チームを率いる秘訣とは? Bリーグ『アースフレンズ東京Z』キャプテンに応援隊『Zboyz』が迫る!【後編】
2020.03.14
2020.03.13
ソニーミュージックグループとBリーグの新たなコラボレーションとして、今シーズン、男子プロバスケットボールBリーグのB2に所属する『アースフレンズ東京Z』に、ソニー・ミュージックアーティスツの若手俳優4人で結成されたユニット『Zboyz』が応援隊として加入。ホームゲームでは試合中に応援をリードするほか、『Z応援歌~青き情熱』を披露し、会場を盛り上げている。
そんな彼らとチームの成長を追う連載企画「Zboyzの挑戦」の連載第4回は、『アースフレンズ東京Z』のWキャプテン・増子 匠、柏倉哲平両選手が登場! 前編では、キャプテンのふたりが思い描くキャプテンシーや、応援が選手にもたらす効果に『Zboyz』が迫った。
※この取材はリーグ戦中断前の2月16日試合後に行なわれたものです。
増子 匠選手
Masuko Takumi
背番号:21
ポジション:ポイントガード/シューティングガード
1991年1月9日生まれ、埼玉県出身。身長187㎝・体重84㎏。中学からバスケットボールを始め、帝京高校、神奈川大学に進学後、実業団チームに加入。2014年に『福島ファイヤーボンズ』でプロデビュー後、『東京八王子トレインズ』を経て、2016年、Bリーグのスタートとともに『アースフレンズ東京Z』に加入。Wキャプテンのひとりとしてプレーでチームを牽引するエース的存在。
柏倉哲平選手
Kashiwagura Teppei
背番号:14
ポジション:ポイントガード
1995年1月20日生まれ、山形県出身。身長180㎝・体重85㎏。山形南高校から青山学院大学に進学し、2014年に開催された第54回関東大学バスケットボール新人戦ではアシスト王に輝く。大学4年生だった2017年に、特別指定選手として『アースフレンズ東京Z』に入団。Wキャプテンのひとりとして若いチームをまとめ、プレーでは司令塔としてチームに貢献する。
丹羽紀元
Niwa Kigen
久保田康祐
Kubota Kousuke
田村杏太郎
Tamura Kyotaro
松尾潤
Matsuo Jun
丹羽:『アースフレンズ東京Z』では、今シーズンから増子選手、柏倉選手のWキャプテン体制になりました。おふたりは、どのように役割を分担されているのでしょうか。
柏倉:増子さんはプレーでチームを引っ張っていってくれるタイプで、僕はコミュニケーションでチームをまとめるタイプだと思います。タイプは違いますが、だからと言って、きっちり役割を分けているわけでもないですね。ふたりになったことで、より周りが見えるようになって、お互いが得意なことを意識してやるようにしています。
久保田:そもそもバスケットボ―ルのプロチームにおいて、キャプテンはどんな役割を求められるのでしょうか。
増子:一番の役割は、やはりチームをまとめること。選手一人ひとりがいろいろな考えを持っているので、それぞれの個性は尊重しつつ、チームを正しい方向に向かわせるために動くのがメインの仕事です。ほかに特別なことと言ったら、ハドルを組むことかな。試合前にチーム全員で円陣を組んで、ひと言しゃべることですね。
柏倉:チームを応援してくださるスポンサーの方々の前でお話しをさせてもらうのもキャプテンの役目ですよね。
増子:僕は人前でしゃべるのが苦手だから、そこはテツ(柏倉選手)に任せています(笑)。
田村:柏倉選手は、小学校から大学までずっとキャプテンを務めてきたそうですが、学生時代とプロとでは、どういったところが違いますか?
柏倉:大学までは、僕が先陣を切って声を出して、意欲的な姿勢を見せていれば、周りも自然とついてきてくれました。でもプロとなると、そうはいきません。僕は今25歳ですが、チームにはもっとキャリアのある先輩方もいれば、年下の選手もいます。小学校から大学までで培った同世代に対してのキャプテンシーだけでは、まとめきれないところもありますね。先輩へのものの言い方から幅広い年齢層のまとめ方、外国人選手とのコミュニケーションなど、プロのほうが断然難しいです。
松尾:増子選手は『アースフレンズ東京Z』で初めてキャプテンに就任されたそうです。任命されたときは、どう感じましたか?
増子:正直に言うと、最初は嫌でしたね(笑)。自分のことで精いっぱいだから、チームメイトのことまで気にかけている余裕はないと思っていたので。でも、指名されたからには「やらなきゃいけない」と、気持ちを切り替えました。
丹羽:チームをまとめるために、気を付けていることは何ですか?
