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連載Cocotame Series

STAGE ~私たちの世界~

鈴木拡樹が「舞台 PSYCHO-PASS サイコパス VV」を通じて舞台に立ちつづける理由を語る【後編】

2024.02.23

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演劇や朗読劇、2.5次元といった舞台で活躍する俳優や、その舞台を支えるクリエイターにスポットを当て、魅力あふれる世界を紐解いていく連載企画「STAGE ~私たちの世界~」。

今回は、東京・大阪(東京公演:3月15日~3月24日/大阪公演:3月28日~3月31日)で上演される『舞台 PSYCHO-PASS サイコパス Virtue and Vice 3』(以下、舞台 PSYCHO-PASS サイコパス VV3)をフィーチャー。主人公・九泉晴人を演じる鈴木拡樹に、シリーズ3作目にして最終章となる本作の見どころや今作にかける意気込みを聞いた。

後編では、鈴木拡樹自身の俳優としてのモチベーションや、原作と世界観を共有する「舞台 PSYCHO-PASS サイコパス VV」シリーズの魅力を語ってもらった。

鈴木拡樹プロフィール画像

鈴木拡樹 Suzuki Hiroki

1985年6月4日生まれ。大阪府出身。身長173cm。血液型AB型。2007年、テレビドラマ「風魔の小次郎」でデビュー。2008年に上演された『最遊記歌劇伝 -Go to the West-』で舞台初主演を務めた。以降、「舞台『刀剣乱舞』」シリーズ、「劇団☆新感線『髑髏城の七人』Season月 下弦の月」、ミュージカル『SPY×FAMILY』など、多数の人気作、話題作に出演している。

『舞台 PSYCHO-PASS サイコパス Virtue and Vice 3』

「舞台 PSYCHO-PASS サイコパス Virtue and Vice3」キービジュアル

フジテレビ“ノイタミナ”アニメ大ヒット作品『PSYCHO-PASS サイコパス』をオリジナル脚本で舞台化した「舞台 PSYCHO-PASS サイコパス Virtue and Vice」のシリーズ3作目。公安局刑事課三係を舞台にしたオリジナルキャラクターたちによる、スピンオフストーリーが展開される。2019年に第1弾、2020年に第2弾が上演され、最終章となる本作では1作目のつづき、九泉晴人のその後が描かれている。

今年のテーマは原点回帰

俳優としてデビューしてから17年の時を経て、キャリアとしては円熟期に突入しつつある鈴木拡樹。数々の話題作、人気作の舞台を経験した彼に、現在のモチベーションについて聞いてみた。

「有難いことに本当にたくさんの作品で声をかけていただき、多くの舞台を経験させていただきました。年齢的にも中堅の世代に入っていますが、だからこそ今は、原点回帰をテーマに掲げています。

僕は、ある劇団の舞台を観てお芝居の道を志した人間なんです。その舞台を観たときに、自分も俳優になりたい、観る人をわくわくさせる、あの舞台に立ちたいという思いを抱きました。それを振り返り、改めてあのときの思いで作品に挑みたいと考えています」

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デビュー当時のことも振り返ってもらった。鈴木拡樹という俳優は、どういう成長曲線を描いて現在に至るのだろうか。

「デビューしたてのころの芝居って、技術面はもとより、俳優としての気構え、立ち居振る舞い、どれもこれも未熟なところだらけでした。いっぽうで、知らない、わからないからこそ出せたあのころの勢いで、今、芝居ができるのかっていうとそれも難しい。あれは、あのときだからこそ見せられた芝居なんだと思います。

その点で考えると、経験を積んだ今は、稽古や本番を重ねれば重ねただけ発見があります。でも、発見したことを改善するための時間がない、ということも多いです。そういうときは、時間がかかったとしても、ひとつずつクリアしていくしかない。昨日できなかったことが、今日パッとできるようになっている……自分はそんな器用な俳優ではないので。そこはデビュー当時から変わっていないですね」

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ひとつの作品と向き合うことで得られたこと

2010年代、コロナ禍を迎える少し前まで、それこそ毎月のように違う作品の舞台に立ちつづけた鈴木拡樹。近年は、少しそのペースが落ち着いているように見られる。そこにはどんな理由があるのだろうか。

「僕は演技指導をきちんと受けないままデビューしているんですね。しかし、現場で知り合う同世代の人たちは、しっかりと下積みをして、力をつけてからそのステージに立っている。自分が、この人たちに追いつくにはどうしたら良いんだろうと考えたときに、とことん現場で学ぶしかないと思ったんです。

