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Eyes on

天城サリー(22/7):家族に大反対されても折れず、実現した声優という仕事への思い

2020.08.28

今、注目すべき旬のアーティストにスポットを当て、最新インタビューとプライベートショットで素顔に迫る新連載「Eyes on」。

第2回はデジタル声優アイドル「22/7」(ナナブンノニジュウニ)のメンバー、藤間桜を担当する天城サリー。アメリカで生まれ育った彼女が単身日本に乗り込み、日本語と英語のバイリンガル声優アイドルになるまでの道のりと、これからの目標について話を聞いた。

  • 天城サリー

    Amaki Sally

    4月26日生まれ。アメリカ・カリフォルニア州出身。デジタル声優アイドル「22/7」(ナナブンノニジュウニ)のメンバー、藤間桜(ふじま さくら)を担当。英語、日本語のほか、実はスペイン語も扱うことが出来るトリリンガル。

アメリカ出身の天城サリーが声優という職業を目指すきっかけと家族の大反対

――天城さんは現在、デジタル声優アイドル「22/7」のメンバー、藤間桜として活躍中ですが、アメリカのロサンゼルスで生まれ育ったそうですね。

はい。両親ともに日本人ですが、アメリカで生まれ育ちました。幼少期に日本に遊びに行くというようなことも特になくて。日本語は現地の日本語学校に通って勉強したり、両親との日常会話では使っていましたが、基本的には英語で生活する環境でした。

――なぜ海を越えて日本で声優になりたいと思ったんですか?

きっかけは、中学生のときに、日本のアニメ『銀魂』にめちゃめちゃハマったことです。アメリカでは小学校のクラスがそのまま中学校に引き上げられます。私は小学校の高学年で転校したんですけど、転校先の小学校のクラスでは既にコミュニティができあがっていて、結局中学にあがってもクラスになじめず、学校に行くのが嫌で部屋に引きこもっていた時期がありました。

そんなときに現地のアニメ配信サービスで『銀魂』を見たんです。そしたら主人公の銀さん(坂田銀時)を演じられた声優の杉田智和さんのお芝居がすばらしくて、本当に救われました。それから日本のアニメにハマり、アメリカのアニメイベントに通う楽しさも知っていきました。

――『銀魂』が辛い時期を乗り越えさせてくれたんですね。

そうですね。当時はなんの夢も持てなくて、学校の勉強を頑張っていただけだったのですが、初めて自分のなかで“これがやりたい!”と思えたのが声優。だから絶対に声優になろう、日本に行こうと決めました。

――ご家族に反対されませんでした?

大反対されました。両親は私が初めて夢を持ったことには喜んでくれましたけど、ひとりで海外に行くのは反対だったし、お兄ちゃんは学校で誰とも友達になれなかった私をよく知っていたので、両親以上に大反対でした。

――でもその大反対を説得したんですね。

はい。それから1年間かけてアルバイトをして日本での生活資金を貯め、日本に行ってからも普通の学校にも通い、行きたい声優養成所はこういうところで、こういうカリキュラムがあって、という資料を全部パワーポイントで作って、家族にプレゼンしました(笑)。日本の学校と養成所に通う手続きも全部自分で準備することを条件にして、両親とお兄ちゃんにようやく納得してもらいました。そして2016年に日本に来ることができたんです。

日本渡航前にロサンゼルスの空港で友人と別れを惜しむ天城(写真中央)

単身日本へ――立ちはだかる言語の壁を乗り越えるためにしたこと

――声優になるために日本に単身上陸するなんて、ものすごい行動力ですね。

私、すごいせっかちなんです(笑)。ただ、学生時代が終わるまでにプロの声優になれていなかったら、アメリカに戻ってきなさいと言われていたので、日本にきてからも必死でした。

――日本にきてからは、スムーズに新しい環境に対応できたのですか?

日本にくる前からイメージはしていましたが、実際に生活し始めてみると、文化の違いに戸惑うことが多かったです。最初はそれこそ電車にどうやって乗ればいいのかさえわからなくて、私、全然自立できていないんだなと思いました(苦笑)。アメリカは車社会なので、学生のときは親が送り迎えをしてくれるんですね。日本では小さい子どもでもひとりで電車に平気で乗れるのが、すごいなって。

あと驚いたのは、上下関係がはっきりしてることですね。先輩・後輩の規律とか、敬語の使い方とかは、日本に来てから通った学校の部活で勉強しました。声優の養成所だけでなく普通の学校にも通ったことで、そういうことを学べたのは大きかったです。

――普通の学校に通いつつ、夢である声優になるためにはどのようなことをされていたのですか?

時間的な期限があるなかで、養成所にただいるだけではダメだと途中から思うようになって、自分でプロフィールを作っていろんなマネジメント事務所に送りました。英語ができるからという理由で会っていただけたところもありましたが、当時は私の日本語がおろそかすぎて、台本がちゃんと読めず、自然に話しもできないレベルでした。当然不合格ばかりで落ち込みましたね。

――今インタビューしていても、ネイティブな日本人と変わらない日本語をお話している印象ですが、そこからどのように立ち直っていったのですか?

