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連載Cocotame Series

SPORTS X

B.LEAGUEの魅力を最大化するために“エンタテインメントパートナー” としてできること【前編】

2024.04.25

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スポーツの楽しみ方が多様化している昨今。魅せることで観ることをさらに楽しませてくれるスポーツとエンタテインメントの融合を追う連載企画「SPORTS X」。

今回フィーチャーするのは、開幕年となった2016-17シーズンより、ソニー・ミュージックエンタテインメント(以下、SME)が“エンタテインメントパートナー”として、スポーツ・エンタテインメント・カルチャーの創出をサポートしているB.LEAGUE。

5月25~28日に今シーズンのB1リーグ王者を決めるファイナル戦『日本生命 B.LEAGUE FINALS 2023-24』を控え、ますます盛り上がりを見せるB.LEAGUEとSMEの取り組みについて、プロジェクトが立ち上がった初期からプロデューサーを務める藤井俊行に聞いた。

前編では、B.LEAGUEにSMEが参入することになったきっかけや、過去に行なったさまざまな企画を紹介する。

 

  • 藤井敏行プロフィール画像

    藤井俊行

    Fujii Toshiyuki

    ソニー・ミュージックエンタテインメント

ソニーミュージックがB.LEAGUEの盛り上げ役を担うことになった経緯

――SMEがB.LEAGUEと正式にエンタテインメントパートナー契約を締結し、8シーズンが経過しました。B.LEAGUE開幕時から良好なパートナーシップを築いていますが、そもそものきっかけは何だったのでしょうか。

B.LEAGUEロゴ

ソニーミュージックグループは、現在もスポーツビジネスに意欲的に取り組んでいますが、スポーツビジネスに参入しようというもともとの発想は、コンサートやイベント体験の提供というライブビジネスが、ソニーミュージックグループのなかでビジネスの柱として大きく成長したことに端を発します。

そこで“究極のライブビジネスとは何か?”を改めて考えた結果、スポーツという答えに辿り着きました。スポーツの試合は、もちろんすべて“ライブ”ですし、そこに筋書きはありません。だからこそ観客は熱狂します。その“ライブ”ならではの面白さを提供するには、我々ソニーミュージックグループが長年培ってきたライブエンタテインメントのノウハウが最大限にいかせるはずだ、という思いがありました。

グレーのパーカーを着た藤井敏行

――エンタテインメントの視点から、日本のプロスポーツをもっと盛り上げたいと。

そうです。SME内でそういう気運が高まった2015年ごろ、バスケットボール界にプロリーグであるB.LEAGUEという統一トップリーグが誕生すると聞き、リサーチを進めたんです。

B.LEAGUE前夜の試合も多数見てわかったのが、野球やサッカーのようなスタジアムスポーツ以上に、バスケのようなアリーナスポーツは、例えば照明や音響などが演出側の意図通りに実現しやすいということです。ライブエンタテインメントとして成功する可能性がとても大きいと感じました。

――確かに、屋内で行なわれるバスケットボールは、自在な演出で観客を盛り上げることができるコンサートに近いですね。

そうなんですよ。それは、ソニーミュージックグループの得意分野ですから。加えて、そのころ大幅にシステムを刷新した新リーグであるB.LEAGUEがパートナー企業を欲しているという話も聞きましたので、今までにない新しい試みにも挑戦させてもらえるのではないかと思い、ぜひトライしたいとSMEとして手を挙げたんです。

――それまでは、スポーツ分野でSMEのようなエンタテインメント企業がパートナーとして参加する例はなかったように思います。

ここまで大々的にパートナーシップを結んでいる例は、国内にはないのではないかと思います。今までにない新たなスポーツエンタテインメントを創出できるという新規性も、B.LEAGUEの皆さんに評価していただけるのではないかと思いました。

ソニーミュージックがスポーツビジネスに参入するきっかけについて語る藤井敏行

――藤井さんはバスケットボールが好きで、個人的な思い入れがあったのですか?

はい、もちろんです。私自身、小学校から高校の途中までバスケをやっていて、その後もNBAは見ていましたし、日本のバスケ選手についても多少の知識はありました。あともうひとつ、とても個人的な話ですが、通っていた高校が地元のバスケの強豪校で、自分も1年生のときに全国大会に行ったことがあるんです。

授業にも身が入らないくらいバスケ漬けで、ある日先生に「お前、いくらバスケを頑張っても、日本じゃバスケで食っていくことなんかできないんだぞ!」と、怒られまして。その言葉が強烈に印象に残っていたんです。確かに選手として夢破れはしましたが、それから30年後、B.LEAGUEが発足してバスケを仕事にできる時代が来た。それもB.LEAGUEへの熱意につながりましたし、巡り合いの縁を感じましたね。

――そういった背景があって、2016-17シーズンよりB.LEAGUEとSMEとのパートナーシップがスタート。第1弾の開幕戦では、音楽面をSMEが総合演出しました。

