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『イナズマロック フェス 2018』西川貴教が語る“イナズマ“の魅力と今年の見どころ<後編>【特集第2回】

西川貴教が、地元・滋賀に恩返しがしたいという想いで立ち上げた“イナズマロック フェス”(以下、“イナズマ”)が今年10回目を迎える。

着実にファンを増やしブランド力を高めている“イナズマ”がどのように成長してきたのか? そして舞台裏ではどのようなストーリーがあったのか?

本特集では“イナズマ”の歴史を振り返るとともに、今年の“イナズマロック フェス 2018”の見どころをお届けする。

西川貴教インタビュー後編では、“イナズマ”の魅力と今年の見どころ、そして“イナズマ”の楽しみ方を語ってもらった。

ロックからアイドルまで、良い意味での“ごちゃまぜイベント”

――今年で10回目を迎える“イナズマ”。インタビュー前編では、イベントを立ち上げた経緯やエピソードを伺いました。後編では“イナズマ”の魅力を伺います。これまでのラインナップを振り返ってみて、印象に残っているのは?

西川:2015年のAKB48の盛り上がりはすごかったですね。ずっと「“イナズマ”に出たい」と言ってくれていた高橋みなみさんがAKB48を卒業をすると決めて、その卒業の年にようやく出演が叶いました。彼女は、どういった(楽曲)メニューならイベントを盛り上げることができるかというのを徹底的に研究して頑張ってくれていて。曲順も直前ギリギリまで悩んで、リハーサルしてからさらに構成も練っていたんです。だからこそ、あの時のAKB48の盛り上がりは衝撃的だった。

「みんなが知っている曲をこんなに連発されたら、そりゃあ誰も適わないよ!」っていう感じ。ある意味誰よりもハードコアだったんじゃないかな(笑)。あとはやっぱり、同じ滋賀出身で1回目から最多出演してくれているUVERworld。彼らは“イナズマ”にとって欠かせない存在ですね。

2015年/AKB48

2009年/UVERworld

2015年/UVERworld

2016年/UVERworld

2017年/UVERworld

――アイドルからロックバンドまで、出演アーティストの幅の広さも“イナズマ”の特徴ですね。

西川:良い意味で“ごちゃまぜイベント”みたいなところは“イナズマ”の持ち味だと思っているんですが、実際、揶揄されることも多々あるんですよ(笑)。そもそも“イナズマロック フェス”という名前は、公募した中から選ばせてもらって、みんなでつけた名前なんですが、「ロックフェスって言っているのにロックバンド以外が出ていて違和感がある」と(苦笑)。それでも“気持ち”で集まってくれる人たちがいる。そのおかげで成り立っているんだなと感じますね。

――アーティストだけでなく、芸人さんのネタも見ることができますしね。

西川:そうですね。2014年にフリーエリアのステージを「風神」「龍神」に名称を変更したんですが、「龍神」は、”これから頑張っていこう!” という若い芸人さんたちにネタを披露してもらうほかに、ご当地キャラクターが登場するキッズコーナーも兼ねたエリア。

若手のアーティストがパフォーマンスを披露する「風神」ステージ同様、「龍神」に出演する芸人さんにもいつかメインステージ「雷神」に出てもらえたらいいなと思っています。でも先日、R-1グランプリのファイナリストにもなって、すでに活躍されている方が「滋賀出身なのでエントリーしたいです」と言ってくれて「え!? いいんですか?」とビックリしたことがありました。地元愛があって素晴らしい。ありがたいことです。

続けてきて良かったと思える瞬間

――「出たい」と言われるのは、続けてきて良かったなと思える瞬間なのでは?

西川:ほんとに、それしかないです。出たい、やりたいと言ってくれる人たちがいるかどうか。それが続けていくスタッフのモチベーションにもなりますから。

嬉しいのは、フォーリミ(04 Limited Sazabys)のように、自ら主催フェスを始めたアーティストの存在。いつか彼らが頑張っているところに僕も呼んでもらえたら嬉しいですね。フォーリミは2014年にフリーエリアの「風神」ステージに出演してくれて、2016年にはいよいよ「雷神」ステージ出演。でもオープニングアクトだったのが不満で「もっとやりたい、もっとやりたい!」って言っていた姿がすごく印象的でしたね(笑)。こういうのめちゃくちゃいいな!って嬉しくなりました。

翌年2017年には「雷神」ステージ中盤に登場してしっかり盛り上げてくれて……今年で4回目の出演になりますね。毎年「しんどいな……」「なんでやってるんやろう?」って思うことも正直あるんですけど(苦笑)、彼らのような人たちがいてくれると、続けてきてよかったなって心から思えるんです。

