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連載Cocotame Series

スヌーピーミュージアム

『ピーナッツ』愛が詰まった聖地、新『スヌーピーミュージアム』を本国の人たちはどう感じた?【中編】

2020.02.06

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昨年12月、南町田グランベリーパークに新『スヌーピーミュージアム』がオープンした。六本木からの移転に伴い、展示内容や施設が拡充され、ワークショップなど人気のプログラムも充実。にぎやかなショッピングモールに隣接しながら、緑豊かな公園に抱かれた新たな聖地は、ゆっくりと『ピーナッツ』の世界に浸ることができ注目を集めている。

Cocotameでは、新『スヌーピーミュージアム』のオープンを記念して、さまざまな角度から新しいミュージアムの魅力を掘り下げていく。対談シリーズ第2回では、米国サンタローザにある『シュルツ美術館』の館長 カレン・ジョンソンさんと『スヌーピーミュージアム』の館長 中山三善氏による館長対談。『ピーナッツ』愛に溢れた新たな聖地、新『スヌーピーミュージアム』をそれぞれどのように感じたかを語ってもらった。

  • カレン ・ジョンソン氏

    karen Johnson

    2005年から『シュルツ美術館』の2代目館長を務める。過去には行政府、NPOでの管理部門を歴任。とりわけボランティア活動に手腕をふるってきた。アーティストとしての一面も持っている。

  • 中山三善氏

    Nakayama Miyoshi

    『スヌーピーミュージアム』館長。初代東京ステーションギャラリーの立ち上げや森アーツセンターギャラリーの運営など、全国各地の美術館の設立や展覧会のプロデュースを行ない、2013年に森アーツセンターギャラリーで開催された「スヌーピー展」も担当。お気に入りのキャラクターは、タイピングが得意なウッドストック。

シュルツ氏の魂を受け継ぐ、理想の美術館とは?

――『スヌーピーミュージアム』は、世界で唯一の『シュルツ美術館』公式サテライト(分館)です。本国の『シュルツ美術館』からどんなところを受け継いでいるのでしょうか。

中山:本家を意識したのは、やはり「ゆったり、のんびり」というところです。六本木のスヌーピーミュージアムも、周囲に緑はあったんですが、敷地が狭かったために十分な環境はつくれませんでした。そのため次に移転するときは、『シュルツ美術館』のように「ゆったり、のんびり」できる環境が良いなと。今回、ようやくそれが実現しました。

カレン:『スヌーピーミュージアム』を拝見して、原作者であるチャールズ M.シュルツ氏の精神を中核に据えてくださったことに、改めて感謝しています。『シュルツ美術館』と『スヌーピーミュージアム』は強力なパートナーシップで結ばれていますが、常に中心にあるのはチャールズ M.シュルツ氏の人生そのものです。『スヌーピーミュージアム』は、シュルツ氏の作品を通して、その人生をしっかり伝えてくださっていると感じました。

中山:カレンさんが指摘してくれたことは、まさに僕らが大切にしていることです。新しい『スヌーピーミュージアム』では『ピーナッツ』の物語を通して、シュルツ氏やスヌーピーたちのことをよりきちんとお伝えしたいと思っていました。半年ごとに企画展を入れ替える方式の六本木では一部分しか紹介できませんでしたが、常設展をベースに企画展を組み合わせることによって、より多角的にシュルツ氏の創造性や人間性をお伝えすることができるようになったと思います。

――もしシュルツ氏がご覧になったら、どんな感想をお持ちになっただろうと思われますか?

カレン:そういう質問が来ると思って、ジニー(ジーン・シュルツ夫人)に確認しておきましたよ(笑)。彼女が言うには「クリエイティブなことが好きな人だったから、映像や展示の仕方に大喜びすることは間違いないだろう」とのことでした。また、クリエイティビティを持つ人にも興味を持っていたので、館内を一歩進むごとに「これは誰が考えたの? どうやっているの? と、たくさん質問したでしょうね」とも言っていました。
とくに展示の最後の部屋「黄色い部屋……ウッドストック・ルーム」は「どうしてこうなったの?」と聞くでしょうね。壁の「モコモコ」とか、色とか(笑)。

中山:じゃあちょっとだけ「ウッドストック・ルーム」のメイキングストーリーをお話しましょう。最初はあの部屋は黄色い部屋ではなかったんです。実は六本木の『スヌーピーミュージアム』に……。

カレン:白と黒の柱がありましたね!

