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Eyes on

戸谷菊之介:TVアニメ『チェンソーマン』でデンジ役を務める注目の声優

2022.10.11

今、注目すべき旬のアーティストにスポットを当て、最新インタビューとプライベートショットで素顔に迫る連載「Eyes on」。

今回は、10月11日から放送されるTVアニメ『チェンソーマン』で主人公デンジ役に抜擢され、注目を集める声優・戸谷菊之介が登場。9月から放送中の『日清のどん兵衛』のアニメーションCM『どんぎつねシーズン2 秋祭篇』の青年役や、10月からはバラエティ情報番組『ゼロイチ』のナレーションを務めるなど、立てつづけに活躍の場を得ている彼の素顔をフィーチャーする。

  • 戸谷菊之介

    Toya Kikunosuke

    1998年11月30日生まれ。身長175㎝。2017年、ソニー・ミュージックアーティスツ主催の声優オーディション『第6回アニストテレス』で特別賞を受賞し、声優としてのキャリアをスタートさせる。2022年10月11日から放送される『チェンソーマン』でデンジ役を担当。2023年1月にアニメ化される多次元アイドルプロジェクト、『UniteUp!』にも、主人公・清瀬明良役で参加する。

声がでかいことには自信があった

――戸谷さんは、2017年に開催されたソニー・ミュージックアーティスツ(以下、SMA)が主催する声優オーディション『第6回アニストテレス』で特別賞を受賞し、声優としての活動をスタートさせました。オーディションを受けたきっかけを教えてください。

僕はもともと、お笑い芸人さんになりたかったんです。周りの人を笑わせることがすごく好きで。高校生のころ、お笑いの部活を作りたいと思って学校に掛け合ったんですけど、実績がないとできないと言われて、それで、友人たちと有志団体を作って、文化祭や卒業パーティでコントや漫才をしていました。

――お笑い芸人を目指していたとは意外です。当時、好きな芸人さんはいましたか?

バカリズムさんです。おひとりでネタやコントをされているときも大好きなんですが、バカリズムさんと劇団ひとりさん、東京03さん、早見あかりさんが出ていた『ウレロ☆未確認少女』というコント番組が大好きでした。バカリズムさんが楽しそうにされていたので、みんなで楽しいものを作ることに憧れていましたね。

――当時はいろいろなオーディションを受けていたのでしょうか。

高校を卒業したあとにどうしようかと思って、芸人さんの事務所や養成所のオーディションをいくつか受けました。そのときに演技のワークショップを受けたことがあったんですね。それで、お芝居でも人を笑わせることができるんだということを知って、お芝居にも興味が出てきました。アニメを見るのも好きだったので、声優という仕事にも興味があるなと思っていたときに、ちょうど見付けたオーディションが『アニストテレス』だったんです。

「聖地と呼ばれている上野のサウナ“北欧”に、マネージャーさんに連れていってもらいました。このときが初めてのサウナだったんですが……整ってしまいまして(笑)。それ以来サウナにハマって、月に2~3回は行っています」

――『アニストテレス』を受けたときに手応えはありましたか?

実は、声がでかいことには自信があったんです(笑)。僕、小3から中3まで野球をやっていて、7年間、校庭やグラウンドでずっと声出ししてたんですよ。だから、声のでかさでは印象づけられたんじゃないかと思いました(笑)。

――戸谷さんはどんなアニメがお好きなんですか?

僕は兄と姉がいる末っ子なんですが、兄が漫画好きだったんですね。その影響もあって、アニメをよく見ていました。それと、僕は小2のころまでタイに住んでいたんですが、向こうでも日本のアニメを見ていましたし、帰国後はケーブルテレビでいろいろなアニメを見てきました。『ドラゴンボール』や『ポケットモンスター』、『イナズマイレブン』などですね。

――実際に声優の世界に足を踏み入れて、どんなことを感じましたか?

このお仕事をするようになってから、『BEASTARS』という作品で主人公のレゴシ役をやられていた小林親弘さんのお芝居を知りました。小林さんは声を大きく変えずに、すごく自然な演技で、違う役を巧みに演じ分けていらっしゃるんです。その演技が素晴らしくて、小林さんみたいに自然なお芝居ができるようになりたいなと思っています。

――オーディション合格後はSMA所属になりました。

SMAには役者もいるし、アーティストも、お笑い芸人もいる。いろいろな才能を持つ方がいらっしゃることが良いなと思っています。最近『UniteUp!』という作品でシンガーソングライターのmasaくん(春賀楽翔役)と一緒にいる機会が多いんですが、彼の歌声を聴いたときに感動したんですよね。歌もうまいし、アフレコのときの声も良い。芝居心があって素晴らしいなと思いました。こういう人が同じグループ会社内にいるんだと思うとすごく刺激になりました。ほかにも、役者さんとアフレコでご一緒すると、声優とは全然違う芝居のアプローチをされているんですよね。そういうところからも刺激を受けています。

「誕生日を事務所のみんなにお祝いしてもらってハッピー!」

――アニメ『チェンソーマン』では、SMAの先輩、楠木ともりさん(マキマ役)と共演されていますね。楠木ともりさんにはどんな印象をお持ちですか?

