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Eyes on

スピラ・スピカ:ファンの前での11カ月ぶりライブに今の自分たちをぶつけて

2020.12.10

今、注目すべき旬のアーティストにスポットを当て、最新インタビューとプライベートショットで素顔に迫る連載「Eyes on」。

第10回は、3人組バンド、スピラ・スピカが登場。2018年のメジャーデビュー以降、多くのアニメ作品のオープニングテーマやエンディングテーマを担当してきた彼らが、約1年ぶりのライブを前にして、バンド結成秘話やアニソン制作、ライブにかける思いを語る。

  • スピラ・スピカ

    spira spica

    (写真左から)ますだ(ベース)、幹葉(ボーカル)、寺西裕二(ギター)。2013年に関西を拠点に活動を開始した3人組ピュアポップ・ロックバンド。2018年8月にTVアニメ『ガンダムビルドダイバーズ』第2クールエンディングテーマ「スタートダッシュ」でSACRA MUSICよりメジャーデビュー。

アニソン好きのふたりが“ダイヤの原石”に出会ってバンドを結成

――まずは、スピラ・スピカの皆さんの原点を伺いたいと思います。皆さんがバンドを組んだきっかけをお聞かせください。

幹葉:バンドを組むきっかけを作ったのはテラくん(寺西裕二)なので、テラくんから!

寺西:中学生のころ吹奏楽部だったんですが、サックスのパートを担当していました。MALTAさん(日本のサックス奏者)に憧れていて、そのままサックスを吹いていこうかなと思っていたんです。そのときにたまたまiPodを買って、吹奏楽部の先輩にすすめられたいろいろな曲を聴いていました。そのなかでグリーン・デイにハマって、その先輩とコピーバンドを組んだんです。そこからバンド活動をするようになりました。

ますだ:僕と寺西は奈良出身で小学校から一緒なんですが、中学校のころに一緒にコピーバンドを組んだんです。

寺西:懐かしいなあ。中学校の有志で組んだやつ。

ますだ:中学生のころはマキシマム ザ ホルモンなどの曲をコピーするバンドをやっていたんですが、高校3年生のときにオリジナル曲をやるバンドを組むことになったんです。僕はもともとアニメが好きで、そのころからいろいろなアニメ作品を観ていたんですけど、当時はバンドがアニメのタイアップ曲を歌うことが多かったんですね。自分もバンド活動をして、アニメの曲を担当したいという夢をそのころから抱くようになりました。

寺西:当時は、僕が家で打ち込んだ曲をスタジオに持って行って、バンドのメンバーでいろいろな意見を言いながら作って活動をしていました。

――幹葉さんがバンド活動を始めたのは、どんなことがきっかけでしたか。

幹葉:私は高校卒業まで徳島にいました。うちの家族はみんな歌を歌うのが好きなんです。お父さんは大学生のときにバンドを組んでボーカルを担当していたし、お母さんも大人になってからママーズというバンドを組んでボーカルをしていました。しかも、悔しいことに、お兄ちゃんがめちゃくちゃ歌がうまいんですよ。

そんな家庭で育ったので、私も小さいころから歌を歌うことが大好きで。中学生のころは文化祭で演奏するためにバンドを組んだり、高校生のころはプリンセス プリンセスやDREAMS COME TRUE、PUFFYのコピーバンドをしていました。

――3人の出会いは?

幹葉:出会いは、なんとネットなんです!ふたりは地元の奈良でバンドを組んでいたんですが、そのバンドが解散して……?

寺西:解散してしまったけれど、音楽活動を続けたいと思って。ますだとボーカルがいない状態で作曲活動をしながら、ボーカルを探していたんです。でも、なかなか曲のイメージに合うボーカリストと巡り合えなくて。わらにもすがる思いで、ネットのメンバー募集掲示板に書き込んだんです。

幹葉:あのサイトまだあるんかな? ログインしたら、当時のやり取りが見れたりするかな(笑)。

寺西:何人もの方に出会っては、スタジオでセッションをしたりしながらごめんなさいを繰り返していたら、幹葉と出会いました。最初の印象は、歌がうまくて、真っ白なキャンバスみたいな子で。

幹葉:真っ白なキャンバス(笑)!

