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担当者が語る! 洋楽レジェンドのココだけの話

オジー・オズボーン【後編】73歳のヘヴィメタルの帝王は、まだまだ意欲が衰えない

2022.09.15

世界中で聴かれている音楽に多くの影響を与えてきたソニーミュージック所属の洋楽レジェンドアーティストたち。彼らと間近で向き合ってきた担当者の証言から、その実像に迫る。

今回のレジェンドは、9月9日にニューアルバム『ペイシェント・ナンバー9』を発表したオジー・オズボーン。ジェフ・ベック、エリック・クラプトンら豪華ロックレジェンドを迎えたこの作品では健在ぶりを見せつけたが、ここに至るまでには数々の転機があった。音楽性だけでなく、人間性もたびたび注目を浴びる“ヘヴィメタルの帝王”の素顔を、ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル(以下、SMJI)の担当者に聞く。

後編では、事故や病気を乗り越え、アルバム作りに邁進する最近のオジー・オズボーンの姿を追う。

オジー・オズボーン Ozzy Osbourne

1948年12月3日生まれ、イギリス出身。英国を代表するヘヴィメタルバンド、ブラック・サバスのボーカリストとしてキャリアをスタートさせ、1978年に同バンドを脱退。その後は、ソロアーティスト、シンガーソングライターとして活動。また、2002年にMTVのリアリティ番組『オズボーンズ』で家族とともにフィーチャ―され、一般的な知名度も高まる。2022年9月9日、ソロ通算12枚目となるアルバム『ペイシェント・ナンバー9』を発表した。

  • 中西優一

    Nakanishi Yuichi

    ソニー・ミュージックレーベルズ

「首から背中にかけてきついからなかなか思うようにできない」

──オジー・オズボーンは、1970年代から長きにわたりライブ活動を行なってきましたが、ここ数年は体調があまり良くないようですね。2003年のバイク事故の後遺症だったり、2020年にはパーキンソン病を患っていることを公にしました。そうしたなか、2020年に久々のアルバム『オーディナリー・マン』をリリースして、健在ぶりを見せてくれました。

『オーディナリー・マン』(2020年)

『オーディナリー・マン』は10年ぶりのオリジナルアルバムで、エルトン・ジョンやポスト・マローンなどが参加する、すごく良いアルバムでした。そのときに、音楽評論家の伊藤政則さんと一緒にオジーの自宅にインタビューしに行ったんです。事前にオジーの体調が良くないとは聞いていて、大丈夫かな? と不安もありつつ現地に向かいました。ご自宅は、屋敷のような大邸宅なんですけど、奥様でマネージャーのシャロンが「オジー呼んでくるわ」って出迎えてくれて。エントランスホールに大きな階段があったから、そこから降りてくるのかと思って待ってたら、階段ではなく、ゴンドラのようなエレベーターがあって、それで降りて来たんです。しかも杖をついて。

──映画の一場面みたいですね。

歩くのが辛そうな感じでしたね。話の受け答えはしっかりしてましたけど、体調の悪さは感じました。この間、オジーは首の手術をしたんですけど、それは2003年の事故の後遺症なんです。その事故というのが、イギリスの自宅の広い敷地内を四輪バイクで走ってて転倒して、一時期は昏睡状態になるまでの大変な事故だったんです。

──そこから復活したわけですから、相当身体に負担があるでしょうね。

そうだと思います。取材のとき、オジーに今後の予定を聞いたら「いろいろやりたいけど首から背中にかけてきついからなかなか思うようにできない。リハビリ的なワークアウトはしている」って言ってました。でも、そのときアルバムの手応えをすごく感じてましたね。『オーディナリー・マン』はマルチプレイヤーのアンドリュー・ワットっていう、昨年グラミー賞も受賞したプロデューサーと組んだんですけど、「彼との作業がめちゃくちゃ良かったんで、オレは明日もスタジオに行って新曲の作業をやる」って、その時点で今回のアルバムにつながる作業に入ってたんです。

──制作意欲に火が付いてしまったと。

アルバム完成直後のインタビューで、もう次のアルバムのためのスタジオに入るって言ってるわけですからね。結構アルバム作りに関しては、ワーカホリック気味にやる人なんだなというのがわかりました。オジーはよくインタビューで「とにかくより良いアルバムを作りたい。それだけが自分が一番求めてるものなんだ」って言うんですけど、制作に対する執念みたいな貪欲さをそのときにすごく感じました。

──オジー・オズボーンくらいのキャリアとステイタスがあれば、苦労して新作を作らなくても良いのでは? と思ってしまいますが、10年ぶりに新作を作ってさらに次をやりたいという気持ちになるというのは、彼はまだまだ創作意欲にあふれた音楽人であるという証明のように感じますね。

そうですね。あと『オーディナリー・マン』のチャートアクションも良かったんですよ。全米3位というのは過去にもあるんですけど、『オーディナリー・マン』はソロでは初めて全米全英同時3位という自身過去最高のチャートをマークできた。それにも彼は気を良くしたようですね。そうしたことも、オジーの制作意欲をさらに掻き立てた感じはありました。

ジェフ・ベックとエリック・クラプトンが参加するのは意外すぎ

──そして、9月9日にニューアルバム『ペイシェント・ナンバー9』がリリースされました。今回も楽曲のキレが良いですし、豪華なゲストも参加した濃い内容のアルバムだなと思いました。

すごく良い作品ですね。まあ、こんなメンツを集めるとは思わなかったですけどね。まさか、ジェフ・ベックとエリック・クラプトンがオジーのアルバムに参加するなんて、意外すぎました(笑)。

