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連載Cocotame Series

スヌーピーミュージアム

『ピーナッツ』愛が詰まった聖地、新『スヌーピーミュージアム』を本国の人たちはどう感じた?【前編】

2020.02.05

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昨年12月、南町田グランベリーパークに新『スヌーピーミュージアム』がオープンした。六本木からの移転に伴い、展示内容や施設が拡充され、ワークショップなど人気のプログラムも充実。にぎやかなショッピングモールに隣接しながら、緑豊かな公園に抱かれた新たな聖地は、ゆっくりと『ピーナッツ』の世界に浸ることができ注目を集めている。

Cocotameでは、新『スヌーピーミュージアム』のオープンを記念して、さまざまな角度から新しいミュージアムの魅力を掘り下げていく。今回は、原作者であるチャールズ M.シュルツ氏の夫人であるジーン・シュルツ氏と『ピーナッツ』の国内エージェントを務めるソニー・クリエイティブプロダクツ(以下、SCP)の代表取締役・長谷川 仁にインタビューを敢行。『ピーナッツ』愛に溢れた新たな聖地、新『スヌーピーミュージアム』をそれぞれどのように感じたかを語ってもらった。

  • ジーン・シュルツ氏

    Jean Schultz

    故・チャールズ M.シュルツ氏の夫人。1973年、『ピーナッツ』の原作者であるチャールズ M.シュルツ氏と結婚。カリフォルニア州、サンタローザにある『シュルツ美術館』の理事長として創設に尽力。介助犬を支援するNPO団体の名誉理事長なども務め、社会貢献にも積極的に参加している。

  • 長谷川 仁

    Hasegawa Hitoshi

    代表取締役
    ソニー・クリエイティブプロダクツ

ともに歩み、成長してきた10年間

──新しくなったスヌーピーミュージアムはいかがですか?

ジーン:展覧会場に入った瞬間、アニメーションで皆さんをお迎えしていることが素晴らしいと思います。アニメーションから、すぐにキャラクターたちの世界に踏み込んでいけますから。

ジーン:それと、夫であるシュルツ本人についての展示も増えましたね。『ピーナッツ』という作品には、チャールズ M.シュルツというひとりの人間のさまざまな側面が表われています。そのことが、今までよりもさらにはっきりと伝わるのではないでしょうか。例えばライナスだって、チャールズ M.シュルツの一部。作者本人も「人生とは何なのか」と哲学的な問題で悩んだり、物静かなところもあったりしたんだと、皆さんに知っていただけるのではないかと思います。

長谷川:シュルツさんのコーナーだけでなく、常設展や企画展からもお人柄が伝わってきます。

ジーン:今開催している企画展「ビーグル・スカウトがやってきた!」もそう。『ピーナッツ』で描かれたキャンプにまつわるエピソードを集めているけれど、実は彼はキャンプが大嫌いだったの(笑)。でも、彼には従軍経験があるから、軍隊で野営したときの記憶や体験を反映させた上で、「じゃあ、スヌーピーたちがこういう状況になったらどうなるんだろう」とストーリーに落とし込んでいるんです。そんな彼の思いも、展示に非常によく表われていると感じました。




長谷川:六本木の頃はスペースの問題がありましたが、南町田の『スヌーピーミュージアム』は広くなりましたからね。シュルツさんの人柄やバックグラウンドも、しっかりアピールできていると思います。

ジーン:面積が広いのはもちろん、天井も高くて空間自体が広々としていますよね。ゆっくり楽しめて、くつろげる場所になっているのが素晴らしいと感じました。六本木は、どうしても順路に逆らうことができない雰囲気があったでしょう? 今回は行ったり来たりしながら楽しめますもの。

長谷川:ソファに腰かけるスペースもできたので、ゆったり楽しんでいただけるようになりました。長時間『ピーナッツ』の世界に親しんでいただけますし、その分、作品のコアな部分まで知っていただけると思います。

ジーン:ある意味で、サンタローザの『シュルツ美術館』に勝ってますよ。だって、図書コーナーがあるんですもの。座って本を読んで、「ああ、このマンガがさっき飾られていたわ。もう一回見に行こう」と振り返ることもできます。『シュルツ美術館』にも、本当なら図書資料室を作りたいんですよ。でも残念ながら、もう場所がないの。

長谷川:ただ『シュルツ美術館』には、大勢が座れる椅子がありますよね。我々もそれを参考にして、新しい『スヌーピーミュージアム』に採り入れているんです。ワークショップのスペースを常設のものとして作ったのも、サンタローザの取り組みを見たからなんですよ。

ジーン:私どもが大切にしていることは、皆さんが実際に手を動かして『シュルツ美術館』にふさわしい体験ができる場を提供すること。そのための教育普及の一環として、ワークショップを常設で設けているんです。もうひとつ、『シュルツ美術館』と共通しているのは、基本的にパソコンを置いていないこと。それは、チャールズ M.シュルツがどんなときも紙の上にペンを使って描いていたからです。手で描くこと、そのぬくもりを大事にしたいと思っていますし、来館されたみなさまにもそれを伝えたいと考えています。

