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アーティスト・プロファイル

“天才高校生”からの飛躍。崎山蒼志の音楽世界は縦横無尽に広がりつづける【前編】

2021.03.30

気鋭のアーティストの実像に迫る連載企画「Artist Profile」。

アコースティックギターをかき鳴らして歌う姿がインターネット番組で放送され、SNSを中心に一躍注目の的となったのが約3年前。崎山蒼志は、今年1月、高校卒業目前にメジャーデビューした。そして3月31日には、卒業後第1弾の作品として、ドラマ主題歌用に書き下ろした新曲「逆行」を発表する。ひとつの節目を迎え、これからさらに才能を発揮していくであろう俊英シンガーソングライターの、これまでの足跡と18歳現在のビジョンを聞く。

前編では、幼少期の音楽との出会いからメジャーデビューアルバム『find fuse in youth』に至るまでを振り返る。

  • 崎山蒼志

    Sakiyama Soushi

    2002年生まれ。静岡県浜松市出身。2018年7月18日、配信シングル「夏至/五月雨」でインディーズデビュー。2021年1月27日、フルアルバム『find fuse in youth』で、ソニー・ミュージックレーベルズよりメジャーデビュー。ソニー・ミュージックアーティスツ所属。

音楽を貪欲に聴いて取り入れる“吸収欲”

「最近は、とにかく音楽を聴くのが楽しくてしょうがない状態です。すごい方がたくさんいらっしゃるので」

崎山蒼志が言ったこの言葉が、とても印象に残った。

静岡県浜松市出身、18歳のシンガーソングライター。2018年5月、『バラエティ開拓バラエティ 日村がゆく』(ABEMA)の企画“高校生フォークソングGP”に出演したことをきっかけに大きな注目を集めた当時はまだ15歳、高校1年生だった。鮮烈なギターテクニックと研ぎ澄まされた歌声で“天才高校生”と称賛を浴びた3年前から、彼は目覚ましい成長を遂げた。

彼は、当時披露した弾き語りだけでなく、音楽制作ソフト、ガレージバンドを用いた打ち込みなど次々と新たなスタイルに挑戦してきた。その原動力になったのは、古今東西のたくさんの音楽を貪欲に聴いて、そこから受けた刺激を自分のフィルターを通して取り入れる“吸収欲”のようなものなのだと思う。それこそが、崎山蒼志というアーティストの才能の源泉という気がしている。

2021年1月27日にメジャーデビューアルバム『find fuse in youth』をリリースし、この3月、高校を卒業した。人生の岐路に立ったタイミングで、改めて、自身のこれまでとこれからについて聞いた。

崎山蒼志が音楽に出会いギターを始めたのは幼少期のころだと言う。

「4歳のときにお母さんが好きだったthe GazettEを聴いたのがきっかけです。the GazettEのミュージックビデオ(以下、MV)を見てギターをやりたいと思って。たまたまおばあちゃんの家の近くにギター教室があって生徒を募集していたので、そこで習い始めました」

子供のころから、音楽好きだった両親の影響でたくさんの音楽を聴いてきた。

「幼いころはPlastic Treeとか、ビジュアル系のバンドをよく聴いていました。あとはお父さんの車で聴いていたリンキン・パークとかも好きでした。そこから小学校4、5年生でSEKAI NO OWARIとかクリープハイプとかに出会って。父親の影響で9mm Parabellum Bulletも聴いていました。その後にきのこ帝国にハマって、そこからNUMBER GIRLとかゆらゆら帝国を聴くようになって。そうやって、時代を遡って音楽を掘っていくようになったのが中学1年のころでした」

小学校6年生のときに、同じギター教室に通っていた1学年上の仲間とバンド「KIDS A」を結成。中学1年生で10代限定の参加型オーディション『未確認フェスティバル』に出場し、3次審査まで進む。そのころからミュージシャンの道を志すようになった。憧れの対象だった日本のロックバンドだけでなく、海外のインディーポップやオルタナティブミュージックなど、好きな音楽の幅はどんどん広がっていった。

「中学2年生のときにアンディ・シャウフのMVをYouTubeで見て、そのあたりから洋楽も聴くようになりました。レディオヘッドも大好きになったし、あとはキング・クルールも好きになったし、最近はタイラー・ザ・クリエイターのようなオルタナティブなヒップホップも聴くようになりました。あとは、SoundCloudで長谷川白紙さんを知ったのも中学2年生の秋くらいですね。betcover‼のヤナセジロウさんがTwitterで紹介していたのをきっかけに聴いて『とんでもない人がいる!』と衝撃を受けて。そこからずっと大好きで聴いています」

