イメージ画像
イメージ画像
連載Cocotame Series

伊藤銀次、大貫妙子、カズン、楠瀬誠志郎が“大人”におくる「otonanoライブ」とは? その魅力に迫る<後編>

2018.10.12

  • ソニー・ミュージックダイレクト
  • Twitterでこのページをシェアする(新しいタブで開く)
  • Facebookでこのページをシェアする(新しいタブで開く)
  • LINEでこのページをシェアする(新しいタブで開く)
  • はてなブックマークでこのページをシェアする(新しいタブで開く)
  • Pocketでこのページをシェアする(新しいタブで開く)

ソニー・ミュージックダイレクト(以下、SMDR)によるライブイベント「otonanoライブ」が11月1日(木)に横浜の関内ホール 大ホールにて行なわれる。

出演は伊藤銀次、大貫妙子、カズン、楠瀬誠志郎の4組で、海外も巻き込んでの再評価が高まっている“シティ・ポップ”をテーマに、各アーティストがステージを披露する一夜限りのスペシャルなイベントとなっている。

「otonanoライブ」とはどのようなイベントなのか? 後編では、伊藤銀次に「otonanoライブ」の見どころを聞いた。

大貫妙子、カズン、楠瀬誠志郎との関係性

──「otonanoライブ」以前から、伊藤さんは「otonano」でネットラジオ・プログラム「POP FILE RETURNS(新しいタブで開く)」のDJをされていますね。

伊藤:僕がちょうどデビュー40周年を迎えた2012年に『GOLDEN☆BEST』というアルバムをSMDRからリリースしたんです。デビュー時からさまざまなレーベルにまたがった音源をまとめた2枚組37曲入りのベストアルバムで、その収録曲を1曲ずつネットラジオで紹介することになりまして。

伊藤銀次

当初は曲数の通り37回で終わるはずだったのが、おかげさまで反響があり、続けさせてもらうことになったんです。40年の間に自分が出会った大瀧詠一さんや佐野元春くん、ジュリー(沢田研二)とか、いろんな人の名前が出てくることが、リスナーに評判が良かったみたいですね。

ソニーミュージックには70年代、80年代、90年代と、ポップスやロックの名盤がいっぱいある。それが手つかずで置いてあるのがもったいないなと思って、紹介し続けているんです。

それに「otonano」というメディアですし、80年代当時に中学生、高校生、大学生だったような人がもう大人になって、そういう人たちが今ラジオやテレビで、自分たちが好きだった音楽を聴こうと思ってもどこもかかっていない。

じゃあ、そういう音楽をかける番組にしようと思って始めて、今ではもう250回を超えました。色々あって当時は口に出して言えなかったようなことも、30年経った今はもう時効ということで(笑)、しゃべることができるようなった。

そういう裏話も一生懸命聞いてくださるリスナーが多くて。「POP FILE RETURNS」が続いている中で、「otonano」のコンセプトに基づいたライブ・イベントをやるということでしたので、それは僕も嬉しくて。ホントにふたつ返事で引き受けました。

──出演するカズンと伊藤さんは、かつてレーベルメイトだったそうですね。

伊藤:ユースケ・サンタマリアがキューン・ソニー(当時)の所属だった時、彼のソロアルバムを僕がプロデュースしていたのですが、ユースケとカズンが同じ事務所だったんですよ。そういう関係もあり、レーベルメイトでもあり、その当時からとても親しくしていました。

(楠瀬)誠志郎くんは、ソロデビューする前から色々なアーティストのバックコーラスをやっていた時に、杉真理くんを通して知り合ったんです。僕がプロデュースした須藤薫さんのアルバムに、誠志郎くんにお願いして曲を書いてもらったこともあったり。

彼が他のアーティストに曲を書き始める前の時期だったんですが、誠志郎くんなら良い曲を書くはずだと直感的に思って頼んだら、やはりすごく良い曲を書いてくれました。そうしたら瞬く間にソロでデビューして売れちゃって。彼がブレイクしたのも、自分の勘が正しかったのも嬉しかったですね

──大貫さんとも長いお付き合いですね。

伊藤:シュガー・ベイブ時代からですからね。今回出演するアーティスト達は、それぞれの時代がちょっとずつ違ったり、デュオ、女性ソロ、男性ソロみたいな形で、まったく同じではないというのがおもしろいですよね。

ポップスというジャンルは共通しているけれど、各々が自分流の、独特のオリジナリティがあるポップスを作っている人が集まった。色々なポップスの世界が展開される、とってもバリエーション豊かなライブになりそうですね。

バンドマスター伊藤銀次によるライブの見どころ

──それぞれの出演アーティストと親交の深い伊藤さんがバンドマスター的な感じでステージが進んでいくんじゃないかなと予想はしているのですが……。

伊藤:というか、僕がやらないとまずいんじゃないですか?(笑)年齢的にも。僕はみんなと何らかのコネクションがあるので、僕が蝶番となってイベントを進めて行く形になると思います。

──3組の方々の見どころを教えてください。

伊藤:大貫さんは今年SMDRから「MIGNONNE」や「ROMANTIQUE」、「AVENTURE」をアナログ盤で再発されましたよね。そこからの曲はもちろん、初期のアメリカン・ミュージックに近いような感じになるんじゃないかな。いわゆるシュガー・ベイブに近かった頃の。

