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サステナビリティ ~私たちにできること~

感覚過敏の当事者と一緒に考える、音楽ライブにおける新たな鑑賞体験と未来像②

2026.07.23

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都市型音楽フェス『CENTRAL MUSIC & ENTERTAINMENT FESTIVAL 2026』(以下、『CENTRAL 2026』)内で、ソニーグループ株式会社(以下、SGC)とソニー・ミュージックソリューションズ(以下、SMS)が共同で実施した、感覚過敏のある来場者を対象とする概念実証プロジェクトの関係者座談会。

後編では、ライブ体験型カームダウンブースの画期的なコンセプトや開発経緯を紐解きつつ、概念実証を経て浮き彫りになった課題点をさまざまな観点から話し合った。

  • 微笑んでいる加藤慈英

    加藤路瑛氏

    Kato Jiei

    株式会社クリスタルロード 代表取締役社長
    感覚過敏研究所 所長

  • 微笑んでいる松原明香

    松原明香

    Matsubara Haruka

    ソニーグループ クリエイティブセンター

  • 真剣な表情の田中伶奈

    田中伶奈

    Tanaka Rena

    ソニー・ミュージックソリューションズ

  • 真剣な表情の村上亜紀子

    村上亜紀子

    Murakami Akiko

    ソニー・ミュージックソリューションズ

『CENTRAL MUSIC & ENTERTAINMENT FESTIVAL 2026』で実施した新たな音楽体験の概念実証

セントラルパークの正門の写真
センサリーバッグの貸し出しを行なった臨港パーク

今年で2回目の開催となる都市型音楽フェス『CENTRAL 2026』の会場で、主に視覚や聴覚などに感覚過敏のある来場者を対象にした、“ライブ体験型カームダウンブース”の設置と、“センサリーバッグ(プロトタイプ)”の貸し出しを行ない、その効果を検証する取り組み。“ライブ体験型カームダウンブース”は、ライブ会場のひとつであるKアリーナ横浜に設置し、“センサリーバッグ(プロトタイプ)”は臨港パークで貸し出しを行なった。

記事の前編はこちら:感覚過敏の当事者と一緒に考える、音楽ライブにおける新たな鑑賞体験と未来像①

“視覚、聴覚の情報量を調整しながら楽しむ”新たなライブ体験

──『CENTRAL 2026』のCENTRAL STAGE(Kアリーナ横浜)で概念実証が行なわれたライブ体験型カームダウンブースは、感覚過敏のある方が安心して過ごせるセンサリールームの一種にあたるそうですね。加藤さんは、さまざまな企業、団体と協力してセンサリールームの開発、普及に取り組んでいらっしゃいますが、センサリールームの最新事情を教えてください。

加藤:現在、センサリールームには大きく3つのカテゴリに分けられると思います。ひとつ目が、サッカーや野球などのスタジアムで取り組みが進んでいる、光や音の刺激が少なく静かに観戦ができる個室です。VIPルームなどの施設を開放して設置されることが多いですね。

ふたつ目は、スヌーズレンと呼ばれる光や音楽、香り、触覚といった感覚刺激を通じて心身をリラックスさせる空間。視覚、触覚を光と立ち上がる泡でやさしく刺激するバブルタワーやディフューザーなどを使って、光、音、匂いから心地良い感覚刺激を得ることができます。

3つ目が、感覚過敏でつらくなったときに、体調を整えるために休憩することを目的としたスペース。これがカームダウン(calm down=落ち着く)スペース、あるいはクールダウンスペースと呼ばれています。

──『CENTRAL 2026』のライブ体験型カームダウンブースは、3つ目のタイプを発展させたものになりますか?