そう言っていただけるとうれしいです。でも当時は、見た目も名前も日本人なのに、怪しい日本語をしゃべっていたので、会う人会う人に変な目で見られるぐらいだったんです。

このままじゃ声優になるなんて夢のまた夢だと思い、本格的に日本語を勉強し直そうと決めました。英語を封印して、数カ月間毎日NHKのニュースを復唱して日本語を猛勉強したんです。自分でも納得できるレベルの日本語になってきて、それから初めて受けて合格したのが、22/7のオーディションでした。

ロケ帰りの「22/7」メンバーとのオフショットです。22/7はみんな仲良しなんですけど、うたちゃん(河瀬詩)とれいにゃん(宮瀬玲奈)と私の3ショットはレアだなぁと思って撮った一枚です! 熱海で、美味しいいちご飴を食べました。

藤間桜というキャラクターが天城サリーを成長させてくれる

 

「22/7」(ナナブンノニジュウニ)とは?

 

@22/7 PROJECT

秋元康のプロデュースにより、2016年12月24日に誕生した、日本のデジタル声優アイドルグループ。オーディションの応募総数は10325名で、現在のメンバーは11名。リアルメンバーが音楽ライブパフォーマンスを披露すると同時に、キャラクターはバーチャルアイドルとして、テレビ番組やアニメ系イベントへの出演、バーチャルYouTuberとしての活動、アニメ化ゲーム化展開をしている。天城は自身のバックグラウンド投影したキャラクター、アメリカ出身の自由奔放な帰国子女、藤間桜を演じている。(3列目中央、天城の位置にいる金髪のキャラクターが藤間桜)

――22/7のメンバーとして2017年に本格的に活動を始めてから3年以上が経ちました。藤間桜を演じている『22/7』もアニメ化され、バラエティ番組「22/7 計算中」も人気を博していますし、声優としてだけでなく、天城さんご自身が前に出るアイドルグループとしての音楽活動も盛んになっていますね。

私自身はアイドルになる夢を持ったことがなかったので、自分が前に出て歌ったりダンスをすることに、最初はすごく戸惑いました。でも22/7での活動を続けていくうちに、歌うことが好きになれて、今はキャラソンをもっと歌いたいなと楽しくなっています。『22/7 計算中』もやっていくうちに、“バラエティ上手いね”と言ってもらえるようになりました。

――22/7の活動を通じて、タレントとしての力が成長したと感じていますか?

もちろん最終的には天城サリー本人としての成長につながっているのですが、藤間桜ちゃんというキャラクターとして話しているから、ダークなジョークとかも思い切って言ったり、弾けたことをやったりできるのかなって思います。私自身はアイドルっぽい可愛さが全然ないので(苦笑)。22/7の他のメンバーからは「それ言って大丈夫なの?」とよく突っ込まれたり、心配されたりするのですが、結果的に笑いにつながっているので。文化的なバックグラウンドの違いからくる私の感覚が、上手くハマっているのかもしれませんね(笑)。

22/7メンバーの涼花萌ちゃんとの2ショットです。「22/7」定期公演のハロウィンのブロマイド撮影で、私はSWATになりきりました。アメリカに住んでいたとき、よくコスプレをしてイベントに行っていたので、仮装と聞くと気合いが入っちゃって……ついついメイクが濃くなってしまいました(笑)。

――最近は「22/7」以外の声優としてのお仕事も増えていますね。

はい、ひとりの声優としてお仕事をいただけるのは、すごくうれしいです。夢である一人前の声優に少しでも早くなるために、どの作品でもすごく勉強させていただいています。

特に印象的なのは、昨年、アクビ役で出演させていただいた劇場アニメ『パンドラとアクビ』です。周りはベテラン声優さんばかりで実力の違いをすごく感じましたが、大きな作品を経験できたことにワクワクして、少し自信もつきました。もっともっと頑張って、声優としての天城サリーを成長させたいです。今までは天真爛漫な役をいただくことが多かったので、今後はクールでミステリアスな悪役にも挑戦してみたいですね。

私、ずっと黒髪で活動してたんですけど、去年の10月、美容院で髪の毛を明るくしてくださいとオーダーしたらブリーチされて、一気にギャルになりました(笑)。赤い髪になってからは、けっこうオサゲとかツインテールが増えたんです。このときがターニングポイントでした。

去年、髪色を変えたとき、せっかくブリーチしたのに普通に黒く戻すのはもったいなかったので、22/7で演じさせていただいている藤間桜ちゃんをイメージして、1週間くらいずっと、髪色も洋服も一式ピンクで揃えていたときの写真です。めっちゃイメチェンした記念の写真です(笑)。

二カ国語を話せる声優・天城サリーが心に秘める野望

――天城さんは、7月に開催されたアニプレックス主催の海外向けオンラインイベント「Aniplex Online Fest」の英語版総合MCを務め、日本人クリエイターのトークプログラム「Anisong Tea Party with the Songwriters(作曲家たちのアニソン茶話会 海外出張版)」でもアシスタントとして大活躍でした。イベントに出演された感想をお聞かせいただけますか?