2014年/04 Limited Sazabys(風神ステージ)

2016年/04 Limited Sazabys(雷神ステージ/オープニングアクト)

2017年/04 Limited Sazabys(雷神ステージ)

――今年は、滋賀県全体の観光キャンペーン「虹色の旅へ。滋賀・びわ湖」のナビゲーターもされているんですね。

三日月大造県知事(写真左)、喜多村樹美男近江鉄道社長(写真右)と西川貴教

西川:そうなんです。これまで、開催地の近隣エリアには色々な活動を通して伺うことはありましたけど、今回“虹たびナビゲーター”として、初めて訪れる町をぶらぶら歩きながらのロケもあったんです。

そうすると、行く先々で出会ったみなさんが「頑張ってね!応援してるよ!」って声をかけてくださって。考えてみたら、僕が”母ちゃんに会いたい”という気持ちから、地元に帰るきっかけづくりのために始めたようなイベントなわけですよ。

それが、手助けしてくださるたくさんの方々のおかげで、応援してくれる人がこんなにたくさん増えるなんて、最初は思いもしなかった。ここまで来たら、自分の勝手で「もう“イナズマ”はいいかな……」とか、迂闊に言えなくなったという気がしていますね(笑)。

“イナズマロック フェス 2018”の見どころ&楽しみ方

――そんな積み重ねを経て、10回目の今年は初の3日間開催。豪華な顔ぶれですね。

9/22(土)雷神ステージ 出演アーティスト

9/23(日)雷神ステージ 出演アーティスト

9/24(月・休)雷神ステージ 出演アーティスト

西川:正直、10回目だからといって特別なことをする気は無かったんです。でも昨年、台風で1日分流れているので、当日SNSでも発信していたように、これは中止じゃなくて“キャリーオーバー”なんだと。

実はこの“キャリーオーバー”という表現は、ニコニコ生放送で毎年ステージ裏から生配信している番組でMCを務めてくれている、土屋礼央くん(RAG FAIR)が僕に言ってくれた言葉なんです。

「色々準備していたし、悔しい想いはあります。でも、これは“キャリーオーバー”ということにしましょう」と言ってくれた彼の言葉を借りたんです。そんなこともあって、昨年出演が叶わなかったアーティスト、お笑い芸人の方にもお声掛けさせていただきました。

それで、HYやNICO Touches the Wallsのように今回出演いただけるようになった方もいるので、まさに積んだ分が3日間になって返って来るという感じですね。ただ、昨年も結局3日間のはずが1日半しかできなかったので、丸々3日間というのは運営側も初。どうなるか想像がつかないですが、“イナズマ”はこちらがお膳立てしたドラマではなく、勝手にドラマが生まれるんです。それもすごく素敵だなって思いますね。

――では最後に、初めて来られる方に“イナズマ”の楽しみ方をお願いします。

西川:“イナズマロック フェス”というタイトルはついていますけど、大きくいえば地元の滋賀でお祭りをやりたいだけ(笑)。だからこそ、半分は無料のエリアになっているというのもあります。そういった意味では、初めての方も気構えなく来てもらえれば。

もちろん、琵琶湖をバックにしたあのシチュエーションで、好きなアーティストがプレイするのを存分に楽しんでもらうことが僕は一番だと思っています。

でも、“イナズマ”のステージで観て、「名前くらいしか知らなかったけど、こんな人なんだ」「こういう曲を歌う人なんだ」って、新しいアーティストや音楽を知るきっかけになってくれたら、さらに嬉しいです。自分のご贔屓のアーティスト以外は盛り上がらないというのが愛情表現、と思われる方もいらっしゃるかもしれないですが、そういうものを乗り越えて丸ごと楽しむのがフェスとしての醍醐味じゃないのかな。

ロックが出てきても、ヒップホップが出てきても、アイドルが出てきても、「へ~、おもしろい!」って感じでいろいろな音楽を気軽に楽しんでもらえたらいいなと思います。“イナズマ”でアーティスト同士に交流が生まれたりするように、客席でもいろんな出会いが生まれたら嬉しいです。初めての方もあまり構えずに楽しみに来てください!

特集3回目は、“イナズマ”を影で支えてきたスタッフのインタビューをお届けする。

取材/文:草野美穂子

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イナズマロック フェス 2018

■会場:滋賀県草津市 烏丸半島芝生広場
■日時:9月22日(土)/9月23日(日)/9月24日(月・休)
■開場/開演/終演:12:00/14:00/20:00
※各日とも予定

※雨天決行(荒天の場合は中止)

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