それこそ公演期間が短い作品をたくさんやらせてもらって、“これはできる”“あれは苦手だからもっと練習しなきゃいけない”と、一つひとつ確認しながら、勉強する日々を過ごしました。

その経験を経て、じっくりとひとつの作品に携わることの面白さや、やりがいにも気づくことができたんです。そして幸いなことに、ロングランの作品や長年ファンの方々から愛されるシリーズ作品に出合うことができました。

なので今は出演させていただく作品の数という意味では以前よりも少なくなりましたが、一つひとつの作品に時間をかけ、シリーズ作品の魅力とは何なのか、シリーズ作品をつづけていくためには何が必要なのかを体験させてもらっていて、それは自分にとってまた別の意味での大きな財産になっています」

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出演作品のペースが落ち着いたとしても、人気俳優として引っ張りだこであることに変わりはなく、スケジュールはぎっしり埋まっている。これに向き合う鈴木拡樹のなかの原動力は何なのだろうか。

「原点回帰に共通することなんですが、やっぱり、“何のために芝居をやっているのか”ということですね。自分は、舞台を観に来てくれるお客さんの心を震わせたい、喜んでもらいたいという思いを抱いたからこそ、舞台俳優を目指し、今舞台に立たせてもらっている。それが僕の原動力ですね」

俳優を志すきっかけとなった、観る側の没入感や感動。演じる側となった今、鈴木拡樹はそのときの感覚をひとりでも多くの人に伝えたいと言う。

「僕が受けたあの衝撃を、ひとりでも多くの人に味わってもらいたいなと考えていて。特にシリーズ作品をつづけていくと、固定ファンの方々の存在がどんどん大きくなっていきます。どんな人たちがこの作品を支えてくれて、どんな気持ちで見終わって、最後に拍手を送ってくださるのかを考えるようになって、観客の皆さんをより近くに感じられるようになりましたし、その期待にしっかり応えたいですね」

原作がある舞台の魅力とは

俳優・鈴木拡樹の現在地を聞いたところで、『舞台 PSYCHO-PASS サイコパス VV3』に話を戻す。本作は、シリーズの最終章になるが、改めて3作品を通した「舞台 PSYCHO-PASS サイコパス VV」の魅力を聞いた。

「やはり、原作であるアニメ『PSYCHO-PASS』とリンクしていて、予想を裏切る衝撃的な展開やキャラクターたちの群像劇がしっかりと描かれ、さらには原作の世界観を広げる要素もふんだんに盛り込まれていることが最大の魅力だと思います。

もちろんそのベースにあるのは、本広総監督や脚本家の深見さんをはじめ、原作に携わった方々が制作を手がけているということが大きいですよね。だからこそ、原作の世界観の共有もよりスムーズにできて、稽古の現場では『ここは違うよ』と指摘してもらえたり、『ここはこういう意味だよ』と解説してもらえたりします。そういうスタッフの皆さんと一緒に制作できるカンパニーであることは大きな強みだと思っています」

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制作チームの良好な関係性を垣間見せつつ、鈴木拡樹は改めてこの舞台を原作ファンに喜んでもらえる作品にしたいと意気込む。

「『PSYCHO-PASS』は、テレビアニメシリーズから映画まで、あらゆる角度からチェックして、ストーリーや設定の考察を深めるファンの方が多いと思います。だからこそ、『舞台 PSYCHO-PASS サイコパスVV』にもそういう要素がたくさんちりばめられていて、『PSYCHO-PASS』の世界観を補完する作品であることを知ってもらいたいですね。

原作同様に難解な部分もあったりしますが、それも『PSYCHO-PASS』という作品の醍醐味。観客の皆さんと作り手、双方にとって『幸せだった』『やって良かった』と思える舞台にするのが僕たちの目標です」

そのうえで、原作を伴う作品ならではのプレッシャー、舞台表現の難しさもある。その難しさをプラスの方向へ働かせるキーワードは“想像力”だと語る。

「あくまで僕個人の考え方なんですけど……原作がある作品には想像力を駆使することで、楽しめる要素があると思うんです。自分も可能な限り、原作の世界観を守り、そこに近づけていきたいと思っているんですが、ときに生身の人間には、そうもいかない部分があって。ちょっと、サイボーグ並みに身体を改造しないと表現が追いつかないとか、一瞬でテレポートする技術を体得していないと無理とか(笑)。

