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連載Cocotame Series

Eyes on

Leola:デビュー5周年を経て、新たなスタートへ

2022.03.18

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今、注目すべき旬のアーティストにスポットを当て、最新インタビューとプライベートショットで素顔に迫る連載「Eyes on」。

第21回は、シンガーソングライターのLeolaが登場。YouTubeで公開しているキャンプ動画も好評な彼女が、地元・熊本県の『第38回全国都市緑化くまもとフェア くまもと花とみどりの博覧会 ~THE GREEN VISION 未来への伝言~』(以下、『くまもと花博』)のテーマソングをリリースする。この新曲の制作秘話のほか、昨年のデビュー5周年を経て、アーティストとしての在り方、表現することへの向き合い方の変化を語る。

  • Leola

    レオラ

    3月14日生まれ。熊本県出身。血液型A型。2016年4月27日、シングル「Rainbow」でデビュー。“レオラ”は、ハワイ語で“太陽の声”を意味する。3月19日に配信リリースされる新曲「GIFT」は、3月19日~5月22日に、“森と水の都くまもとで花と生きる幸せをつむごう”をテーマに、熊本県で開催される日本最大級の花と緑の祭典『くまもと花博』のテーマソングとなっている。

まだまだ自分が描いている夢には辿り着けてない

――少し前のことになりますが、改めて、2021年4月にデビュー5周年を迎えた際の心境から聞かせてください。

そのときはあっという間だったなと思ったけど、その間にいろんなことがあったし、今思うとすごく凝縮された5年間だったなと思いますね。多くの人と出会えたことに感謝していますし、それまでに経験したことのないことをたくさん経験させてもらうことができた。自分のなかでは、アーティスト活動のひとつ目の節目ではあるかなと思ったんですけど、まだまだ自分が描いている夢には辿り着けてないなという思いもあって。改めて、もっともっと頑張らなきゃいけないなと思いました。

――その辿り着けていない夢というのは?

私はライブがものすごく好きなので、もっとライブができてたら良かったなって思っています。コロナ前の全国ツアーで各地を回らせていただいたんですけど、まだ47都道府県全部には行けてないんです。あと、ずっと夢に描いているのが、野外でのワンマンライブ。自然のなかでライブをやりたいとずっと思っていて。デビュー当時は、自分の名前の由来(ハワイ語でLeoは声、laは太陽。太陽の歌声という意味)でもあるハワイでやってみたいと言ってたんですけど、それもまだ叶えられてないので、野外ライブは大きな目標ではありますね。

「秋の江の島です。空がすごくきれいで、このときは小さな虹も出ていました」

「ハロウィンに、友達とホームパーティをしたときの料理です。みんなでわいわい盛り付けをしたりして、楽しかった!」

――5周年を経て、音楽に対する向き合い方は何か変わりましたか?

より構えなくなったかもしれないです。今までは、“こうじゃなきゃいけない”とか、世の中的に求められているもののなかで答えを出さないといけないって、特にデビュー当時は思っていて。オリジナリティってなんだろうということをすごく考えた時期もありましたね。

でも今は、全員が良いと思わなくても、自分が歌いたいと思ったものを形にして、それをまず、身近な人が「良いね」って言ってくれたら良いのかなって思えるようになりました。失敗しても良いし、間違っても良いし、いびつでも良い。そこにちゃんと心があって、共有したいという気持ちがあれば、伝わる人には伝わるのかなって。もちろん、きちんとした形にしないといけないときはあると思うんですけど、そうじゃないときもたくさんあると思ってます。

――デビュー当時から変わってないところも多いですよね。

そうですね。向いている方向は変わってないですが、よりカッコつけなくなってきたと思います。デビュー当時に、“オーガニックな音楽”って言ってたのは、ちょっとカッコつけたオーガニックだった。それがスタイリッシュだって思ってたところがあったんです。でも、今はそうじゃなくて、同じ言葉でも、自然体という意味でのオーガニックに変わったかもしれないです。

――以前よりも肩の力が抜けたように感じます。何かきっかけがありましたか?

2017年に1stアルバムを出して、初ツアーを回って、うまくいってるようだったけど、そこからがつながらなくて。すごく苦しかったんですよ。元気はつらつなだけじゃダメだなと思ったりして。それと……全部にカッコ良く対応して、スマートにいるっていうのは、私には無理だって思ったことがありました。やっぱり、ちょっと頑張りすぎてたんでしょうね。で、若干、プチ爆発して(苦笑)。2019年のツアーのときに、初めて怒りというか、もどかしさを今のタイミングで見せたいと思ったんですね。

いつも、笑っていれば良いことがあるって思ってたけど、それだけじゃ片付けられないことってたくさんある。たぶん、みんなもそうだと思うんですよ。本当はポジティブにいたいけど、ポジティブではいられないことに出くわしたときに、音楽を聴くんだと思う。私自身もそうであるっていうことを認めてやってみようと思ったのが2019年。そこから、ガッと肩の荷が降りたというか。なるようになるでしょ! っていう本来の自分が出てきたのかなと思います。

