じましたね。

――原作の住野よるさんは、sumikaの大ファンというのは存じ上げていたので、このタッグはなるほどでした。

片岡:僕、ライブの時ホントに住野先生をステージ上から見つけちゃうことがあって。

黒田:sumikaのTシャツ着て、タオルを持ってね。

片岡:プライベートで来てくれていると思うので、フォーカスするようなこともしないんですけど、純粋にうれしいですよね。自らの意志で僕らの音楽を聴いてくれているとおっしゃっていたので。僕らも音楽をやる上で「やらされていない」ってすごく大事にしているんですけど、今回、原作の住野さん、『キミスイ』の制作チームと僕らで有機的に繋がることができた。

「いいものを作りたい」好奇心やポジティブな感情で、制作段階に嘘がないっていうことは、すごく大事なことだと思うんですよね。住野さんもご自身のSNSとかで「最後のメディアミックスになるかもしれない」とおっしゃっているんですけど、そのくらいの心意気で臨んでくれていることに対して、僕らも答えたいなって。

――実際のオファーはどんな風に?

片岡:『キミスイ』チームからお話をいただいたんですけど、まさか3曲もだとは思わなくて。最初は映画に携われるっていうところで「やったー、すごいねー!」ってなっていたんですけど、その後「3曲ですよ」って言われて。「ええー!?」って。

黒田:ちょっと、ちょっと、ちょっとって。

片岡:それは僕らもサプライズでしたね。

――オープニングテーマ、劇中歌、主題歌と3曲とも全然タイプの違う曲になりました。

片岡:それぞれsumikaの既存曲でこういうイメージに近いというようなリファレンスをいただいていました。sumikaって同じモードで1-2年停滞していることがなくて、この5年でも常にやりたいことやアプローチが変わっているので、楽曲がバラエティに富んでいるんです。だから「何年か前のこういう曲で」となっても、今のモードで作るので、絶対同じにはならないんです。表現の幅が広いっていうところも信じてもらえているというのが、要望からも見えたのはありがたかったな。

――映画のために書き下ろすという制作スタイルはいかがでしたか?

片岡:タイアップ自体は何度かやらせていただいていて、そこから学んだことは、制作サイドの意志を汲み取ることで、めざしているところを一緒に共有するところからはじめたほうがいいなっていうのがありました。曲作りを始める前の打ち合わせで、『キミスイ』チームとゴールを同じところにさだめて、そこから「ヨーイドン!」という始め方でした。

第一走者を任されたオープニングテーマ「ファンファーレ」

――オープニング曲「ファンファーレ」は疾走感にあふれていますね。

片岡:だいぶ走りましたね。久しぶりにこんなに全力で走ったかも(笑)。主人公が高校生ということもあって、フルパワーでダッシュした、そのあとの感情を……。

――映像に合わせて作っていったのでしょうか?

片岡:「オープニング曲は、まず音楽に合わせて絵を書き下ろす」という、第一走者を任されていたので、音楽が先でコンテで読み取っていくという感じでした。本棚から本がパパパっと出てきて、ちらばっているものが重なったりして、アニメのタイトルになるという話だったので、ギター始まりでバンドでっていうよりは、ちょっと助走があったほうがいいんじゃないかって。それにはここに職人がいるので。

小川:それで4パターン作りました。

――小川さんは、クライマックスシーンに使用される劇中歌「秘密」で作曲を担当されていますが。

小川:そうですね。劇中歌のほうはコンテはコンテでも、もっとシュッシュッっていうスライドショー的な、ストーリーに合わせながらはめていくというものだったので、映画館を物語の場所にテレポートさせるような感覚で作っていきました。

――楽曲のタイプが違っても、シンプルな言葉で深い感情が表わされているように思うのですが、260万部もの大ヒット小説を原作に、どうインスパイアされましたか。

片岡:『キミスイ』チームとの打ち合わせで、この映画を観た後に「どんな感情が残ってほしいか」っていう話をしたんですが、みんながよく知っている作品で、あらすじも分かっていたりする。そういう中で、いなくなって悲しいから泣けるというのではなく、ひとりの人間の成長を見守りながら、自分をあてはめていく、プラスの感情によって流れる涙もあるんじゃないかって話をしました。自分に置き換えて、新たな自分を見つけられる歌詞にしないといけないと思って歌詞を書き始めたので、3曲ともそういうアプローチができたかなと思います。

メンバー全員で制作した主題歌「春夏秋冬」

――「春夏秋冬」は、作曲がsumika名義になっていますが、sumika名義での曲作りは初めてですよね?