松原:そうですね。発達障がいや感覚過敏のある方たちにお聞きしたアンケートで、今後始めたいエンタテインメント体験のトップに“ライブやコンサートに行くこと”が挙がったのを受けて、まずはチームでさまざまな意見を出し合いました。そこから見えてきたのが、ライブ会場内でのカームダウンスペース開設の方向性です。

また、それと同時に、従来型のカームダウンスペースだと“一度ライブ会場を出てしまうと、ステージを楽しんでいたときの熱狂や興奮が中断されてしまう”といった課題点も挙がりました。一時的に休める場所を作るにしても、どのようにすればエンタテインメント体験を中断せずに済むか。そこからディスカッションを重ねて生まれたのが、今回のライブ体験型カームダウンブースです。

そのうえで、従来のカームダウンスペースは、商業施設やスポーツ会場などでたくさんの設置事例があるものの、音楽ライブやフェスではまだまだ事例が少ない状態でした。そこで、まずは仮説的に今回のかたちで作ってみて、当事者の方たちの意見を伺いたいと考えたんです。

ライブ体験型カームダウンブースの外観写真

『CENTRAL 2026』のCENTRAL STAGE(Kアリーナ横浜)に設置されたライブ体験型カームダウンブース

ライブ体験型カームダウンブースの具体的な仕様とこだわったポイント

──今回のライブ体験型カームダウンブースの具体的な仕様について教えてください。

松原:外装は、折りたたみ式のパーテーションで構成される、乃村工藝社の皆さんが制作された仮設型カームダウンブースになります。ブース内に入ると、映像を投射するプロジェクターとノイズキャンセリングヘッドホンが用意されていて、会場内で行なわれているリアルタイムのライブ映像を視聴できるのに加え、視覚や聴覚上の情報量を、手元のノブを回すことで調整できるようにしました。

このとき、音量の大小と同時に映像も調整できる仕組みになっていて。マックスの大画面から情報量を下げていくと、少しずつ画面が小さく、ぼかされた状態になる。つまり“ステージの照明や色の雰囲気はなんとなくわかる”程度にまで“抽象度を上げられる”という仕様ですね。カームダウンブースで落ち着きたい状況の場合、“詳細な映像は見られなくても、ライブの雰囲気がわかればOK”と考える方もいるのではないか、という発想から開発しました。

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乃村工藝社開発のモバイル型カームダウンブースを エンターテインメント空間に初導入|ソニーと新たな鑑賞体験の実証実験を実施「CENTRAL MUSIC & ENTERTAINMENT FESTIVAL 2026」

加藤氏が体験している様子

『CENTRAL 2026』のライブ体験型カームダウンブース

田中:映像と音の“情報量の絞り方”については、松原さんたちと複数回にわたってミーティングを行ないました。映像を一番大きな画面まで広げた段階でも、周囲は少しモヤモヤさせた方がいいのか、絞ったときにはどの程度の情報量を確保すればいいのか。また、画面の大きさと明るさを同時に下げるのか、ぼかす状態はどんな塩梅がいいのか、といった部分ですね。

松原:音と映像の情報量を調整できれば、休憩しながら自分のペースでライブステージの状況も見られる。調子が良くなったら、ブースから会場に戻ることもできる……というものにしてみたんです。もちろん、これで完成ではなく、まずは加藤さんを含めた当事者の方に見ていただき、ご意見をもらうための叩き台として作りました。

そのうえで、これをフェスに導入する場合、アーティストサイドやファン目線では、どういったところに気に配るべきかといった部分については、田中さんたちに意見をいただいています。

田中:開発当初は、調整値を下げたときに“単純に画面の表示サイズが小さくなる”仕様になっていましたが、“次第に画面がぼやけていき、なんとなくモヤモヤと見えるくらいになっていく”という絞り方に変更していただきました。

──そこに着目したのはなぜですか?

