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連載Cocotame Series

イナズマロック フェス 2018

『イナズマロック フェス 2018』1日目・雷神ステージライブレポート

2018.10.05

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西川貴教が地元・滋賀に恩返しがしたいという想いから立ち上げた“イナズマロック フェス”(以下、“イナズマ”)。10回目の節目を迎えた今年は規模を拡大し、9月22日、23日、24日の3日間にわたって開催された。

特集第11回は、22日の雷神ステージに出演した、主催の西川貴教UVERworld欅坂46ゴールデンボンバーLUNA SEAROTTENGRAFFTY和楽器バンドLenny code fictionが繰り広げた熱きステージの模様をお届けする。

記念すべき10回目となる“イナズマ”の1日目、会場の滋賀県烏丸半島芝生広場は前日の雨の影響で、足場はおせじにも良い状態とは言えなかったが、それでも空にはときおり晴れ間がのぞき、ライブを楽しむには申し分のない天気となった。

2016年の2日目は雷雨のため途中中止、2017年も台風の接近により2日目が中止になるなど、近年は天候に恵まれていなかった“イナズマ”だが、今年は太陽のヴィーナスが微笑んでくれたようだ。早くから集まったお客さんも、長靴を履いたり、足元にビニール袋をまくなどの工夫をして、今日一日を楽しみ尽くす準備をしている。

■Lenny code fiction

この日のオープニングアクトを務めたのは、滋賀県出身の4人組ロック・バンドであるLenny code fiction。彼らはもともと昨年の“イナズマ”に出演する予定だったが、台風のためステージに上がることは叶わず、今年は言わばリベンジマッチとなる。

イナズマ Lenny code fiction

黒の衣装で統一したメンバーはSEに合わせてひとりずつ演奏を重ねていき、そこから疾走感バツグンの「Alabama」でライブをスタート。最高の立ち上がりを経て「Rebellious」へと移行し、爽快かつ力強いロックサウンドを琵琶湖のほとりに羽ばたかせていく。

イナズマ Lenny code fiction

湖南市出身で高校は草津市の学校に通っていたという片桐航(Vo./Gt.)はMCで、地元のライブハウスを中心に活動している時期、バンドで身を立てていく夢を否定する人もいたなか、西川ら滋賀県出身の先輩アーティストたちの姿を見て「俺も何かを変えてやろうと思って」ここまできたという想いを語る。

イナズマ Lenny code fiction

そして「ずっと否定されていた人への逆転の一手」と前置きし、己の信念を貫く大切さを歌った最新シングル「Make my story」を披露。最後は晴れやかなメロディーが印象的な「世界について」で一体感を生み出し、次はメインアクトとしてこのステージに戻ってくることを誓って、初の“イナズマ”でのライブをやり遂げた。

イナズマ Lenny code fiction

<セットリスト>
1.Alabama
2.Rebellious
3.Make my story
4.世界について

■西川貴教

そして、これまでの“イナズマ”の歴史を紹介する映像が流れた後、主催者である西川がゆっくりとした足取りでステージに登場。「去年、一昨年と、この場所で悔しい思いをしました。でも、だからこその10周年です」と、ここまで続けてこられたことへの感謝の気持ちを観客にぶつけ、開幕を高らかに宣言する。

イナズマ 西川貴教


会場が一気に沸くなか、彼はステージに残り、そのまま西川貴教としてのステージをスタート! まずは激しくも雄々しいシングル曲「Bright Burning Shout」で会場の熱気に火を灯すと、続けてhideの名曲「ever free」のグルーヴィーなカバーを快晴の空のもと気持ち良さそうに歌う。

イナズマ 西川貴教

さらに優雅なワルツのリズムと轟音ロックが交差する「awakening」を披露すると、「2月にシングル一枚しか出してないので、今日の出演者のなかでいちばんキャリアが浅く、いちばんフレッシュです!」とアピール。

イナズマ 西川貴教

「残りは西川貴教のこれからを見せたいと思います」と宣言し、11月にリリースするニューシングルより、澤野弘之が提供した新曲「His/Story」「Roll the Dice」をいち早く披露。サビのアンセミックなフレーズが思わず合唱したくなる前者、テンポを落としてグッと重々しさを増した後者と、新しい景色を作り上げていく。