Patient Number 9 (Official Music Video) ft. Jeff Beck

One Of Those Days (Official Music Video) ft. Eric Clapton

──さらに、ブラック・サバスのトニー・アイオミが「デグレデイション・ルールズ (feat. トニー・アイオミ)」「ノー・エスケイプ・フロム・ナウ (feat. トニー・アイオミ)」で参加しています。問答無用なブラック・サバス感がたまらないですね。

まさにブラック・サバスですよね。トニー・アイオミがオジーのソロ作に参加するのは、今回が初めてになるんです。2013年にブラック・サバスで『13』というアルバムを出したんですが、オジーが「あのときにこれらの曲が入っていたらもっと良いアルバムになってたのに」みたいなことをインタビューで言ってましたね。それくらい納得がいく曲ができたということでしょう。やっぱりトニーとはすごく相性が良いんだと思います。

──そんなオジー・オズボーンとトニー・アイオミが、8月8日にバーミンガムで行なわれた総合競技大会『2022年コモンウェルスゲームズ』の閉会式に登場して、「アイアンマン」から「パラノイド」へ繋げるブラック・サバス・クラッシックを披露しました。オジー・オズボーンは首の手術が終わって間もないタイミングでしたが、久々の人前でのパフォーマンスでしたね。

実を言うとですね、あの前の週の金曜日に、オジーのZoom取材があったんです。そのときは、ほんとに辛そうだったんですよ。2年半前に杖をついて歩いてたときよりも悪いように見えたんです。まあ、パソコンごしで会話するっていうのもやりづらかったと思うんですけど。オジー側のスピーカーからの音声が聞きづらかったようで、終始落ち着きない感じでだんだんイライラしてきてるのがわかったので、インタビューを予定よりも早めに切り上げました。そのときに「オレ、明日バーミンガムに行くから。トニーと会ってやるんだよ」って言ってたんです。その映像を見るとわかると思うんですが、体を支えるスタンドのようなものが背後にあるんですよ。それを見て、やっぱり相当悪いんだなっていうのをすごく感じました。ステージを動き回れないし、ステージに立つこと自体が久しぶりだったはずですが、でも歌唱はしっかりしてるのがさすがだなと。

──人前に出られないくらいの状態も想像していたので、あのステージを見てちょっと安心した感じもありました。

確かに体調は厳しい状態ですけど、手術を終えてパフォーマンスできるよって姿を見せたかったのかもしれないですね。まあ、なかなか見る者をヒヤヒヤさせる73歳ですけど(笑)、活動意欲は全然衰えてない感じはすごくあります。

オジーの世界観は、ほかのヘヴィメタル勢にはない面白さにあふれている

──オジー・オズボーンがこれほどまでに長く愛される理由をまとめるとしたら、何だと思いますか?

僕らも枕詞のように、“ヘヴィメタルの帝王”とか“暗黒の王子”とかキャッチフレーズを使うんですけど、もちろんそうした側面も強いですが、でも彼のやってる音楽や本人のキャラクターはすごくポップなんですよね。ロック好きだけど、オジーを食わず嫌いの人がいるとしたら、曲自体は超ざっくり言うとビートルズのヘヴィメタル版みたいなところがあるので聴きやすいと思います。そこが彼の音楽的な強みだと思いますね。

あとは、独特のボーカル、ユニークなキャラクター、オズボーン・ファミリーも含めたオジーの世界観は、ほかのヘヴィメタル勢にはない面白さにあふれてます。ひとりのタレントとして見てもすごくユニークだし、ほんと、ほかに比べられる人が全然いないんですよ。とってもチャーミングで人なつっこくて子どもっぽいところもある。いつまでたっても子ども心を忘れない、やんちゃで面白いヘヴィメタルアーティストってところが、彼が長く愛される理由なのかなと思います。

──ミュージシャンとしては、先ほど話に出たランディ・ローズのレガシーを背負いながら活動をつづけているということも、惹かれる部分ではありますよね。

それはすごくありますね。オジーは今でも必ずランディの話をしますからね。インタビューで「今もランディのことが恋しい」みたいなことを語る。そこにまたグッとくるわけですよ。

──今もランディ・ローズのことになると涙を流しながら語りますよね。

ああいう姿は作ったものじゃないですからね。やっぱりね、オジーはピュアなハートの持ち主なんだと思います。ピュアでサービス精神も旺盛。だから、コウモリを食いちぎったりってバカなことまでやっちゃうんだと思います(笑)。お客さんを喜ばすためならっていう気持ちが強いと思いますね。

──こちら側も、なんかまた面白いことをやってくれるんじゃないかって期待しますし、だからオジー・オズボーンの動向が気になってしまうっていうのは大いにあります。

ほんとにね、音楽サイトのオジーのニュースを皆さんに見てほしいです。いちいち内容が面白いものばかりなので(笑)。メタル系のアーティストに限らずほかのジャンルのアーティストでも、こんな人はほかにいないですから(笑)。それに、ほかのミュージシャンからオジーは最低だ、嫌いだみたいな声は聞いたことがないんですよね。たぶん、会った人みんながオジーの人柄だったりに惹き込まれてしまうんだと思います。そんな誰からも愛される魅力を持ったオジーの音楽にも、ぜひとも触れてほしいと思います。

文・取材:土屋恵介

リリース情報


 
『ペイシェント・ナンバー9』(通常盤)
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関連サイト

公式サイト
https://www.sonymusic.co.jp/artist/OzzyOsbourne/
 
『ペイシェント・ナンバー9』特設サイト
https://www.110107.com/ozzy_pn9/

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