京都発! アートな感性とノスタルジーが融合した超個性派バンド『バレーボウイズ』
2018.10.01
次世代を担う先鋭的なアーティストを世に放つマネジメント&レーベル『次世代ロック研究開発室』(以下、次ロッ研)。
特集第2回は、『次ロッ研』に所属する大阪在住の4ピース・ギターロックバンド「ハンブレッダーズ」をフィーチャー。
そのエモさに惚れ抜いた『次ロッ研』の室長・大野貴博さんとマネジメントのチーフを務める吉田智さんへのインタビューと、7月3日に開催された「次ロッ研 presents 第二回研究発表会」のライブレポートをお届けする。
青春の1ページを切り取り、終わらない青春をメッセージとして歌う、大阪在住の4ピース“ネバーエンディング思春期”バンド。圧倒的なライブパフォーマンスとメロディセンスで全国的に人気も急上昇! 中高生から20代前半をメインにファン層を拡大中だ。
――ハンブレッダーズ(以下、ハンブレ)は大阪在住のギターロックバンドですが、最初の出会いは?
大野:彼らの存在を知ったのは、SMEの新人発掘を担当するSDセクションからの情報でした。何曲か聴かせてもらったなかで、僕は「フェイクファー」という楽曲がとても気に入って、新宿のライブハウスの対バンライブを観に行ったんです。すると、彼らを目当てに70人ほどのファンが詰めかけている。ほとんど東京でライブをしていなかったにも関わらずです。
その求心力にまず驚いて、すぐメンバーにアプローチし、彼らのライブパフォーマンス、ムツムロ アキラくん(Vo&Gt)が書く歌詞と曲の素晴らしさに惚れ込んだことを話し、「ぜひ、次ロッ研で一緒にやりませんか?」と伝えました。
ハンブレッダーズ 「フェイクファー」Music Video
――そこからは、スムーズに契約まで?
大野:いえ、彼らは相当、慎重でしたね。僕らが会いに行く前に、既に他社からもアプローチを受けていて、これからどうしていくかを真剣に考えているときでした。そもそもハンブレはDIY精神があるので、グッズやミュージックビデオ(MV)も自分たちで作れる。ネットを駆使してライブも集客できている。我々の力を借りずとも、やっていけるバンドだったんですよ。だから、「僕らと一緒にやることに、そちらは何かメリットがあるんですか?」と言われたほどです(苦笑)。そこで、彼らに合う条件とは何なのかを部署内で模索しながら何度も足を運びました。
そうしてコミュニケーションをとっていくうちに、彼らが「今の僕らに足りないのは、ワンマンツアーで全国を回ることやフェスに出ること」だと言ったんです。それなら、ライブのプロとして多くのバンドを育ててきた吉田くんのほうが、彼らの気持ちが良く分かると思って、彼にアプローチを任せました。
吉田:僕が彼らのライブを初めて生で観たのは、去年の2月、大阪のknaveでの対バンライブだったんです。5組ぐらい出ていたんですが、圧倒的にハンブレの盛り上がりがすごくて。ファンとの絆の強さに驚いたし、ストレートなギターサウンドとムツムロくんの歌詞も刺さりまくって……僕、思わず泣いちゃったんですよ。
――吉田さんも、ハンブレの魅力にやられてしまったと。
吉田:そうなんです。僕は若い世代ではないので、彼らや彼らのファンとは歌詞のリアリティの受け取り方が違うんですが、とにかく歌詞とバンド力はすごい。もっと大きな場所に羽ばたけるバンドだと確信しましたし、どうしてもメンバーと直接話がしたくて、すぐにアプローチして、翌日、大阪駅で会ってもらったんです。
そこで、最高のライブだった、ファンになったと、とにかく感じたことをすべて伝えた上で、僕はキミたちをこうサポートしたい、こんな展開ができるはずだと、熱っぽく語ってしまいました。でも、それで想いは伝わったようで、メンバーも真剣に話を聞いてくれて『次ロッ研』に来てくれることになったんです。
大野:これは吉田くんの現場での経験値もあるんですが、バンドマントークというのかな? 若い世代と共通の音楽体験が語れるんですよ。彼に任せて良かったですね。
吉田:確かに共通の音楽体験はありました。ハンブレは、僕の同世代のBaconというバンドのサウンド感などに共通するところがあるねと言ったら、ムツムロくんもBaconが大好きで喜んでくれたり。銀杏BOYZやUNISON SQUARE GARDENといった、僕が身近に見てきたバンドを彼らも好きだったりと、同じ目線で話ができました。
――熱意が伝わって『次ロッ研』所属アーティストになったハンブレですが、おふたりが思う彼らの一番の魅力とは何ですか?
