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連載Cocotame Series

Zboyzの挑戦

Bリーグ『アースフレンズ東京Z』×『Zboyz』――チーム代表と語るそれぞれの未来

2020.06.07

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ソニーミュージックグループとBリーグの新たなコラボレーションとして、2019-20シーズン、男子プロバスケットボールBリーグのB2に所属する『アースフレンズ東京Z』に、ソニー・ミュージックアーティスツ(以下、SMA)の4人組ユニット『Zboyz』が応援隊として加入。ホームゲームで『Z応援歌~青き情熱』を披露するなど、ファンと一体となって会場を盛り上げてきた。

だが、新型コロナウイルス感染症が広がり、残念ながらBリーグの2019-20シーズンは中断に。その後、年間王者を争うチャンピオンシップ、B1・B2入れ替え戦も中止となり、そのままシーズンは打ち切りとされた。さらに、シーズン閉幕とともに『Zboyz』も『アースフレンズ東京Z』から卒業することが決定。4人は今後、俳優・タレントとして、それぞれの道を進むこととなった。

連載企画「Zboyzの挑戦」最終回では、『アースフレンズ東京Z』オーナー兼株式会社GWC 山野勝行代表と、新たな道を歩み始める『Zboyz』との対談をお届けする。2019-20シーズンの思い出、これから迎える「withコロナ時代」に向けて、今できること、そして今後の夢について語り合ってもらった。

  • 山野勝行氏

    Yamano Katsuyuki

    アースフレンズ東京Z 代表

    1999年に現・三菱UFJモルガン・スタンレー証券に入社。その後、不動産インフォメディア、三井不動産リアルティを経て、2012年に一般社団法人スポーツコミュニティジャパンを設立、代表理事に就任。
    2013年に『アースフレンズ東京Z』設立の際に、運営会社として株式会社GWCを設立するとともに代表取締役に就任し、現在に至る。「世界に活躍する日本国籍選手を輩出」「日本代表が世界で勝利することに貢献」をチームのミッションに掲げている。

Zboyz
『アースフレンズ東京Z』の応援隊として結成されたSMA所属の4人組ユニット。(写真左から)松尾 潤、丹羽紀元、久保田康祐、田村杏太郎で構成され、『アースフレンズ東京Z』のホームゲームを中心に活動を行なった。

こんなときに、僕らにできることは

山野:2019-20シーズン、特にリーグが中断される前の1月~2月頃のホームゲームは、『Zboyz』のパフォーマンスが会場を盛り上げてくれたよね。どんなに試合が劣勢でも4人で声を出し、ファンをリードする存在になってくれました。やっとチームの状態が上向きになってきて「よし! これから」ってときに中断になって、結局そのまま終わってしまった短いシーズンでしたが、チームに加わってくれて本当にありがとう。みんなの応援もどんどん一体感が増していって、特に応援歌は一緒に歌ってくれるファンが明らかに増えたし、拳の握りや振り方も変わった気がする。

田村:山野代表にそう言っていただけて、僕らもうれしいです。

田村杏太郎

山野:最初の頃は、ミスしないようにキレイにパフォーマンスしていたよね。でも、試合での応援を経験するごとに拳にこもった魂が、見ている側に伝わるようになってきた気がする。きっと周囲の声を聞き入れて、どんどん変化していったんだろうね。

松尾:前回の対談で、代表は「応援は魂だ」とおっしゃっていました。あの言葉を聞いて、「より泥臭く、とにかくがむしゃらに会場を盛り上げるんだ!」という思いが強くなったんです。そうするうちに、シーズン終盤に向けて会場もさらに盛り上げることができるようになりました。

松尾 潤

田村:応援歌は僕らの思いを伝えるだけでなく、会場が一体となって選手にパワーを送るもの。その思いがファンや選手に伝わり、会場の雰囲気も変っていったと思います。

久保田:シーズンの途中から、応援歌の振り付けを変えたんです。肩を組む動作を取り入れましたが、ファンの方がやってくださるか最初は不安で……。でも、試合前にアナウンスしたら、本番では僕らと同じように肩を組んでくださるファンがいて、とてもうれしかったです。

久保田康祐

山野:会場を訪れるファンのお出迎えとお見送りもしてくれていたでしょう? ああいうオフコートの時間も、チームを盛り上げるためにひと役買ってくれました。今年もあったけど、負けが続いてしまうとファンも心に傷を負って帰ることになる。そんなときに『Zboyz』のみんなから声をかけられると、「また会場に来ようかな」と感じてもらえたと思うんだよね。

