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Eyes on

麗奈:『THE FIRST TAKE』オーディショングランプリからメジャーの道へ

2022.09.28

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今、注目すべき旬のアーティストにスポットを当て、最新インタビューとプライベートショットで素顔に迫る連載「Eyes on」。

今回は、現在配信中のABEMAオリジナル恋愛番組『オオカミ』シリーズ最新作『オオカミちゃんとオオカミくんには騙されない』に、最新曲「好いひと」がBGMとして起用されている麗奈が登場。昨年、YouTubeチャンネル『THE FIRST TAKE』主催オーディションでグランプリを獲得し、シンガーソングライターとして活動をスタートさせた彼女にインタビューする。

  • 麗奈

    Reina

    2001年生まれ。鹿児島県出身。2021年7月、YouTubeチャンネル『THE FIRST TAKE』が開催したオーディションプログラム『THE FIRST TAKE STAGE』にてグランプリを獲得。2022年7月27日、「キミをアイス」でメジャーデビュー。8月15日にリリースされた2ndシングル「好いひと」は、ABEMAオリジナル恋愛番組『オオカミ』シリーズ最新作『オオカミちゃんとオオカミくんには騙されない』のBGMに起用されている。

最初に歌いながら弾けるようになったのは「とんぼ」

――YouTube上には9歳の麗奈さんが弾き語りで歌ってる映像も公開されていますが、ほとんどが長渕剛さんの曲のカバーですよね。2001年生まれの世代にしては珍しいなと思いました。

家族全員が長渕剛さんが大好きなので、小さいころから長渕剛さんの曲を聴いて育ったんです。家のなかでも車のなかでもずっと流れていたし、ライブにも連れていってもらってました。

――長渕剛さんしかかかってなかった?

そうですね、小さいころはほぼずっとそうでした。それがきっかけで自分も好きになって、そのおかげでアコースティックギターを知り、9歳でアコギを始めて。すっごい難しくて泣きながら練習してたんですけど、最初に自分で歌いながら弾けるようになったのは「とんぼ」だったと思います。

――9歳で歌う曲としては渋いですね。

自分の知っている曲で、一番弾けそうな曲を見付けようと思って。「とんぼ」はコードが4つぐらいなんですよ。だから、まずは「とんぼ」を頑張って練習して、初めてYouTubeに動画をあげました。

――当時、反響はありました?

おじいちゃんの前で演奏したり、みんながバーベキューする前で歌ったりすると、すごく喜んでくれるので、それがうれしかったです。そこから、長渕さんだけじゃなく、松山千春さん、尾崎豊さん、YUIさんとか、いろんな方の曲を練習して、弾ける曲が増えていきました。YouTubeだけじゃなく、ニコニコ生放送もやり始めてからは、コメントもいただくようになって、だんだんと楽しいなって思うようになっていきましたね。

「愛用の Yairiのギター(写真1枚目)とTAKAMINEのギター(写真2枚目)です」

――作詞作曲を始めたのは?

大きなきっかけはないんですけど、なんか作ってみたいなっていうふわっとした気持ちで、中学2年生のときになんとなく自分の思いを書いて、そこに簡単なコードでメロディをつけてみました。初めてできた曲を家族に披露したら、「すごく良い曲だ」と言ってくれて、そこからどんどん作っていくようになりました。

――ちなみに最初に作ったのは何という曲ですか。

「夢」という曲でした。“夢に向かってまっすぐに歩いていこう”みたいな歌詞だった記憶があります。

――そのときの夢は何だったんですか?

歌いつづけることが夢でした。プロのアーティストになるとか、そういう大きな夢ではなかったです。でも、音楽が好きだったし、自分の歌にいろんな方が反応してくれることもうれしかった。曲を作ることも楽しいなって思っていたので、なんとなくでも良いし、すごい隅っこでも良いから、歌いつづけていたいなという思いがありました。

