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Eyes on

井上翔太:モデルも俳優も全力で真っ直ぐに

2023.09.11

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今、注目すべき旬のアーティストにスポットを当て、最新インタビューとプライベートショットで素顔に迫る連載「Eyes on」。

今回は、成田凌主演のドラマ『転職の魔王様』に、印象的な役柄で出演している俳優・井上翔太。演技の仕事だけでなく、『MEN’S NON-NO』の専属モデルとしても知られる彼の素顔とは。インタビューとオフショットで紹介する。

  • 井上翔太プロフィール画像

    井上翔太

    Inoue Shota

    1999年1月8日生まれ。京都府出身。血液型A型。身長177㎝。2017年、ドラマ『セシルのもくろみ』のスピンオフ企画『セシルボーイズ(CECILE BOYS)』で俳優デビュー。同年、ファッション雑誌『MEN'S NON-NO』のモデルオーディションでグランプリを獲得し、現在も専属モデルとして活動している。放映中のドラマ『転職の魔王様』に出演中。

根が真面目な子どもだった

――幼少期のころのことから聞いていきます。井上さんは小さいころどんな性格でしたか?

教室でじっとしてられない、やんちゃな子だったと思ってたんですよ、自分のイメージでは。でも、この前お盆で地元に帰省して、小学1年生のときの先生にお会いして思い出話をしていたら、それだけじゃなかったみたいなんです。

クラスで何かの会の出し物を決めるときに、僕が先生に「みんなが全然真面目に考えてない!」って言ったらしくて。自分では覚えてなかったんですけど、根はすごく真面目だったようですね。でも不器用だから、真剣な気持ちを大人にうまく伝えることができなくて、とにかくはしゃいだり、友達とはケンカしたりしちゃってたのかなって思います。

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「地元に帰ると小学生時代の先生に会うのが恒例になっていて。これは、今年のお盆に会ったときに、先生が『写真撮っとこー』と言って撮ってくれました。今でも『大丈夫か? ちゃんと挨拶できてるのか?』って、小学生のときのままと思われてます」

――そのころ、何か夢中になっていたものはありました?

小学3年生ぐらいのときから野球を始めて、少年野球のチームに入っていました。野球を通じて友達ができましたね。野球は、高校1年生の冬まで、ガッツリやってました。高校は全寮制だったんですけど、結構、厳しいところで、耐えられなくなってやめて。それから地元の高校に通い直すことになりました。

――それは大きな転機ですね。

そうですね。もし高校3年生まで野球をつづけていたら、今ここにいないと思いますね。きっと大学に行って、関西で就職していたと思うので、挫折であり、転機にもなりました。

――高校1年生で野球をやめたあとは、どんな日々を過ごしていましたか?

そこから服がすごく好きになって。野球部時代は坊主で寮生活だったから、ほとんどジャージしか着ることがなかったけど、野球を辞めて、バイトも始めたら、自分で好きな服を買えるようになって。高校のときは、ファッションに熱中してました。

――どうしてファッションに興味が向いたんでしょうね。

それまで打ち込んでいた野球をやめたことで、自分のなかに本当に何もなくなっちゃったんですよ。しかも、僕、京都の田舎のほうに住んでたので、京都市内や大阪に行って、大人っぽいお店に自分が行ってるってことに特別感があったし、そこで、ファッションが好きな同年代の友達との出会いもあったりして。ありのままの自分だと自信がなくて、おしゃれな洋服を着ることで、自分のなかで何かを満たしてたのかもしれないです。

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「『MEN’S NON-NO』撮影中のスタジオで、合間に先輩の中田圭祐さんに撮ってもらいました。あまりカッコつけずに、はい、恥ずいんで(笑)」

――ファッションが好きになったときから、モデルになることを意識していました?

高校生のときに大阪の古着屋さんで、スタイリストさんに「モデルをやってみないか?」って声をかけてもらったことがあったんです。ファッションを好きになって、そうやって声をかけてもらえて、ちょっとずつ意識はするようになってました。でも、高校の三者面談で進路の話になったときに、僕は「東京に行って俳優をやる」って答えたんですよ。

――まだ何も当てがないときに?

