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連載Cocotame Series

Eyes on

めがね:YouTuberと女優を両立させる彼女が目指す未来像

2021.05.07

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今、注目すべき旬のアーティストにスポットを当て、最新インタビューとプライベートショットで素顔に迫る連載「Eyes on」。

第14回は、YouTubeチャンネル『めがねっとわーく。』に34万人のチャンネル登録者数を持ち、NHK連続テレビ小説『おちょやん』への出演を果たしためがねが登場。中学生のころから抱いていた女優へのあこがれから、夢を叶えた現在までの足跡と、未来に向けたビジョンを聞く。

  • めがね

    Megane

    1999年6月5日生まれ。大阪府出身。YouTuberとしての活動と並行して、ドラマ、映画、舞台などでの俳優業にも精力的に取り組んでいる。

朝ドラの台本で自分の名前を見て笑ってしまった

――昨年から今年にかけて、NHK連続テレビ小説『おちょやん』に出演されました。いわゆる“朝ドラ”に、めがねさんはどんな印象をお持ちだったんでしょう。

朝ドラは小学生のころから見ていたので、すごくあこがれていました。でも、あまりにあこがれが大きすぎて、「朝ドラに出たい」とは、なかなか口に出せない夢でしたね(笑)。

「口に出せないなんて言いつつ、小さいころから主役張ってました。たぶん表に出たい気持ちはバレてます。幼稚園のころ、舞台『かぐや姫』で奇跡的なおブスショットを捉えた父に感謝」

――あこがれていた朝ドラのオーディションに、どのような意気込みで臨まれましたか。

これまでも朝ドラのオーディションは受けていたんですが、そのときは肩に力が入りすぎて、めっちゃカッコつけていたんです。「正統派女優です」みたいな感じでやったら、全然あかんかった(笑)。それで今回は“私を知ってもらおう”と。YouTuberのめがねちゃんらしく、「私が何を思っているか聞いてくれー!」と、がめつく話をしたら合格できて。“オーディションで自分を出すってこういうものなのか!”という感覚がありましたね。

――あこがれの朝ドラのオーディションに受かったと聞いたときは、やっぱりうれしかったですか?

それが全然で(笑)。マネージャーが電話をくれたんですが、まだ正式に決まってないものかと思っていて(笑)。だから、喜んで良いのかよくわからなくて。それからしばらくしたら台本が家に届いたんですよ。ページを開いたら、杉咲花ちゃん、成田凌さんの名前があって、つづいて読んでいくと、“めがね”と書いてあって。杉咲花、成田凌、……めがね。その並びと字面に笑ってしまいました。うれしいという気持ちより、もはや面白さのほうが大きかったです。

――めがねさんは、カフェー「キネマ」のウェイトレス・京子役として、杉咲花さん演じる竹井千代とともに働く役柄でした。スタジオでの撮影はいかがでしたか?

現場に入ったら、すごい偶然の再会があったんですよ。言語指導や仕草の指導の先生として、高校時代にお世話になった先生がいたんです。私は芸能文化科がある高校に通っていたので、1年生のときの選択授業で日本舞踊を習っていたんですね。そのときの先生が偶然、現場にいらして。しかも、その高校の後輩も役者として現場にいた。知り合いが多くて楽しかったですね。カフェー「キネマ」を舞台に一緒にお芝居する共演者の皆さんも温かい方ばかりで。女の子が集まって和気あいあいとしていたので、花ちゃんも「すごく楽しいメンバーだった」と言ってくれて。私は、純子役の朝見心さんともすごく仲良くなりました。

――同じくカフェー「キネマ」の女給を務めていた宇野真理役の吉川愛さんは「めがねちゃんとたくさんアニメのお話をした」と別のインタビューで語っていました。

愛ちゃんは美容も大好き、アニメも大好きで、かわいくてオタクな子で、現場でお話をするのが楽しかったです。(西村)和彦さん(店主・宮元潔役)や、満腹(満)さん(ボーイ・平田六郎役)とも楽しく会話できました。

――皆さんとYouTubeの話はしましたか?