「愛猫・アルちゃんとモフちゃん」

「アルちゃんと私」

――中学生のころからライブハウスで歌っていたんですよね。当時のライブで覚えてることは何かありますか。

そうですね。初めてちゃんと人前で歌ったのが、13歳のとき、鹿児島の吉野公園で開催された“お月見コンサート”だったんですね。楽譜を見ながらだったので周りは全然見えてなくて、歌ってる最中は特に緊張もせずに、ひたすら歌っていました。歌い終わってから、いろんな方が褒めてくださったり、あとから撮ってくれていたビデオを見たら、周りの人が「すごい、すごい」って言ってくれたりして。それがうれしかった記憶があります。

「7月から9月まで行なった道の駅ツアー中、沖縄でのひとコマです。きれいな夕日と穏やかな海……」

まさか自分が選ばれるとは思っていなかった

――プロのミュージシャンになろうと思ったのはいつごろですか。

高校に入ってからですね。本格的に曲もたくさん作るようになって、路上ライブもやっていたし、県外のライブハウスでのライブも増えていきました。それに連れてだんだんと自分の夢も大きくなっていったっていう感じです。

――ということは、中学を卒業する時点で音楽の道に進もうって決めていたということですよね。

そうですね。中学卒業ぐらいには、本当に音楽だけをしていたいっていう気持ちが大きかったです。

――高校時代の3年間はどんな日々でしたか。

たくさんの出会いがありましたね。県外でのライブに行くと、自分と同い年ぐらいの女性シンガーソングライターさんがたくさんいらっしゃって。自信がなくなっちゃう場面も多かったんですけど、自分のなかでもたくさん成長できたんじゃないかな。それまでは人としゃべるのが本当に苦手だったけど、高校生になって、ライブハウスとかでいろんな人と話すようになったら、ようやく少しだけ人とコミュニケーションが取れるようなったので、自分にとってはすごく良い決断だったんじゃないかなとは思います。

――そして、19歳になったときに、『THE FIRST TAKE』主催のオーディション『THE FIRST TAKE STAGE』に参加しました。

そのころは、鹿児島で音響を学ぶ専門学校に通っていました。ライブハウスで歌っていたときに、裏方で支えてくださる方たちの姿を見て憧れを持つようになり、自分でもそういうことを学びたいと思って。それで、卒業間近になって、音響エンジニアなどの道に行くか、それともアーティストとして音楽をつづけるかですごく悩んでいて。そんな時期にたまたま『THE FIRST TAKE』のオーディションを見付けて、もしこのオーディションで良い結果が出なければ、裏方の仕事に就こうと思って挑戦しました。

「『THE FIRST TAKE STAGE』オーディション中。駅で見かけた広告と」

――オーディションに参加してみてどうでしたか。

自分が一次選考とか二次選考とかを通過していっている実感がわかなかったというか。まさか通過するとは思ってもみなかったので、1年間ずっと不思議な気持ちでいましたね(笑)。

――オンラインが中心だったから、余計に実感がわかなかったのかもしれないですね。自信満々で挑んだ感じではなかった?

自信をなくしちゃダメだなって思いながらも、少し弱気になってしまう日もありました。でも行けるところまで行こうっていうふうに自分のなかでは決めていました。ひたすら結果を待って、パフォーマンスするときは一生懸命歌うっていう感じで、本当にオーディションのことだけをずっと考えてました。

――昨年の7月にグランプリ受賞が決まったときはどんな心境でしたか?

まさか自分が選ばれるとは思っていなかったんで、発表までずっとドキドキして待っていました。結果を聞いたときは……やっぱり実感がわかなかったです。でも、応援してくださった方たちに結果を伝えたら自分以上に喜んでくれて。すごく幸せなことだし、オーディションに応募して本当に良かったなって思いました。

――受賞曲「僕だけを」はライブでもずっと歌ってきた曲ですね。

はい、そうです。高校2年生ぐらいのときに、東京でライブをし終わったあと、ホテルでできた曲なんです。歌うたびにいろんな方が「すごく良い曲だね」って言ってくださって。自分のなかでも一番好きな曲だったし、初めて自信を持てた曲だったので、「僕だけを」を選びました。

麗奈 - 僕だけを / THE FIRST TAKE

――歌い出しの前に、これまでを振り返って、「苦しいこと、悲しいこと、悔しいこともありました」と話しています。あのときに脳裏に浮かんでいた「悲しいこと」というのは?