寺西:何色にも染まっていない、ダイヤの原石みたいな子がいたんです。

幹葉:真っ白いキャンバスと言われたことはあったけど、それは初めて聞きました。(笑)そんなに褒めて、どうしたの?(笑)

寺西:(笑)。幹葉は大阪に住んでいたんですが、僕たちの活動拠点の奈良まできてもらって、スタジオで歌ってもらったら、すごく良くて。メンバーだけでスタジオの外で相談して、全員一致でボーカルをお願いすることに決めたんです。

幹葉:スタジオに私ひとりだけ残された、あの謎の時間が忘れられませんね(笑)。最初は、奈良公園の鹿はカワイイしすぐに遊びにいけるし、奈良の知り合いは今までいなかったから、楽しいかもしれない! と思ってふたりのバンドに入ることにしたんです。

寺西:僕の記憶が確かならば、募集欄に「プロ志向」と書いておいたはずなんです。

幹葉:それはちゃんと見てなくて(笑)。だから最初はふたりと私に温度差があって。ふたりはオリジナルの楽曲で本気でプロとしてバンド活動をしたいと思っていたんですね。けれど、私はただ楽しく歌って、ちょっとライブができたら、くらいの気持ちだったんです。最初の1年くらいはお互いに探り合う感じがありましたね。

寺西:ライブに行く遠征の移動中の車のなかで、幹葉に聴いてほしい曲を流しに流しまくって、僕らが好きなアニソンに興味を持ってもらおうとしていました。

幹葉:ふたりはアニメが好きなんですけど、私は『ちびまる子ちゃん』一本で来たので、当時は全然知らなかったんです。ふたりが移動中の車のなかで、たくさんアニソンをかけてくれて。「アニメソングを作りたい」というふたりの夢を聞いて、興味を持って。そこからは、メンバーと一緒にアニソンのイベントやライブにも行ったりするようにもなりました。

インタビュー記事用の写真撮影も久しぶり!

奈良から大阪、そして東京へ

――結成当初は、どんな活動をしていたのでしょうか。

幹葉:当時はかなりマイペースでしたね。ライブも最初はあまりしていなかったし、私もオリジナルのバンドのボーカルが初めてやったけん、テラくんからもらった曲を自分でどう表現したらいいのかわからなくて、悩むことも多かったし。

寺西:そうだったね。

幹葉:スタジオで練習したあとは、奈良公園に行って、鹿と遊んでました(笑)。

寺西:練習よりも、そのあとのお楽しみタイムがメインみたいな感じもあったよね。

幹葉:そうだね。練習が終わったあとにさらにカラオケに行って、メンバーで朝まで歌ったり……。ますだが『ラブライブ!』の曲を歌いながら踊っていて(笑)。

ますだ:踊ってましたね。

幹葉:最初は遊びメインで、お互いの好きな音楽を探っていく1~2年間でした。でも、この時間があったおかげで、メンバーの仲が深まって、良いスタートが切れたと思います。

――その後、皆さんはソニー・ミュージックアーティスツ(以下、SMA)に所属します。契約までに、どんな転機があったのでしょうか。

幹葉:少しずつ大阪を拠点にライブ活動をするようになったら、いろいろなバンドやライブハウスの方と知り合って、私たちもオーディションに挑戦してみようということになりました。

いくつかのオーディションを受けていくなかで、SMAの方が私たちのことを見つけてくれて、ライブに何回も足を運んでくれました。担当の方が私たちの音楽と、私たち自身のことを好いてくれているのが感じられて。この人たちと一緒に私たちも頑張りたい! と思ったんです。

――そして、アニメソングに強いソニーミュージックグループのSACRA MUSICから楽曲をリリースすることになりました。そのときは、どんなお気持ちでしたか。

幹葉:私たちを担当するディレクターはかなり個性的なんです。でも、すごく良い人で。ご一緒できてうれしかったです。

寺西:アニメソングに対する想いとか、共感できる方だったのが良かったんです。

幹葉:SACRA MUSICはLiSAさんやすごい方がたくさんいらしゃるので、私ももちろんうれしかったんですけど、テラやますだのほうがもっとうれしかったんじゃないかと思います。

「ガンダム」シリーズでメジャーデビュー。アニソン制作で感じるバンドの成長

――スピラ・スピカのデビュー曲「スタートダッシュ」は、TVアニメ『ガンダムビルドダイバーズ(以下、ビルドダイバーズ)』のエンディングテーマになりました。念願のアニメソングデビューでしたね。

幹葉:「ガンダム」というワードの大きさに、ビビったよね……。

寺西:ビビったね……。

幹葉:私は「ガンダム」をよく知らなくて、『ビルドダイバーズ』が入口でガンダムを観るようになったんです。

ますだ:僕は学生の頃、『機動戦士ガンダムSEED(以下、SEED)』を観ていましたね。

寺西:僕は『SEED』のガンプラを作ったりしていたので。「ガンダム」シリーズに関わることのプレッシャーを感じていました。

幹葉:デビュー曲やし、「ガンダム」の曲やし。

寺西:『ビルドダイバーズ』のお話をいただいてから、楽曲を作り始めたんですけど、作品のなかで自分たちのカラーを出すためにかなり試行錯誤をしましたね。

幹葉:デモをすごくたくさん作ったよな。そのなかから選びに選んで、今の「スタートダッシュ」になったんです。

寺西:作品側からのオーダーもありませんでしたし、本当に僕らの作品と自分たちへの気持ちだけで作らせてもらいました。

「スタートダッシュ」

――テレビで『ビルドダイバーズ』がオンエアされたときは、いかがでしたか?