B.LEAGUE開幕戦でのパフォーマンスの様子

PKCZ🄬

我々が得意な分野から手がけることになりました。PKCZ🄬による公式アンセムソング「BREAK THE BORDER」とShuuKaRenによる開幕シーズンのテーマソング「Take-A-Shot! feat. PKCZ🄬」を制作し、東京・代々木第一体育館での開幕戦にはShuuKaRen、PKCZ 🄬、SAMURIZE from EXILE TRIBEなど、バスケにふさわしいストリート感のあるアーティストたちがオープニングアクトに駆けつけ、これまでのスポーツ競技にはない光の演出などを盛りこんだ華やかなライブ空間を提供しました。

開幕戦でのパフォーマンスの様子2

PKCZ🄬×ShuuKaRen

今年2月に開催された『NBAオールスター2024』のイベントで全面LEDコートを採用したことが話題になっていましたが、LEDコートを使った演出は2016年9月に行なわれた開幕戦で既にB.LEAGUEがやっていたんです。ちょっとした自慢になってしまいますが(笑)。

プロバスケットリーグが新しくなったというだけでなく、もっと大きな意味でB.LEAGUEがここからエンタテインメント性の高いスポーツをやっていくんだという意気込み、目標を表現できたのではないかと思います。

沖縄の週末をB.LEAGUE漬けにするためのオールスターゲームでの取り組み

――現在、SMEがエンタテインメントパートナーとして手がけている主なものを教えてください。

まず試合に関することですと、B.LEAGUE主管試合※の演出です。現在、B.LEAGUE主管試合はふたつあります。ひとつは年間のB.LEAGUE覇者を決めるチャンピオンシップファイナル(決勝戦)。もうひとつは、オールスターゲームです。

ファイナル戦の演出やグッズ制作などのマーチャンダイジングはSMEが手がけていない年もありますが、オールスターゲームに関しては、コロナ禍で開催中止となった年以外、開幕年からずっと担当させていただいていますね。コロナ禍で開催中止となった年も、急遽オンライン番組を制作するなどしました。

※各クラブではなく、B.LEAGUE自体が主催する試合

昨年5月、が2022-23シーズンを制し、トロフィーを掲げる琉球ゴールデンキングス

昨年5月、2022-23シーズンを制した琉球ゴールデンキングス

――なかでも話題を呼んだのが、今年1月12日~14日に開催されたオールスターゲームイベント『B.LEAGUE ALL-STAR GAME WEEKEND 2024 IN OKINAWA』です。バスケットボール、B.LEAGUEの人気が高い沖縄県の沖縄アリーナ&沖縄市陸上競技場を会場に、初の3DAYS開催。オールスターゲームのみならず、さまざまな催しを盛り込んだ、過去最大規模のライブスポーツエンタテインメントイベントが実現しました。これはSMEにとってもチャレンジだったのではないでしょうか。

そうですね。もともとB.LEAGUEのオールスターゲームは全国を巡業するような形で、各地で開催していますが、沖縄アリーナでのオールスター開催は2022年に予定されていたものの、コロナ禍により延期になっていて、沖縄にとっては2年越しの悲願の開催でもあったんです。

前シーズンは、沖縄アリーナを本拠地とする琉球ゴールデンキングスがB.LEAGUE優勝を飾っていましたし、昨年夏の『FIBAバスケットボールワールドカップ2023』も沖縄で開催され、日本代表がアジア1位でパリ五輪出場を決めるという快挙を成し遂げました。

オールスターゲームイベント『B.LEAGUE ALL-STAR GAME WEEKEND 2024 IN OKINAWA』の様子

『B.LEAGUE ALL-STAR GAME WEEKEND 2024 IN OKINAWA』より

そこからバスケ人気、B.LEAGUE人気がさらに盛り上がりを見せている今こそ、沖縄で新しいことを始めたかった。もう一段、スケールアップしたオールスターゲームにしようとB.LEAGUEの皆さんとも意見が一致し、今回の企画につながりました。

――その『B.LEAGUE ALL-STAR GAME WEEKEND 2024 IN OKINAWA』での新しい試みとはどういったものでしたか。

まず、これまでのオールスターゲームは、土日の2日間をアリーナのみで行なってきましたが、今回は、沖縄アリーナの近くにある沖縄市陸上競技場を、前日の金曜日から3日間借り切りました。

――だから、タイトルにも“ウィークエンド”の文字が入っているんですね。

はい。週末中、B.LEAGUE漬けになっていただきたかったんです。陸上競技場のほうはライブや選手のトークショウ、お楽しみ企画を行なう“パーク”会場、土日に試合やコンテスト競技を行なう沖縄アリーナは“アリーナ”会場と名付けて、両方を行き来しながらエンタテインメントとしてのバスケットボールを満喫していただこうと考えました。

『B.LEAGUE ALL-STAR GAME WEEKEND 2024 IN OKINAWA』パフォーマンスの様子

『B.LEAGUE ALL-STAR GAME WEEKEND 2024 IN OKINAWA』より

――アメリカのプロスポーツが行なう重要な試合のイベントに近いものでしょうか。

まさにそうです。その究極の形がNFLのスーパーボウルになりますよね。実際、NBAのオールスターゲームも週末の3日間を通じて行なわれ、“NBA All-Star Weekend”と呼ばれています。人気アーティストがライブを行なったり、選手がスキルを披露するチャレンジイベントが行なわれたりと、試合以外にもファンがワクワクする催しが目白押しなんです。それをB.LEAGUEでも実現したかったんです。

