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Eyes on

松浦航大:ものまねするほどの“好き”を突き詰めた先でつかんだ“オリジナリティ”

2021.06.24

今、注目すべき旬のアーティストにスポットを当て、最新インタビューとプライベートショットで素顔に迫る連載「Eyes on」。

第16回は、YouTubeで公開した平井堅、米津玄師といった有名アーティストのものまね動画で注目され、今では歌手、YouTuberとして揺るぎない地位を築いている松浦航大。
このほど、自ら作詞作曲を手掛けたデジタルシングル「オリジナリティ」で、ひとりのアーティストとしてソロデビューを果たした。そんな松浦航大にとっての“歌”とは。幼少期から現在までを振り返りながら、その胸の内を聞く。

  • 松浦航大

    Matsuura Kodai

    1993年10月22日生まれ。北海道出身。身長184㎝。自身のYouTubeチャンネルで人気アーティストのうたまね動画などを公開し、100万回再生以上の動画が30本以上、登録者数は64万人を超える。6月23日、デジタルシングル「オリジナリティ」でソロデビューを果たす。The Social Creators Label Be所属。

歌うこと、音楽で注目されるのが好きな目立ちたがり屋

「ミュージックビデオの撮影で、ホールで熱唱してます。すごい気持ち良かったですね」

――松浦航大さんは“変幻自在の七色ボイス”の持ち主で『THEカラオケ★バトル』で3度優勝を果たすなど、高い歌唱力に定評があります。歌は子どものころから好きでした?

そうですね、幼稚園のころから暇さえあればよく歌っている子でしたね。中学校では昼休みの校内放送でいろいろな曲がかかってたんですけど、それに合わせてKAT-TUNの「Real Face」とかを教室で大声で歌ったり。家ではずっとシャワーを浴びながら大声で歌う生活をしていたので、1歳下と7歳下の弟に当時のことを聞いたら、「うるさくて迷惑だった」って言うと思います(笑)。

歌うのも好きだったし、音楽で注目されるのが好きで、目立ちたがり屋な子ではありました(笑)。本格的に音楽に興味を持ったのも中学時代から。ゆずファンの友達がギターを弾いているのがカッコ良くて! 僕も「栄光の架橋」を弾き語りしたくて、アコースティックギターを友達から教えてもらってました。

――ほかにも当時好きだった音楽はありますか?

ヒップホップグループのSOUL'd OUTですね。メンバーのBro.Hiというヒューマンビートボックス担当の方がカッコ良くて。まだ周りの子がやってないことをやったら目立てるかなと思って、中学からボイスパーカッションを始めたんです。今は、アカペラ動画でも知られている“よかろうもん”のメンバーで、ヒューマンビートボクサーのDaichiくんが当時YouTubeに上げていた動画とかを見ながら練習をしてました。

――今はご自身も音楽系YouTuberとして活動していますが、当時からYouTubeには親しんでいました?

そうですね、まだ今のようなYouTuberと呼ばれる人がいなかったころから見てますね。でも見るのはビートボックスのうまい人とか、弾き語りの人とか、めちゃめちゃ高い声が出る人とか音楽系の動画ばかり。とにかく歌がうまくなりたかった。歌唱力があるってどういうことかを知りたくて母に聞いてみたら、声が通る人のことだろうと言われて、そういう人の動画を探して勉強したり。そういうなかで出会っていったのが、平井堅さんや安全地帯の玉置浩二さんだったりします。

――音楽に対するモチベーションがかなり高かったんですね。

高校に入ると、さらにでした。僕、中学3年間は野球部で、高校でも1年間だけ野球をやっていたんですけど……野球している時間よりも、心から楽しんで歌っている時間のほうが大切になってしまい、部活を辞めたんです。そしてアルバイトを週5で始め、稼いだバイト代で1年間、札幌のボイストレーニング教室に通いました。週に2回はカラオケに行き、それ以外の空いている時間は、自宅のパソコンでYouTubeを流しながらずっと歌っていて……本当に学校とバイト以外の時間は、歌ばかり歌っていました。

――何が松浦さんをそこまで駆り立てていたと思います?

うーん……単純に、好きなだけだと思います、歌が。生まれ持ったものかもしれないけど、とにかく音楽に触れるのが大好きだし、歌を褒められると、すごくうれしかったんですね。そういう承認欲求的な部分もあったのかな。あとは……今、振り返って思うことなんですけど、僕は自分を成長させることが好きなんだと思います。歌がうまくなっていく自分が楽しい。

意識してやっているわけじゃないんですけど、今足りないと思うものを追い求めていくことが、一番ワクワクするんです。弾き語りを始めたころ、高い声が出なくてゆずの曲がうまく歌えないから、高い声が出るようにめちゃ練習したり。そう言えば、野球を始めたときも、きっかけはゲームに出てきた変化球を自分でも投げてみたかったからでした(笑)。

――やりたいこと、興味を持ったことをストイックに突き詰めてしまう?

