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アーティスト・プロファイル

ドラマ主題歌を担うシンガー・Uruの作品への寄り添い方【後編】

2022.08.10

気鋭のアーティストの実像に迫る連載企画「アーティスト・プロファイル」。

今年4月期の人気ドラマ、日曜劇場『マイファミリー』(TBS)を彩った主題歌「それを愛と呼ぶなら」がロングヒットとなっているUru。これまでも数々の映画やドラマ、アニメの主題歌を担当し、ヒット作品の一端を担うシンガーソングライターである。そんな彼女が主題歌やテーマ曲を書き下ろす際の想いや、6月に上梓した自身初の短編集などについて語る。

後編では、自身の曲と同名の初の短編集『セレナーデ』と、現在開催中のライブツアー「again」について聞く。

Uru ウル

2013年よりYouTubeチャンネルにて名曲カバー動画配信をスタートさせ、2016年6月、「星の中の君」でメジャーデビュー。以降、映画やドラマ、アニメのタイアップソングを数多くリリース。2020年、『第62回 輝く!日本レコード大賞』で特別賞を受賞。2022年4月から放送された日曜劇場『マイファミリー』の主題歌「それを愛と呼ぶなら」が話題となる。自身初の短編集『セレナーデ』発売中。2022年7月30日よりライブツアー“Uru Tour 2022「again」”がスタートした。

小説だと頭のなかに浮かんでくる情景まで書き込める

前編からつづく)ドラマ『マイファミリー』が放送終了した現在も注目を集めている「それを愛と呼ぶなら」のCDには、胸を締め付けられるほどもどかしくやるせない、大切な人への一途で切実な想いを歌った「セレナーデ」も収録されている。

【Official】Uru『セレナーデ』

「表題曲は広域の愛を歌っていたんですけど、このシングルに収録する曲として、もうひとつ、片想いというか、わかりあってはいるけれども越えられない、それ以上一歩前に行けない関係性のストーリーを彷彿とさせるような世界を描きたいなと思って。相手が何かしら問題を抱えていて、自分に頼ってほしいんだけどもあまり語らない。じゃあ、なんで私たちは一緒にいるんだろう? っていうもやもやした感情ですね。自分を特別な存在として見てほしい。でも、自分の気持ちを伝えると離れていきそうで怖い。離れていかれるよりは、隣にいてもらえるほうが良いから、何も言えないという、ちょっと切ない曲になってます」

Uruは、「他人から見たら恋人同士に見えるけど、実は何も通じ合っていないという、皮肉を込めてつけた」というタイトル「セレナーデ」を元に、同名の短編も執筆した。摂食障害で悩む高校3年生の葵、恋人の隼人、幼馴染の陽がそれぞれの過去や悩みと向き合い他者と触れ合うことでそれを乗り越え、前に進む姿を描いた瑞々しい青春群像劇だ。表題作「セレナーデ」に加えて、自身の楽曲を同名の物語にした「しあわせの詩」「鈍色の日」の3編をまとめたこの短編集で、作家デビューも果たした。

「歌詞に描写を細かく書くと説明っぽくなっちゃうけど、小説だと、頭のなかに浮かんでくる情景まで書き込めるし、言葉の響きや発声も気にしてなくて良い。細かいところまで描写が書けるのは楽しかったです。自分ではない他者との関わりのなかで、愛を求めたりもがいたりしながら自分という人間をより深く知っていくような、そんな心の機微を書いてみました。読む方によっては、胸を刺すような表現もあるかもしれませんが、自分のすぐ近くで起こっている誰かの日常の一部だと、親愛の情を持って読んでいただけたらうれしいですね。

本を読むことは昔から大好きだったんですけど、まさか自分が読み手から書き手に変わる機会をいただけるとは思っていませんでした。自分の名前が記された商品が、CDショップじゃなく、書店に並んでいるっていう感動はありました。これまでは普通に本を読んできたけど、自分が書き手になって、一冊の本にまとまるまでにこんなに工程があるんだなっていうことを知ることができたし、次に書店で本を手に取るときに重みを感じそうです。より本を大切にしようっていう気持ちになりましたね」

新しい発見や、やりたいことを見付けたい

デビュー記念日の6月15日に自身初の短編集『セレナーデ』を発売し、アーティスト活動7年目に突入したUruは、現在、全国10カ所11公演を行なう、自身最大規模のホールツアー“Uru Tour 2022「again」”の真っ最中だ。

「昨年、ひとつの目標を達成させていただいたので、本当に今、まっさらな状態です。でも、1年目とはまた違ったまっさらだなと思っていて。今まで歩いてきた6年間の経験や知識が自分のなかには確かにある。それを含めて、何か新しい発見とか、何かやりたいことを見付けられれば良いなと、今は思っています。それで、again=再スタートっていうタイトルにしたんですけど、今はまだ、“こうしたい、ああしたい”がない状態で、ここからまたスタートです。『それを愛と呼ぶなら』と『セレナーデ』も、もちろんセットリストに入っていますし、すごく昔の曲も歌っています。新旧の自分を合わせて、再スタートっていうタイトルに沿ったツアーにしたいなと思って臨んでいます」

Uruが言う“目標”とは、デビュー前にスキマスイッチのライブを見た国際フォーラム ホールAでのワンマンライブのことだ。彼女は、2021年11月に東京国際フォーラム ホールAでワンマンライブ“To You”を開催し、デビュー前から目標にしてきたステージに立った。目標を叶えた先に、どんな未来が見えているのだろうか。

「国際フォーラムでのライブが終わって、本当にあのステージに立てたんだよなって、ぼうっとする瞬間がありましたね。立ったあとなのに、実感したはずなのに、数日経ってみると、本当に立ったんだよな? ってまた考えて。洗濯したり、ご飯を作ったりする生活は変わらないから、自分の生活がリアルすぎて(笑)、本当に立てたんだよな? って、一瞬戻ったりすることはありました。

それと、SNSで“私も今、ピアノを頑張っていって、いつかそのステージでピアノを演奏できるようになりたいっていう夢をもらいました”っていうメッセージをもらったりして、なんかもう、すごくジーンときちゃいました。私も、あのステージに立つだけじゃなくて……自分がスキマスイッチのライブを観て音楽に救われたように、私も同じステージに立って、ほんのちょっとだけでも、誰かの良いきっかけになれるように音楽を届けたいというのもセットで目標だったので、なんだかすごくうれしかったですね。

ただ、今後どうしたいかって聞かれると、目の前のことを一つひとつ丁寧にやって、今を楽しみたいという気持ちしかないので、今回のツアーを回ることで、またこの先に何かが見えてきたら良いな、という期待みたいなものはあります。来てくださる皆さんと同じように、このライブツアーを私自身もとても楽しみに感じています」

文・取材:永堀アツオ

ライブ情報

Uru Tour 2022「again」
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リリース情報

「それを愛と呼ぶなら」
発売中
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