自分の音楽を広く知ってもらいたい

『日村がゆく』への出演がSNSで瞬く間に話題となり、言わば世の中に“発見”された崎山蒼志。とは言っても、当時の彼自身もインターネットを通じていろんな音楽の“発見”を繰り返していたわけである。「もし番組でフィーチャーされなかったら、どういう中高生の時間を過ごしていましたか?」と問うと、「どうだろう……」としばらく考えたのち、「大きく変わっていなかったと思います」と答えた。

「たぶんたくさん音楽を聴くということは変わっていないし、やっていることにしても、きっと近しい部分はあると思います。ただ、もっとコアな音楽をネットにあげていたかもしれないですね。ノイズミュージックとかも好きですし、そういうのを自分で作るときもあります。やっぱり自分の音楽を広く知ってもらいたいという気持ちはあったので、今の自分が作れる曲、できる曲をネットにあげながら、勉強に励んでいたんじゃないかと思います」

2018年、高校1年生になった崎山を巡る状況は大きく動いていった。7月18日には「夏至」と「五月雨」を配信リリース。『SUMMER SONIC』など数々のフェスにも出演し、12月5日にはインディーレーベルからの1stアルバム『いつかみた国』をリリース。地元・浜松を皮切りに全国を巡る単独ツアーも行なわれた。

「夏至」MV

「五月雨」MV

「ライブにもお客さんが来るようになって、『マジで来てくれるんだ』って思いました。サマソニとか、いろんなフェスに出ることもできたし。最初はワケがわからなかったです。ありがたいことだと思います。そこから、自分のやりたいことをめちゃめちゃやってきましたけど、前よりはもう少し恣意的というか、『聴いてもらえるように』ということを考えるようになったかもしれないです」

ミュージシャン同士の横のつながり

2019年10月30日にはインディーズ2ndアルバム『並む踊り』がリリースされた。収録された「潜水 (with 君島大空)」「むげん・ (with 諭吉佳作/men)」「感丘 (with 長谷川白紙)」という3曲では、新進気鋭のアーティストとのコラボレーションが実現。全国ツアーではそれぞれとの共演でステージにも立った。強烈な個性を持つミュージシャン同士の横のつながりが育ってきた。

『並む踊り』(2019年)

「まず、本当にすごい方々だと思って、一緒にできたらなと思っていたんです。僕はもともと皆さんのことを知っていたんですけれど、君島さんや長谷川さんが僕の曲をSNSで紹介してくださっていて、『聴いてくれてるんだ』って。このときを逃したらきっとできなくなっちゃうと思って、お声がけさせていただきました。やれて良かったです」

諭吉佳作/menは崎山と同世代で、ともに静岡県出身。君島大空、長谷川白紙とはネットを通じて知り合ったという。それぞれ、共通する感覚や気が合うポイントはどんなところにあったのだろうか。

「諭吉さんは会うと結構しゃべるし、同世代なんで、空気感が共通するところはあるかもしれないですね。歌詞にも近いものを感じるところはあります。聴いている音楽や通ってきた音楽にも近い部分があって、Yogee New WavesとかD.A.N.とかの話を最初にしたのを覚えています。君島さんは、グッとくるポイントが似ていたり、感覚が近いようなところがある気がします。あの日、あのときの光を音楽に集中させるというか、そういうマインドが近い部分があるというか。長谷川さんはとにかくファンです。リスナーとして、こんな人がいてうれしいなという感じです」

2020年10月にはメジャーデビューが発表され、まずは自身の過去の楽曲をバンドアレンジで音源化した「再定義」シリーズとして、「Samidare」「Heaven」「Undulation」の3曲が先行配信リリースされた。共同でアレンジを手掛けたのは宗本康兵(「Samidare」)、江口亮(「Heaven」)、田中ユウスケ・立崎優介(「Undulation」)と、数々のヒット曲を手掛けてきたサウンドプロデューサーたちだ。

「『Samidare』の元曲の『五月雨』だけじゃなく、もともと『Heaven』や『Undulation』もYouTubeに弾き語り映像が上がっていて、ファンの方も知ってくれている曲で。音源化してほしいという声もあったし、自分としてもそういう気持ちはあったんです。でも、自分としては拙さを感じる部分というか、中学2年生のときにしか歌えないものがあったと思うので、人と一緒なら良いんじゃないかという気持ちがありました。それでアレンジャーの方と一緒にあの3曲をやって、それを経てのアルバムでした」

「Samidare」 MV

「Heaven」 MV

「Undulation」MV

 
後編へつづく

文・取材:柴 那典

最新情報

ニューシングル「逆行」
3月31日配信リリース

 
Amazon Prime Videoドラマ『賭ケグルイ双』主題歌
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