丹羽:最初の頃はお見送りをしていると、小さいお子さんの親御さんから記念写真を頼まれることが多かったのですが、だんだん層が広がっていきました。そういった反応も僕らの存在を認めていただけたのかなと思って、うれしくなりました。

丹羽紀元

松尾:お見送りやお出迎えは、僕らが励まされる時間でもありました。応援では僕らが会場でファンを鼓舞するのですが、試合が終わったら「次も頑張ろう」って声を掛けていただき、僕らが元気づけられる。とてもうれしい時間になりました。

この取材は密の状態を防ぐため、オンラインで行ない『Zboyz』のメンバーもそれぞれ個別の部屋で座談会に参加した。

山野:チームにとっても、『Zboyz』が加わったことで新たな風が吹いたと思います。新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、『アースフレンズ東京Z』は6月に入ってもチームでの練習ができずにいますし、収益も大きく減りました。でも、僕は「こんなに苦しいんです」とは言いたくなくて。だって、大変なのは僕らだけではないでしょう? 「こんなときだからこそ元気を出そう! 我々が今できることを一生懸命やろう!」という思いで、ユニフォームと同じ生地を使ったマスクを販売したり、来シーズンに向けての準備を始めたりしています。

久保田:僕らも4人でオンラインのグループ通話をして、「今だからできることって何だろう」と話し合ってきました。その一環として、先日『Zboyz』の公式Instagram(新しいタブで開く)で『Z応援歌~青き情熱』リモートVer.をパフォーマンスしたんです。すぐに『アースフレンズ東京Z』ファンの方から反響があって、とてもうれしかったです。

丹羽:3月には僕らにスポットを当てていただく「『Zboyz』デー」も企画していただいたのですが、できずに終わってしまったのが本当に悔しくて。でも、家にいてもできることを4人で考えた結果、このリモートVer.が生まれました。少しでも僕らの思いが伝わったとしたらうれしいです。

応援のとき、握りしめた拳に魂を込めたという田村。

印象に残っているホームでのあの試合、この試合

山野:2019-20シーズンの『アースフレンズ東京Z』は、結果を出せない期間が長く続いてしまったね。それでも、印象に残っている試合はたくさんあって。『西宮ストークス』戦(2019年10月16日)では、最後に久岡(幸太郎選手)がシュートを決めて良い勝ち方(72対68)をしたし、アウェイの『仙台89ERS』戦(2019年11月24日)では増子(匠選手)が大活躍(68対66で勝利)。長い連敗を止めた『越谷アルファーズ』戦(2020年2月22日)も、記憶に残っています(84対79)。チームに新しく加わったイシュ(イシュマエル・レーン選手)がうまくチームにハマって、勝利に導いてくれました。

田村:僕も、10月16日の『西宮ストークス』戦が印象的でした。ホームゲーム、しかもホームグラウンドの大田区総合体育館で初めて勝利した試合。その勢いのままお見送りでハイタッチしてくださる方も多くて。山野代表が「これが勝利だよ!」とおっしゃっていたのも覚えています。

山野:やっぱり、あれはうれしかったよね!

丹羽:僕は2月22日、23日の『越谷アルファーズ』戦で2連勝できたのがすごくうれしかったです。ホームゲームで連勝したのは、あれが初めて。この頃にはもう新型コロナウイルス感染症の対策でハイタッチはできなかったのですが、心のなかでみなさんとハイタッチしていました。

松尾:僕の場合、選手がケガから復帰する試合が今でも忘れられません。1月に柏倉(哲平)選手の復帰戦(2020年1月16日『越谷アルファーズ』戦)がありましたが、そのとき初めて延長戦を経験したんです。柏倉選手が3ポイントシュートを決めて、そこから試合の流れがガラッと変わって。結果的に負けてしまいましたが、応援中はもちろん、家に帰ってからも興奮が冷めませんでした。「今日の試合、すごかったな!」って。あんな経験は、初めてでした!

メンバー最年少の松尾のがむしゃらな応援スタイルは、次第にファンを巻き込んでいった。

久保田:僕は、他のチームとの交流が心に残っています。『バンビシャス奈良』戦(2019年22日)で奈良県のご当地キャラ・せんとくんが会場に応援に駆けつけたり、そこに僕らが入って一緒に踊ったり。『Zboyz』は『アースフレンズ東京Z』の公式応援団ではありましたが、「Bリーグを一緒に盛り上げたい!」という気持ちを他のチームの方々とも共有できて、やりがいを感じました。

山野:みんな、すごく細かいところまで覚えているんだね。それだけ真剣に応援してくれていたということだね。でも、『Zboyz』の活動は普段の俳優業とまったく違ったんじゃない?

