Jewel:前身のJ☆Dee’Z結成から10年。大人になった3人の本格派ボーカル&ダンスグループへの変化と転機
2020.12.07
ソニー・ミュージックレーベルズ
今、注目すべき旬のアーティストにスポットを当て、最新インタビューとプライベートショットで素顔に迫る「Eyes on」。
第8回は、アニメ『魔法科高校の劣等生 来訪者編』のエンディングテーマ『名もない花』で、12月2日にメジャーデビューしたシンガー、佐藤ミキ。「歌手になる」と確信していた幼少期からデビューに至るまでの出来事や思い、そして現在の心境などを自然体で語る。
目次
佐藤ミキ
Sato Miki
北海道出身。幼少期から音楽に親しみ、海外での生活で英語や中国語などの言語に触れる。2020年12月2日、イワツボコーダイとmaeshima soshiのサウンドプロデュース、イワツボコーダイとの共作詞による楽曲『名もない花』でメジャーデビュー。TVアニメ『魔法科高校の劣等生 来訪者編』エンディングテーマとしてオンエア中。
──今回はメジャーデビューに至るまでの日々を振り返ってもらいながら、今の心境とこれからについてもお聞きしたいと思っています。佐藤さんは北海道で生まれ育って、現在も北海道在住なんですよね。
そうです。レコーディングなどのときは東京に来ていますが、それ以外は地元の北海道で暮らしています。北海道はやっぱり自然が多いし、人も大らかでやわらかい感じなんですよ。人柄があまりパキパキしていないというか。だから私も、伸び伸びと生活できているんじゃないかなと思います。
「生まれも育ちも北海道ですが、撮影やレコーティングは東京で行なうことが多いので飛行機にはよく乗ります」
──自然が多い環境で生活してきた?
幼少期から高校までは、山や川が近くにある環境で過ごしてました。動物もたくさんいて、熊が出たから集団下校、校庭に毒ヘビがいたから集団下校、さらに家の前にはキツネがいるみたいな(笑)。
──そのころから音楽は好きだったんですか?
好きとか嫌いとかを意識する前に、物心ついたときには家でずっと音楽が流れていたんですよね。だから、毎日普通に何かしらの音楽を耳にしていました。きっと、お母さんのお腹のなかにいたときも家では音楽が流れていたと思うので、胎教みたいなものでもあったのかな(笑)。自分でCDを買うようになったのは小学生ぐらいからです。
──毎日音楽を聴く日々のなかで、自分でも歌ったりすることは?
ありました。保育園で仲の良いお友だちが4、5人いたんですけど、みんなモーニング娘。やミニモニ。が好きだったので、誕生日会で発表したりしていましたね。小学校のときは、学習発表会という学年ごとに劇をする会があって、そこでも歌を歌いました。先生が、私の歌が良いって言ってくれて、劇でソロ歌唱を披露したりもしました。
──ご自身も歌うことが好きで、周りからも評価されていたんですね。
歌うことは好きでした。小学校の卒業アルバムに“うちの学校の歌姫”って書いてもらったり。でも、「歌手になりたい!」っていう気持ちがあったかと言ったらちょっと違って、オーディションを受けようなんていうことも考えたことがなかったです。なのに、どこかに「私は歌手になるだろうな」っていう気持ちがあったんですよね。
──「私は歌手になりたい!」と「私は歌手になるだろうな」は、似て非なる意識ですよね。
自分でも、どうして「歌手になるだろうな」って思っていたか、よくわからないんですけど。
──小学生や中学生のころは、将来の夢を聞かれる機会があったかと思いますが、その答えも“歌手”ではなかった?