そうなんです。でも親には「何も決まってないのに東京に行かせるのは不安だから、せめて学校に行ってほしい」って言われて、前から気になっていた東京の専門学校に行くことになるんですけど。

――もともと俳優になりたいと思っていたんですか?

ずっと憧れがあったんですよね。俳優って、特別な職業だと感じていて。

――好きなドラマや映画はありました?

中学生のときに、映画『クローズZERO』を見て、カッコ良いなって思いました。思春期ならではのやり場のない思いに共感しましたね。映画の真似をして学ランを短くしたりとか。

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「去年の夏に撮った宣材写真のアザーカットです。このちょっと前に、役作りでもなんでもなく髪を切って久しぶりに短くしました。そしたらエネルギーがみなぎるのを感じて調子が良くなった記憶があります」

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「これも公園で撮った宣材写真のアザーカットです。自然の力って大事だなっていつも思っていて、普段から疲れたときには自然が豊かな場所に行くようにしています。太陽や夕日からもパワーをもらえますね」

『MEN’S NON-NO』は受かると思っていなかった

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「友達の家のベランダです。8月上旬の夏の夜で、屋上がとても気持ちが良かった。夏っぽいことができました」

――『MEN’S NON-NO』のモデルオーディションを受けたときは何歳でしたか?

専門学校1年生の秋ですね。でも、その前に、現在所属しているソニー・ミュージックアーティスツ(以下、SMA)の人に声を掛けてもらったんですよ。

――そうなんですね。SMAに入ったのはいつごろですか?

上京してすぐ、1、2週間後ぐらいかな。専門学校の入学式の前に、SNSで知り合った友達と表参道を歩いていたら声を掛けられて、それでお世話になることになりました。当時は、良くも悪くも深く考えてなかったですね。でも俳優やモデルの仕事には興味があったから、よくは知らない世界だけど、「俳優やります」「モデルやります」って感じだったと思います。

――その年の冬に受けた“メンズノンノモデルオーディション”でグランプリを受賞して。傍から見れば順風満帆ですよね。

そうなんです。SMAは、『MEN’S NON-NO』のモデルの先輩である成田凌さんが所属していることもあって、マネージャーに「受けてみたら?」って勧められて。受かると思っていなかったんですけど、グランプリをいただけて。YouTubeに当時の映像が残ってるんですけど、囲み取材で「あ、うれしいです……」ってすごく、ぶっきらぼうに答えてるんですよ。

――(笑)

自分でもすごくびっくりしてたんですよね。東京に来て1年目だったし、囲み取材なんて、当たり前ですけど初めての経験だから。どうにか素を出さないように、必死に装って出たリアクションがあれだったんです。これも今思えばの話ですけど、感情を出すのが恥ずかしいというか、ちょっと怖かったんですよね。自分的には、「俺でいいの?」っていう気持ちもあったし、シチュエーションに動揺していました。

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「バイクの免許を持っていて、地元に帰ったときに親友と海沿いをツーリングしました。バイクは、その親友のお兄ちゃんのものを借りました」

――モデルとしての仕事が始まってからは、どんなことを感じてましたか?

メイクをしてもらって、服を着て、写真を撮ってもらって、誌面に出るっていうのは、すごく気分が良かったです。でも当時は、今よりも人見知りというか、人に心を開くのが苦手だったから、先輩のモデルさんやベテランのヘアメイクさんとコミュニケーションを取ることが難しくて。

どこまで言って良いのか、言いすぎたら失礼じゃないかって考えると、自分から話しかけることは、あまりできなかったんですね。それでも環境に慣れてきて、徐々に周りの皆さんにも心を開けるようになっていきました。『MEN’S NON-NO』のモデル仲間は、先輩も後輩も俳優をやっている人が多いので、すごく刺激をもらいますし、たくさんのことを教えてもらっています。

――成田凌さんをはじめ、俳優として活躍してる方も多いファッションの現場で、どんなことを教えてもらいましたか?

