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連載Cocotame Series

アーティスト・プロファイル

集団から個人へ。それぞれの道を行く東京パフォーマンスドール6人のこれから【前編】

2021.09.28

気鋭のアーティストの実像に迫る連載企画「Artist Profile」。

2021年9月26日に、東京・Zepp Tokyoでのライブ“東京パフォーマンスドール DANCE SUMMIT The Final”を行ない、9月30日をもって惜しまれながらも活動を休止する6人組ガールズグループ、東京パフォーマンスドール(以下、TPD)。唯一無二の存在感とハイレベルな歌とダンスで人々を魅了してきた6人。約8年間のTPDの活動のなかで、パフォーマーとしても人間としても成長を遂げ、さらなる飛躍を目指す彼女たちの率直な心境とこれからを、高嶋菜七、上西星来、櫻井紗季、浜崎香帆、脇あかり、橘二葉が語る。

前編では、8年間の活動と、次々と思い起こされる仲間たちとの楽しい思い出を振り返る。

東京パフォーマンスドール Tokyo Performance Doll

(写真左から)浜崎香帆、橘二葉、上西星来、脇あかり、櫻井紗季、高嶋菜七。篠原涼子らが在籍した先代東京パフォーマンスドールの活動終了から17年後の2013年に結成。2014年6月11日、シングル「BRAND NEW STORY」でCDデビュー。2021年9月30日をもって活動を休止する。

「みんなはどうしたい?」スタッフが私たちに判断を委ねてくださった

2021年9月26日“東京パフォーマンスドール DANCE SUMMIT The Final”より。

木原さとみをリーダーとして、篠原涼子、市井由理(EAST END×YURI)、穴井夕子らを輩出し、クオリティの高い歌とダンスで1990年代に一世を風靡した伝説のガールズグループ・東京パフォーマンスドール。約17年の時を経て、初代TPDのDNAを受け継いだ新生TPDが復活したのは、2013年6月19日のことだった。

大規模なオーディションにより、全国8,800人のなかから選ばれた新メンバーでスタートした新生TPD。メジャーデビュー以前から、今夏の東京2020パラリンピック開会式のディレクターを務めたウォーリー木下氏演出による演劇とライブを融合した新基軸の舞台『PLAY×LIVE 「1×0」』で研鑽を積み、2014年6月にはTVアニメ『金田一少年の事件簿R』オープニングテーマとなったシングル「BRAND NEW STORY」で、エピックレコードジャパンよりCDデビューした。本格派の歌、ダンス、そして演劇にもフィールドを広げた唯一無二のパフォーマンス力を発揮しながら、先代TPDから受け継いだすべての楽曲をノンストップの歌とダンスで届けるライブシリーズ“DANCE SUMMIT”を筆頭に、ほかにはない新しいガールズグループの在り方を提示しながら、注目度を高めてきた。

そんななか、初代TPD誕生から30年以上の道のりを経た2021年5月、TPDは9月26日の“東京パフォーマンスドール DANCE SUMMIT The Final”をラストに、2021年9月いっぱいでの無期限活動休止を発表した。

TPDが活動休止を決めたのは、今年1月。メンバー6人とスタッフとの会議の席でのことだったという。

高嶋「私たちはデビュー前からずっと、ファンの皆さんと直接交流を深めるライブを中心に活動してきたんですけど、去年からつづくコロナ禍では、なかなか思うように活動ができない状況で。2018年に3人のメンバーが卒業して6人体制になってからはそれぞれのソロ活動も増えていましたが、こういう先の見えない状況で、グループとして東京パフォーマンスドールをつづけていくのが良いのか、それとも、一人ひとりがそれぞれの未来に進むのが良いのか。『みんなはどうしたい?』と、スタッフが私たちに判断を委ねてくださったんです」

結成時より、苦楽をともにしてきた6人――リーダー・高嶋菜七、上西星来、櫻井紗季、浜崎香帆、脇あかり、橘二葉は、メンバー同士の話し合いのなかで、ひとつの大きな決断を下した。

浜崎「この6人は、ライブをするだけじゃなく、来てくれた皆さんとの握手会や撮影会など、直接応援してくれるファンの方と面と向かってお話をしながら、TPDを作ってきたんです。その機会がコロナ禍でなくなってしまったのを、とても寂しく思っていたところでした。最近はオンラインで交流ができたり、SNSで応援のコメントをいただいたり、ファンの方の存在が本当にありがたいなと、改めて感謝の気持ちを感じていたんですけど……」