田村:プロバスケットの試合会場で、コートの真ん中に立たせてもらえるなんて本当にありがたい経験でした。また、スタッフのみなさんとお話しさせていただく機会も増え、コートに立つ選手だけでなく、その裏で多くの方がチームを支え、ひとつのことに取り組まれているんだと知ることができました。

松尾:応援って、当たり前ですが僕たち4人だけじゃできないんですよね。応援対象である選手、一緒に盛り上がってくれるファンの方がいないと成立しない。会場でお客さんと一緒に何かを作っていくのは初めてのことでしたが、この経験をしっかり自分のなかに取り込めたような気がしています。

丹羽:『アースフレンズ東京Z』は、ファンに愛されるチーム作りを目指していますよね。僕も、ファンに愛される役者になりたいと思っています。『Zboyz』として『アースフレンズ東京Z』のプロとしての姿勢を学ぶことができ、今後の仕事にも役立てていきたいと思いました。

山野:ファンに愛されるチームになるには、いつも笑顔でいることが大事。スタッフや選手が明るく元気に対応することが大事だし、「試合会場に来ればいつでも明るくなれる」と思っていただけるよう努力することも重要なんだよね。チームとファンが、ともに世界を目指してチャレンジをする。そうやって、一緒に成長できる関係を築けるのがプロスポーツの醍醐味じゃないかと思います。

久保田:僕は、演技はもちろんですが、歌ったり身体を動かしたりするのが大好きなんです。『Zboyz』として人前で、ファンの方の声援を受けながら歌うことができ、最初は緊張しましたが、とても充実感がありました。

Bリーグ中断直前の2月23日はB1の千葉ジェッツと連携した相互応援デー。「応援タイム」では、千葉の公式マスコットキャラクター「ジャンボくん」も加わり、『Zboyz』にとっては、相手チームと応援を通じて触れ合えたことも大きな刺激になった。

今だから話せる『Zboyz』裏話

山野:『Zboyz』は、このシーズンを通じて大きな成長を遂げましたよね。若いからこそ、成長の度合いが早いのかもしれないね。ところで、『Zboyz』結成当初は、4人のなかで「え、この人たちと組むの?」と思ったこともあったんじゃない?(笑)

久保田:リーダーを決める際に、紀元(丹羽)に決まったときは驚きましたね。

田村:紀元(丹羽)は、リーダーのタイプじゃなかったからね。最初は「大丈夫かな?」と思ったけど、「こういうタイプのリーダーもアリなのかな」と自分を納得させました(笑)。でも、それも最初だけでしたよ。

久保田:実は僕もリーダーをやりたいと思っていたので、最初は対抗心もありました。でも振り返ってみると、紀元だからスムーズにまとまったり、良い方向に働いたりしたんだなと思うこともたくさんあって。「僕の方がうまくできるはず」という思いはありつつ(笑)、今はあらためて紀元がリーダーで良かったと思っています。

丹羽:みんなに指摘されている通り、僕は周りをぐいぐい引っ張っていくタイプではありません。だからこそ、僕としては、このチャンスにリーダーになって自分を変えたいと思ったんです。ただ、歌もダンスも得意ではないし、最初は不安も大きくて。みんなが手を貸してくれたからなんとかやり遂げることができたんだと思います。

リーダーとなった丹羽は、メンバーの意見を聞きながら『Zboyz』を徐々にまとめていった。

山野:リーダーにもいろんなタイプがあるじゃない? 『アースフレンズ東京Z』で言えばWキャプテンのひとり、柏倉がみんなを引っ張っていくタイプで、増子は背中で見せるタイプ。柏倉はわかりやすい言葉で説明する力もあるし、調整能力もある。増子は細かく説明はしないけれど、肝心なところはビシッと決める男気タイプなんだよね。話を聞いていると、丹羽くんはまた違ったキャプテン像なのかもしれないね。

田村:「どう思う?」って、いつも僕らの意見を尊重してくれるんですよね。そのせいか、僕も自分から行動したり意見を出したりする機会が増えました。

久保田:ふわっとした優しいたたずまいだよね。優しすぎるくらい。

松尾:それ、褒めてるの(笑)?