特にパークでの野外イベントは今回が初の試みですし、冬のイベントを野外で行なえるとすれば、沖縄しかない。B.LEAGUE選手の皆さんにも快くご協力いただいて、結果的にファンの皆さんには、ものすごく新しい体験をしてもらえたのではないかと思います。

沖縄でのオールスターゲームに欠かせなかった10-FEET「第ゼロ感」

――実際の様子を見ると、音楽フェスのような空間になっていましたね。

まさにフェス感覚で楽しんでいただけたと思います。SMEらしさの象徴とも言える音楽ライブのほうも、これまで以上に豪華にしました。金曜日のDAY1はパークで“前夜祭”と題して、きいやま商店、D-51、ORANGE RANGEとPUFFYの4組のライブと選手出演によるトークショウなどのイベントを実施し、エンディングには花火とドローンショウを行ないました。

イベントのエンディングに行なわれた花火とドローンショウ

――DAY2は、アリーナではB.LEAGUEから選ばれた若手選手とアジア各国の若手選手が対戦する『ASIA RISING STAR GAME』や、翌日のオールスターゲーム出場選手の記者会見、人気選手たちによるスリーポイントシュートやダンクシュートのコンテストを実施。DAY3は、ふたつのオールスターゲーム『B.LEAGUE U18 ALL-STAR GAME』とメインイベントの『B.LEAGUE ALL-STAR GAME』が開催され、そこにも人気アーティストが多数参加しました。

はい。DAY2にはりんけんバンド、CHICO CARLITO featuring 柊人。DAY3には、シークレットゲストとして10-FEETに出演していただきました。

――沖縄ゆかりのアーティストに加えて、映画『THE FIRST SLAM DUNK』の主題歌「第ゼロ感」を担当した10-FEETと、沖縄で行なうオールスターゲームにふさわしいラインナップになりましたね。

パフォーマンスを行なった10-FEET

会場を盛り上げた10-FEET

アーティストの皆さんには、会場をとても盛り上げていただきました。個人的にも、10-FEETには今回どうしても出てほしかったんです。というのは、昨年の『FIBAバスケットボールワールドカップ2023』の沖縄アリーナで、日本代表がカーボベルデ代表に勝利してパリ・オリンピック出場を決めたとき、試合終了直後にDJが場内BGMとして10-FEETの「第ゼロ感」を流して、ファンの大合唱が起こった。私も現地で観ていましたが、まさに歴史が動いた瞬間でしたね。あの感動をもう一度、日本バスケの聖地となった沖縄アリーナのオールスターゲームで再現したかったんです。

なお、アーティストのブッキングやステージ制作は、ソニー・ミュージックソリューションズ(以下、SMS)のイベント制作チーム、そしてSMEのライブクリエイティブチームの協力を得て実現しました。

また、開幕シーズンからソニーミュージックグループで関わっているオールスターゲーム、ファイナル、アワードショウといったビッグイベントは、すべてSMSのイベント制作チームの手によるものです。彼らは、ライブパートだけでなく、試合の運営進行演出といった競技運営の部分まで手がけています。B.LEAGUEのイベントは、ソニーミュージックグループのシナジーをいかしたプロジェクトと言うことができると思います。

微笑みながら語る藤井敏行

――DAY2、DAY3のパークイベントのほうも盛況だったそうですね。

はい。DAY2、DAY3もDJ和、D-51やCHICO CARLITOのライブパフォーマンスでも盛り上がりましたが、加えて選手の方々が入れ替わり立ち替わり、いろいろなイベントに参加してくれたことも好評の要因でした。

子どもたちにバスケを教えたり、NHK BSの『熱血バスケ』との番組コラボ企画をやってくれたり、巨大ゴールを使ったシュートチャレンジや3ポイントシュートチャレンジをやってくれたり、トークショウにも参加してくれたり。選手の皆さんの協力なしでは、パークの盛り上がりもなかったと思います。

巨大ゴールを使ったシュートチャレンジの様子

――バスケットボールファンが遊び尽くせる3日間になりました。

パークを設けられたのが良かったと思う場面がたくさんありました。DAY2、DAY3はアリーナでの主要イベントをパークでパブリックビューイングできるようにしたのも好評でしたし、僕らとしては「まだまだ終わりませんよ、帰らせませんよ」の精神で(笑)。アリーナでの催しが終わったあとも、入場者の皆さんをパークに誘導して食べ物やビール片手にライブやドローンショウを楽しんでいただけるようにしたんです。

バスケットボール×エンタテインメント、スポーツとフェスの融合という、我々の理想形をお届けできたのではないかと思います。実は現地には、プロ野球やJリーグといったほかのプロスポーツ関係者の方々も大勢観に来てくださっていて、「異次元の観戦体験だった」というような、ありがたいお言葉をたくさんいただきました。

後編につづく

文・取材:阿部美香
撮影:荻原大志

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