中山:そうです! スヌーピーをイメージした白と黒で構成された大きな柱があったんです。それが大人気で。ぜひ、このような展示物を、南町田にも作りたいと思いました。でも六本木と同じだったらクリエイティブ魂に反するでしょう。じゃあ、白と黒の次に来る色は何だろうと。それが……

一同:イエロー(笑)。

カレン:何と言っても真っ黄色ですからね。驚くし、笑えるし、そして「モコモコ」がすごく気持ちの良い場所です。六本木では白い柱だったけれど、新しいミュージアムでは黄色の部屋になっていた。まるで卵の黄身のなかでぬくぬくしているような気分です。

中山:うれしいな。僕が冒頭に「ゆったり、のんびり」してほしいと言いましたよね。新しい『スヌーピーミュージアム』の最後では、その感覚を味わってもらいたいと思っていたんです。同時に黄色は、このミュージアムのシンボルカラーでもあります。

スヌーピーを通じて、伝えたい想い

――『スヌーピーミュージアム』の館長である中山さんと、『シュルツ美術館』の館長であるカレンさん、それぞれ館長として最も大事にしていることをお聞かせください。

カレン:『シュルツ美術館』では、彼の人生と作品を通じて、皆さんに語りかけていくことです。そして、チャールズ M.シュルツ氏の遺したメッセージを、しっかりと皆さんに受け取っていただけるように努めています。

中山:日本では、スヌーピーをかわいらしいキャラクターとしてご存知の方が多いと思います。「いやいや、スヌーピーは最初は四つ足だったんだよ」とか、「スヌーピーの友だちはチャーリー・ブラウンだけじゃなくて、こんな子たちもいるんだよ」とか、「それを描いたシュルツさんは、こんな人だったんだよ」といった説明をすることで、『ピーナッツ』の世界観をより広く、深く紹介していくことが我々の使命だと思っています。




――おふたりが館長として携わっていて、喜びを感じる瞬間はどんなときですか?

カレン:多くの方、幅広い世代の方が『シュルツ美術館』に足を運んでくださっています。そのなかで「おじいちゃんが好きだった漫画ってこれなんだ」と世代を超えて、作品が受け継がれていること。そういう瞬間に立ち会えることが、私にとって一番うれしいときです。

中山:私も、お客様に喜んでいただけたときが一番うれしいですね。例えば、お手紙をもらったときなどは格別です。以前、東北地方から六本木の『スヌーピーミュージアム』に足を運んでくださったお客様がいました。ところが、そのお客様はチケットをご自宅に忘れてしまって入口で困っていらしたんです。そのとき、私たちはその方を信頼して、入館していただくことにしました。後日、お手紙をいただきまして。お忘れになったチケットとともに、「その節はありがとうございました。ますますスヌーピーが好きになりました。」というメッセージと名物の漬物をいただきました。涙が出るほど嬉しかったですね。人と人との信頼から生まれるコミュニケーション、その間にスヌーピーがいるということが素敵だと感じました。

カレン:お客様を信じていらしたからですね。素晴らしいお話です。

――最後に、カレンさんから『スヌーピーミュージアム』の今後に期待していることをお聞かせください。

カレン:この10年来、『スヌーピーミュージアム』を運営しているソニー・クリエイティブプロダクツとは、いろいろなかたちで協力してきました。皆さんは、これまで結んだあらゆるパートナーシップのなかでも、一番高いクリエイティビティをお持ちだと思います。ただ、並べて展示するのではなく、場所によって書体を変え、貼り方を変え、見せ方を変えていくことで、スヌーピーに興味を持ってこの会場に足を運んでくださる方たちが、より楽しみながらより深く『ピーナッツ』の世界を味わってくださるようにしている。しかも、お客様に向けて展示しているだけでなく、作者や『シュルツ美術館』へのリスペクトも込められている。私たちが展示に込めている想いを汲み取ってくださって、さらに素晴らしいものに育て上げてくださっている。そこに感謝をしています。やはり、Creativity is(爆発のジェスチャー)ですからね(笑)。

中山:Thank you so much!!

後編につづく

文・取材:志田英邦
撮影:冨田 望

南町田グランベリーパーク 新『スヌーピーミュージアム』

所在地:東京都町田市鶴間3-1-1
アクセス:東急田園都市線・南町田グランベリーパーク駅より徒歩4分
東名高速道路・横浜町田ICより約1km

休館日:2月18日(火)/8月18日(火)
開館時間:10:00~20:00(入館は19:30まで)
3月より下記の通り開館時間が変更になります。
月曜日から木曜日/10:00~18:00(入館は17:30まで)
金曜日から日曜日、および祝日/10:00~20:00(入館は19:30まで)

【入館料】
一般・大学生:¥1,800(前売券)/¥2,000(当日券)
中学・高校生:¥800(前売券)/¥1,000(当日券)
4歳~小学生:¥400(前売券)/¥600(当日券)

スヌーピーミュージアムでは、六本木と同じく日時指定の前売券を販売しています。
滞在時間の制限はありませんので、入館後はゆっくりとご鑑賞できます。
当日券は、前売券の販売状況に余裕のある場合にミュージアムの窓口にて販売します。

チケットは、イープラス(新しいタブで開く)にて販売中(先着順)。
ワークショップのチケットは、パスマーケット(新しいタブで開く)にて販売中。

PEANUTS Cafe スヌーピーミュージアム
(ピーナッツ カフェ スヌーピーミュージアム)

営業時間:10:00~22:00(ラストオーダーは21:30)
席数:90席

『スヌーピーミュージアム』公式サイトはこちら(新しいタブで開く)

©Peanuts Worldwide LLC

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