路上ライブやSNSには、すごくやさしい方もいるんですけど、そうではない方もたまにいたりして。自分は結構引きずっちゃう性格なので、いつもすごく悲しいなと思うし、悩んだりしたことも多かったですね。

――SNSとの付き合い方はなかなか難しいですよね。「苦しいこと」とは?

自分の弾きたいコードがなかなか押さえられなかったり、書きたいことが全然書けなかったり、ライブで失敗しちゃったり、ほかの人と比べちゃったり、いろいろありますね。あと、昔からすごく MC が苦手なんです。なかなか上手くならなくて。やりたいけどなかなかできないという部分はすごく悩んだし、つらかった記憶があります。

「『僕だけを』ミュージックビデオ撮影時の写真。鹿児島県、亀ヶ丘です」

――“こうなりたい”という理想像はありましたか?

東京に来たときに、ほかのシンガーソングライターさんがお客さんに声かけして一体となってライブを盛り上げているのを見て、自分もああいうふうなパフォーマンスをしたいなって思ってました。当時の私はバラード系を主に歌っていて、ちょっと重い感じの歌詞が多くて。アップテンポで明るい曲を作ろうと思ってもなかなかできなかったんですよね。でも、自分の理想としては、聴いてる人が明るい気持ちになれる曲も作りたいんです。ライブでお客さんを楽しませることができるアーティストになりたいとずっと思ってました。

――でも、それは麗奈さんのアーティストとしての個性でもありますよね。

そうですね。私は自分のネガティブな部分を素直に歌詞に書いちゃうので、重い曲になっちゃうんですけど、逆に考えれば、誰もが持ってるネガティブな部分を歌詞にできるんじゃないかなって思ってるので、今は、自分の強みのひとつなんじゃないかなと考えられるようになりました。

――「苦しいこと、悲しいこと、悔しいこと」以上に、「素敵な出会いや、楽しいことやうれしいこともたくさんあった」とも言っています。

同じように頑張ってるアーティストさんに出会えたことが、自分にとってはうれしいことでした。そういう方たちと一緒に路上ライブをしたり、企画ライブをやれて、同じように音楽を楽しんでる方々と出会えたことがすごくうれしかったです。応援してくださる方々との出会いもすごくうれしいなと思います。

鹿児島のおっきな会場を満杯にしたい

――その後、「僕だけを」と「僕らの明日」「ぼく」という“僕3部作”が配信リリースされました。

歌詞を書き始めたころから、自分のことを“私”って言うのが恥ずかしいという感情が個人的にあって。自然と歌詞を書くときは“僕”という一人称になっていました。高校生のころにいろんな悩みを抱えながら、その気持ちを素直に書いた曲たちなんですけど、「僕らの明日」は高2か高3ぐらいですね。最初は自分にとっての応援歌として歌詞を書きました。明日が来るのが嫌っていう時期があって、本当にそのときに思った気持ちを素直に書いた曲だし、「ぼく」も高1か高2のときに、そのときに悩んでいた自分の気持ちを素直に書いた曲なので、自分のたくさんの思いが詰まった3曲だなって思います。

「鹿児島県、笠沙にて、『僕らの明日』ミュージックビデオ撮影時より」

――グランプリ受賞から約1年、この夏にメジャー1st シングル「キミをアイス」が配信リリースされました。その1年で変化はありましたか?

だいぶ、今までの自分とは違う感じがしていて。今までは重い気持ちや暗い気持ちで歌詞を書いていたんですけど、「キミをアイス」は、自分の気持ちもしっかりと書きつつ、聴いてくれる方がどういうふうに受け取ってくれるかっていうことを考えながら書くようになりました。少しは成長できてる部分があるのかなと思います。

――小説を元にした片想いソングになっていますよね。

小説に「アイス」というキーワードが出てたので、“アイス”と“愛す”をかけちゃおうってぱっと思い付いて。歌詞は、好きだけど言えないし、言わないっていう、もどかしい気持ち、本当は伝えたいのに伝えられないっていう、きっとみんなも経験したことあるんじゃないかなっていう想いを自分のなかから探して、好きなのに言えなかったことを思い出しながら書きました。

