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連載Cocotame Series

Eyes on

Tani Yuuki:楽曲「Myra」の壁を超え進化しつづけるシンガーソングライター

2022.04.06

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今、注目すべき旬のアーティストにスポットを当て、最新インタビューとプライベートショットで素顔に迫る連載「Eyes on」。

第22回は、SNSで話題となった楽曲「Myra」「W/X/Y」を含む1stアルバム『Memories』のCDを4月6日にリリースしたTani Yuukiが登場。シンガーソングライターとしての活動へとつながった、これまでの音楽的バックグラウンドや自身の音楽性、約2年の音楽活動を詰め込んだアルバムのこと、そして、今後のアーティストとしての夢を語る。

  • Tani Yuuki

    タニ ユウキ

    1998年11月9日生まれ。神奈川県出身。2015年8月から、TikTok、YouTubeを中心に活動をスタートさせる。2020年5月に発表した「Myra」が話題となり、同曲を1stデジタルシングルとして2020年7月1日にリリース。同曲も収録し、デジタル配信されていた1stフルアルバム『Memories』がCD化され、4月6日に発売となる。

自分で曲を作って歌っていこう

──まずは、Taniさんが音楽に興味を持ったきっかけから聞かせてください。

もともと両親が音楽好きで、常に生活のなかに音楽がある環境だったんです。父が海外のハードロックやサザンオールスターズなどのバンド系が好きで、小さいころに車のなかでよく聴かされてました。ただ、ハードロックは父にゴリ押しされた反動もあって、あまり好みじゃなかったんです(笑)。逆に母はJ-POPが好きで、僕はそっちに惹かれましたね。

──自分で楽器をやり始めたのはいつごろだったんですか?

中学2年のころに病気で学校に行けなくなってしまったんです。そのときにおじいちゃんからアコースティックギターをもらって気分転換で弾き始めて、そこから自分で音楽をやる楽しさを知っていきました。

──音楽の道を目指そうと思ったのはいつごろでしたか?

シンガーソングライターになろうと思ったのは、高校卒業のタイミングでした。特に勉強を頑張っていたわけじゃないし、そのころは自分にとって興味の持てるものが音楽しかなかったんです。進路を考えるなかで、自分で曲を作って歌っていこうと思って、親に話して音楽の専門学校に行きました。

──自分の今につながる、影響されたアーティストというと?

曲を作り始めたのは、高校卒業の辺りから専門学校に入ったころだったんです。そのころはまだ自分のスタイルがなくて、そうしたなかでRADWIMPSの野田洋次郎さんみたいな曲を書きたいと思いました。

──どんな部分に惹かれたんですか?

サウンドはもちろん、特に歌詞の言葉選びや言い回しに惹かれました。どういう人生を送ったらこういう言葉が出てくるんだろう? ってすごい衝撃を受けたんですよ。そのころは“野田洋次郎ならどう書くだろう?”って想像して曲を作ったりしてたんです。そんな時期があったので、今でも僕の根本には野田洋次郎さんの言葉、言い回し、サウンド感が根付いていると思います。

「“ブルーハムハム”にハマってます」

──Taniさんの楽曲は、歌と音のビート感が一体となっている感じがすごくしますね。J-POP的なメロディ感もありつつ、言葉の選び方や韻を踏んでいく感じが、洋楽やブラックミュージックっぽい雰囲気があって面白いなと思いました。

使ってるコードが少ないとか、言葉の詰め方や語呂だったりとかで、そう言ってくださる方が多いです。

──意識的に洋楽に寄せようと思ったりしますか? それとも自然と出てくるものなんでしょうか?

意識的ではないですね。ただ思ったのが、僕は母がよく聴いていたJ-POPが好きだったとは言いつつも、聴いた曲の数は、車のなかで父に聴かされてた洋楽のほうが多かったんです。海外バンドの名曲の数々を聴いてたことが、自然とそうさせるのかなって最近思い始めてます。僕自身も耳ざわりの良い、聴き心地の良い曲を好んで聴くことが多いので、作るときもだいぶ感覚的な作り方をしてると思います。

──曲作りはどのように進めているのでしょうか?