高嶋「こういう状況で、今まで通りのグループ活動をつづけていくのは、やっぱり難しい。だからいったん、休止にしようとメンバーみんなの意見が一致したんです。この8年間、本当に無我夢中で頑張ってきたからこそ、今が良いタイミングだねって。だからこの答えは、本当にみんなで話し合った結果です。嘘偽りない想いです」

2021年9月26日“東京パフォーマンスドール DANCE SUMMIT The Final”より。

ファンに向けた歌が、今回は自分たちへのメッセージに

2021年9月26日“東京パフォーマンスドール DANCE SUMMIT The Final”より。

そんな決断をした1月、そして活動休止を発表した5月から現在まで、6人はどのような気持ちでいたのだろうか。そこには複雑な想いがあったという。

上西「覚悟を決めていたはずだったんですけど……最後の“DANCE SUMMIT The Final”ライブが近づくにつれて、寂しい気持ちのほうが勝っていきました。特にリハーサルが始まってからは、自分たちの曲を聴くだけでも泣きそうになってしまって。活動休止のことを考えたくない気持ちが強くなっていったのは確かです」

浜崎「私もライブの準備が始まってからは、とにかく寂しい気持ちが強くなっていきました。今まであたり前のように過ごしてきた8年間が今月で終わっちゃうんだと思うと、すごく寂しくて。なるべく終わりを考えないようにしていたんですけど、リハーサルをしていると『これ、初めて踊った曲だったな』とかいろいろ思い出しちゃって。いつもライブは楽しみだったんですけど、これが最後だと思うととても複雑な気持ちでした」

「やっぱり『もう最後なんだな』『最後のライブに向けて走っているんだな』という気持ちからは、どうしても離れられなくて。ファイナルライブのリハーサルをやっていても、今までは『ファンの皆さんの力になれる歌詞を届けるんだ!』と思って歌っていたんですけど、今回は、自分たちへのメッセージだなと強く感じて。まるで自分に向けて歌っているような気持ちで、リハーサルをしてました」

2021年9月26日“東京パフォーマンスドール DANCE SUMMIT The Final”より。

そんな寂しさとともに、TPDとして8年間で培ったパフォーマンスグループとしての矜持は、6人の最後のライブになるであろう“DANCE SUMMIT The Final”をしっかりとやり遂げなければならない! というモチベーションにも繋がっていた。

「活動休止を決めてからは、本当に1日1日が早く過ぎていった気がします。夏になってからは、“DANCE SUMMIT The Final”まであと1カ月あるかないかだと思うと、正直、ちょっと実感が湧かなくて。リハーサルが始まり、ライブのセットリストを見て『この曲を歌うのはもう最後なんだ』と思って寂しい気持ちにもなったし、改めて歌詞を噛みしめたりしていました」

櫻井「ライブ当日までは、正直実感がなかったですね。“DANCE SUMMIT The Final”は、久しぶりにウォーリー木下さんがガッツリと演出をつけてくださったので、覚えることも本当に多くて。寂しいとか悲しいとかいうよりも、気持ちは『やばい、時間ない! ちゃんと間に合うかな?』という焦りのほうが強かったというのが本音かもしれないです(笑)」

高嶋「みんな感じ方はそれぞれですけど、やっぱり想いは複雑で。寂しさと、久しぶりに有観客でライブができる楽しみというのが混ざり合っていましたね。最後のライブなので、ウォーリーさんやスタッフに、階段のついたステージが欲しいとか、演出面で私たちの意見もすごく採り入れていただいたので、楽しみな気持ちはもちろん大きかった。でも同時に、もうTPDとしてメンバーと一緒にステージに立つことはないんだなという気持ちも、だんだん膨らんでいって……。やっぱり楽しさより、寂しさのほうが強くなっていったのは確かです」

2021年9月26日“東京パフォーマンスドール DANCE SUMMIT The Final”より。

この 8年間は、早かったようでもあるし、長かったようでもあるし……

2021年9月26日“東京パフォーマンスドール DANCE SUMMIT The Final”より。

2013年、新生TPDとしてステージデビューしたときの彼女たちは、最年長の上西、高嶋が17歳、最年少の橘はわずか14歳。しかも現在のメンバー6人全員が地方出身で、親元を離れて初めての東京生活での暮らしに戸惑いを感じながら、芸能活動と学業を両立させる苦労もあった。それぞれが、歌手、モデル、女優になりたいという大きな夢を持ちながら、毎日のように厳しいレッスンに明け暮れ、励まし合いながら、多感な時期をともに過ごした。