そういうときは、薬剤師とか公務員って答えていました。それは、親がそういう仕事が良いって言っていたからなんですけど。勉強しなさいと言われたらちゃんと勉強したし、スポーツをしたほうが良いって言われたから、小学校から中学校まではソフトテニスをやったし。私、親の言うことをよく聞いていたんですよ(笑)。
「歌のレッスン。2時間のレッスン中1時間50分は、こういったストレッチなど体を動かすことをやって、実際に歌うのは10分ぐらいなんです」
──そして、高校時代に大きな転機が訪れるんですよね。
中学を卒業するころになると、将来について前よりもちゃんと考えるようになりますよね。そのなかで、「私は歌手になるだろうな」っていう根拠のない意識はあるけど、「じゃあどうしたらなれるんだろうな」って考えるようになったんです。
そんな時期に高校に入学して、軽音部の先輩たちの演奏を見たんです。そこで、私もあんなふうになりたいと思って軽音部に入って。女子高だったので、ガールズバンドでカバーをしていました。最初はボーカルで、ベースの子が抜けてからはベースを弾きながら歌っていました。
──それが現在につながる第一歩だったと。
アマチュアバンドによるライブの出演者募集をTwitterで見て、応募してみたんです。地元のライブハウスで開催されたんですけど、そこに出たときに声をかけていただいて、「あ! これか!」って。
──「あ! これか!」というと?
どうやったら歌手になれるのかを考えていたから、「あ! こういう感じでデビューのチャンスをつかむんだ!」っていう「これか!」です(笑)。
──なるほど(笑)。そこから歌手としての活動が始まったのですか?
いや、「今はダメ」って親に反対されたんです。ただ、大学に受かったら歌をつづけてもいいよって言われて。それで一生懸命勉強して無事に大学に合格し、活動をつづけることができたという感じです。
──親御さんは、どうしてそういう条件を提案したんでしょうか?
きっと、私がその大学に合格できるとは思っていなかったんだと思います。親は芸能活動には大反対だったから、きっと受からなくて歌手になる夢もあきらめるだろう、と。でも、そんな予想に反して私が合格したから、最終的には「もう何も言えない」って言ってました(笑)。
──高いと思われていたハードルをクリアしたということは、それだけ歌への思いが強かったんですね。
負けず嫌いなので、気持ちに火がついた部分はあるかもしれないです。何より歌手になるチャンスがなくなったら絶対に後悔する。絶対にあきらめないって思っていました。私が親に対して自分の意見を譲らなかったのは、多分このときが初めてで。それぐらい、絶対に歌手になりたかったんだと思います。
──明確な根拠はなかったけど、「私は歌手になるんだろうな」という不思議な直感があったんですもんね。
そういう感覚があったのは、本当に歌だけだと思います。
──そうした歌への思いを根っこに抱えつつ、見事、大学に合格して。
はい。その大学は家からすごく遠くて、片道2時間かけて通うことになったんですけど(笑)。
──往復で4時間もかけて!
でも、そのおかげで歌詞は書きやすかったと思います。電車に乗っているときに、窓の外の風景を見ながら、いろんなことを思い描いて歌詞を書いていました。私は、忙しいときよりもどこかほっとしているときのほうが歌詞が思い浮かぶんですけど、当時の私にとっては通学中がそういう時間だったんですよね。
「今回のメジャーデビューにあたり、CDショップや関係者の方に初めてメッセージを書きました。左利きなんです。ソフトテニスなどスポーツのときは有利だけど、普段は便利なことはあまりないですね(笑)」
──佐藤さんの歌声は、繊細さと強さを併せ持つ“シルキーボイス”と評されていますが、性格的にも芯の強さがありますね。
我慢強くて、根気はあるタイプだと思います。あと、さっきも話しましたけど、負けず嫌いです。やると決めたら、途中でやめることもしません。辛いとか大変だなとかは思うけど、だからってやめたいとは思わないんです。無理だよって言われても、自分でやるって決めたことなら全然平気。周りの意見は気になりません。
──それは、自分でやると決めたことに自信があるからなんでしょうか?
やりたいと思うことは、できると思っていることなんですよね。すぐにできなかったとしても、いつか必ずできる。だから、周りが無理って言っても気にならないんだと思います。自分では、「私は必ずできる!」と思ってやっているので。
──歌うことに対して強い自己肯定感があるんですね。これからどんなシンガーになっていきたいですか?
