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Action ~いま、私たちにできること~

TAKUYA∞(UVERworld)インタビュー:配信ライブで実現させた新たな表現

2020.07.22

いま、私たちにできること――。

連載「Action ~いま、私たちにできること~」では、社会が急速に変わりゆくなか、ソニーミュージックグループをはじめ、エンタテインメント業界の新たな試みに注目。“必要至急”とは言えないかもしれないが、どんなときでも人々に寄り添い、心を潤すエンタテインメントの未来を追いかけていく。

連載第7回は、UVERworldのフロントマン、TAKUYA∞に、コロナ禍で彼らがいち早く行なった配信ライブについて聞く。配信ライブ開催に至った経緯と、そこに込められた想いとは……。

  • TAKUYA∞

    UVERworldのボーカル/プログラミング。12月21日生まれ。血液型B型。

結成20周年はなんとしてでも祝おうと

――今年、バンド結成20周年、そしてデビュー15周年を迎えられました。きっと、ライブ会場にお客さんを入れての開催が困難な状況で、迎えるとは思っていなかったと思います。

そうですね。でも、なんとしてでも祝おうとは思っていました、特に結成20周年は大きいので。

――それでライブ配信を行なおう、と。UVERworldはメンバーの誕生日に生誕祭ライブを開催するなど、大切な日はいつもライブでお祝いされていますよね。

はい。3月の彰の誕生日もライブで祝う予定だったんですけど、今年は新型コロナウイルスの影響でツアー自体が途中で延期になってしまってできなかったんですね。だからライブではなくメンバーみんなで集まって誕生パーティみたいな形でお祝いしたんですけど、やっぱりライブをしたかったなっていう気持ちはありましたから。

――ライブ配信をやろうと提案されたのもTAKUYA∞さんですか。

僕です。ライブ配信ならファンのみんなとも一緒にお祝いできるんじゃないかなってずっと考えていて。ただ、そのときはまだ自粛期間中でしたし、本当にやれるのかどうかも見えていませんでした。もし解除されるんだったらやれるかな、やりたいな、みたいな感じで。そうしたなか5月25日に東京都の緊急事態宣言が解除されて、そこからですね。メンバーはみんなやりたがっていたので、提案してすぐに開催が決まりました。発表したのが、確か5月28日ごろでした。

――1回目の配信ライブが6月6日でしたから、決定から開催まで10日間あるかないかというタイム感ですね。

リハーサルは3日間だけでした。しかもメンバーだけで(笑)。

ライブ配信なら自分たちらしく音楽が届けられる

――UVERworldの機動力の高さが開催を導いたとも言えます。そもそもTAKUYA∞さんはライブ配信に興味をお持ちだったんですか。

正直に言うと、まったくなかったです。でもこういう状況になって、ミュージシャンとしてできることをいろいろと模索するなかで、ライブ配信なら自分たちらしいやり方で音楽が届けられるんじゃないかなと思ったんです。

せっかくライブ配信をやるのなら、映像作品としても成立するようなものにしたい。なのでカメラもハリウッド映画を撮れるぐらいの機能を持ったものを15台ほど入れたんです。ステージセットをしっかり組むことによって、いつも一緒にライブを作ってきたスタッフたちにも参加してもらえますし、そうすることでUVERworldをしっかり表現したいな、と。

当時、この規模で行なうライブ配信は僕たちが最初だったと思います。

――まさに“作品”と呼ぶに相応しいライブになりました。ステージセットにしても通常のライブで組まれるようなものとは発想がまるで違っていて。床一面をLEDパネルにして流れる映像の上でパフォーマンスしたり、演奏しているところに普段ライブで使用されている映像を重ねたりするなど、画期的な演出が満載でした。

足元にLEDのパネルを敷いて、その上で演奏したいというのも僕のイメージにあったものです。映像を使うこともあって、カメラの種類とかシチュエーションとか、僕がイメージしていることを全部スタッフに伝えて形にしていってもらいました。




――コロナ禍でエンタテインメント業界は大きな打撃を受けています。UVERworldのライブに関わられている方たちにもかなり影響があったんでしょうか。

フリーでお仕事をされている方とか本当にしんどそうにされていましたし、すごく気がかりでした。僕らがいる音楽業界は、おそらく一番最後まで再開できない分野だと思うんですよ。そうなってくるとずいぶん大変になってくるだろうなと危惧していて、なので、僕たちが配信ライブを開催することで、一緒に仕事ができればいいなという気持ちはすごくありましたね。

――有料配信で開催した背景にはそうした理由もあるのでしょうか?