YouTubeの話もたくさんしました。愛ちゃんも心さんも私の配信を見てくださっていて。和彦さんもYouTubeをやっているので、みんなでその話題で盛り上がりました。

――『おちょやん』でのお芝居はいかがでしたか?

舞台と映画では芝居の方向性が違うように、“朝ドラ芝居”みたいなものがあるんだなと思いました。1日の始まりである朝に放送される作品なので、前向きになれる、辛いことがあっても強く生きようと思える、パワーみたいなものがあるんです。ボケもツッコミも、話の流れも、圧倒的に“陽”。私は表情を使い懸命に芝居をしていました。それが面白かったのでまたやりたいです。

ドラマ『おちょやん』キャストと。「こんときのお芝居は忘れることはないってゆーちゃら~」

――反響はどうでしたか?

母親には、出演を伝えたときから「へえ」とドライな反応をされました。オンエアも家事をしながら見ていたそうです。たぶん、私の出演シーンをちゃんとは見ていなかったでしょうね(笑)。むしろ私的にはあまり期待をしていなかったじいちゃんとばあちゃんに「誇りや!」と大喜びされて。みんな予想通りのリアクションではなかった感じですね(笑)。家族よりも、友人が喜んでくれました。

ひたすら“楽しい”を突き詰めていた、YouTuberデビュー時代

――めがねさんは、女優になるという夢をいつぐらいからお持ちだったんですか? その夢を周囲は知っていたんでしょうか。

もともと私は内向的で、空想の世界に浸るのが好きな子だったんです。幼稚園に通っていたころから絵を描いたり、マンガを描いてたり、小説を書いたりしていて。めっちゃしゃべるんだけど、本当に言いたいことは言えない子でした。口下手ではないけど、本当に欲しいもの、本当はイヤなこと、本当に理解してほしいことをうまく伝えられない子だったんです。

でも、14歳のときに母親とリリパット・アーミーIIという、わかぎゑふさんが座長の劇団を観に行ったんですね。そうしたら、そのお芝居に鳥肌が立ってしまって……。人の心をかき乱すようなお芝居が、すごく衝撃的だったんです。その瞬間、絶対にそっち側をやりたいと思ってしまったんです。“舞台女優として表に出てみたい”というスイッチが入ったんですね。でも、思春期だったし、恥ずかしいじゃないですか。私の周りにいるのは、このまま地元で暮らしていきたいとか保育士になりたいみたいな子たちだったので、そういうなかで「女優さんになりたい」という夢はなかなか言えずにいましたね。

「昔から目立ちたがり屋ではありました(笑)」

――そこから高校生になって、YouTuberとして活動し始めたのはどんなきっかけだったんですか。

もともとふたり組でやっていたんですが、そのときの相方の女の子が声をかけてくれたんです。その元相方にもファッションの業界に進みたいという夢があったし、私も舞台女優になりたいという夢があったから、まずは名前を売っていこうということでYouTubeを始めたんです。だから、YouTubeに関しては、スカウトされたという感覚が強いんですよね。

「高校生のとき。これ実はカツラなんです」

――めがねさんが女子高生YouTuberとして活動を始めた2015年は、HIKAKINやはじめしゃちょーが注目を集めていた時期ですよね。YouTubeの活動はやってみていかがでしたか。

すごく楽しかったですね。右も左もわかっていなかったので、とにかく自分たちが面白いと思ったことだけが正解だと思っていたんです。見てくれる人の評価も、それほど気にしていませんでした。ただひたすら“自分たちの楽しい”だけを突き詰めている感じ。当時は、自信満々で動画を投稿してました。

「自身の現われがわかる一枚です」

――どんな機材で撮影したんですか? 編集も大変ではないかと思うんですが。

当時は、お母さんからもらったiPhoneだけで撮影も編集もしてましたね。ケータイ1台で動画を作っていました。

――ご家族はYouTuberとして活動していることを知っていたんですか?