“ゴミは自分で片づける”とか、“挨拶をちゃんとする”とか、すごく基本的なことを言われたことが印象に残ってますね。撮影のときに、スタイリストの方に「着替えたら、服はそこら辺に適当に置いておいて」って言われたことがあって。そのときは成田さんと一緒の現場だったんですけど、「適当に置くなよ!」って教えてもらいました。

撮影が終わったら、お借りした服もそうだし、ゴミもそうですが、ちゃんと自分で片づけて帰るとか、そういう人として当たり前のことを改めて言われたことでハッとしたし、心に残っています。

皆さん、ドラマや映画でどれだけ活躍していても、そういうところはちゃんとしていて。あと、『MEN’S NON-NO』のお仕事は、編集者の方を含め、スタッフの皆さんと距離が近くてフラットな感じ。肩書や年齢関係なく、人を大切にしようとする現場の雰囲気というのは、きっと自分のなかに一生残るだろうなと思います。

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「東京で美容師をしている地元の友達とご飯に行ったときの写真です。特に何を話すというわけではないんですが、一緒にいて安心できる存在で、定期的に会っていますね。普段はこんなふうによく笑います」

よく言えば硬派だけど……

――モデル業と並行して俳優としても活動されてきましたが、印象に残っている作品というと?

映画『孤狼の血 LEVEL2』ですね。ああいう熱い作品に参加したいと思っていたので、端役でしたが、出演させていただけてうれしかった作品です。1作目の『孤狼の血』を見たときにすごい衝撃を受けて、2作目をやるって聞いて、オーディションを受けました。とりあえずもう、気持ちを全開にして行こうと思ってすごくでかい声を出したら、ヤクザの役のオーディションだったんですけど、警察官役で呼んでいただけて。松坂(桃李)さんや鈴木(亮平)さんをはじめ、日本の俳優界の最前線にいる人たちと同じ空間にいて、芝居を見ることができたのは大きな財産になりました。『孤狼の血』に出演されていた役所広司さんともいつかご一緒したいというのが、個人的な夢ですね。

――井上さんからも硬派な雰囲気を感じます。

良く言えば硬派なのかもしれなけど……悪く言うと、視野が狭いし、頭が固いんですよね。だから、もっと柔軟になっていきたいとは思います。

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「地元が海の近くで、これもお盆に帰省したときのものです。海が一番好きな場所ですね。波の音を聞いていると本当に落ち着きます」

――今夏のドラマ『転職の魔王様』では、キッチンカーを営んでいる夫婦の夫・北斗役を演じています。駆け落ちして、ふたりでキッチンカーを始めたというふたりなんですよね。

そうなんです。最初に役どころを聞いたときに、「めっちゃ熱いふたりやん!」って思いました。“若いけど自分たちで夢を持ってやってる姿を見て、転職とは違う角度で、視聴者に何かを感じてもらう”っていう説明も書いてありました。ふたりの掛け合いが独特で、すごく小さいことでよくケンカします(笑)。

――本作主演の成田凌さんをはじめ、坂口健太郎さんや大沢たかおさん、阿部寛さんなど、『MEN’S NON-NO』のモデルから俳優として大成した方はたくさんいらっしゃいます。そういった環境は、ご自身のプレッシャーになりますか?

あんまりないです。なんでないんだろうな? あったほうが良いのかな……。とにかく今は、もう自分がやるべきことをやるしかないなって思ってるんですよね。誰かと自分を比べたり、焦ったりすることはないです。ただ、「モデルだから芝居はうまくない」とは絶対に言われたくないので、そこは頑張っていきたいです。

――俳優としての理想像はありますか?

この前、実家に帰ったときに、周囲の人たちが言ってくれるんですよ、『ドラマ見てるよ』って。近所のおばちゃんとかにそう言ってもらえたことが本当にうれしかったです。だから、自分が知ってる人はもちろん、そうじゃない人にも自分のお芝居で何かを感じてもらえたらなって思います。コメディだったら笑ってもらいたいし、ヒューマンドラマだったら感動してもらいたい。最近特に、僕は本当に人が好きだなって感じているので、人の心に何かを残せるような演技をしていきたいです。

文・取材:永堀アツオ

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