集団から個人へ。それぞれの道を行く東京パフォーマンスドール6人のこれから【前編】
2021.09.28
気鋭のアーティストの実像に迫る連載企画「Artist Profile」。
『クイズ!ヘキサゴン』でブレイクし、その番組から派生したグループ、羞恥心の一員として音楽活動に足を踏み入れたのが2008年。その翌年、“遊助”名義でのソロデビュー作から自ら作詞を手掛け、それまでの印象とは一線を画すアーティスト性を存分に見せつけた。音楽、芝居、バラエティの各分野で才能を発揮し、現在も輝きつづける遊助/上地雄輔の原動力と本能とは。
後編では、アーティストの遊助と俳優・タレントの上地雄輔との関係性や、今思う、これからの在り方について聞いていく。
遊助(上地雄輔)
Yusuke(Kamiji Yusuke)
1979年4月18日生まれ。神奈川県出身。俳優、タレントとして活動するなか、2009年3月11日、“遊助”としてシングル「ひまわり」でメジャーデビュー。同年、『NHK紅白歌合戦』に初出場を果たす。これまでにシングル30枚、アルバム10枚をリリースしている。7月1日より、全国ライブツアー『遊助 TOUR 2021』がスタートする。
俳優であり、バラエティ番組にも出演している上地雄輔に対する世の中の人が抱いているイメージは、アーティスト・遊助に影響を与えているのだろうか。そして、そのバランスを彼はどのようにとっているのだろう。
「上地雄輔と遊助は同じひとりの人間だから、遊助の曲を聴いてくれる人とテレビで上地雄輔を見てる人は同じ目線で見てると思う。上地雄輔をテレビで見て、そこから遊助を知ってくれた人もいっぱいいるし。でも例えば、上地雄輔がプライベートでは結婚して子どももいることをみんな知っているとしても、遊助の曲を聴く人には、それぞれの恋人や大切な家族を思い浮かべてほしいし、自分の曲にしてもらいたい。だから、そういう余白みたいなものを作るときに“上地雄輔”って存在がめちゃくちゃ邪魔になることもあって。
自分の人生をどこまで書くのかっていうさじ加減が難しいんですよね。
そのいっぽうで、遊助は上地雄輔の人生や歴史を使って遊べるというか。今、上地雄輔はこういう役をドラマで演じてるから、その役のイメージだったら歌詞でこういうことを言っても良いかなとか、この年齢ならではの言えることがあるなとか。そうやって常に幽体離脱しているみたいな感じで見てるかな。
今、12年経ってみて思うのは、音楽活動をするときの名前を“遊助”にして本当に良かった。自分で決めたことだけど、名前を変えるだけで気持ちも変わるんだなって、今さらながら思ってる」
現在42歳。40代に突入したことも、遊助としての音楽活動をこれからもつづけていくことに決めたひとつの要因になったのだと言う。確かに日本人の平均寿命を考えると、ちょうど折り返し地点。これから先の人生をどう生きていくかを自分に問う年齢かもしれない。
「自分で言うのもなんだけど、俺、20代、30代でやり残したことがひとつもないんですよ。出たい番組にも全部出られたし。でも、まだ“遊助”がやれることがあると思えたのは、今、“ドンピシャ遊助世代”が出てきたから。ほんの5、6年前までは、『“ヘキサゴン”見てました』『羞恥心めちゃくちゃ聴いてました』って言われることが多かったんだけど、今は、『遊助をずっと聴いてました』『ライブに行きました』っていう20代後半くらいのスタッフやディレクターが、どの番組にもたくさんいる。自分を目標にしてくれてる人もいる。
そういう若い世代の人たちが新しい時代を築き上げようとしている今、その子たちともう1回ウェーブに乗りたいと思った。40代になるってそういうことなんだろうなって。サーフィンで例えると、ボードの上で波が来るのをただボーっと待ってるだけじゃ、いざ波が来たときに乗れない。40代を楽しむためにも、ゆっくりでも良いからパドリングをしてないと、みんなと一緒に波に乗れない。
苦しいことや頑張らなきゃいけないことが若いころより増えてるかもしれないけど、基本的に人間ができることは限られていると俺は思うから、楽しい時間を思いっきり楽しむためにも、そのぶん頑張らなきゃいけないって思ってる」