原作コミックの哲学、本質を伝えるための取り組み

──SCPでは、グッズやカフェ、ホテルなど『ピーナッツ』というコンテンツをさまざまな展開に拡大させています。今回のミュージアムは、『ピーナッツ』のどのような魅力を伝えるための施設でしょうか。

長谷川:我々が『ピーナッツ』に関わるようになり、間もなく10年が経ちます。その間に感じたのは、日本ではスヌーピーのキャラクターこそ有名ですが、コミックが原作だと知らない方がいるということ。スヌーピーをより深く、長く好きになっていただくには、かわいいキャラクター性だけでなくコミックを読んで、その作品性を知っていただかなければなりません。『ピーナッツ』という作品の魅力、スヌーピーをはじめとするキャラクターの本質を伝えるには、ミュージアムという体験型コンテンツが一番ではないかと考えました。

──SCPがエージェント契約をしてからの10年間で、日本の『ピーナッツ』ファン層はさらに拡大しました。そのことについて、ジーンさんはどう感じていらっしゃいますか?

ジーン:SCPは、その名のとおりクリエイティブなんですよね。グッズにしてもミュージアムにしても、キャラクターの本質をつかんだものを作ってくださっています。単なるキャラクターとして扱うのではなく、「この人はこういう考えなんだ」「こういう生き方をしているんだ」と皆さんにしっかり伝わるようなものづくりをしてくださっている。だからこそ、人気が広がったのかもしれませんね。あと、これは私の思い込みかもしれませんけれど、「SCPに入れば『ピーナッツ』の仕事ができる」という動機で入ってくる新入社員も増えたんじゃないかしら?

長谷川:冗談やお世辞ではなく、「SCPで『ピーナッツ』の仕事をしてみたい!」という人が実際に増えています。これも『ピーナッツ』の魅力が浸透したからですよね。

──『ピーナッツ』という作品を扱う上で、SCPが大切にしていることを教えてください。

長谷川:『ピーナッツ』の本質、哲学をどう伝えていくか、です。『ピーナッツ』のコミックに流れている哲学、各キャラクターの個性を昇華した上で、お客様に伝えていく。それをコツコツ繰り返していくことが重要だと考えています。一定の年齢になれば『ピーナッツ』のキャラクターたちの認知度は100%に近いですから、あとは中身をどう伝えていくか。そこにきちんと向き合えば、ファンの皆さまに喜んでもらえるものを提供していけると信じています。

ジーン:スパーキー(シュルツ氏の愛称)は、いつもこう言っていたんです。「楽しくなければ仕事を変えたほうがよくない?」って。仕事をするなら楽しまなければ、ね。

長谷川:おっしゃる通りです。我々の仕事は楽しむことが一番。エンタテインメントは、我々自身が楽しまなければ、その熱量がお客様に伝わりませんから。

──SCPとシュルツ・ファミリーは、今後どのような関係を築いていきたいとお考えですか?

ジーン:(長谷川さんの手を取りながら)この先も末永くおつきあいしていきたいわね。

長谷川:ジーンさんにそう言っていただけるのが一番うれしいですよ。

ジーン:SCPも、私どもと関係を築いた10年間で大きく発展し、展開を多様化させてきたことと思います。その活動が私どものことも育ててくれましたし、世界中の『ピーナッツ』のあり方についても変化を起こしてくださいました。SCPの活動を通じて、みんなでともに歩み、成長できたことが本当に素晴らしいと感じています。

長谷川:「これでいいや、ここまででいいや」と歩みを止めたら、ダメだと思っています。これからもシュルツ・ファミリーとSCPがより良い関係を築いていきながら、『ピーナッツ』という作品の魅力を皆さんにお伝えしていけるように尽くしていきたいと思います。

中編につづく

文・取材:野本由起
撮影:冨田 望

南町田グランベリーパーク 新『スヌーピーミュージアム』

所在地:東京都町田市鶴間3-1-1
アクセス:東急田園都市線・南町田グランベリーパーク駅より徒歩4分
東名高速道路・横浜町田ICより約1km

休館日:2月18日(火)/8月18日(火)
開館時間:10:00~20:00(入館は19:30まで)
3月より下記の通り開館時間が変更になります。
月曜日から木曜日/10:00~18:00(入館は17:30まで)
金曜日から日曜日、および祝日/10:00~20:00(入館は19:30まで)

【入館料】
一般・大学生:¥1,800(前売券)/¥2,000(当日券)
中学・高校生:¥800(前売券)/¥1,000(当日券)
4歳~小学生:¥400(前売券)/¥600(当日券)

スヌーピーミュージアムでは、六本木と同じく日時指定の前売券を販売しています。
滞在時間の制限はありませんので、入館後はゆっくりとご鑑賞できます。
当日券は、前売券の販売状況に余裕のある場合にミュージアムの窓口にて販売します。

チケットは、イープラス(新しいタブで開く)にて販売中(先着順)。
ワークショップのチケットは、パスマーケット(新しいタブで開く)にて販売中。

PEANUTS Cafe スヌーピーミュージアム
(ピーナッツ カフェ スヌーピーミュージアム)

営業時間:10:00~22:00(ラストオーダーは21:30)
席数:90席

『スヌーピーミュージアム』公式サイトはこちら(新しいタブで開く)

©Peanuts Worldwide LLC

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