久保田:試合で良い結果が出ないときも、紀元がほわっとしているから控室に戻っても空気がピリつかないんですよ。

松尾:リーダーらしくないところが、僕は好きでした。上からモノを言うのではなく、いつも後ろから支えてくれるお母さんみたいな感じでした(笑)。

『Zboyz』は4人で相談しながら応援のバリエーションを増やしていった。『Z応援歌~青き情熱』を歌う際に肩を組むパフォーマンスもシーズン中に加わったパフォーマンスだ。

チームとメンバーが交差した奇跡のような1シーズン

山野:『Zboyz』を卒業しても、みんなにもそれぞれの夢があるよね。そこに辿り着くための一時期を一緒に過ごせたのは、お互いにとって良い経験だったと思います。そもそもプロスポーツチームも毎年選手が変わるし、フロントスタッフも入れ替わるので、まったく同じメンバーでやれるのは1シーズンだけ。ある意味、奇跡のような出会いなんです。ここで得た経験を次につなげて、みんなには目標に向けてステップアップしてほしいですね。

Zboyz:ありがとうございます!

山野:そしてみんなが有名になったときに、いろんなところで「『アースフレンズ東京Z』というチームがあって……」と宣伝してほしいな(笑)。

田村:『Zboyz』を卒業しても、僕らが顔を合わせる機会は今後もあるはず。みんなでこの経験を心に刻んで、それぞれの目標を叶えたいと思っています。僕は役者として活躍したいという夢がありますが、『アースフレンズ東京Z』が世界を目指しているのを知って、自分も日本代表のように世界に行きたいと思うようになりました。

久保田:僕は外出自粛が続いたこの期間、ドラマや映画の需要が高まっているのをあらためて感じたんです。家にいる多くの方々が、ドラマの再放送を楽しんでいましたよね。僕も再放送されるくらいの人気作品に出演して、少しでもみなさんの心の支えになりたいと思いました。そのためにも、一歩ずつ頑張っていきたいと思います。

客席のファンとともに勝利を願う久保田。来シーズンのチームの大き目標であるB1昇格を『Zboyz』も祈っている。

松尾:僕が俳優になりたいと思ったきっかけは、演劇に触れたことでした。生でお客さんとぶつかり、一体感を生み出すという点では『Zboyz』の活動も演劇と共通しています。この経験を糧にして、舞台でも映像でも活躍できる俳優になりたいです。

丹羽:僕はいろんな作品に出演して、役者として成長すること。それと大学では映像を学んでいたので、映像制作の方でも活躍できるようになりたいです。山野代表からも、『アースフレンズ東京Z』の来シーズンの目標を教えていただけますか?

山野:まずはB1への昇格ですね。チームとしては、新型コロナウイルスの感染拡大でうまくいかないことと、B1昇格の壁という課題は関係ないと考えています。このふたつを混同せず、後者の課題を速やかに解決していきたいですね。例えばB1昇格のためには、日々の練習のクオリティを上げることが重要。チーム運営では、より良い選手を獲得しチーム力を上げ、より良いファンサービスを提供することで収益を上げること。ほかにも、お客さんに喜んでいただくためにはどんなコミュニケーションを取るべきか、どうすればより良いフードを提供できるか、地域とどのように関係性を築いていくかなど、課題は山積みです。これらを解決した先にB1昇格やファンが喜ぶエンタテインメント空間作りがある。さらにその先に、世界で活躍する人材の輩出、ダイバーシティ社会の一助になるといった目標があるんです。まずは、足元の課題をひとつずつ解決したいですね。

久保田:B1昇格は、僕らの夢でもあります。ぜひ実現してほしいです!

田村:『アースフレンズ東京Z』に負けないように僕らも頑張ります! そしてこれからもお互いに刺激し合える存在でありたいです。

丹羽:僕は「『アースフレンズ東京Z』って知ってる?」っていろいろな人に広めたいです。それだけ僕にとって大切な時間でした。離れても『アースフレンズ東京Z』の存在を胸に頑張っていきたいと思います。

山野:緊急事態宣言は解除されたものの、来シーズンがどうなるのかまだ見えない状況です。僕らみたいなベンチャーで立ち上げたチームは特に影響が大きいけれど、そういうときこそ諦めずにチャレンジしたい。そして僕らの前向きな姿勢を見た方々に、「あいつらにできるんだから、俺たちにだってできるはずだ」と思ってもらえたらうれしいですね。その上で、来シーズンはトップを取りに行きたい。日々“一番”にこだわって、その積み重ねを結果につなげたいと思います。『Zboyz』のみんなも、自分たちの夢に向かって一歩ずつ積み重ねていきましょう!

Zboyz:ありがとうございました!

文・取材:野本由起
撮影:増田慶

『アースフレンズ東京Z』関連サイト

公式サイト:https://eftokyo-z.jp/(新しいタブで開く)
Twitter:@eftokyoz(新しいタブで開く)
Instagram:@eftokyoz(新しいタブで開く)
Facebook:@earthfriendstokyoz(新しいタブで開く)

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