増子:信頼を勝ち取ることですかね。キャプテンが練習で手を抜いたり、妥協したりしていたら、そんなキャプテンには誰もついていこうとは思わないでしょう。チーム内での決め事やプレーについても同じで、ミスをすることはあっても、率先して取り組むようにはしているつもりです。
柏倉:僕は、周りに目を配ることですね。あとは、選手に対する話し方、接し方も大事。キツく言われて落ち込む人もいれば、キツく言われて発奮する人もいる。褒められて伸びるタイプもいれば、褒めると調子に乗っちゃう人も(笑)。一人ひとりの性格に合わせて、声をかけるように心がけています。
増子:試合で負けが続いたときも、反省しないのはダメだけど、落ち込み過ぎるのも良くない。そこをバランス良く、チームをひとつにまとめるのがキャプテンの仕事ですね。
松尾:今、おふたりからご覧になって、チームの雰囲気はいかがですか?
柏倉:負けが続いているときもありましたが、雰囲気自体は全然悪くないですよね。
増子:ただ、試合でなかなか結果を出せていないから、どこに気持ちを持っていくか、どう切り替えていくかが大事。みんなバスケットボールに対して真面目だから、考え過ぎちゃうところもあって。勝つために何をすればいいか個人でも考えつつ、キャプテンの立場としては、チームの打開策としてどんな方向性を打ち出すべきかが重要だと思っています。でも、雰囲気はすごく良いですよ。みんな、めちゃめちゃ良いヤツらなので。
丹羽:おふたりの将来のビジョンを聞かせていただけますか?
増子:近い将来で言うと、1試合でも多く勝つこと。チームとしては、B3リーグの入れ替え戦(B2の18チームのうち最下位のチームがB3の1位と対戦)は絶対に避ける。本当だったらB1昇格を目指すと言いたいところですが、現状ではB3リーグ入れ替え戦も視野に入っているので。あまりネガティブになり過ぎず、今はホームゲームでひとつでも多くの試合に勝ちたいですね。
柏倉:僕も、残りの試合でひとつでも多く勝つことが目標です。それが来シーズンにもつながると思います。個人としては、B1リーグで活躍できるように頑張りたい。努力して、もっともっとレベルアップしていきたいですね。
田村:恐縮ですが、『Zboyz』が歌う『Z応援歌~青き情熱』をお聴きになったことはありますか……?
増子:もちろん!
柏倉:いつも試合会場で聴いていますよ(笑)。
田村:ありがとうございます! どんな印象をお持ちですか?
柏倉:チームの雰囲気が明るくなりますね。こういう表現が正しいのかどうかわからないけど、小さいころに子ども向けの音楽番組を見て、テンションが上がったじゃないですか。そんな気分です(笑)。
Zboyz:(笑)。
柏倉:試合前にも流れるので、自然と耳に入ってきて、僕ら選手も高揚しています。もちろん、『Zboyz』が普段から声を出して会場を盛り上げる姿も見ていますよ。
松尾:うれしいです! 『Zboyz』がコートで『Z応援歌~青き情熱』を歌うのは、試合を左右する第4クオーター前。いつも緊張感を持って、全力で応援しています。その後、選手の皆さんがコートに入ってきて、『Zboyz』がコートの外に出ていきますよね。選手の方々と交差する瞬間、「頑張ってください!!」という熱い思いが全身にみなぎってくるんです。
丹羽:試合中は、ファンの皆さんや僕らが応援する声は、選手の皆さんに届いているのでしょうか。
増子:プレー中は、チームメイトや相手選手たちのコート上の声に集中しているので、あまり耳には入ってきません。試合中もコミュニケーションはすごく大事で、集中しなければいけない声が違うからです。ただ、交代するときや、チームでハドルを組み終えたときには、声援がしっかり聞こえて励みになります。特に『アースフレンズ東京Z』のファンの皆さんは、普段から温かい声をかけてくれるので、本当にうれしいですね。
柏倉:僕はそれをケガしたときに強く感じましたね。ファンの皆さんに支えられているなって。
久保田:「Go! Win! Z!」「Go! Amazing!」など、応援のフレーズで印象に残っているものはありますか?
増子:やっぱり応援歌かな。一番耳に残るから。
久保田:そう言っていただけるとうれしいです!
柏倉:一緒に歌っている選手もいますよ。仁平(拓海選手)とか。
丹羽:すごくうれしいです。仁平選手はノリのいい方なんですか? 僕らはプレー中の姿しか拝見していないので、わからないのですが。
増子:いいキャラしてるよね。おもしろいヤツです。
丹羽:増子選手と柏倉選手は、どういうタイプですか?
増子:テツは真面目だよね。
柏倉:増子さんはイジる系ですよね。よく言えば周りの良さを引き出す(笑)。さすがキャプテンです。
丹羽:僕は『Zboyz』公式Instagramで選手のみなさんの似顔絵を描いているんです。そちらもご覧いただいていたら、感想を聞かせてもらえませんか?
増子:僕はもうちょっと目が小さいかな(笑)。
柏倉:「俺、老けてるなぁ」と思いました(笑)。でも、どの選手も特徴を捉えていますよね。これからもどんどん描いてください!
文・取材:野本由起
撮影:増田 慶
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