「道の駅ツアー中。真夏の暑い日。ライブ後のアイス」

――つづく2ndシングル「好いひと」は『オオカミちゃんとオオカミくんには騙されない』のBGMとなっています。

麗奈 - 好いひと [Official Video] (ABEMA『オオカミちゃんとオオカミくんには騙されない』BGM)

好きになった相手のことをほんとに信じて良いのかなとか、好きだし信じたいっていう気持ちでゆらゆらしてる感じを書きたくって。これも、どちらかというと片想いの曲ですよね。やっぱり片想い中って、なかなか好きになった相手の言葉や行動を信じ切れない時期だと思うし、『オオカミちゃん』の主題歌なので、恋をする相手のなかにひとりオオカミがいる。相手のことを信じて良いのかなという想いもきっとあるなと考えながら歌詞を書きました。

――メジャーデビュー以降は等身大のラブソングがつづいていますね。

『オオカミちゃん』で使っていただいているので、同世代の方たちにたくさん聴いてもらっていて、TikTokでも反応が多かったりするんですね。それまでは、長渕剛さんや尾崎豊さんの曲をよくカバーしていたので、自然と聴いてくれる方も親の世代の方が多かったんですが、若い人たちが聴いてくれるようになって、インスタもフォローしてくれるっていうのが、それまでにはなかった経験で。

――麗奈さん自身も、まだ十分若い世代ですが(笑)。

そうですね(笑)。でも、もしかしたら自分よりも若いかもしれない人たちが聴いてくれてるっていうのがすごく不思議な感じなんですよ。

「レコーディング中のスタジオ。座ってギターを弾きながら歌ったり、立って歌ったり、下駄を履いてみたり」

――将来の夢や野望、具体的な目標などはありますか。

まずはたくさん曲を作って、もっともっと、幅広い世代の方に自分の曲を聴いてもらいたいですね。あとは、やっぱり、ライブをたくさんしたいです。まだMCも苦手だし、ライブに全然慣れてない部分があるので、しっかりと慣れたいというか。ちゃんと、さまになるようになりたいなっていうのもあるし、野望としては、鹿児島のおっきな会場、川商ホールとかで会場を満杯にしてライブをしたいです。

――プライベートのお話も聞かせてください。麗奈さんは鹿児島県在住ですが、お休みの日は何をしてますか?

あまり外に出ないですね。そもそも鹿児島では遊びに行くようなところがあんまりなくって、出かけるところもすごく限られてるんですけど。

「地元・鹿児島の、ある晴れた日の桜島です」

――家ではどんなことをしていますか?

自分の好きなアーティストの曲を聴いて、まったりギターを弾いたりしてます。今だと藤井風さんとか。まだピアノは弾けなくて、今、練習中です。基本的には歌ってるか、イラストを描いてるか、YouTubeを見てるくらいですね。

外に出るのは、ふたりの弟に誘われて、3人でどこかに出かけたりするときくらいです。そういうときはカメラを持っていって、写真を撮ったりしてます。

――「ぼく」のミュージックビデオでもカメラで街や自然を撮影してる様子が映ってましたね。今後、プライベートでやってみたいことはありますか。

車の運転ができないので、運転免許を取って、鹿児島の電車やバスじゃ行けないところに行きたいというのはあります。

——鹿児島の好きなところを教えてください。

“白熊”というかき氷が好きです。路上ライブをしていた天文館のアーケード街に“天文館むじゃき”というお店があって、そこの白熊が食感もふわっとしてていろんな果物が乗ってて、すごく美味しいんですよ。あと、“かるかん”もすごく好きです。

それと、最近、鹿児島弁のイントネーションが良いなって思うようになりました。東京から鹿児島に帰ると、タクシーの運転手さんとかいろんな人が鹿児島のイントネーションでしゃべりかけてくれるので、すごく安心するなってことに、最近になって気付くようになりましたね。

――麗奈さんは、鹿児島弁が出ないですね。

敬語だと全然出ないんですよ。普段はすごい鹿児島弁なので、いつかライブのMCで自然と出ると良いかなって思ってます。

文・取材:永堀アツオ

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「好いひと」
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