幹葉:あれは緊張したなあ。

寺西:テレビの前で正座して観たよな。

幹葉:スタッフも含めて、みんなで集まって、一緒に正座してオンエアを観たんです。あの感動は今でも忘れられないです。

寺西:テレビ越しで見ると、どこか自分の曲とは思えないんですよね。なかなか、理解が追い付きませんでした。

幹葉:サビの部分になると、自分たちの名前のクレジットが入るんですけど、その瞬間はテンションが上がりましたね。スピラ・スピカって出てる! って。地元の友だちや家族が喜んでくれることでようやく実感できました。

――その後TVアニメ『通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?(以下、お母好き)』のオープニングテーマ「イヤヨイヤヨモスキノウチ!」や、TVアニメ『戦翼のシグルドリーヴァ』のエンディングテーマ「サヨナラナミダ」を手掛けられています。バンドの成長を感じるところはありますか?

寺西:結構変わってきたと思いますね。「スタートダッシュ」のときは無我夢中でしたが、最近は作品を通して、スピラ・スピカの個性を出すようになったと思います。

幹葉:歌詞を書くときは、基本的には先にアニメのシナリオをいただいて、それを読んでから書くんです。シナリオのなかに、自分やスピラ・スピカと、作品内で性格や心情が重なる登場人物やシーンを見つけて、歌詞を書いています。

寺西:幹葉は作品の読み込みがすごいんですよ。『ビルドダイバーズ』のレコーディングのときは、作品の映像を流しながら歌を録りたいと言い出したこともあるし。

幹葉:『ビルドダイバーズ』がきっかけでガンプラも作りました。グッズもすぐ買っちゃう。『お母好き』のときは、コスプレイヤーさんが秋葉原の店舗前でチラシを配布すると知り、私もチラシをもらいにいったんです。そうしたらテンションが上がっちゃって、コスプレイヤーさんに「この作品の主題歌、私が歌ってるんです!」とお話しして、一緒に写真を撮っちゃいました。

――アニメソングを作っていて、良かったと思うことはありますか?

寺西:アニメをを制作しているスタッフさんが、スピラ・スピカの曲を聴いてモチベーションを上げてくれていると聞いて、マジでうれしくて泣きそうになりました。

幹葉:『ガンダムビルドダイバーズRe:RISE』のときは、いただいたシナリオが途中までで、物語の結末がわからなかったんです。だから、こうなったら良いなと想像しながら歌詞を書いたんですね。それでオンエアを観たら、後半の物語と私が書いた歌詞がどんどん重なるところが出てきて。

あとから聞いたんですが、制作の方々が私たちの曲を聴いて、そこからセリフを起こしてくれたそうなんです。「ガンダムビルドダイバーズ」というシリーズ作品から、本当にたくさんの愛と奇跡をいただいたなと思います。

アニメ『ガンダムビルドダイバーズRe:RISE』第1クールオープニングテーマ「リライズ」

ライブを意識した楽曲作り

――アニメソングとそうでない曲を作るときはどんな違いがありますか?

寺西:根っこの部分は変わっていなくて。こういう曲がやりたい、こういう曲を聴きたい、こういう曲があればみんなで楽しめるかな、といった感じがベースになっていますね。

幹葉:私はアニメソングの時は作品を、そうでない時はよりライブを意識しています。テラくんに「ライブで楽しい曲が欲しい」みたいなリクエストをしちゃいます。テラくんからは「自分はこういうイメージで曲を作った」というメモをもらうことがあるんですが、それに従うときもあれば、完全に無視することもありますね(笑)。

寺西:すごい裏切りを見せるときがあるよな。

幹葉:「じゃんけんキング」という曲があるんですけど、このときは完全に裏切りました。楽曲だけを聴くとすごくカッコ良いんですけど、サビのフレーズの頭に「グー!」というじゃんけんを思いついてしまって。

寺西:幹葉からあがってきた歌詞を見て、ええっ? 本気? と思いました。

ますだ:僕も衝撃を受けました。

寺西:でも、実際に演奏してみると、クセになってしまって。自分がクセになるってことは、聴いている人みんなもクセになるんじゃないかと。

幹葉:ほかにもアルバムの収録曲では、歌詞に私の好物のハンバーグを入れたり、かなり遊んでいます。作品に合わせて書くのも、自分の好みを入れて書くのも、どちらも楽しいです。アニソンでないときは時間が決まっていないから、テラくんはやりやすいんやない?

