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2023.09.11
ソニー・ミュージックアーティスツ
今、注目すべき旬のアーティストにスポットを当て、最新インタビューとプライベートショットで素顔に迫る連載「Eyes on」。
今回話を聞いたのは、放送中のアニメ『デキる猫は今日も憂鬱』のオープニングテーマ「憂う門には福来たる」でCDデビューを果たしたシンガーソングライター、somei。アーティストになることを目指し、念願を叶えた彼女のこれまでの道のりとは? 本人撮影によるオフショットとともに紹介する。
目次
somei
ソメイ
10月28日生まれ。東京都出身。中学生のころから作詞作曲、ライブ活動を行なう。2021年、シンガーソングライターとしての活動を本格始動。2023年8月30日、累計発行部数130万部を誇る人気漫画原作のTVアニメ『デキる猫は今日も憂鬱』のオープニングテーマ「憂う門には福来たる」を含む全3曲入り1stシングルでCDデビュー。
「Who Am I?」
――someiさんは中学生のころから作詞作曲を始めたそうですが、やはり小さいころから音楽好きでしたか?
はい。音楽だらけの家庭で育ちました。主に父が流す曲が多かったんですけど、イーグルスや(レッド・)ツェッペリン、(エリック・)クラプトンとか、1970年代の洋楽がいつも流れてました。
――歌手になりたいと思ったのは?
物心ついたときからというか、気づいたときにはもうずっと歌を歌っていきたいと思っていたんですが、小さいときはまだ歌手っていう職業があることを知らなかったんですね。でも、小学1年生のときに母のライブを観る機会があって。
――お母様が箏曲(そうきょく)家なんですよね。
そうなんです。でも、そんなにお堅いライブではなく、母が琴を弾いて、パーカッションやギター、三味線を弾く人もいるっていうバンド形式のライブだったんですけど、マイクを持って歌ってる女性の方がいて。そこで、歌手っていう存在を初めて知って、『あ、私は歌手になりたいんだ』って自覚しました。
――幼少期から楽器もやっていたんですか?
3歳からピアノ、4歳からお琴を習っていて、ピアノは高校生までつづけていました。琴も好きでずっと触ってはいましたね。小学5年生のときにサンタさんにギターをもらってからは、歌うためには自分で弾くしかない、という気持ちでギターも始めました。
「クラレンスホワイトとウッディ」
――どんな曲を弾いていたんですか?
最初はアニソンのカバーをずっとしてましたね。ギターを始めたころに、ちょうどアニメ『けいおん!』や『家庭教師ヒットマンREBORN!』がやっていて、音楽にハマっていたので、コード譜を買ってきて、弾き語りをしていました。
――リスナーとしてはどんな音楽に触れてきましたか?
父親の影響で聴いてた洋楽と、そのときに流行ってる洋楽や邦楽、本当に幅広く聴いてました。小学生のときに見てたドラマ『シークレット・アイドル ハンナ・モンタナ』のマイリー・サイラスみたいになりたいと思ったり、そのドラマに名付け親として出てきたドリー・パートンという大御所のカントリーシンガーの曲も好きでした。当時は、マイリー・サイラス、テイラー・スウィフト、エド・シーラン、パッセンジャー(マイク・ローゼンバーグ)をよく聴いてましたね。
「眠れない夜に、クリームのころのクラプトンを聴いています」
――カントリーやフォークロック寄りですよね。中学生になってからは?
バンドをやりたかったんですけど、同世代に楽器をやってる子がいなかったので、母の音楽仲間のおじさま、おばさまたちと一緒にバンドを組んでました。私はギターとボーカルで、アニソンバンドをやろうっていうところから始まって。『けいおん!』や『マクロス』、『創聖のアクエリオン』、『新世紀エヴァンゲリオン』とか、ザ・アニソンという感じの曲をやってましたね。
――そのときはどんなアーティストになりたいと考えていましたか?
ものすごく野望を抱いていた時期なので、「グラミー賞を取りたい!」ってずっと思ってました。そのために英語も勉強してましたし、なぜか自分のことを天才だと思い込んでいたんですよ。きっと中二病だったんだと思います(笑)。
「抜け殻越しの野尻湖」
「ネオンサイン見ると写真撮りたくなります」
――デビューするまではどんな道のりでしたか?
オーディションは、受けては落ちての繰り返しで。その間もライブハウスでライブをずっとつづけてたんですけど、高校2年生と3年生の間ぐらいの時期にちょっと大きめのアニソンシンガーのオーディションでファイナリストになったんです。そこから少し自信はついたんですけど、やっぱり2次審査まで行ってダメだった……というようなことを繰り返していました。
高校卒業後は専門学校に行ったんですけど、音大への進学と迷いました。指定校推薦で大学に行くことがほぼ決まりかけてたとき、最後に書類を出すところで、「やっぱりやめます」って言って。
――それはどうして?
アーティストになりたい気持ちが大きかったので、自分のライブ活動をつづけていくには専門学校のほうが良いと思ったんです。大学に行くと、卒業までに4年かかってしまう。音楽を学ぶことはできるけど、それが自分にとって今、一番必要なことなのか? って思ったんです。専門学校卒業後は、その年からとにかくライブをしようと思って、年間50本ぐらいのライブをしていました。
――すごい数ですね!