そうだと思います。けっこう論理的に、できるまで突き進みたくなっちゃうタイプですね。

「こちらは、観客席で思い悩んでるシーンですね。実際は、『俺、ちゃんと真剣な顔できてるかな?』と表情を気にしてました」

上京してプロを目指すもうまくいかず、「もう札幌に帰るよ」

「これは歌詞を書いてるシーンです。サブリミナル効果を狙って、“バズれ”って書いてます(笑)」

――そこまで歌に入れ込んでいた高校時代は、人前で歌ったりもしてました?

学園祭でバンドを組んで、ギター&ボーカルを一度やったくらいですね。UVERworldとスピッツとMONGOL800の曲をやりました。本当は『青春アカペラ甲子園! 全国ハモネプリーグ』に出たくて、高校でもメンバーを集めてみたことがあるんですけど……僕だけやる気がありすぎて、誰もついてこれなくてグループを組むまでには至らなかったんです(苦笑)。だから、これはもう自分ひとりで歌いつづけるしかないなと、ますます歌の練習に励みました。

――そのころから、歌でプロになろうと考えていましたか。

高3の受験シーズンくらいから、本気で考え始めましたね。誰よりも歌に懸けている自信があったし、こんなに歌が好きでやめられないのなら、上京してプロを目指しても良いんじゃないか? と思ったんです。最初はただ東京に行くことだけを考えていたんですけど、親が上京するなら大学か専門学校には入ってほしいと言うので、EXILEのATSUSHIさんはじめプロで活躍している卒業生がたくさんいる、ESPミュージカルアカデミー(現・ESPエンターテインメント東京)のミュージシャン科ヴォーカルコースで2年間勉強して、2014年に卒業しました。でも、専門学校を出たからといって、歌の仕事があるわけでもなく……。

――どうしていたんですか?

本当にうまくいかなさすぎてヤバかったです。バンドも組もうとしたし、アコースティックグループも組んだりしたし、YouTubeで歌を配信したりしたけど、どれもダメで。全然うまくいかなかったですね。ライブハウスに出ようと思っても、ノルマが課せられるので、それを払うだけでも大変で。アルバイトも長つづきしないので、どんどんお金もなくなるし……。親にも実家に帰って来いと言われて、僕も負の連鎖に耐えられなくて「もう札幌に帰るよ」と一度は決断するところまでいったんです。

――でも帰らなかった。

そうですね。そんなどん底の時期に、『ハモネプ』優勝者で同じ札幌出身のアカペラグループ、JARNZΩのライブを東京で観る機会があったんです。僕は札幌にいたころから、JARNZΩのファンでした。

――『ハモネプ』に出たかった松浦さんにとっては、憧れの同郷の先輩ですね。

はい。そのステージを観たときに「あぁ、俺の憧れていたグループが札幌から上京して、ここで頑張ってるんだ、やっぱりすごい」と感動したんです。その瞬間、自分の初心……高校生のころのキラキラしていた気持ちをすごく思い出して、「俺、ここで脱落しちゃダメだ!」と思いました。自分はやっぱり表に立つ人間でありたいって。そこからですね、一念発起してまた必死に頑張ろうと心に決めました。

――その一念発起が、2017年に結成された3人組音楽ボーカルユニット、aoiroに繋がったのでしょうか。

そうですね。オリジナル曲をインディーズでリリースしながら地道に路上ライブから始めて、100人、200人と応援してくれる人が増えていったんです。といっても、まだまだお金にはならなくて。一時は電気もガスも水道も止められて、パソコンやスマホが充電できなくなったり、ネットカフェにシャワーを浴びに行ったりと、貧乏生活のほうはつづいてました(苦笑)。

「いつもは歌詞はパソコンで打ってますが、演出上の手書きです」

SNSのすごさを実感した「ひまわりの約束」ドリームチーム動画

「このシーンは、都内のハウススタジオで撮影しました。ホールで歌ってるシーンとは髪型を変えて、オフ感を出してます」

――グループ活動の傍らで、松浦さんの名前が有名になったのが、2018年の12月。「ひまわりの約束」(秦基博)を、有名アーティスト6人のものまねでアカペラで歌う動画をTwitterにアップし、一躍話題になりました。

最初はTwitterでずっと動画投稿してたんです。平井堅さんのものまねでほかの方の歌を歌う動画も、いわゆる“歌ってみた”動画も。それで僕の歌を知ってくれた方も増えてはいったんですが、やっぱりバズる動画が欲しかった。そこで2018年9月に、ひとりで“DA PUMP の 「U.S.A.」を平井堅の声だけでうたってみた”という動画をアップしたら、3カ月ほどで1万いいねがつきました。でもまだ自分が求めているほどのバズじゃなかった。もっとバズるにはどうしたらいいんだろう? と、高校時代に『ハモネプ』を好きだった気持ちを思い出して、“自分が思うドリームチームを作ってみたらどうなるか”を「ひまわりの約束」で再現してみたんです。そうしたら、一瞬で25万いいねがついた。SNSのすごさを実感しました。

――ちなみに、ものまねは昔からやっていたんですか?