「栃木県にある『昭和ふるさと村』です。廃校を利用して、グラウンドでキャンプできたり、いろんな文化を体験できる施設で、私はそば打ちに挑戦しました」

音楽のなかで表現したかった景色がそこにあった

――本来の自分を出すっていうことにつながるかもしれないですが、デビュー5周年記念プロジェクトのひとつとして、昨年の11月からYouTubeでキャンプ動画「Lala_Camp」を始めてますね。

コロナ禍でキャンプを始めた人も多いと思うんですけど、私もたまたまYouTubeで最近のキャンプの様子を知って、やってみたいなと思って。ほんとに皆さんと同じようなきっかけで始めたんですよ。もともと熊本県の田舎で育っているので、自分にとっては、自然のなかで無になる時間や、自然と一体となる時間が大事なんですよね。それで、去年、初めてキャンプに行ったときに、こうやって過ごす時間は私に必要だなと思ったし、自分が音楽のなかで表現したかった景色がそこにあった。こういうところで歌って、音楽を作って、暮らしていきたい。人生を送りたいなと思ったんです。自分が好きだったものと、やりたかったことと、自分の根底にあるものが合致したような気がしたんですよね。

「岐阜県恵那市の高原にあるキャンプ場です。この日の最低気温はマイナス8度で命の危険を感じましたが(笑)、この寒さを乗り切れたので、もうなんでもいけます!」

――最初にキャンプに行ったのはどこでしたか?

山梨県の『ほったらかしキャンプ場』でした。富士山が見える景色は、何度行っても感動しますね。今は東京で暮らしているからというのもあると思うんですけど、自然のなかで伸び伸びといられる時間が必要だなと実感しました。ただ、最初は趣味でやろうと思っていたのが、スタッフさんにキャンプのことを話したら、「今まではYouTubeで、音楽をやっているLeolaを中心に届けてきたけど、もっとパーソナルな部分を見せるのも良いんじゃない? Leolaが何に興味があって、普段どんなことをしているのか。どうしてこういう歌詞が生まれてくるのかもわかってもらえるから、挑戦してみたら?」って提案してもらって、YouTubeで公開することになりました。

「山梨県の『ほったらかしキャンプ場』に、初めてのキャンプに行ったときです。友達のキャンパーたちと一緒に、上にテントが乗ってる車で行きました」

――実際にキャンプを始めてみて、どんなことを感じてますか。

まだ全然余裕がなくて。テントの設営や天気との戦いなど、大変なことも多いので、自分を見つめるような時間が取れていないんですよね。本当はキャンプに行って、細かいことはどうでも良いって思えるようになると良いのかもしれないけど、まだそこまでいけてない(笑)。もうちょっと自分も成長しなきゃなって思ってますね。それは、キャンプのスキルの話だけじゃなく、人に対する接し方もそうだし、自然に対する気持ちもそう。ただ好きっていうことだけじゃなくて、この自然環境を守っていくにはどうしたら良いのかまで考えられるようになりたいと思っています。

「『ほったらかしキャンプ場』には、つい先日も行ってきました。前日、強風注意報が出ていてほとんどテントのなかにいたんですけど、翌朝きれいな富士山が見えて、感動しました」

「千葉県にある『お台場海浜庭園』での、“海キャン”の1枚です。海に沈んでいく夕日がめちゃくちゃきれいでした!」

――自然を守るという気持ちは新曲「GIFT」にも流れていると思いますが、『くまもと花博』テーマソングのオファーが地元の熊本市から来たときはどう感じましたか?

もう、絵に描いたようなガッツポーズをしました(笑)。絶対にやりましょう! って即答しましたね。とにかくうれしかったです。

――熊本は、ご自身にとってどんな場所ですか?

正直、地元にいたときは、大好きか? って聞かれたら、そこまでではなくて。やっぱり田舎だからこその不自由さを感じたこともいっぱいあるし、自分の夢もなかなか叶いにくい場所だなって思っていました。だから、地元愛は地元を出てから深まったなって思います。熊本に帰らないと見られない景色や会えない人、触れられない心がいっぱいあって。なので、今は熊本への愛がいっぱいですね。

――自然をテーマにしたイベントのテーマソングを作るにあたって、どのように取り組みましたか?

サウンドに関しては、私の得意としている軽快で爽やかな感じで、子どもやお年寄りの方まで一緒に手を叩いて楽しめるようなフェスティバル感を出したいなと思いました。歌詞は、今回のイベントが花博ということで、コロナ禍で閉じこもりがちな人たちも多いなか、お部屋に小さい花瓶で花を一輪飾るだけでも日常が明るくなったり、パワーをもらえたりするっていう、日常に変化を与える一歩を踏み出せるような歌詞にしてほしいというリクエストをいただきました。

イベント全体として、“熊本の美しい自然を後世につなげていきたい”っていうメッセージがあるんですね。災害もあったし、苦しい時期もあったけど、それでも守られてきた美しい自然を、次世代を担う子どもたちに届けていきたいという願いを盛り込みたいなと思いました。

――Leolaさんご自身の、熊本の思い出の景色も入っていますか?