歌詞は、基本的に自分の周りで起きたことを書いています。そのときそのときに起きた周りの人との思い出って感じなんですよ。ただ、曲を作るときは、僕は完全にメロディ先行ですね。歌詞から音を作るってことはやったことがないです。お風呂で曲が思い浮かぶことが多いんですけど、ごく稀に歌詞とメロディが同時に出てくることもあるんですが、基本は、音にハマる言葉を探していくってスタイルでずっとやっています。

──そこが言葉のビート感、R&Bやラップ的な雰囲気にもつながるのかもしれないですね。

そうなんだと思います。ただ僕のなかでR&B、ブラックミュージックってそんなに根付いてるわけじゃないんです。R&B要素が強いねって言われるようになったのが「Myra」なんですが、専門学校のころの知人の影響で、そうした要素が入ってきたって感じですね。

──ひとつのジャンルに縛られたくないという気持ちの表われだったんでしょうか。

そうですね。いろんな音楽にトライしていきたい気持ちはあります。ただ、現状それをきちんと表現できるまで僕のスキルが達してないところがあります。こんな感じにしたいってイメージはあるけど、下手なねんど細工みたいになってしまうこともあるので(笑)。

「いつも持っているキーホルダーもブルーハムハムです」

もともとはSNSがよくわからないタイプだった

──今、活動するなかで、自分のやりたい音楽がどんどん作れている感覚はありますか?

以前よりも、イメージを形にできるようになってきたと思いますし、自分を向上させてくれた曲が、そのぶん高い壁になって自分に返ってくるのはうれしいことだなと思います。それに、自分のまだ見えてない部分を開拓するために、違うタイプのものを作りたいという思いもありますね。じゃないと、無意識で同じところに留まろうとしちゃうところがあるので。

リスナーが一度求めてくれたものを、“欲しいのはここでしょ?”という感覚で、もう1曲作れてしまう。そこに縛られたくないって気持ちがあるんです。もちろん、自分の言い回しやメロディ感だったりの個性はあると思うんです。ただ、作るときに自分のスタイルはこれって決めつけるのは避けていますね。

──型にハマりたくない気持ちが強い?

はい。自分の可能性を広げたいという意識があるし、これまでやってこなかったような雰囲気の曲を作ることに、今でも挑戦してますね。これからもどんどん進化していかないといけないと思ってます。

──楽曲が、TikTokをはじめ、SNSで広まっているというのが今の時代性をすごく表わしてると思うんですが、ご自身ではそれをどう捉えていますか。

僕はもともとはSNSがよくわからないタイプだったんです。最初はハッシュタグの付け方すらわからなくて、仲間に“おじいちゃん”って呼ばれるくらいでした(笑)。あと、僕は引っ込み思案なところがあるので、長くスタンダードな方法だった、ライブハウスにCDを持っていって「ライブをさせてください」ってお願いするっていうスタイルも苦手だったんです。

そういう根本がありつつ、音楽仲間からいろいろ教えてもらいながら、YouTubeで曲を上げ始めていきました。そのあとTikTokが盛り上がってきて投稿を始めたら、動画の再生数がすごく伸びたんです。そこで、「TikTokってこんなに可能性あるの?」と思って力を入れ始めました。

──結果的に自分の音楽と発信方法がハマったと。

僕にとって一番近いツールが、実はSNSだったって感じなんです。僕はSNSの使い方がめちゃくちゃ下手だったし、TuneCoreなどで配信リリースできることすら知らなかった(笑)。なので、たまたま僕が作った楽曲と、その曲を使って動画が作れるTikTokのシステムがマッチしたってことだと思うんです。もちろんバズってほしいとは思っていたけど、バズるために何かをしたって感覚が、正直、ないんです。おすすめで流れるシステムで皆さんに見付けてもらえたのは、ほんとにラッキーだったなってすごく思います。

──そのきっかけは、やはり「Myra」でしたか。

Myra - Tani Yuuki (full ver.)

はい。僕はそれまでYouTubeで弾き語りばかり公開していたので、ちゃんとアレンジしたものをSNSに投稿したのは「Myra」が最初だったんです。挑戦した曲がTikTokでバズったので、もっと投稿しつづけようと思いました。

──その後もTaniさんの曲はTikTokで人気を集めていますね。

TikTokでの再生数は「Myra」よりも「W/X/Y」のほうが伸びが良いみたいです。自分のなかでは、「W/X/Y」は「Myra」を超えられた楽曲かなと思ってます。そうやって自分自身を更新できているのはうれしいです。