田中:最初にお伝えした通り、私は、困りごとがある人もない人も、同じように音楽ライブを楽しむためにはどうしたらいいか? をテーマにしながら、このプロジェクトに参加しました。だから、ライブ体験型カームダウンブースでの体験としても“アーティストやステージ制作サイドが意図した音やステージングが、ちゃんと伝わるか”という視点は、抜け落ちないようにしたいと思っていました。

松原さんたちが行なったアンケートでも、皆さん、感覚過敏があっても好きなアーティストのライブに行きたい。好きな作品のイベントに参加したいと思っていることがわかっています。その熱量に応えるには、そのアーティストやクリエイターが表現したこと、意図したことを、可能な限りそのまま体験してもらいたいと考えたんです。

だから、単純に映像と音の情報量を絞るのではなく、そのグラデーションを最大限、滑らかにすることを提案させていただきました。もちろん、それで課題が解決しているとは思っていなくて、これをブラッシュアップする方法やほかのアプローチもあると思っています。

そして、感覚過敏が理由で現われる状態の多様性を考えると、完全な実現が難しいこともわかっていますが、この視点は大事にしていきたいと考えています。

会場内とブースを“行ったり来たりできる”動線設計が課題

──ライブ体験型カームダウンブースを体験した加藤さんの感想も伺わせてください。

加藤:まず、音と映像の情報量をコントロールできるというところはすごくいいなと思いました。自分のペースに合わせて刺激の量を調節できますし、自分でコントロールすることで納得感も得られます。

ただ、情報の絞られ方について“調整値を下げると映像がぼやけていく”という作りがベストなのかは少し気になりました。というのも、体調が悪くなったり、パニック症状が出てしまったりした方がブースに入ってくるシチュエーションでは、意識が遠のいていくようなイメージの映像に見えると思ったからです。

左奥から田中、松原が加藤氏の話に耳を傾けている

松原:なるほど……、確かにそうかもしれません。

加藤:それと、映像の情報量を減らしていくと、視界が中央にクローズアップされて画面が小さくなっていきましたが、このときにステージ上にライトが当たると、画面の点滅はそのまま残っていたので、まぶしく感じることがありました。画面を小さくするのがいいのか、明るさや彩度の調節を優先するべきなのかは、検証ポイントだと思いました。

ただ、こういった調整ができること自体が今までなかったものです。これが将来的にビジネスとして成立すれば、ライブの楽しみ方がだいぶ変わる、安心感は高まるだろうなと感じたので、すごく期待しています。

あと、ライブ体験型カームダウンブース全体の作りは、空間の広さも含めちょうどいいなと感じました。ただ、“落ち着いた場所で映像が見られる”という体験にどういった空間が最適なのかは、再度検証の余地がありそうだと思っていて。

例えば、バブルタワーを使ったスヌーズレンのように、刺激の淡い空間のなかでライブを楽しめたら、自宅で配信を見ているのとは違った非日常的な体験が継続できる気がします。もちろん、そういった雰囲気が合わない音楽性のアーティスト、ライブのジャンルがあるので、画一的なアイデアではありません。でも、田中さんが提案してくださったように、アーティストのイメージ、音楽性に合わせた演出のなかに、自然と溶け込める方法があるといいですよね。

──ブースの外側にも目を向けて、会場内動線の設計などはいかがでしたか。

加藤:今回、私はライブ会場の観客席には入らずに、最初からライブ体験型カームダウンブースに入って映像を見るという体験をさせていただきました。でも、本来の使用用途としては観客席でライブを観ていて体調が悪くなったり、パニック症状が出そうになったりしたときなどに、一時的に移動して利用することを想定していますよね?

松原:『CENTRAL 2026』の概念実証では、あらかじめご招待した感覚過敏の当事者や有識者の皆さんのみを、時間帯ごとに区切ってご案内していたので、すぐにライブ体験型カームダウンブースをご覧いただくかたちにせざるを得ませんでした。実際の来場者導線のなかで、どのように利用されるかまで十分に検証できなかった点は、反省点のひとつですね。

そのうえで、会場内を行ったり来たりしていただくには、わかりやすい動線設計が必要だと思います。動線に関するご意見は、概念実証にご参加いただいた方々からも多くいただいていて、「会場が広いと感覚過敏が出たときにブースに辿り着けるか、ちょっと心配」とか、「ブースの存在がわかりづらかった」といった声がありました。また、今回設置したブースはフードの売店のすぐそばになったのですが、この位置で良かったのだろうか? という疑問もあります。