そうですね。歌い出しの“遮るものひとつない 空を知っていますか?”は、まさに私の大好きな景色なんです。空港から熊本市内に行く道は一本しかなくて、なだらかな坂なんですけど、車で下っていくと並木道があって、その脇に畑が広がってて、遠くには山が見える。すごく遠くまで景色が見えるし、歌詞に書いたように、空には遮るものがなんにもなくて。東京に来てからずっと、あの空を表現したいなと思ってたんです。

だから今回、“熊本の美しい自然”って聞いたときに、私の大好きな景色だから絶対に歌詞に入れたいと思って、一番先に書きました。あとは、せっかくなら熊本ならではの言葉も入れたいと思って、熊本県の県鳥である“ヒバリ”とか、開催場所の“花畑町”などを入れています。

「去年のクリスマスに、自分のために作ったティラミスです(笑)。コロナ禍で自炊を始めてから、体に良いものをとらなきゃと思うようになって、これも卵を使わず豆乳を使ったりして、素材を意識しました」

自然に触れたら変わるものがあると伝えたい

――歌詞にはどんな思いを込めましたか?

私は夢を叶えたくて熊本を出ましたが、離れてみて改めて熊本の自然の素晴らしさに気付きました。だけど、その自然はあるのが当たり前じゃないし、大切に守っていかないと未来につなげていけない、気付きにくいかもしれないけどパワーをたくさんもらえるものなんだよっていうのを伝えたいと思いました。それが、イベントの趣旨にもつながっているし、手には取れないけど、歌に乗せるギフト=贈り物として、みんなに届けられたら良いなって。

――歌詞に出てくる“君”というのは、次の世代の子どもたちなんですね。

それが一番強いかもしれないです。あとは、自然と触れ合うことでもらえるパワーを忘れてしまった人たちですね。今、気軽に外に出られない状況で、未来が見えないと感じる方がすごく多いと思うんですよね。そういう方たちに、閉じこもってなくても良いんだよって言いたい。近くの公園でも良い、一歩外に出て、自然に触れたら変わるものがあるよってことを伝えたいなと思いました。

――キャンプみたいに大がかりじゃなくて、近くの公園を散歩するだけでも良い、と。

そうそう。私、自分で散歩しながら「GIFT」を聴いてるんですけど、我ながら良いなと思うんですよね。「最高じゃん!」って(笑)。散歩しながら、ジョギングしながら、ピクニックしながら聴いてほしいなって、心から思ってますし、私にとっては、この曲が今後の楽曲制作の鍵になっていくんじゃないかなと思っています。

――鍵になるというのは?

コロナ禍で、私自身も思うように活動できなくて、どうしたら良いんだろうと、悩んだなかで始めたのがキャンプだったりもしたし、そこで見付けたものも、結果的に曲に込められているんですよね。

今回、楽曲を制作するにあたって組んだ仲間も、コロナをきっかけに、一緒にやろうって言って集まってくれたチームなんです。この曲をきっかけに、自分の好きな人たちと、自分が好きと思えるものを追求して作れる環境ができました。今後の楽曲制作でも、これだけは残していきたいなと感じているエッセンスが「GIFT」にはあるし、ここからまた始まるなって感じてます。

「シンガーの友達が教えてくれたワークショップで、タイダイ染めをしているところです」

「自分でタイダイ染めしたロンTを着てます。去年の夏の終わりに近くの公園にピクニックに行ったときですね。それだけでもリフレッシュできます」

――5周年を経て、原風景とも言える地元の景色を歌にして。原点に立ち返って、新しいスタートを切ったと言って良いですか?

はい! これまでの5年間の活動を見返すきっかけにもなりましたね。いろんなことにチャレンジしたなかで自分に合っているものも見えてきて、そのときは違うなって思っても、振り返ってみると、自分に必要だったなって思うものもありました。

アーティスト活動をスタートした当時は“ビーチミュージック”を標榜してて、もちろん今も海は大好きだけど、もっと大きく、自然をテーマにしていけば良いんじゃない? と思うようになった。すごく細かいことに固執していたところから、視野が広くなったと感じてます。

だから、今までやってきたことも大切にしたいし、過去に立ち返ってこれをやろうってなることもあると思う。これまでは、変化しつづけることが良いことだと思っていたんですけど、変わらないことの良さもあるはずだから、そこも失わずにやっていきたいと、今は思ってます。今、いろんな意味での原点回帰をしている時期なのかもしれないですね。これからも頑張ります!

文・取材:永堀アツオ

リリース情報

「GIFT」
配信日:3月19日(土)
再生・配信はこちら(新しいタブで開く)

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