イナズマ 西川貴教イナズマ 西川貴教


そしてラストはFear, and Loathing in Las Vegasとのタッグ曲「Be Affected」を、同バンドのボーカリストであるSoとMinamiも招き入れてコラボで熱唱。3人でシャウト合戦を繰り広げ、最後は西川が「3日間楽しんでくれー!」と締めくくった。

イナズマ 西川貴教

<セットリスト>
1.Bright Burning Shout
2.ever free
3.awakening
4.His/Story
5.Roll The Dice
6.Be Affected

■ROTTENGRAFFTY

2番手は“イナズマ”初参戦となる京都発のROTTENGRAFFTY。登場早々「イナズマ落としに来たぜー!」と気合い十分の彼らは、いきなり「D.A.N.C.E.」「PLAYBACK」とヘドバン(ヘッドバンキング)上等なミクスチャー・ロックを立て続けて、熱狂を巻き起こす。

イナズマ ROTTENGRAFFTY

N∀OKIとNOBUYAのツイン・ボーカルによる煽りの応酬は破壊力満点。<ランランラン>というフレーズと手の振りが楽しい「夏休み」に続く「THIS WORLD」では「俺らのこと殺す気でかかってこいやー!」と檄を飛ばし、緩急の効いた激しいサウンドで一気に突っ走っていく。

イナズマ ROTTENGRAFFTY

「結成19年。普段は灼熱の泥臭いライブハウスに生息してます」(N∀OKI)と自己紹介した彼らは、10月に控える日本武道館公演のアピールも挿みつつ、彼らの楽曲でもひと際エモーショナルな「70cm四方の窓辺」で気迫に満ちたパフォーマンスを展開して、ステージの風景を塗り替える。そして最後は、バンドの代表曲でもある「金色グラフティー」へ。技術よりも情熱が前に出るような、まさに泥臭いけれども、観る者の心をガッチリと掴むパフォーマンスで爪痕を残していった。

イナズマ ROTTENGRAFFTY

<セットリスト>
1.D.A.N.C.E.
2.PLAY BACK
3.夏休み
4.THIS WORLD
5.70cm四方の窓辺
6.金色グラフティ―

■和楽器バンド

続いては昨年に“イナズマ”初出演予定だったものの台風で公演中止となってしまった和楽器バンドが、その雪辱を晴らすために登場。まずはボカロの人気曲「千本桜」を挨拶代わりに披露する。

イナズマ 和楽器バンド

鈴華ゆう子(ボーカル)の詩吟をルーツに持つ朗々とした歌声と、尺八や津軽三味線、箏、和太鼓といった和楽器のアグレッシブな演奏が融合したサウンドは、まさに唯一無二の世界観を生む。

勇ましい「雪影ぼうし」に続いては、MCで去年は京都まで来た時点で中止の知らせを聞いたこと、そして“イナズマ”のステージに立てるこの日を特別に思っていたことを語る。

渡り鳥をモチーフにしたバラード曲「オキノタユウ」で、琵琶湖から吹く涼しい風と共に最高のロケーションを生み出した彼らは、そこから和太鼓とドラムスによる演奏バトルでコール&レスポンスも挿んで会場を一気にヒートアップさせ、三本締めのリズムを採り入れたアップチューン「起死回生」へ。「そいや! そいや!」と祭りのような高揚感を発生させ、和とロックの相性の良さをあらためて見せつける。

イナズマ 和楽器バンド

締めくくりは優美かつ儚さを感じさせるメロディーと、力強い和太鼓のリズムがマッチングした新曲「細雪」。鈴華の扇子を使ったパフォーマンスも含め、雅やかで独創的なステージだった。

<セットリスト>
1.千本桜
2.雪影ぼうし
3.オキノタユウ
4.Drums 和太鼓バトル
5.起死回生
6.細雪

■欅坂46

“イナズマ”と言えばジャンルレスなラインナップも魅力のひとつ。この日は今やアイドルシーンで最注目の存在となった欅坂46が登場し、滋賀県ではグループ初となるライブを披露した。