手振りを交えて話す松原

加藤:なるほど、確かに匂いは気になりやすい場所だったかもしれません。

カームダウンスペースがライブ会場にあったらいいなと思う理由のひとつに、人によっては“会場に来るまでに何かの症状が出てしまう”という点があります。移動中に体調が悪くなることもありますし、ライブ会場に着いても、入場前の待ち時間には周りに人がたくさんいますよね。そこでの匂いや混雑などに圧倒されて体調が悪くなるというケースもあります。そういう意味でも、まず1カ所は会場入口に近いところにブースが設けられているといいなと思いました。

新たな価値観とビジネスを両立するために

──会場内で行ったり来たりできる動線設計のためには、ほかのお客さんのストレスになりにくいよう、あらかじめ座席位置を考慮する必要も出てきそうですね。

加藤:そのあたりはぜひお話ししたいと思っていました。最近の映画館では、スクリーンの見やすさに加え、居心地の良さも重視したプレミアムシートなどが増えていますよね。いっぽう、ライブだと現状はステージの見やすさ、距離感でチケット代が決まることが多いと思います。端のほうだと少し見切れるから安い、といった料金設定になっているパターンもあります。ライブの場合でも、例えば両サイドにパーテーションがあるような特別席を設けて、居心地の良さで料金設定をして、グレードを分けてもいい気がしているんです。

重要なのは、感覚過敏の人のことも考えていただきながら、どうしたらより多くの人が楽しめる体験価値に落とし込めるか。そして、これを持続可能にしていくために、どうやってビジネスにするかという部分です。

そういう意味でも、料金が多少高くてもリラックスした空間でライブが観られる、という席があればいいなと感じました。まずは招待制ではなく、ちゃんとお金を払って観に来てもらえるようにしなければ、とも思います。

手振りを交えて真剣な表情で話す加藤氏

田中:そうですね。今回の概念実証を経て“どなたでも自由にライブ体験型カームダウンブースに来てください”という運用は、設置できる数の面でもおそらく難しいだろうというのがわかってきて。ブースの利用権をライブの座席とセットで販売するのが現実的ではないか、と思いました。

例えば、会場内の通路側や最後列など、出入りがしやすい席を確保して、特別席として販売する考え方もあるかもしれません。主催側やアーティスト側と考え方をすり合わせながら、そのあたりをうまくシステム化できれば、可能性が見出せるのではないかなと。

──居心地のいい優先席を設けることを、周りの人に理解してもらう必要もありますね。

田中:センサリールームやカームダウンブースといったものの存在が、まずはエンタテインメントの場に限らず一般的になっていくといいですよね。そうなれば、ほかのお客様からの理解も徐々に得られるようになっていくのではないかと。“誰でもトイレ”や授乳室が増えてきているのと同じように、いろんな施設にそういったブースが導入されて、社会全体に広まることが大事だと感じました。

手振りを交えて真剣な表情で話す田中

──『CENTRAL 2026』での概念実証を経て、加藤さんはライブ体験型カームダウンブースの価値をどのように感じていますか?

加藤:私にとって、音楽ライブにおける一番の臨場感とは、会場に入って、その場で観ていることそのものだと思っています。だから、カームダウンブースという選択肢があり、そこでライブ会場の映像が流れていることによって、“まだ自分はこの場にいるんだ”“まだ残っていられるんだ”と感じられるのがとてもいいなと思いました。

途中で帰ってしまった、という喪失感がなく、「調子が良くなればもう1回入ってみよう」と思えること。そのチャンスがまだ残されている状態に魅力を感じます。

──体験が中断されない、連続性があるということですね。

加藤:はい。“つらくなったら帰る”ではなくて、“休みながらライブ体験を続けられる”ことに最大の価値があると思います。

そのうえで、ブースのなかの機能としては、身体を休められることのほうを重視するべきだなとも思っていて。求めるべきは、そこで見られる映像の迫力や臨場感ではなく、“自分が取り残されていないことを感じつつ休めるもの”という方向性である気がしますね。