寺西:アニソンは89秒と時間が決まっていますからね。自由に作るのも楽しいし、限られた時間に全部を詰め込む作業も楽しいです。

『じゃんけんキング』みんなで踊ろう!ダンスビデオ

――ここまで活動してきて、スピラ・スピカらしさとは、どんなものだと思いますか。

幹葉:私たちはスピラ・スピカというバンド名に“どれだけ暗い道でも希望の光で導く”という思いを込めているんです。落ち込んだり弱気になっている人たちの、希望になれるような音楽を届けたいと思っています。まだまだ頑張らなあかんなと思うんですけど。

約1年ぶりのワンマンライブに、今の自分たちの思いを詰め込んで

――さて、2020年は新型コロナウイルスの感染拡大がきっかけになり、6月のライブが延期になったり、なかなか思い通りの活動ができない状況になっていたかと思います。どんなふうに過ごされていましたか?

幹葉:2020年はメンバーとも全然会っていませんでした。毎週リモートで会議はしていたんですが。もどかしいし、寂しいし、苦しい。私も落ち込む日がありましたね。

寺西:ネガティブになるときもあったよな。

幹葉:ライブがない、みんなに会えない、生きた心地がしないとまで思っちゃって。

寺西:夢に出てきたもん、ライブをしているときの夢。

幹葉:でも、ファンのみんなに救われました。6月のライブは開催延期を発表した後、たくさんの方が払い戻しをしないで、延期公演を待ってチケットを大事に持っていてくださったんです。その話を聞いて、すごくうれしかったです。本来だったら、自分たちが楽曲やライブでみんなにパワーを送りたいんですけど、逆にみんなからパワーをもらいましたね。

2020年8月にリリースした「Twinkle」という曲は、新型コロナの問題が起きる前に作ったんですが、この時期の気持ちにリンクするような内容になっていて。1番のAメロで「一人でもがいてた」、サビの最後に「一緒に笑い合えるように」という歌詞になっているんです。この曲をライブでやったら……もう、ねえ!

寺西:これまでのスピラ・スピカは“引っ張っていく”というテーマの曲が多かったんですが、ニューシングル「サヨナラナミダ/ほしのかけら」では“寄り添う”がテーマになっているんですよね。ネガティブな気持ちをわけて減らそうという気持ちが、時代とリンクしているのかなと思います。

アニメーション『ガンダムビルドダイバーズRe:RISE』第2クールエンディングテーマ「Twinkle」

――さて、12月11日には待望のワンマンライブ「スピラ・スピカ One-Man Live2020『届け、エール!』」が実施されます。

寺西:ついに、やっと、ですよ!

幹葉:前回のワンマンツアーの最終日が1月だったので、だいたい1年ぶりですよね。今回は入場できる人の数を減らして、東京だけの開催なんですけど、ここからまた一歩一歩始めていけたらと思っています。

寺西:どんなライブになるのか予想できないです。

幹葉:こういうときに「じゃんけんキング」があって良かったよな!

寺西:声を出さなくても、観客のみんなが身体を動かせるしな。

幹葉:あのときに作っておいて良かった(笑)! 私は曲を作るのも好きなんですけど、やっぱりライブが大好きで。人生のご褒美だと思っているんです。やらせてもらえるからには全力で挑もうと思っています。

ますだ:お客さんのライブの楽しみ方も変わっていくと思うんです。よりサウンド面でオーディエンスを盛り上げるようなライブにしたいなと思っています。

寺西:ゲーム「ロックマン」のチャージショットみたいに。ライブを我慢して気持ちを溜めたぶんだけ強いパワーを出したいですね。

幹葉:そして、配信ライブも行います!タイトルは「全国各地へ!届け、エール!」なんです。11日のライブを収録したライブの配信を12月19日に行うので、東京以外の人たちにも楽しんでほしいです。

 

文・取材:志田英邦

関連サイト

スピラ・スピカ公式サイト
https://spiraspica.com/
 
スピラ・スピカOnline One-Man Live 2020 『全国各地へ!届け、エール!』【Streaming+(配信)】
2020/12/19~2020/12/20
https://eplus.jp/spiraspica-s/
 
スピラ・スピカ -official- Twitter
https://twitter.com/spiraspica
 
スピラ・スピカ Official YouTube Channel (SMEJ)
https://www.youtube.com/channel/UCcrVKHnn9O3z0Ao6sUPE7nA
 
幹葉 Twitter
https://twitter.com/mkh0614
 
幹葉 Instagram
https://www.instagram.com/kanbajyanaiyo/
 
寺西裕二 Twitter
https://twitter.com/Yuji43251
 
ますだ Twitter
https://twitter.com/omasu48

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