イナズマ 欅坂46

彼女たちの魅力のひとつに挙げられるのが、どこかストーリー性を感じさせるドラマチックな振り付け。演劇的とも言えるそのパフォーマンスは今回も存分に発揮され、デビュー曲でもある1曲目「サイレントマジョリティー」から、平手友梨奈を中心に整ったフォーメーションと動きでお客さんの目を釘付けにしていく。次の「二人セゾン」も、バレエの動きを採り入れたようなダンスが麗しい。

イナズマ 欅坂46イナズマ 欅坂46


MCでは、彼女たちのデビュー時以来3年ぶりに、レーベルの先輩でもある西川と一緒のステージに立つことができた喜びを伝えた彼女たち。平手の木の葉を吹き落とすアクションから始まったダンス・ポップ「風に吹かれても」で華やかに盛り上げると、ラストスパートとばかりにメンバー全員タオルを取り出してライブの鉄板曲「危なっかしい計画」へ。目まぐるしく変わるフォーメーションや全員で一列になって腕をウェーブさせるような動きなど工夫がたっぷりだ。

イナズマ 欅坂46

最後はフィルター・ハウス~ディスコの要素も感じさせる最新シングル「アンビバレント」でアッパーに盛り上げ、スカートを翻しながら瑞々しいパフォーマンスで魅せてくれた。

イナズマ 欅坂46

<セットリスト>
1.サイレントマジョリティー
2.二人セゾン
3.風に吹かれても
4.危なっかしい計画
5.アンビバレント

■ゴールデンボンバー

続いては2012年以来の“イナズマ”出演となるゴールデンボンバー。初っ端からいきなりタオル曲「#CDが売れないこんな世の中じゃ」を投入し、メンバーたちのやんちゃなアクションとともに会場を熱狂させる。

イナズマ ゴールデンボンバー

イナズマ ゴールデンボンバー

「やんややんやNight ~踊ろよ滋賀~」に続くMCで鬼龍院翔は、6年前にニコニコ動画の番組で西川に自分の住所をバラされて以来、両者の共演がNGになっているという噂を完全否定。喜矢武豊(以下、喜矢武)は西川が演じる『天才てれびくんYOU』の人気キャラ、マーヴェラス西川をなぜか執拗に宣伝。樽美酒研二(以下、樽美酒)は前回の出演時に続いてT.M.Revolution「HOT LIMIT」のカバーを今年もやりたいと宣言する。

そして3曲目「抱きしめてシュヴァルツ」の中盤、いつの間にかステージから姿を消していた喜矢武が、なんと段ボール製のマーヴェラス西川っぽい衣装を身に着けて再登場。さらに樽美酒が「HOT LIMIT」の衣装よりもはるかに極細な赤いテープを巻いた、ほぼ全裸に近い恰好に衣装チェンジし(股間部分は黒いモジャモジャした何かで覆い尽くされている)、ステージをあちこちと練り歩くカオスな状態に。

その後、樽美酒は自身の作詞作曲した「タツオ…嫁を俺にくれ」を熱唱し(ここでズボンだけは履き直した)、ヴィジュアル系の振り付けを凝縮した「毒グモ女(萌え燃え編)」、代表曲「女々しくて」とエンタメ精神全開のステージングで客席を笑顔にした。

イナズマ ゴールデンボンバー

<セットリスト>
1.#CDが売れないこんな世の中じゃ
2.やんややんやNight ~踊ろよ滋賀~
3.抱きしめてシュヴァルツ
4.タツオ…嫁を俺にくれ
5.毒グモ女(萌え燃え編)
6.女々しくて

■UVERworld

夕闇の色が濃くなっていく中、ステージには滋賀県出身で、“イナズマ”には西川を除いて最多の6回目の出演となるUVERworldが登場する。発破音と共に「DECIDED」で勢いよくライブをスタートさせた彼らは、TAKUYA∞の「のっけからクライマックス」という言葉どおり、2曲目「WE ARE GO」で早くも<We Are~♪>の大合唱を引き起こす。