なので、そういうパートでは、観客の皆さんの想像力を駆使してもらうことが大事で、それこそが、舞台作品の魅力であり、面白いところなんじゃないかなと。今、目の前の舞台で起きていることを、想像で原作のビジュアルや世界観に落とし込んでもらいながら、僕たちと一緒に舞台を作ってもらう。もちろん、僕たちもイメージしてもらいやすいように演技をし、表現をする。お互いの協力で成り立つエンタテインメント、それが舞台の素晴らしさだと思います。

あとは、キャストや制作サイドが、原作を読み解くスキルを向上させることも大事ですね。例えば漫画だったら、コマの使い方。ぶち抜きがあったら強調するシーンだなとか、このシーンは目線誘導があるから早く次のページに行ってほしいんだな、など。そういう、それぞれのメディアならではの表現も演者が読み解くと、より原作に近づいていける、もっと幸せな世界が広がるのではないかと考えています」

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鈴木拡樹からのメッセージ

『PSYCHO-PASS』の世界、そして俳優・鈴木拡樹について、濃密に語ってもらった。最後に、『舞台 PSYCHO-PASS サイコパス VV3』の観劇を予定しているファンへのメッセージをもらう。

「『舞台 PSYCHO-PASS サイコパス VV』は、いよいよファイナルになります。前2作で流れを作ってきてくれた仲間のためにも、今回出演するメンバーでしっかり締めくくりたいと思っています。また、『PSYCHO-PASS』の新たな魅力の一面も見せつつ、本編を補完できる部分もある、ということを重ねてお伝えします。

あとはもう、楽しんで観てください! 観終わったあとは、『PSYCHO-PASS』ならではの感触で、皆さんお帰りいただけると思いますので。僕も今からわくわくしてます。どうぞ、心かき乱されてください!」

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文・取材:加藤綾子
撮影:冨田 望
ヘアメイク:堀江裕美
スタイリスト:中村美保
衣装協力:Karaln/STEALTH STELL'A/JOYEUX

「舞台 PSYCHO-PASS サイコパス Virtue and Vice3」

【公演日程】
<東京> 3月15日(金)~3月24日(日) THEATER MILANO-Za
<大阪> 3月28日(木)~3月31日(日) 森ノ宮ピロティホール

【キャスト】
鈴木拡樹 和田雅成 多和田任益(梅棒) 田村心 菊池修司 中村祐志 春本ヒロ 高橋駿一 山本咲希 工藤潤矢 和田琢磨(映像出演)
石澤友規 池之上頼嗣 松岡歩武 森本竜馬 山川源太 藤田真澄 若尾颯太 篠原雅史

【スタッフ】
原作:サイコパス製作委員会
総合演出:本広克行
脚本:深見真
音楽:菅野祐悟
演出:元吉庸泰
演出補:荒井遼
脚本協力:私オム
アクション監督:奥住英明(T.P.O.office)
美術:石原敬(BLANk R&D INC.)
照明:吉川ひろ子(クリエイティブ・アート・スィンク)
音響:今村太志(サウンドクラフトライブデザイン社)
映像:横山翼
衣裳:桃木春香
ヘアメイク:河村陽子
舞台監督:大友圭一郎
宣伝美術:石塚丈仁(Rotterdam‘s doing)
宣伝写真:本多大介(エーケーエー)
DOMINATOR協力:株式会社Cerevo
プロデューサー:千葉悦子(room NB)、深澤耕輔(FAB)
制作:room NB、FAB
主催:舞台「サイコパス3」製作委員会

チケット発売情報

■最終プレイガイド先行
・受付期間:2月23日(金・祝)正午12:00~2月26日(月)23:59
・受付URL:https://eplus.jp/psycho-pass-stage/(新しいタブで開く)
※詳細は舞台公式HPならびに、上記受付URLに記載

関連サイト

『舞台 PSYCHO-PASS サイコパス Virtue and Vice 3』公式サイト
https://psycho-pass-stage.com/(新しいタブで開く)
 
『舞台 PSYCHO-PASS サイコパス Virtue and Vice 3』公式X(旧Twitter)
https://twitter.com/PSYCHOPASSstage(新しいタブで開く)
 
鈴木拡樹 X(旧Twitter)
https://twitter.com/hiroki_0604(新しいタブで開く)
 
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https://suzuki-hiroki.jp/(新しいタブで開く)

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