片岡:そうですね。最初、母体となるデモは僕が提出していたんですけど、何か納得がいかないとなって。何度も修正していたんですけど、ずっとハマらなくて、結局答えが出なかったんですよ。いよいよメロディが出てこなくなって、正直に「出てこないわ」ってメンバーやスタッフに打ち明けて。そんなことを言ったのは初めてだったんですけどね。

それで「みんなでスタジオに入って作ろうよ」となった。今年の4月に「Fiction e.p」という作品を出して、それと完全に並行して作っていたので、スケジュール的にもタイトだったんですけど、オープニングテーマ、劇中歌を作っていく中でも、ひとりではなくて、メンバーとやっている、チームで音楽を作っているって武器だなって改めて意識できたので、sumikaとしても『キミスイ』という作品を通じて教えてもらえたことがあったなって。

――いつもとは違った緊張感がありました?

黒田:そこはね、今までにない理由でスタジオに入ったので、やっぱりあるよね。

小川:ただ、初めての経験だったので、みんなでスタジオに入って、メロディをイチから作りますっていうのはワクワクしましたよね。

黒田:うんうん、楽しみだった。

荒井:実際、楽しかったよね。なかなかない経験でね。

小川:プレッシャーというのではなくて、今のチームなら作れるっていう自信もありました。とは言え、いざスタジオにいく途中はめっちゃ緊張していましたけど(笑)。「ヤベ、作んなきゃ」って。

片岡:無常な締め切りがね(笑)。

小川:でも、いざ4人でやってみると「出るものは出ますね」っていう感じで。スーパー文殊の知恵タイムでしたね。

――結果として、すごく素敵な泣きのメロディラインが。

片岡:降りて来ましたね。

――バンドっておもしろいですね。

片岡:やーおもしろいですよ。自分の頭だけでは想像できないことが起きる。だからこのメンバーでやっているんだなって思いましたし、逆に出てこなければそこまでなんでしょうけど、それはそれで愛しいというか。どっちに転んでもバンドとしては誠意のある答えっていうか。

――実際に映画を観るのが楽しみですね。

片岡:実際に観たら、違う意味で泣いちゃいそうだな。やんわり「こんなことがあるかもしれない」って可能性の段階から公開までを考えると、この作品と向き合って丸1年、作品を読んだり、実写版映画も観に行ったりして。この作品のことを常に考えながら歩んできたので。公開されたときに、もう子供みたいな感覚で、「ちゃんと生まれてよかったね」ってなるのかな。

――最後に、sumikaがめざすものを教えていただけますか。

黒田:これからも「楽しいな」っていうことをみんなでやれたらなって思います。初めはそれこそメンバーだけでしたけど、規模が大きくなっても、ライブも、5周年のイベントも「これやったら楽しそう」っていうところで、ずっとやってきているので。

小川:それには、健康第一っていう!

全員:(笑)。

荒井:今まで通り楽しくやりつつ、今まで以上に新しいことに挑戦していけたらと思っています。

片岡:そういう中で、「なんでそれをやっているんだ?」という過程についても、ちゃんと応えられるようにしたいよね。「sumikaってこうだよ」って言える活動を一歩一歩、歩んでいけたら!

sumikaオフィシャルサイト
sumika Twitter
片岡健太 Twitter
荒井智之 Twitter
黒田隼之介 Twitter
小川貴之 Twitter

写真:後藤壮太郎
取材/文:古城久美子

『ファンファーレ / 春夏秋冬』

発売日:2018年8月29日(水)

初回生産限定盤:CD+DVD+スリーブケース仕様+原作者・住野よる書き下ろしショートストーリー「日々の透き通るもたれ合い」封入 
¥1,600+tax / SRCL-9900~9901

通常盤:CD only ¥1,000+tax / SRCL-9902

[CD]
1.ファンファーレ *劇場アニメ『君の膵臓をたべたい』オープニングテーマ
2.春夏秋冬 *劇場アニメ『君の膵臓をたべたい』主題歌
3.ファンファーレ (Instrumental)
4.春夏秋冬 (Instrumental)
[DVD] ※初回生産限定盤のみ
sumika Film #4
1.ファンファーレ MUSIC VIDEO
2.Documentary

『ファンファーレ 』先行配信

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