その後はコロナ禍で回数が減っちゃったりしたんですけど、そういう状況だったからこそ、「歌いつづけたい」っていう想いがますます強くなっていきました。そうして2021年に、「これがラストチャンスかもしれない」という気持ちであるオーディションを受けました。
「エアプランツが咲いた!」
――そのオーディションはどんな雰囲気でしたか?
コロナ禍だったので、2次審査がリモートだったんですね。そのあと、スタッフの方が私の知らない間にライブを観に来てくださったみたいで、2021年10月に呼び出されたんですよ(笑)。「面談をしたいので来てください」って言われて行ったら、「合格です」って。ちょっともうパニックですよね。本当に何が起きてるかわからないという状況で。そこからトントンと……自分の心が追いつかないまま、進んでいきました。
「我が家のビヨンセちゃん」
――そして今回、ついにCDデビューとなりましたが、デビューが決まったのはいつですか?
それが、ちゃんと言われてないんですよね(笑)。去年、「アニメ『デキる猫は今日も憂鬱』のコンペに出してみない?」って言われて、何曲か書いて、いつの間にか「レコーディングするよ」って(笑)。自分のなかで流れが全然わからなかったので、レコーディングはしたけど、また何か選考があるのかな? とか、いろいろと考えてたんですけど、気づいたら、ジャケットのデザインが上がってて……。
――「アニメのオープニングテーマに決まりました! デビューが決まりました!」っていうアナウンスがあったわけではないんですね。
誰からも言われてなくて、ふんわりと、今に至ってます。
――(笑)。改めて、アニメ『デキる猫は今日も憂鬱』のオープニングテーマを歌うことが決まったときは、どんな感想でしたか?
自分自身、猫が好きなので、猫ちゃんの作品に携わることができる、しかも、自分のデビューの作品になるっていうのが本当に光栄だなって思ってます。原作を読ませていただいたんですけど、本当に幸せというか、愛おしさみたいなのがギュッと詰まった作品で、すごく心が温まるなって思いました。
「福ねこ来たる」
――オープニングテーマの「憂う門には福来たる」は書き下ろしの楽曲ですが、原作を読んで、どんな想いを込めましたか?
この作品に繋がるテーマとして、まず、愛おしさを感じたので、それをもう前面に出して表現したいなっていうところから始まりました。ギターを持ちながら……私はいつもメロディと言葉が一緒に降ってくるタイプなんですけど、結構スラスラと言葉が生まれていって、曲になっていきました。
somei / 憂う門には福来たる - Music Video
――特にこだわった部分というと?
作品に寄り添いたかったので、原作をとにかく読み込んで、あと、登場人物の気持ちになりきるということをしました。原作では、諭吉という名前の猫がご飯を作ってくれるんですけど、この曲を書いていたときも、諭吉が作ったご飯を自分で再現してみたり。
――えぇ! そこまでして、諭吉の気持ちで書いたんですね。
諭吉の気持ちだとどうかな? って考えて。曲を書くときは割と憑依型になろうとするのかもしれません。
「シミュラクラ現象にしてはかわいい」
――実際にテレビから自分の声が流れてきたときはいかがでした?
実感が全然なかったんですよね。自分の声じゃないように思いましたし、それこそ、本当に決まったかどうかもわかんない、みたいな(笑)。本当に流れるのかな? もしかして流れるまでが審査なのかな? と思って。でも、自分の名前が出て、見たことあるやつだって(笑)。
――(笑)。someiというアーティスト名にはどんな想いを込めていますか?
どんなアーティスト名にするか、いろんな案が出ました。自分が思っているアーティストとして大切にしていきたいことが、“somei”っていう言葉から連想されるものとうまく一致したんです。
「かつてのラテアート」
――「アーティストとして大切にしていきたいこと」とは何ですか?
季節のなかで、人のあらゆる瞬間に寄り添える楽曲を作るアーティストでありたい。いろんなジャンルの曲を書きたいと思っていて、それは、覚悟にも近いかもしれないです。桜のソメイヨシノのように、季節ごとに、花を咲かせて、あおい緑になって、きれいに紅葉して、落葉して、ときには実をつけたりもする。そんなふうに、いろんな面を見せていけるアーティストでありたいです。
――CDもリリースされて、これから先の未来は見えましたか? どんな活動をしていきたいかを最後に聞かせてください。
これからはつづけることを積み重ねていかないといけないなっていう気持ちでいますね。漠然と、「しっかりしなくちゃ」みたいな気持ちが大きいんですけど、アーティストとして、誰も取り残さないような作品作りをしていきたいと思ってます。今回のCDジャケットには猫が隠れているんですけど、こんなふうにアートとしても楽しめる作品を作っていくことを心掛けたいなと思います。
そして、まずはライブですね。まだどういう形になるかわからないですけど、ライブは積極的にやっていきたいと思ってます。将来は、音だけじゃなく、視覚的にも楽しめるライブができたら良いなと思っています。
文・取材:永堀アツオ
通常盤
憂う門には福来たる
発売中
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