概念実証の手応えとともに感じた、確実なニーズ

──ライブ鑑賞の新しい選択肢について、さまざまな意見を交わしていただいたなかでの皆さんの気づき、学び、今後の課題などを聞かせください。

松原:『CENTRAL 2026』のプロジェクトはSMSや乃村工藝社だけでなく、いくつもの企業の協力があって実現できたことばかりです。ライブやフェスといったイベント自体も、たくさんの方が協力して、実現できていることを今回改めて実感しました。そういう意味でも、運営を含め、より多くの方を巻き込みながらものごとを進めていかなければと感じています。

だからこそ、この座談会を実施していただいたことは、すごく価値があると思っていて。今日のこの場だけでもたくさんのアイデアが出ましたし、自分にとっても学びになりました。この座談会記事が一般公開され、今回の事例とともに、エンタテインメントをもっと楽しみたいという多様な方々がいることが、どんどん認知され、広まっていくといいなと思います。

村上:私は、臨港パークのほうを担当していたので、ライブ体験型カームダウンブースのほうでは、現場でのお手伝いがあまりできなかったのですが、関係各社をつなぐ役割をするなかで見えてきたこともあります。

また、『CENTRAL 2026』というイベントのなかで、いろんなことが既に決定している状況で、あとになって私たちのリクエストを差し込むのは難しいこともわかりました。今回のように、新しい取り組みを始めるためには、やはりイベント自体にもっと深いレベルで関わる必要があるなと感じています。

田中:そうですね。主催の方たちと早い段階から話して、理解を得ておかないと、このライブ体験型カームダウンブースを最大限にいかすことができなくなるな、というのは私も感じたところです。

村上:あとは、取り組みのなかで、より実践的なご意見をいただけたのも大きかったですね。お話に挙がった通り、今回のライブ体験型カームダウンブースは、招待制で行なったので、一般への解放はしていなかったのですが、当日、ライブ観覧中に体調が悪くなってしまったお客様がいらっしゃって、ライブ体験型カームダウンブースに案内されたんです。

ライブ体験型カームダウンブースは、試作施設で介助をするスタッフもいないため、本来のオペレーションでは、体調不良のお客様は救護室をご案内することになっていました。ただ、ご本人としては、少し休めるなら利用してみたいということだったのと、そのときちょうどブースが空いている時間だったので、使っていただいたんです。

そのお客様は、ご友人とライブに来ていらっしゃって、体調が悪くなってしまうことも想定しながら参加されたそうなんですが、「友人を残して帰るのも申し訳なくて、休ませてもらって助かりました」と言って帰って行かれたそうです。

真剣な表情で話す村上

田中:この件があって、もし、ライブ体験型カームダウンブースをビジネスとして運用するのであれば、介助スタッフの必要性であったり、ブースそのものを救護室の隣に設けるであったり、いろいろと考えるきっかけになりましたね。

真剣な表情で話す田中

加藤:その方の体調不良が、感覚過敏によるものなのかはわかりませんが、やはりどういったかたちであれ、カームダウンスペースは“あったほうがいい”ということだと思います。

先にお話を伺ったセンサリーバッグについても同様に、現状では美術館などで運用が始まっているものですが、ライブ会場にもぜひ導入してほしいと感じました。

また今後、こうしたスペースやグッズなどが増えていくならば、それらが“ちゃんと用意されている”という情報保証も大事になっていきます。保証がないと、感覚過敏を含めた当事者自身が、会場へ行ってみようと思うきっかけにならないですから。

今回のプロジェクトを通して、新しい施策を実施していくとともに、そのことを皆さんに知っていただく活動も必要だなと、改めて感じました。公平であることを保ちながら、現状をより良く変えていけるように、私も頑張りたいと思います。

真剣な表情で話す加藤氏

記事の前編はこちら:感覚過敏の当事者と一緒に考える、音楽ライブにおける新たな鑑賞体験と未来像①

文・取材:柳 雄大
撮影:干川 修(人物写真)、冨田 望(『CENTRAL 2026』会場写真)

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