ライブのMCでさらっとやるくらいでしたね。表立って披露するのは、シンガーとしてはリスキーだなと思っていたので。でも動画がハネたことで、自分の武器はこれだったんだと思えるようになりました。ただ、一度のバズりでは意味がない。そこでTwitterだけでなく、チャンネルを作っただけでほとんど放置していたYouTubeにもものまね動画をアップすることで収益化を図り、生活費を歌で稼ぐことができるようになりました。僕のYouTuber人生もそこからスタートしました。

――「ひまわりの約束」動画が注目されたことで、翌年の2019年は初のテレビ出演も果たしました。

はい。最初は『アオハルTV』で、中島みゆきさんの「糸」でものまねメドレーをやったんです。そこから少しずつ、いろいろな番組に呼んでいただけるようになりました。

でも内心は葛藤もあって。やっぱり自分はアーティストなので、ものまねだけがクローズアップされて伝わってしまわないように……というのは、すごく気を使います。だから『THEカラオケ★バトル』で3回も優勝できたことは、自分にとってものすごく意味があって。自分のシンガーとしてのバックボーンを見てもらうことができて本当に良かったし、ものまねで注目してもらったからこそ与えられた場所。「これで俺、ものまねやってて良かった! と胸を張って言えるな」と思いました。

「ミュージックビデオの歌唱シーンは全部本気で歌ってます。今回、20回ぐらい歌いましたね。この曲はリアルに届けたい気持ちがありました」

ものまねをやってきた僕にしか伝えられないメッセージが絶対にある

――松浦さんは、今年5月でaoiroの活動を休止し、本格的にソロ活動をスタートさせました。作詞作曲したソロデビュー・シングル「オリジナリティ」がリリースされましたが、ものまねで有名になった松浦さんだからこそのメッセージが、このタイトルからも感じられます。

「オリジナリティ」ミュージックビデオ

ものまねをやってきた僕にしか伝えられないメッセージが絶対にある! と思って作った渾身の1曲です。みんなが知ってる、みんなが聴いているアーティストだって、やっぱり誰かの真似から始まったと思うし、なんならそれを聴いているみんなだって、日常生活では誰かの真似をして生きている。ヘアスタイル、ファッション……仕事も恋愛も。恋愛して好きになったらキスするとかいうことだって、誰かがやってきたことの真似じゃないですか。でも、それは決して悪いことじゃない。真似をするぐらいの好きや憧れを突き詰めることで掴める自分らしさは、絶対にあると思うんです。それはもう“オリジナリティ”と呼んで良い。そんなメッセージを込めました。

おそらく僕を応援してきてくれた皆さんのなかには、aoiroの活動休止に心を痛めた人もいると思います。同時に、進化を求めてソロ活動の一歩を踏み出した僕を応援してくれる人もいると思います。でも、ソロデビューしたからといって、ものまねを辞めることは絶対にしません。むしろ、僕のアーティスト活動で、ものまねに恩返しができたらと思います。

――6月8日にYouTubeチャンネルにアップされた“活動休止と今後について”の動画でも、これからのビジョンを熱く語られていましたね。

YouTubeチャンネル「松浦航大」

はい。僕の一番の目標は、ものまねのイメージを変えること。ものまねもやるアーティストとして『ミュージックステーション』にも出演したいし、国際フォーラムのような大きな会場でワンマンライブもしてみたい。そうすることで、「ものまねってカッコ良い!」「自分もやってみたい!」と思ってもらいたいんです。

だから将来的には、若手の育成もやっていきたいんですよね。今、TikTokやYouTubeには、若くて才能はあるのにSNSの上手な使い方がわからなくて、世に出てこられない人が多いんです。そういう人たちをサポートしたりして、新しいやり方で業界を盛り上げたい。そのためには僕自身が先陣を切って、夢や希望を与えられるビッグな存在になれるよう頑張りたいです。

――松浦航大のオリジナル楽曲では、どういうものを届けていきたいですか?

ありのままの自分に自信を持ってもらえる歌ですね。誰の真似をしても君は君。多様性を大切にすることをテーマに、楽曲を作っていきたいです。僕自身もありのままの姿を皆さんに見ていただきたいので、YouTubeでの活動も引きつづき大切にしていきます。そしていつか、例えば平井堅さんだったり、僕が歌でリスペクトさせていただいてきた方々と共演できたら……そんなうれしいことはないですね!

 
文・取材:阿部美香

最新情報

デジタルシングル「オリジナリティ」配信中

 
松浦航大自身が作詞作曲を手掛けた、ソロデビュー・シングル。
視聴・購入はこちら

関連サイト

松浦航大オフィシャルウェブサイト
https://matsuura-kodai.com/
 
YouTubeチャンネル「松浦航大」
https://www.youtube.com/channel/UCL-3q9TKxXvmlIntj4BQhwg
 
松浦航大Twitter
https://twitter.com/kodaibot
 
松浦航大Instagram
https://www.instagram.com/kodai_matsuura/
 
松浦航大TikTok
https://www.tiktok.com/@kodaimatsuura?

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