はい。自分たちの音楽には価値があると自負していますし、お金を払っても観る価値のあるものをしっかりと提示できればと思って、そうさせていただきました。

それぞれの過ごし方で自由に観てもらえる

――初の配信ライブでのMCで「俺たちの音楽は不要不急じゃない」と力強くおっしゃっていたのがすごく印象的でした。

人によってそれぞれ違うかもしれないですけど、僕は人生においての一番の楽しみって、人を喜ばせることだと思ってるんですよ。自分の大事な人たちを喜ばせることがいちばんの幸せなんじゃないかなって。そう思うとやっぱりエンタテインメントというものは不可欠だし、自分たちにとって音楽が不要不急なんて絶対に言いたくない。本当に大事なものなので。

――実際、配信ライブはかなりの反響がありましたし、ファンにしっかりと喜んでもらえたのではないでしょうか。

ありがたいことにとても良い反応をもらえました。クオリティが高いという評価もいただきましたし、ミュージシャン仲間からもすごく良かったっていう声がたくさん届きました。ここからダダダッと本格的な配信ライブの流れが始まっていったような手応えも感じているので、やっぱりやって良かったです。

――それぞれの場所でたくさんの人が同時に同じものを共有できるというのも、ライブ配信の大きなメリットですよね。

そこはすごく良いなと思いましたね、それぞれの過ごし方で自由に観てもらえるっていうのは。例えば食事しながらとか、お風呂に入りながらとか。寝転がりながらでも観れますし(笑)。

――(笑)きっとファンの皆さんは、UVERworldのTシャツを着たり、グッズを身につけたり、熱い気持ちで画面に食い入っていたと思います。

(笑)。あと、一度にたくさんの人に観てもらえるぶん、普段のライブではあまりセットリストに入れないような珍しい曲をいろいろやれるのも良かったです。いつもだったら1ツアーで1~2回しか演奏しないような曲もせっかくだからやりたいなと思ってセットリストを組み立ててました。

――目の前にお客さんがいないという状況に違和感はなかったですか?

意外なことにそれがあんまりなかったんですよね。ファンのみんなにはちょっと申し訳なく聞こえますが、これはこれでできるな、と。でも、そう思えるのはデビューして15年という時間の積み重ねのなかで、しっかりとファンのみんなのことを信頼できているからで。

それこそ、さっきおっしゃってくださったように、画面の向こうでTシャツを着て、声を出したり一緒に歌ったりしてくれてるのを容易に想像できるんですよね。みんなの声がすっかり脳裏に焼きついているので、やりにくさを感じないんです。むしろ表現方法として“これ、いいかも”って思う瞬間もあったりして。

とは言え、この状態がずっと続くわけじゃないって信じているから、楽しめているんですけどね。今しかできないことをしっかり楽しもうって、そういう気持ちで臨んだら本当に楽しいです。

――目の前にお客さんがいればこそ、良いところを見せたいという気持ちになるのではなく?

いやもう全然。カメラで充分ですよ。“この向こうで何万人と観てるんだぞ、しっかり良いところを見せないと!”って思ってやってますから。そういう部分でマイナスに感じることはなかったですね。ただ、MCで「ウォ~イ!」って叫んでも、シーン……ってなっちゃうのだけはちょっと辛いですけど(笑)。

全部違うものになるくらいに変えていきたい

――初めてのライブ配信を終えた直後はどんなお気持ちでした?

達成感はめちゃめちゃありましたね。メンバーもみんな、明るい顔をしてました。ライブをやれなくなるかもしれないっていう不安が消え去ったのが大きかったんでしょうね。自分たちで演奏して、それを人に観てもらえる、聴いてもらえるという喜びはめちゃくちゃあったと思います。

――7月6日に行なわれた2回目のライブ配信は、初回とはガラリと雰囲気が違うものになりましたね。

はい、違う世界を感じてほしかったので、ステージセットもセットリストもずいぶん変えました。そういう意味ではまだまだ変化していきたいですけどね。今後もこの状況が続くとして、メンバーの誕生日とかにライブ配信をするのであれば、ですけど。そのときはさらにもっと見え方を変えていきたいと思っています。ホント1回1回が全部違うものになるくらいに。

――今後のライブ配信も楽しみです。

この状況がいつまで続くかはわからないですが、僕たちにはライブをやらなければいけない、のっぴきならない理由がありますから。9月には誠果、11月には真太郎の誕生日がありますし、クリスマスライブも年末のライブもこの10何年間とずっとやり続けてきました。そこで積み上げてきた想いがあるんですよね。そういったものを自分たちの意志で止めるならいいとしても、それ以外で止められるのは絶対に避けたい。やるもやらないも自分たちで決めたいし、そういう意味では、やるべきだと思ったら続けていくと思います。

この状況が長引くようであれば、そのときそのときで考えて進んでいくだけです。今は予防をちゃんとしながら、やれることを一つひとつやっていく。次はまた、新しいUVERworldで登場したいですから。

文・取材:本間夕子

関連サイト

UVERworldオフィシャルサイト
https://www.uverworld.jp/

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