今までMCなんて経験したこともなかったですし、ましてや生放送だったのでとても緊張しました。でも、一緒に司会進行してくださったマックスさん(マックスウェル・パワーズ)は百戦錬磨のベテランで、色々助けてくださいましたし、テンションの作り方や、掛け合いでの引き出しの仕方とか、とても勉強になりました。

「Anisong Tea Party with the Songwriters」では憧れのアニソン作曲家の皆さんたちと一緒に出演することが出来て光栄でした。司会パートは英語、「Anisong Tea Party with the Songwriters」は日本語で参加させて頂いて、私の強みをいかすことが出来たと思います。

AOF「Anisong Tea Party with the Songwriters」に出演中の様子。

――アメリカでの日本アニメ事情について少し教えていただけますか?

『NARUTO -ナルト-』や『メジャー』、『ONE PIECE』、『ドラゴンボール』は全世代ですごく人気があります。“NARUTO走り”という言葉もみんなが知っているから、すぐ通じますよ(笑)。『PSYCHO-PASS』シリーズとか『ソードアート・オンライン』とかも人気ですよね。

あとロサンゼルスで開かれるアメリカで一番大きいアニメイベント「Anime Expo」の会場で、ジャージ姿のコスプレイヤーさんがたくさんいて印象的だったのは、『ハイキュー!!』です。キャラクターが全員個性があって、必殺技じゃないテクニックで勝ち上がっていくのがリアルで面白いんだと思います。私も音駒高校の黒尾鉄朗さんが大好き(笑)。アメリカ人は名言が大好きなので、『ハイキュー!!』のようにカッコいい台詞がたくさん出てくるアニメは、すごく人気が出るんですよね。私もそうでしたけど、日本語をアニメで覚える人も多いですね。

「22/7 計算中」で廃校ロケがあって、休憩時間に体育館に行ったらバレーボールがあったんです! 『ハイキュー!!』で、烏野高校の縁下力くんがバレーボールを一度投げ出して、途方に暮れているシーンの気持ちを再現してみました!

またまた『ハイキュー!!』です(笑)。「週刊少年ジャンプ」に連載最終話が載った月曜日に、どうしても彼らに会いたくて、JUMP SHOPに行ってキャラクターの一人ひとりに挨拶してきました。ちゃんとマスクもして行きました!

――アニメを視聴する際に日本人声優さんの声で楽しんでいる方は多いんですか?

英語の吹替え版が良いという人と、日本語のオリジナル版でしかみない人に分かれますね。そもそも英語と日本語では発声の仕方が違うので、吹替えると声のニュアンスとかも変わるし、演技の感じも変わってしまうんですね。英語は発声に腹式呼吸を使うので、日本のアニメによく出てくる、甲高く可愛らしい声をした女の子の演技はすごく難しくて、わざとらしくなってしまう。そこで好き嫌いがわかれるみたいです。

私もスマホゲーム『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝』の北米版のみに登場するアシュリー・テイラーというキャラクターを演じているのですが、英語で可愛い声の演技をするのは大変でした(笑)。

――アメリカ向けの配信イベントや声優としてのお仕事など、これからも語学力をいかした活動を行なっていきたいですか?

そうですね。声優としては、役をいただいた作品の人気が出て、英語吹替え版制作になった場合でも、私だったらそのまま演じることが出来るので、いつかそういう作品に出会えたら良いなと思っています。

あと英語圏向けのアニメイベントMCのお仕事をやらせていただく機会が増えていますが、今後もっとお話をいただけるようになりたいです。ただ単純に日本語と英語両方話せるからというわけではなく、アメリカのアニメファンの感覚に寄り添えて、アニメが好きな自分だからこそできるお仕事だと思います。

MCで目標にしているのは、日本のアニメイベントや声優イベントの司会として、第一人者のおひとりである鷲崎健(わしざき たけし)さん。英語版・鷲崎さんになれるよう、これからもいろいろなお仕事とお芝居を頑張りたいと思います。

私、2020年の抱負のひとつが視野を広げることなので、コロナの自粛前に、北海道に日帰り旅行に行きました。そしてもうひとつの抱負が、太陽のように皆さんを笑顔にできる人になること。どこかに行くときは、太陽をイメージした「コジコジ」を必ず連れていくことにしています!

文・取材:阿部美香

※インタビュー取材は、リモート会議アプリケーションを使用して行なった。

関連サイト

22/7公式プロフィール
https://www.nanabunnonijyuuni.com/artist/amaki/
 
22/7 Sally Amaki/天城サリー Twitter
https://twitter.com/sally_amaki
 
天城サリー(Sally Amaki) Instagram
https://www.instagram.com/sallyamaki/
 
天城サリー 22/7(ナナブンノニジュウニ) Showroom
https://www.showroom-live.com/digital_idol_11
 
Sally Amaki[official] YouTube
https://www.youtube.com/channel/UCi4UjmN8HSi16sAhh_iEb6w

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