はい。うちの家族は干渉しないので、「やってるわねー、迷惑かけちゃダメよー」みたいなことしか言われなかったです。何も言われなかったからこそ、迷うことなく、“YouTuberめがねちゃん”になり切れたというか。普段の自分を知っている人が見てたら、「やめてよー」ってなっちゃうけど。知り合いが気にせずにいてくれたので、思いっきり羽根を伸ばしていました。

「“三色串だんご”、あれなんであんなおいしいんですかね。あ、家族です。左上の写真の左から、弟(長男)、弟(次男)、母です。※もうひとり、姉がいます」

――YouTubeをやっていると、視聴者からの心無い反応もあるかと思うのですが、それはどのように受け止めていましたか。

私の性格ということもあるんですが、私はYouTubeの再生数やコメントを深く受け止めていないんです。再生数やコメントって、良くも悪くも、“盛る”ことができるじゃないですか。見るほうも、ご飯中に見ているかもしれないし、じっくり見入っているのかもしれない。コメントだって嘘を書けるし、大袈裟に褒めることもできる。相手の顔も見えないし。デジタルだから、実在感があいまいなんですよ。あと、私の場合は、“めがね”という存在がフィルターになっていると思います。

――“めがね”というキャラクターを演じている感覚があるんですか?

先日、YouTuberの友達と初めてご飯を食べに行ったんですが、そのときに、ふたりともキャラクターを作ることで強くなっているっていう話になって。“めがね”というキャラクターの根本にあるのは私自身なんですけど、めがねには私の“あこがれ”みたいなものがたくさん入っているんですよね。私自身はなよなよで悲観的で弱い人間なんですけど(笑)、めがねちゃんは明るくて、面白くて、ものすごくしゃべる。めちゃめちゃ気が強そう、みたいな私のあこがれでできているような感じがあります。自然とそういうものができあがってきた感じなんです。

「なんか、ええこと言ってそうな写真、載せておきます(笑)」

――めがねさんが自身の思いや経験を、すごく熱く語っている配信回もあります。あれも“めがね”を演じているというアプローチなんでしょうか?

私のなかでは“めがね”と私自身が境界線を行き来している感じもあって。私自身がイヤなことを「イヤ」と言っても、だから何? って感じがあるけれど、作ったキャラクターが言うとエンタメになる。そういう良さがあるんじゃないかと思います。

例えば、熱く語る回の収録ではスティーブ・ジョブズをイメージしてます(笑)。私はいつもしゃべりすぎて、ふくらませすぎちゃうところがあるんですけど、ジョブズはすごく簡潔にメッセージを伝えるじゃないですか。ジョブズを意識して語って、ふくらませすぎたらカットして。うまくいかないときは何度でも撮り直します。語ってる動画は15回ぐらい撮ってることもありますね。最初のフレーズは2回目のやつが良かったから、編集して3回目のものとつなごうとか。そうやってかなり試行錯誤しているんです。

人に評価されることで自信が生まれた

――めがねさんは現在ソニー・ミュージックエンタテインメント(以下、SME)のREDに所属されています。最初の出会いは何だったんですか?

最初、TwitterのDMに今のマネージャーからすごい長文のメッセージが来たんですよ。17歳の高校生で普段はバイトしているような女の子にそんな長文のDMを送ってくるなんて、何者だろう? って、最初はちょっと戸惑いましたね。当時、いろいろな事務所からご連絡をいただいていたんですが、いつも相方のほうへ連絡が行っていたんです。ところが、よりによって私のほうにDMを送るなんて、と思って。それで3日くらい放置していました。

――放置(笑)。

それで一度会ってみようと思って会ったら、すごく熱い話をされて。そこで「君たちは何がやりたいの?」と聞かれたので、そのときに初めて「舞台女優」と答えたんです。そうしたら、それを受け入れてくれた。最初は怖かったけれど、会って良かったなと思いましたね。

「初めて宣材写真を撮ったとき、恐る恐るマネージャーに『写真撮りませんか……?」と声をかけました。その後は一回もツーショット撮ってません」

――SMEに所属して、最初のお仕事は何でしたか?