吉田:キャッチーなメロディも素晴らしいんですが、それ以上に言葉選びのセンスが抜群なのと、フレーズのインパクトがすごいです。情景がすごく浮かぶ。そして彼らは、ライブが熱い。とてもエモいんですよね。音源ではちょっとソフトに感じますが、ライブでは豹変します。人を惹きつける要素をたくさん持っている。
大野:彼らのライブを観て好きになる人は多いはずです。そういうところが『次ロッ研』っぽいのかな? ライブが良いっていうのが。
吉田:一見爽やかなんですけど、中身はすごく尖ってますしね。最近の若手バンドもチェックしている、THEイナズマ戦隊の久保(裕行)くんやUNISON SQUARE GARDENの田淵(智也)くんを筆頭に、ハンブレを注目株に挙げてくれているバンドマンも多い。同業者で目が肥えている彼らに注目されるのは、非常に重要なことです。
大野:ネットで彼らの良さが拡散されているのも、強みですしね。今、全国を回ってみると、初めて行く土地でもちゃんとファンがいるんですよ。
吉田:ライブも、大阪かせいぜい名古屋あたりでしかやってなかったのに、仙台や札幌のサーキットイベントで150~200人とか動員できているのは、すごいことだと思います。メンバーも不思議がっていますけど(笑)。
――今年1月には1stアルバム『純異性交遊』をリリースし、9月には「イナズマロック フェス 2018」への出演も決定、12月には自主企画「ハンブレッダーズ 東名阪対バンツアー」で会場規模もさらにステップアップします。順調に実績を積み重ねているハンブレの今後の育成ポイントは?
吉田:『純異性交遊』はインディーズながら、彼らが大好きなスピッツを長年担当している竹内(修)さんにリード曲のディレクションをお願いしました。ハンブレが求める音楽に一歩でも近づくために先にやれることはやっていきたくて。そこで学んだ作詞への向き合い方や楽曲へのアプローチの仕方は、確実に彼らの糧になっています。今制作中の楽曲も、竹内さんと一緒にやらせてもらっているので、さらに良いものを吸収するのではないでしょうか。
大野:一番のポイントは、 ムツムロくんの歌詞の良さをどう活かすかだと思うんです。今は青春、思春期の心情を歌っていますが、彼らが歳を重ねることで、それがどう変わっていくか。今まで彼らがやってきたことを、僕らが変に捻じ曲げないように、長所がまっすぐ伸びるようにサポートしていきたいですね。
吉田:彼らもバンドを長く続けたいと言っていますし、音楽で食べていきたいと言っているので、活動する上で一番良い環境、心置きなく音楽に没頭できる環境を、早く作ってあげたいですね。
また、ムツムロくんには、夢みるアドレセンスの最新曲「メロンソーダ」の作詞・作曲をしてもらったんですが、それも非常に評判が良いんです。僕が今まで担当してきたバンドも、メジャーなJ-POPアーティストに楽曲を提供することで、すごく成長してきました。今後も軸足はライブハウスに置きながら、作家としてのムツムロくんの可能性も広げていきたい。ムツムロくんは、Twitterのつぶやきもメチャメチャ面白くて、界隈でも評判なので、ぜひ読んでみてください(笑)。
ムツムロ アキラのTwitterはこちら
――そういう可能性の広げ方ができるのも、『次ロッ研』所属ならではの強みですね。
大野:良いアーティストの発掘も育成も、やはり熱意と情熱なんです。プロポーズと同じで、自分が大好きになった人にしか自信を持って声をかけられないし、好きだという気持ちが伝わらないと、こちらも選んでもらえない。僕も吉田くんもハンブレの大ファンなので、その情熱を今後も込めていきたいです。
吉田:近い目標としては、まずはZeppツアーをできるクラスにしたいですね。
大野:そうですね。彼らの持ち味である心に刺さる音楽で、青春まっただ中の10代だけでなく、20代、30代の人たちもキュンキュンさせていきたいですね。
「次ロッ研 presents 第二回研究発表会」の3組目に登場したハンブレのステージは、「初めまして! ネバーエンディング思春期、ハンブレッダーズです!」というメンバーコメントと、これまでの活動のダイジェスト映像からスタート。客席では10代の若いファンたちが、肩にタオルをかけ、ハンブレTシャツに身を包んで、ライブを今か今かと待ち受けている。