上西「私がこの8年間で一番印象に残っているのは、まだ10代だった2014年の6月。デビューシングル『BRAND NEW STORY』のリリースイベントをした、池袋のサンシャイン噴水広場です。結成から1年後だったんですけど、それまで本当にCDデビューできるかどうかもわからなくて、ものすごく不安でした。そこで初めてファンの皆さんにCDデビューをお祝いしてもらって……。すごく思い出に残ってます」

2021年9月26日“東京パフォーマンスドール DANCE SUMMIT The Final”より。

TPDのメンバーは、不安や戸惑いを共有し、お互いの長所も欠点も知り尽くした親友であり、家族のように固い絆で結ばれた同志だ。8年間の活動のなかで一番印象に残った出来事を話してもらうと、仕事でのエピソードもさることながら、ともに青春時代を過ごしたことを実感させるプライベートな思い出も次々に口をつく。

「私の一番の思い出は、メンバーみんなで台湾、香港やサンフランシスコなどでの海外フェスに出演できたことです。仕事でもプライベートでも海外は初めてだったから、すごく楽しくてワクワクしました。特に“J-POP SUMMIT2016”に出演したときのサンフランシスコでは、いさきちゃん(櫻井紗季)とホテルの部屋が同じで、曲を流しながらベッドの上ではしゃいでたら、隣の部屋の外国人の方に怒られてしまいました(笑)」

高嶋「思い出は本当にたくさんありすぎるんですけど、今思い出したのは2017年の“ダンスサミット〝DREAM CRUSADERS〟”東名阪ツアーで、名古屋、大阪に初めて車で移動したときのことですね。毎回、サービスエリアに止まるのがすごく楽しかった、9人時代の思い出です」

櫻井「私の思い出も、みんなで旅をしたことですね。2019年にリリースした『SUPER DUPER』のミュージックビデオを沖縄で撮影したんですけど、(橘)二葉が言ったように、10代はイベントライブで海外に行ってはしゃいだり、リリースイベントで全国を回ったりしてましたけど、みんなが20歳を超えた大人になってから、ちゃんと遠出したのはこの沖縄が久しぶりで。あいにく天気はあまり良くなかったんですけど、すごく楽しかったです」

「私も地方の思い出なんですけど……私の地元、大分県の別府市で、冬の大きなイベントがあって。その“べっぷクリスマスファンタジア2018”に、TPDとして出演させてもらったことが、とても心に残っています。まだ地元にいたときに、チアガールとしてステージに上がったことがある思い出のイベントだったので、TPDのみんなで立てたことが、ものすごくうれしかったです」

2021年9月26日“東京パフォーマンスドール DANCE SUMMIT The Final”より。

2021年9月26日“東京パフォーマンスドール DANCE SUMMIT The Final”より。

仕事を離れた友人同士としての思い出も、彼女たちの宝物だ。

浜崎「TPDの一番の思い出って何かな? って、みんなが話している間ずっと悩んでたんですけど……2014年の暮れに、みんなで始発電車に乗って行った東京ディズニーランドですね。結成してすぐに舞台『PLAY×LIVE 「1×0」』がずっとつづいて、CDデビューしてからは『DANCE SUMMIT “1×0”』ライブが始まって……と、みんな学校に通いながらほぼ休みなく過ごした1年間でした。その年末に丸1日休みをいただいて、朝から夜まで遊びました。たしか、何かのゲームをしたら(上西)星来ちゃんが負けて、人がたくさんいるなかで『ダイヤモンドは傷つかない』を踊る罰ゲームをやったんですよ(笑)。めちゃめちゃ楽しくて、今でも記憶に残ってますね」

誰かが過去のエピソードを語ると、全員が口々に“あぁ! そういえばこんなことも、あんなことも!”と記憶を蘇らせ、誰かの失敗談を思い出しては笑いが起きる。

「この 8年間は……なんかもう、いろんなことがありすぎて。早かったようでもあるし、長かったようでもあるし……。こうして全員が揃ったインタビューで今までを振り返りながらみんなと話をしていると、本当にめちゃくちゃいろんなことがあったなぁと思うんです。ひと言では言い表わせないほど、たくさんの経験をさせていただいたんだなと、今さらですけど思います」

 
後編へつづく

文・取材:阿部美香
ライブ写真:Jumpei Yamada

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