楠木さんは心と感情の表現がすごくお上手なんですよね。ライブにお邪魔したことがあるんですが、そのときの歌っている姿が素晴らしかったんです。アフレコのときも表現力がすごいなと思っていたんですが、ライブのときはさらに入り込んでいて。1曲ごとに気持ちを込めて歌われているので、こういう表現力があるから、芝居も素晴らしいのかなって思いました。声優活動とアーティスト活動がお互いにいかされているんだろうなって。

――戸谷さんも、公式YouTubeチャンネル“TOYA JAZZ KIKU JAZZ”で、トロンボーンの演奏を披露されていますね。

高校生のころに吹奏楽部でトロンボーンを始めて、ジャズをやっていたんです。その後もトロンボーンはつづけていて、YouTubeチャンネルで披露させていただく機会ができました。

戸谷菊之介【Fly Me to the Moon】TOYA JAZZ KIKU JAZZ #4

――活発な高校生だったんですね。有志でお笑いをやり、部活ではトロンボーンを吹き……。

どちらかというとベースは部活動で、トロンボーンは毎日吹いていました。文化祭や催し物があるとお笑いをやるという感じでした。

――“TOYA JAZZ KIKU JAZZ”を始めたきっかけは何だったんですか?

高校卒業後もトロンボーンはずっと吹いていたんですが、コロナ禍で吹く場所がなくて、ちょっとブランクができてしまったんですね。そんなときに、このYouTubeチャンネルの企画が立ち上がって。Calmeraの皆さんと一緒に、いろいろなジャズの名曲や有名な曲をジャズアレンジで演奏することにしたんです。“TOYA JAZZ KIKU JAZZ”の現場では、プロの演奏者の皆さんに盛りあげていただいて、本当に助かっています。皆さんすごいなと。僕はひたすらトロンボーンと格闘している感じです。

「YouTube初収録のときのスタジオです。毎回、一緒に演奏している方たちを見て、プロってすごいな~と感動しています。しばらくトロンボーンを吹いていなかったので、今はまだ感覚を取り戻してるところですが、ゆくゆくはお客さんの前で披露したいです!」

『チェンソーマン』では抑えた芝居を求められる

――戸谷さんは、10月11日放送開始のTVアニメ『チェンソーマン』の主人公、デンジ役に抜擢されました。こちらは『週刊少年ジャンプ』で連載されていた(現在は『少年ジャンプ+』で連載中)累計発行部数1,600万部(電子版含む)の人気作品です。デンジ役に決まるまでは、どんな経緯があったのでしょうか?

これまでいろいろなオーディションを受けさせていただいたのですが、『チェンソーマン』のオーディションはかなり違う感じだったんですね。最初は、テープオーディションでデンジ役をアニメっぽく役作りしていたんです。そのあとに2次のスタジオオーディションに行ったら「デンジ役はアニメっぽくしたくないので、テンションを抑えてください」とスタッフの方から言われたんです。僕がこれまで参加してきたアニメでは、そういう極限まで抑えた芝居を求められたことはなかったので、戸惑いつつも頑張って抑えるようにしました。

――他作品のオーディションとは求められているものが違ったんですね。

そうですね。これまでは、抑揚をつけてはっきりとした感情表現をして、発声をしっかりして、活舌も良くする……みたいな芝居をするのが声優というものだろうと思っていたんです。そういう演技ができる人を目指していたんです。でも「チェンソーマン」のオーディションの直前に、前述した小林さんの芝居と出会って、ナチュラルなしゃべり方に対して意欲が出てきたときだったので、個人的にタイミングが良くて。そういう芝居にも積極的に取り組むことができたんです。オーディションで選んでいただけたのは、本当にめぐり合わせと、運とタイミングが良かったんだなという感じですね。

――合格したときはどんなお気持ちでしたか?

超うれしかったし、信じられない気持ちのほうが大きかったです。これは本当に現実なのかわからないっていうぐらい。浮き足立ったような気分が1週間ぐらいずっとつづきました。デンジ役に決まったことを家族に報告したときは、漫画好きの兄は『チェンソーマン』を読んでいたので、めっちゃ喜んでましたね。姉も報告したその日にすぐ全巻買ってくれて(笑)。みんなすごく喜んでくれました。

「9月に行なわれた『チェンソーマン』のワールドプレミア終了後、ピースで記念写真」

――実際のアフレコが始まって、デンジ役の収録はいかがですか?

デンジは思ったことを何でも実行に移しちゃう、いわゆるストッパーがない人だと思うんです。普通の人は日常生活において、いろいろなストッパーをかけているじゃないですか。そういうストッパーがないところがデンジの魅力でもあるんですが、そういう部分は作るのではなくて、まず自分の気持ちをベースにおいて。僕がデンジみたいな状況にいたら、どう思うかなと考えたり、そんな状況にいたことはあったかなと思い出したりして、そこからデンジの芝居に近づけていくようにしていました。だから、演じるという気持ちはほとんどなくて、もう自分の素の感情を出すという感じです。

――『チェンソーマン』にはオフビートなコミカルなシーンもありますが、そこはお笑いの経験がいきているのでしょうか?