BGMが鳴り出すと、両手を挙げてピョンピョンと跳ねながらメンバーが登場。楽器を手にすると、ライブハウスバンドらしいかき回しを一発かました自己紹介から、ムツムロ アキラ(Vo&Gt)が力強いストロークと張りのある歌声で、人気の2ndシングル「スクールマジシャンガール」を突き刺してくる。シンプルなギターロックサウンドにのせた伸びやかなメロディは、とてもキャッチー。明るさのなかにもほのかに漂う切なさに、胸がキュンと締め付けられる。エモさにあふれるボーカルに絡む、吉野エクスプロージョン(Gt&Cho)の粘りのあるギターソロも面白い。
「研究会だかなんだか知らないけど、好き勝手楽しんでってください、常識の範疇で!」。ムツムロが投げた言葉に、会場の熱もアップする。すぐさま放たれた2曲目は、ミドルテンポの軽やかでリズミカルなビート感とギターリフが印象的な「常識の範疇」。軽快に飛び跳ねながら演奏する、でらし(Ba&Cho)のスラップベースがアクセントを刻み、聴いているほうもカラダが自然と揺れてくる。
「次世代ロック研究開発室って名前、鬼覚えにくいね」と、ナチュラルなトークで始まったMCでは、「50歳過ぎのおじちゃんが、話を持ちかけてきたんですけど……いや、怪しすぎた!(笑)」と『次ロッ研』スタッフとの最初の出会いも語られ、会場を沸かせる。そして「自分が本当に感じたことしか歌にしたくない」というムツムロは、「独りぼっちのための音楽を鳴らすのがロックバンド。ハンブレッダーズはそういうバンドを目指してます」と想いを語る。彼の若い心を揺さぶらせてきたエレファントカシマシ、銀杏BOYZ、ELLEGARDENへの感謝を告げて、「僕たちの人生を傾けてしまった、愛すべき音楽に!」と、3曲目の「DAY DREAM BEAT」へ。学生時代、独りぼっちだった自分がロックで救われた経験を語るこの曲は、音楽を愛するすべての人が共感し、瞳の奥を熱くする楽曲だ。
「ロックンロールはいつだってそばにあれ! ロックバンドは相手に言葉を届けるための道具だと俺は思ってるから……頭のなかにはいつだって、大好きな音楽が流れてます。あなたはどうでしょうか?」。そんなムツムロの語りかけから、ラストに演奏されたのは等身大のラブソング「逃飛行」。カラダの底から絞り出すようなムツムロの歌声とパワフルなコーラスと演奏が、渋谷WWWに熱い風を吹かせてくれた。
人気ギターバンドへの階段を着実に駆け上がっていくだろうハンブレッダーズ。彼らの魅力は、生の歌声と演奏を聴いてこそ、さらに光り輝く。ぜひライブに足を運んでほしいバンドだ。
次回は、懐かしさと新しさを同時に感じさせてくれる京都在住の個性派バンド「バレーボウイズ」の魅力を、次ロッ研担当者の声と「第二回研究発表会」ステージの模様から迫ります!
ハンブレッダーズ presents「秋のグーパンまつり京都編」
9/29(土) 京都Live House nano
出演:ハンブレッダーズ、ベランダ、Nicetime Workerz
ハンブレッダーズ presents「秋のグーパンまつり東京編」
10/7(日) 下北沢SHELTER
出演:ハンブレッダーズ、reGretGirl、the quiet room
ハンブレッダーズ presents「秋のグーパンまつり神戸編」
10/20(土) Music Zoo KOBE 太陽と虎
出演:ハンブレッダーズ、パノラマパナマタウン、THIS IS JAPAN
「ハンブレッダーズ 東名阪対バンツアー」
12/2(日) 新宿LOFT
※対バン有り
12/8(土) 心斎橋Music Club JANUS
※対バン有り
12/15(土) 名古屋 新栄APOLLO BASE
※対バン有り
ハンブレッダーズが出演する、そのほかのライブ、イベント
9/15(土) TOKYO CALLING 2018
9/17(月・祝) TOKYO CALLING 2018 ※ムツムロ アキラのみの出演となります。
9/23(土) イナズマロック フェス 2018
9/24(日) KANSAI LOVERS 2018 @大阪城野外音楽堂
10/6(土) MEGA☆ROCKS 2018 @仙台ライブハウス
10/14(日) 弁天周遊祭=BENTEN CIRCUIT 2018= @新潟ライブハウス
ライブPhoto: Hiroyuki Dozono
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