自分がそうだったんですけど、聴いてくれた人が前を向けるような、力を与えられる歌を歌っていきたいと思っています。
──佐藤さんは、どんな歌で力をもらったんでしょうか?
もともとは悲しげな曲調の歌がすごく好きだったんです。だけど、デビューに向けてレッスンをしている時期に、本当にしんどくて、そういうブルージーな歌が聴きたくない時期があったんですよ。
私のように、たまたまレコード会社の人に声をかけられてデビューを目指すって、実は珍しくないというか、まったくない話ではないですよね。それよりも、デビューしてから何をするかが大事で。でも、周りには私より歌がうまい人がたくさんいるし、歌詞が書けて曲が書ける人も、もちろんいる。かわいい人も、スタイルが良い子もいっぱいいる。じゃあ、私は何を個性にしていけばいいのか、今から何を変えられるのか、変えればいいのか、全然わからなくて悩んでしまって。
──そんなときに救ってくれたのが音楽だった。
その時期に、ふと安室奈美恵さんのライブDVDを見たんです。そしたら、安室さんが立っている姿を見ただけでパワーを感じて。そして歌を聴いて、「頑張ろう! 落ち込んでちゃダメだ!」って思ったんですよね。別に、安室さんは落ち込んでいる人に直接的に頑張れっていうメッセージを歌っているわけじゃないのに、なぜかすごく励まされて、力をもらえたんです。そんな安室さんの存在の強さを感じたときに、こういう人が誰かに勇気を与えるんだなって思いました。それが2、3年前のことです。
──そこからは、揺るぎない確信を持ってここまで進んでこれている?
はい。悩んでいた時期は、自分の歌というものを漠然としかとらえてなかったから辛かったんですよね。自分が歌いたい歌はどういう歌なのか考えなきゃいけないけど、考えても明確な答えが出なくて、本当に苦しくなって。そんなときに安室さんのライブDVDを見て、私は救われました。
そういう苦しいときに音楽に救われた経験をしたからこそ、歌える歌がある。できる音楽がある。自分の指針、自分がやりたい音楽が定まったのは、その経験があったからです。あの経験があったことで、私はまだ音楽ができるなって思えたし、苦しかったときの自分みたいな人に届く歌を歌っていきたいなって。
──そして、満を持してのメジャーデビューです。
やっとデビューができて、これから頑張っていけるのはすごくうれしいですけど、それよりもここからがスタートだという引き締まった気持ちが強いです。ここから何をしていくかなので、今の私ができることから積み重ねていけたらと思っています。
佐藤ミキ『名もない花』MV
──メジャーデビュー曲の『名もない花』は、TVアニメ『魔法科高校の劣等生 来訪者編』のエンディングテーマとしてもオンエア中です。
自分の歌が、初めてエンディングテーマとしてテレビ画面から流れてきたときはとても感動しました。毎週、家族と一緒にリアルタイムで見ています。
「『名もない花』のジャケットとミュージックビデオの撮影をしているところです。すべてが初めての経験だったので緊張しました……」
──所属レーベルのSACRA MUSICには、『劇場版 「鬼滅の刃」 無限列車編』の主題歌『炎』が大ヒット中のLiSAさんを筆頭に、たくさんの魅力的な先輩アーティストがいますよね。
皆さんすごい方ばかりですし、これからどんどん刺激を受けると思います。ただ、まずはやっぱり自分が何をするかだと思うので、今は自分がどういう歌を歌って、何をどう伝えたいのか。そこに集中していきたいです。
──これからのアーティスト活動で、今はどんなことがしたいと思っていますか?
自分ができることはなんでもしたいです。そして、なるべく早く、皆さんに自分の歌を伝えていける機会を持ちたいです。そのなかでも、やっぱりライブはすごくやりたいですね。難しい時期ではあるんですが、早く皆さんに自分の歌を直接お届けできたら良いなと思っています。
文・取材:大久保和則
オフィシャルサイト
https://www.satomiki-official.com
オフィシャルYouTubeチャンネル
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