コミカルなシーンも、本気でやっています。例えば、パワー(デンジのバディとなる魔人)と喧嘩するシーンはコミカルなセリフの掛け合いになっているんですが、僕自身は本気で喧嘩するつもりでセリフを発しました。そういうときは、お笑いのような客観的で、第三者的な目線は入っていなかったと思います。

――どちらかというと、お笑いはボケとツッコミの計算や、お客さんの目線を意識して、舞台に立っているところがあるかもしれませんね。

そうですね、漫才師の方もツッコむときに本気で怒って、叩いてるわけじゃないですよね。でも、声の芝居は感情が本気でも良いわけですから……。

――そうやって本気で収録を進められている『チェンソーマン』は、かなり注目を集めています。

大きな作品になりそうだということは、現場で収録をしているときに感じました。スタッフの方に「スターになれるかもしれないね」と言われたり(笑)。そんなことを言われたことも初めてですし、最初は想像もできなかったんです。でも、アニメ化が発表されて、ワールドプレミアイベントで舞台挨拶に立たせていただいたりして、たくさんの方に期待されている作品なんだと、だんだんと実感するようになりました。

「トロンボーン担当の清嶋桜晴役を演じた育成ゲーム『ウインドボーイズ!』の番組裏で」

『UniteUp!』の明良くんとは性格も似ているところがある

――そして、先日発表された多次元アイドルプロジェクト『UniteUp!』では、清瀬明良役としてアイドルを目指す少年を演じられています。こちらで戸谷さんは歌も歌われていますね。

オーディションのときに歌う機会があったんです。ただ、歌に関しては、SMAに所属してから本格的に始めたので、まだまだ苦労しています。音楽をずっとやってきたので自分の出す音のピッチがズレていたり、目指している音程と違うことはわかるんです。だから、そこに近付けていけるように日々頑張っている段階ですね。

――ダンスのほうはいかがですか?

社会人になってから、1年間だけダンスを習っていた時期があったんですけど、ダンスの経験はそれだけで。見せる動きはまだまだできないんです。筋肉も足りないと思うし、油断すると手足に意識が届かなくなっちゃう。本当にダンスは難しいですね。まだまだこれからだと思っています。

――戸谷さんが演じる清瀬明良は、動画サイトで歌い手の活動をしていて、アイドルを目指す少年です。もともと野球少年だったという設定はご自身と通じる部分ですね。

そうですね。あと、明良くんとは性格も似ているところがあるんです。明良くんはちょっと諦めグセがついているような子で、自信がなくていろいろなことに逃げがちだったんですけど、僕もそういうところがあったので、明良くんの気持ちはよくわかるんです。

――声優としてアニメで演技しつつ、ご自身でもパフォーマンスを行なうというのは、新しい挑戦ですね。

いろいろやらせてもらって楽しいですね。アニメのアフレコも始まっていますし、ダンスのレッスンもメンバーと一緒にやっているんです。同世代のいろいろな才能を持っている人たちが集まる作品ですし、みんな仲が良いんで、友だちも増えたし、すごく楽しいプロジェクトだなって感じています。

――『チェンソーマン』のデンジ役で戸谷さんの名前を知った人にとっても、戸谷さんの違った一面を知る作品になりそうです。

そうなったらうれしいです。役者として、違う役どころを演じ分けているところも知っていただきたいですし、ダンスや歌も見ていただきたいと思っています。

――今後、どんな声優を目指していきたいですか?

野球やお笑い、音楽といろいろなことに触れてきたからこそ、誰かに似ている声優になりたくない。そういう反骨精神みたいなものはあると思います。そうやって自分だけの何かを探しつつ、現場に入っているときは、現場の雰囲気を作れるような声優になりたいなって思っています。

現場にいる先輩のなかには、おしゃべりするだけで現場の空気が和らぐ方が何人もいらっしゃって。周りにいる僕らをリラックスさせてくれて、僕らの力を引き出してくれるんです。それこそ、ファイルーズあいさん(『チェンソーマン』のパワー役)はそんな雰囲気を持っている方で、すっごく明るくて、僕らともたくさんしゃべってくれて、現場を明るくしてくれるんです。そういう現場の空気を変えられるような声優さんを目指したいですね。

文・取材:志田英邦

関連サイト

公式サイト
https://smavoice.jp/s/sma03/artist/42?ima=4158
 
Twitter
https://twitter.com/Kikunosuke_Toya
 
YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCTTGM3Ibj8KtrLMhNZDxMyw
 
アニメ『チェンソーマン』公式サイト
https://chainsawman.dog/
 
『UniteUp!』公式サイト
https://uniteup.info/

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