最初はMCの仕事が多かったんです。イベントのMCとか、ヒップホップ界隈のMCとか、『出れんの!?サマソニ!?』(夏フェス『SUMMER SONIC』のオーディション企画)のMCとか。そういう“しゃべり”の仕事を通じて、「しゃべれる人なんだ」と評価してもらえたのは、本当にうれしかったですね。これまでYouTubeの評価はあまり気にしていなかったんですが、人に直接評価されたのは、すごく自信になりました。

SMEの方に「めがねちゃん、しゃべれるんだね」「めがねちゃん、面白いんだね」と認めてもらえるのは、すごく心強いし、次の仕事にもつながる。私は、YouTube上ではひとりでしゃべっていることが多かったんで、対人でしゃべる自信がなかったんです。でも、仕事を通じて、人との会話を学んで、それがテレビ番組のMCとなり、ラジオのパーソナリティにつながっていった。仕事を通じて自分の可能性を教えていただきました。

「初めてお仕事としてお芝居したミュージックビデオ撮影。浪漫革命の『Lovely moon night』のMV。一生忘れないお仕事のひとつです。浪漫革命大好きだよ~」

――今は女優として活躍し、YouTuberも続けていますが、YouTuberとしては今後、どんなふうに活動していきたいと考えているのでしょうか。

YouTubeは自分の原点ではあるんですが、だんだん責任感が出てきているんです。映像を作るのは楽しいんですが、自分のなかで「こういう動画を作る人だよね」というのが定まっていなくて、ちょっとストレスも感じてきているんです。例えば仕事なら、すべきことか決まっているし、大人が見守ってくれているし、与えられた課題に応えていくという感じがあるんですよね。でもYouTubeは何の課題もないから、すごく迷うし悩む。裸で海に投げ込まれているみたいな感じがあります。

――4月1日に投稿された、ダンスボーカル・ユニット、新しい学校のリーダーズとのコラボ動画では、すごくいきいきとしていましたよね。

そうなんですよ! 2年くらい前は何をしたら良いかわからなくて、自分は“若い女の子”だから、美容やダイエットの動画が良いだろうと、ジャンルを意識して動画を作っていたんです。でもそういう枠組みを一度壊して、めがねちゃん全開動画を作ろうと。新しい学校のリーダーズのSUZUKAとは高校時代からの友人で、毎日LINEしているくらい仲が良いです。面白いと感じるセンスが似ている子で。思いっきりやりたい放題で動画を撮りました。久しぶりに、ものすごく楽しかったです。

「自分でカメラを回しつつみんなで撮りつつ、最高に良い動画だった。リーダーズ愛してる」

――独特なテンポの面白さがありました。

自分としては編集するときは「これで楽しいのかな?」って不安になっていたんですけど、不安よりも、圧倒的に「楽しい」が勝っていました。めがねちゃん全開、フルパワーを見てほしいです。でも……あの動画、意味わかんないですよね(笑)。

――今後はどんな女優、YouTuberを目指していきたいと思っていますか?

私は16歳からSNSをやっているので、同世代のファンの方が多いんですよ。彼女たちも夢を持っていて、親には相談できないんだけど、DMとかで私に相談してくれるんです。お芝居をやりたいけど……美容師になりたいけど……って。そういう子たちが元気になれる、夢の先駆者になりたいって思っているんです。誰だってなりたいものになれるんだよって。だから、YouTuberから出てきた女優さん、と呼ばれたいんです。演技も上手だし、YouTubeの動画もめちゃめちゃ面白い。そういう人ってまだ少ないと思いますし、私がそうなれるように、これからも頑張っていきたいと思います。

「私の友人であり師匠のRKが撮ってくれた新しい宣材写真のオフショットです」

 

文・取材:志田英邦

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