伊藤銀次

──ドラマーだった上原(裕)さんも出られるので、期待されている方もたくさんいるんじゃないかと思います。

伊藤:ここはやっぱり、シュガー・ベイブっぽいことをやらないとまずいかなと思ってます(笑)。カズンは「POP FILE RETURNS」にも出てもらいました。彼らは「冬のファンタジー」のヒットのあと、世界中でライブをやったんですよね。アフリカなど各国に行って、さらにスケールの大きいアーティストになったと思います。強さと優しさみたいなものがあって、それがステージでも出るんじゃないでしょうか。

誠志郎くんはね、彼がやって来ると、そこらじゅうが明るくなるんですよ、ほんとに。悩みがないわけないと思うんだけど、ひとたび現われるとまわりのみんなをハッピーにする。そういう自然の才能を持った人なんです。だから、もちろんヒット曲の「ほっとけないよ」がありますけど、それだけじゃない、ライブに来た人たちがみんな幸せになって帰れるようなステージを見せてくれるはずです。

──伊藤さんご自身は何か考えられていることはありますか

伊藤:僕は、そういう意味ではYMOの細野(晴臣)さんみたいなもんですから。みなさんを前に出して、僕は受けに回るというか(笑)。僕の場合、いちおうナイアガラの末席というか。大瀧詠一さんが亡くなってから特に意識するようになったのは、ナイアガラが持っていた歌の包容力をステージで伝えていきたいということで、今その思いを持ってステージに立っているんです。

一時期、40代ぐらいの時に、僕が「baby blue」のような多感なティーンエイジャーの曲を歌っていていいのかな? って悩んだ時期があったんですよ。でもある時、僕は歌の主人公ではなくて、僕が語り部となってその歌を歌うことによって、主人公たちが生き生きと、それぞれ聴いている人たちの胸の中に蘇るんじゃないかと考えられるようになったんです。それこそ僕の尊敬するロイ・オービソンのように、懐メロではなくて常に新鮮な気持ちで歌っていけるんじゃないかと思ってから、ずいぶん自分の中では音楽に対する姿勢が変わったんです。

大瀧さんが亡くなった時も、あの大瀧さんのように張らない、声の響きだけで包容力を出す歌い方をしていけたらなと思って、今やっています。だから、ちょっと渋いというか、温かいというか、そういう感じのライブになるんじゃないかと思っています。

──2017年にリリースされた45周年のアルバムも「MAGIC TIME」もそういう意識で作られたんでしょうか?

伊藤:そうですね。まあ、かなわないですけどね、大瀧さんには(笑)。大瀧さんが亡くなられた時に、僕は大瀧さんの何に惹かれたんだろうと思って、はっぴいえんどの1枚目から近作に至るまで、全部順番に聴いていったんですよ。

それで分かったのは、もちろん大瀧さんの曲も素晴らしいしプロデュースも素晴らしいんだけど、やっぱりあの声なんですね。はっぴいえんどの1stアルバムを久しぶりに聴いて、「朝」とか唇を上手に使った英語みたいな歌い方で。

日本語の発音って、あまり細かいニュアンスは出しづらいんですが、大瀧さんは毛筆で書いたように、さっと歌う。ある時にはグッと太く書いて、シュッと抜いたりするような、そういう歌い方だっていうことに気づいて。

僕もこれをやってみようと思ったんです。真似ではなく、あの歌のスタイルを自分でできないかなと思って。それでしばらくライブとかで歌うようにしていて、なんとなく自分の中で目途がついて来たので、それで「MAGIC TIME」を出したんですよ。

しばらくソロアルバムを出さなかったのは、自分のボーカルスタイルを見失っていたからで。ようやく自分の歌のスタイルが見つかったので、またここからスタートです。

──最後に「otonanoライブ」を楽しみにしている方に一言お願いします。

伊藤:単なる青春の音楽っていうだけじゃなくて、一つひとつどの曲を取り上げても非常に音楽的にレベルの高い充実した音楽を作りあげている人たちが出演します。ものすごく芳醇で、中身の濃いポップス・ワールドが体験できるんじゃないかと思うので、しっかりと楽しんでいただけたらと思います。難しい音楽ではないですけれども、とっても芳醇なワインのようなアーティストばかりですから。

バックナンバー

Sony Music Direct Presents otonano ライブ

日程:2018年11月1日(木)
会場:関内ホール 大ホール(神奈川県横浜市中区住吉町4丁目42−1)
出演:伊藤銀次 / 大貫妙子 / カズン / 楠瀬誠志郎 <50音順>
otonano ライブ The Band(上原 ユカリ 裕(Dr.)/ 田中拡邦(G)/ 六川正彦(B)/ 細井豊(Key))
開場:18:30 開演:19:00
チケット:前売¥7,000(税込)当⽇¥7,500(税込) *全席指定・未就学児童⼊場不可
問い合わせ:ディスクガレージ カスタマーセンター 050-5533-0888(平日12:00~19:00)
チケット:発売中

主催:横浜エフエム放送株式会社 / 関内ホール
企画:株式会社ソニー・ミュージックダイレクト
制作:株式会社Zeppライブ
協⼒:株式会社ディスクガレージ
協賛:馬車道商店街協同組合

otonano ライブ オフィシャルサイトはこちら(新しいタブで開く)

  • Sony Music | Tech Blogバナー

公式SNSをフォロー

ソニーミュージック公式SNSをフォローして
Cocotameの最新情報をチェック!