上地雄輔としては、最近では情報番組のコメンテーターを務め、ますます活動の幅を広げている。世界情勢や社会問題など、多岐に渡るニュースに対してコメントする姿を見て、こんなことも知ってるの!? と驚いた人も多いだろう。
「上地雄輔に何かしらのイメージを持っている人が番組を見たときに、何を知ってたら面白いんだろうなって考えるのが好き。自分をどこにアジャストするのか探っていくのが楽しいんだよね。ちょっとでも疑問に思ったことがあったらネットで調べてみるし、このテーマだったら聞かれることがあるかもしれないなってことを予備知識として仕入れたりもする。
家にいても情報収集を怠らないから、ただボーっとしている時間なんてないもん。端から見ればただスマホやテレビを見てるだけじゃん! って思うかもしれないけど(笑)。自分が情報番組で話したことでみんなが盛り上がってくれたり、今日は楽しかったって満足してくれたり、視聴者からの反応が良かったりすると、『こんな俺でも役に立てて良かった~』って」
人懐っこい。笑顔が素敵。子どもみたいな純粋さを持ちつづけている。何事にも一生懸命。遊助/上地雄輔がたくさんの人に愛されつづけている理由はいくつもあるだろう。本人に「自分の武器はなんだと思いますか?」と聞くと、「自分が思っている武器と、みんなが思っている武器は絶対に違うと思っていて。みんなの思っている武器のほうが、たぶん合ってるんじゃないかな」と言った。確かに自分のことは自分がいちばん知らないのかもしれない。
「人前に出る仕事を、自分じゃ天職だって思ったことがないけれど、周りからは絶対に天職だって言われる(笑)。そう言われてみて、そうか自分の得意なことは自分以外の人が知っているんだなって思った。そうだなぁ。人から言われたことも含めると、自分の武器は“人たらし”かな。それは間違いない(笑)。
子供のころからそうだし、野球部のころも芸能界に入ったときも、そして今も、“人たらしの物語”がまだつづいてる。俺、人が好きなんですよ。それも人に言われて気づいたことだった。自分は当たり前のことだと思ってたけど、周りからはそう見えるんだなって。そう見えるってことは、自分の武器なんですよ、きっと」
7月からはライブツアー『遊助 TOUR 2021』がスタートする。一度は音楽活動に終止符を打つことも考えた遊助を思いとどまらせたのは、音楽を通して会える人たちがいるから。ライブも、大切な出会いの場のひとつだ。
「ライブに行きたいけど今は出かけられないっていう人がたくさんいることも、しっかり胸に刻んでる。会場まで足を運んでくれる人たちに対しては、俺も楽しみたいから、みんなに楽しんでほしいです。みんなを楽しませないと俺が楽しくないんだもん(笑)。
音楽をやってるからこうしてライブで直接会えるんだし、会うことに意味がある。このライブを思い出の1ページに使ってくれるんだから、絶対に楽しい思い出にしてもらいたい。そこに妥協はないです。これは俺の使命かな、とも思う。好きな人を笑わせたり、楽しくさせたいというのは自分の本能。どうも俺の遺伝子のなかに組み込まれているみたい(笑)」
インタビューの最後に、彼にこう伝えた。こんな世の中になっちゃったけど、遊助が笑顔でいてくれたらなんだか安心するし、まだこの世の中も捨てたもんじゃないなって思えるんですよね、と。すると彼は「じゃあそんな人になろうかな」と無邪気な笑顔を見せた。やっぱり彼の最高で最強の武器は“人たらし”だ。
文・取材:松浦靖恵
遊助公式サイト
https://www.yuusuke.jp/
遊助Twitter @KamijiUsuke
https://twitter.com/KamijiUsuke
遊助Instagram @usk_kmj
https://www.instagram.com/usk_kmj/?hl=ja
遊助オフィシャルLINE @kamijiyusuke
https://page.line.me/449wgpbh
遊助オフィシャル TikTok @usk0418
https://www.tiktok.com/@usk0418?
遊助オフィシャルYouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/yuusukeSMEJ
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