イナズマ UVERworld

さらに夢に向かって努力する人を鼓舞するような「PRAYING RUN」へと続け、TAKUYA∞の熱い歌声とスクリーンに映されるリリックが合わさることで、聴き手の心を揺さぶるようなメッセージが浮かび上がっていく。

「ワンマンライブでも全然やらないよ」(TAKUYA∞)との言葉に続けて披露されたのは、バンドの名を世に知らしめた名バラード「君の好きなうた」。彼らにとっても“イナズマ”のステージには、何か特別なことをしたくなる魅力があるようだ。

イナズマ UVERworld

前日のリハーサル時にはそのままフラッと帰ったほど実家が近いというTAKUYA∞。滋賀にやってきた有名バンドの良いライブを見ては悔しい思いをしてきたという彼は、「俺たちも昔はお前たちと同じ場所に立ってた」と語り、「Q.E.D」を歌って観客の背中を押す。

そこからバンド屈指のライブアンセム「IMPACT」、そして未発表の新曲「EDENへ」でまたも大合唱の大きな波を作り出し、最後は自分自身で未来を切り拓くことの大切さを歌った「在るべき形」で締める。彼らの紡ぐ言葉と歌に、多くの人が気持ちを動かされたことだろう。

イナズマ UVERworld

<セットリスト>
1.DECIDED
2.WE ARE GO
3.PRAYING RUN
4.君の好きなうた
5.ODD FUTURE
6.Q.E.D
7.零HERE
8.IMPACT
9.EDENへ
10.在るべき形

■LUNA SEA

そしてついに1日目のトリを飾るアーティスト、LUNA SEAがステージに登壇する。SEはもちろんベートーヴェンのピアノソナタ第14番「月光」。空を仰ぐと月が神々しく輝いている。

イナズマ LUNA SEA

1曲目は「Hold You Down」のスケール感あるサウンドで立ち上げ、2曲目は真矢(Dr.)のカウントから音玉が破裂して「TONIGHT」で派手にスタート。RYUICHI(Vo.)がINORAN(Gt.)と肩を組んで同じマイクを通して歌うなど、初っ端から白熱しまくりだ。

イナズマ LUNA SEA
イナズマ LUNA SEA

MCで「西川とはインディーズ時代から一緒なので」と“イナズマ”初参加への喜びを語るRYUICHI。続く「Dejavu」ではSUGIZO(Gt.)とJ(Ba.)がそれぞれステージの上手と下手へわかれてお客さんを演奏で煽り、そこから間髪入れず「STORM」を投下する構成も完璧だ。

イナズマ LUNA SEA
イナズマ LUNA SEA

「僕たち5人から愛を込めて」(RYUICHI)との言葉に続けて歌われた「I for You」では、RYUICHIの慟哭のようなシャウトからラストの解放感に満ちた歌声がドラマティックに響く。さらに鉄板曲「ROSIER」では火花を散らすような演奏で異様なまでの熱気を生み出し、大合唱を巻き起こす。

イナズマ LUNA SEA

雰囲気たっぷりな「WISH」でオーディエンスを魅了したあとは、西川をステージに呼び込んでコラボレーションへ。

まず全員とガッチリと握手を交わした西川は「みんなと最初に会ったときは19歳だった」と照れ臭そうに語り、30年越しの共演に臨む。彼らが一緒に歌ったのは、LUNA SEAのインディーズ時代からの定番曲「PRECIOUS...」。別れの悲しみを歌ったような歌詞ではあるが、旧交のある西川とRYUICHIが互いに向き合いながら<あの時には帰れない>と歌う姿には、時間は戻せなくても出会いには大きな意味があることを感じさせる。

イナズマ LUNA SEA

そして最後はみんなでジャンプをして大団円。それに合わせて花火が上がる中、これまで活動を続けてきたお互いを称え合うように抱擁を交わす6人が印象的だった。

<セットリスト>
1.Hold You Down
2.TONIGHT
3.Dejavu
4.STORM
5.I for You
6.ROSIER
7.WISH
8.PRECIOUS...

特集第12回目は、2日目・23日の雷神ステージの模様をお届けする。

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