「お気に入りのネックレスです」

自分自身のこれまでがまとまったアルバム

──昨年12月に配信で発表した1stアルバム『Memories』が、4月6日にCD盤としてもリリースされます。ご自身の音源がCDとして形になるのはいかがですか。

CDは親が持っていたので家にあったんですけど、物心ついてから自分でCDで曲を聴くってことはしてこなかったんですよ。でも、僕が小さいころ聴いてたアーティストはCDがあるのが当たり前だったので憧れはありました。CDが出ると決まったときは、「やった!」と思いましたし、完成品が届いたときはすごく感動しました。「本物のCDだ!」「データじゃなく、この世に自分の音楽がモノとして残った!」って実感できてうれしかったですね。

──アルバム『Memories』全体のテーマを聞かせてください。

僕は“アルバム”というものを通ってなくて、大好きなRADWIMPSでさえ、アルバムの3曲目から聴くみたいな感じだったんです。アルバムは1曲目から通して楽しむもの、アルバムでしか表現できないことがあるってことをあとから知ったんです。だから、アルバムを作るってなったときにテーマを全然イメージできなかったんですね。

なので、僕はこれまで自分の周りで起きたことを曲にしてきたので、その2年分ぐらいの音楽活動をまとめたものにしようと思ったんです。それで、これは僕の思い出だなと思って、アルバムのタイトルを『Memories』にしました。

──恋愛のことや生きる上で思うことなど、多くの人に共通するような心模様が詰まったアルバムという印象です。

そうですね。恋愛に限らず、約2年間の日々の節目節目で作ってきた曲たちですね。僕、専門学校のころに3ピースバンドを組んでたんです。やがて、バンドじゃなくひとりでの活動を選ぶことになって。その新しい一歩を踏み出すときに作ったのが、アルバム1曲目の「決別の唄」なんです。僕のソロ活動が本格的に始まった曲からアルバムが始まる。本当に、自分自身のこれまでがまとまったアルバムになったと思います。

──Taniさん自身が、今の自分が込められたと思う曲は?

「おかえり」ですね。「Myra」や最初のころの曲って、完全にひとりで作っていたんですけど、音楽活動をやっていくなかで仲間が増えていき、今ではたくさんの人が関わってくれるようになって。この曲が一番多くの方が関わってくれてるし、以前と今の状況の変化を表わしてる楽曲かなと思います。曲も、昔の西洋の酒場で演奏しているような感じで、仲間とワイワイ乾杯するようなイメージがあります。

「家族にプレゼントした車と自分の車のツーショットです」

──では最後に、これからの目標を聞かせてください。

僕はアニメやドラマがすごく好きなので、主題歌を担当してみたいです。以前、ドラマ『ナイト・ドクター』(2021年)の劇中歌を、5人のアーティストのなかのひとりとして作詞し、歌わせていただいたんですけど、ちゃんとひとりで作品を背負う形でテーマ曲を作りたいという夢があります。

それと、どんどんライブの規模を大きくしていきたいです。近い目標としては、今Zeppを目指しています。それを叶えられたら、Zeppツアー、ホールツアーと規模を広げていって、最終的には東京ドームに立てる人間になりたいというのが大きな目標です。

──アーティストとしては、どんな存在になっていきたいですか?

今までは僕自身や身近なことをベースに曲を書くことが多かったんですけど、もっと幅広い歌詞を書いたほうが良いってアドバイスされたことがあるんです。今、コロナ禍や戦争など、世界的に大きな問題があるじゃないですか。そうした現状もありますし、自分の身の周りのことだけじゃなく、世の中に対してもっと広い視野で曲を書けるようになりたいと思ってます。それを届けられるアーティストになっていきたいし、そうならなくちゃいけないとも思ってますね。ライブ会場だけでなく、ソングライターとしてもステージを上げていきたいですし、時代に合った歌を届けられるアーティストになりたいです。

文・取材:土屋恵介

リリース情報

1stアルバム『Memories』
発売日:4月6日(水)
『Memories』の購入はこちら(新しいタブで開く)
『Memories』発売記念抽選イベント・オンライン配信イベントはこちら(新しいタブで開く)
※イベントの応募券は4月14日(木)23:59 受注分まで
 

ライブ情報


 
「Tani Yuuki Presents LIVE “LOTUS”」
 
4月23日(土) 渋谷 Spotify O-WEST
出演者:映秀。、おいしくるメロンパン
 
5月20日(金) 渋谷 Spotify O-WEST
出演者:Anly、meiyo
 
チケットはこちら(新しいタブで開く)

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