イメージ画像
イメージ画像
連載Cocotame Series

アーティスト・プロファイル

日本人声優初! マルチリンガルアイドル、天城サリーが挑戦する2言語キャスト【後編】

2023.02.15

  • Twitterでこのページをシェアする(新しいタブで開く)
  • Facebookでこのページをシェアする(新しいタブで開く)
  • LINEでこのページをシェアする(新しいタブで開く)
  • はてなブックマークでこのページをシェアする(新しいタブで開く)
  • Pocketでこのページをシェアする(新しいタブで開く)

気鋭のアーティストの実像に迫る連載企画「アーティスト・プロファイル」。

今回登場するのは、デジタル声優アイドル、22/7のメンバーであり、さまざまなアニメ作品に参加している天城サリー。現在、世界各国、各地域で放送、配信中のアニメ『トモちゃんは女の子!』では、キャロル・オールストン役を日本語版、英語版同時に担当するという、日本人声優としては初の試みに挑戦。マルチリンガルをいかしてグローバルに活躍する彼女に、今の想いを聞く。

後編では、アニメ声優に対する想いと、大きな挑戦を乗り越えた先に見つめる未来を語る。

天城サリープロフィール画像

天城サリー Amaki Sally

4月26日生まれ、アメリカ・ロサンゼルス出身。2016年12月24日よりデジタル声優アイドル22/7のメンバーとして活動。グループでは、キャラクターメンバー・藤間桜を務める。同時期より、声優としてもアニメやゲームなどで幅広く活躍。放送、配信中のアニメ『トモちゃんは女の子!』日英版の両方で、キャロル・オールストン役を担当している。

声優としての立ち居振る舞いもアニメから教わった

天城サリーインタビュー画像6

前編からつづく)出身地のアメリカでアニメと出会い、アニメの声優になること志して、日本にやってきた天城サリー。今回、『トモちゃんは女の子!』で日英2言語同時キャストという挑戦に彼女を向かわせたのも、アニメへの大きな愛があるから。

その愛と希望を胸に日本にやってきて、声優として活動を開始した彼女が最初にぶつかった壁……それは日本の声優の立ち居振る舞い、スタジオでの礼儀作法だったという。

「新人声優さんは所属している事務所の先輩にいろいろ教わって、声優の立ち居振る舞いを学ぶそうなんです。でも、私は事務所内に声優の先輩がいなかったんです。なので、初めて現場に行くときに、そういったことを教えてくれる方がいなかったんですね。でも、アメリカにいたときに『それが声優!』というアニメを見ていて、そこでいろんなことを学ぶことができました。初めてご挨拶をするときは、どのようにしたら良いか。それも『それが声優!』で見たことをそのまま実践しましたね」

天城サリーインタビュー画像2

『それが声優!』の原作は、声優として活動している浅野真澄(作家としての活動はあさのますみ名義)が実体験をもとに描いた漫画。最初は同人誌、Web漫画として発表され、のちにアニメ化を果たした。新人声優がアルバイトで生計を立てていたり、学生生活と仕事を両立していたりと、リアリティあふれる描写が印象的な作品だ。

「実は今回私が参加した『トモちゃんは女の子!』のトモちゃん役の高橋李依さんは、その『それが声優!』のメインキャスト、一ノ瀬双葉役を務められていた方なんです。今回、その高橋さんとご一緒できて本当にうれしかったです。『トモちゃんは女の子!』の収録現場で『私は高橋さんに現場での立ち居振る舞いを教わったんです』というお話ができました。高橋さんはすごく優しくて、すべてを包み込むような包容力があって。収録の休憩時間でも、周りのスタッフやキャストの皆さんに気配りをしてくださるんです。尊敬することばかりで、本当にカッコ良い方なんです。実は今日着ているセーターも、高橋さんとお買い物に行ったときに買ったもので。一緒にお出かけできるくらい仲良くなれてすごくうれしいです」

天城サリーインタビュー画像3

オーディションの連絡のたびに『まだ残っているんだ』とほっとする

天城サリーがアニメ作品で演じているキャラクターはどれも特徴的だ。『やくならマグカップも 二番窯』ではメキシコ出身のヒメナ・バルデス役、『ぼっち・ざ・ろっく!』ではイギリス出身の清水イライザ役。『かぐや様は告らせたい』ではフランス語を話すベルトワーズ・ベツィー役を演じている。また、2023年春に放送が予定されている『ワールドダイスター』ではドイツ出身のカトリナ・グリーベルを担当。どの作品でも、彼女の語学力が発揮されるキャラクターを担当しているのだ。

「ヒメナちゃん役はオーディションで決めていただきました。ヒメナちゃんはスペイン語アクセントの英語をしゃべるという女の子だったので、日本のことが好きなスペインの方のYouTubeを見て、その方の話し方を真似しました。スペインの方は“r”の発音をするとき、巻き舌で話すんですよね。そこを意識して演じました。『ぼっち・ざ・ろっく!』や『かぐや様は告らせたい』は、オーディションで別の役も受けていたのですが、イライザちゃん役やベツィーちゃん役で参加することができました。ベツィーちゃんのフランス語のセリフは、台本にもフランス語が書いてあったと思います。カトリナちゃんもオーディションを受けたのですが、いただいた台本にドイツ語が書いてありました。私はこれまでドイツ語を一切話したことがなかったので、調べてからオーディションに臨みました。カトリナ役の収録はこれからになるので楽しみにしています」

天城サリーインタビュー画像1

天城サリーの活躍の場は日本のアニメだけではない。人気ゲームの『オーバーウォッチ 2』では日本人キャラクター、キリコの英語版声優を担当している。こちらのキャラクターのセリフは英語オンリー。まさに彼女の語学力がいかされるキャラクターだ。

「『オーバーウォッチ 2』のキリコ役もオーディションがありました。このゲームは国際色豊かなキャラクターがたくさん登場するんですが、そのキャラクターの出身の方をキャストに起用されているようなんです。だから、オーディションの参加者も、英語が話せる日本人の方が多く参加されていたようです。実はオーディションが5回ぐらいあって、私が今まで経験したなかで一番長いオーディションでした。テープオーディションを2回やって、スタジオオーディションを3回……次のオーディションのご連絡をいただくたびに『ああ、私はまだ残っているんだ』とほっとしていました(笑)。

天城サリーインタビュー画像5

オーディションのときは、キリコのセリフは片言の英語とストレートな英語の両方を録りました。最終的に、本番ではストレートな英語で収録しています。『オーバーウォッチ 2』には、もうひとりアジア系のD.VAちゃんというキャラクターがいるんですが、彼女もストレートな英語でセリフをしゃべっていますね」

『オーバーウォッチ 2』は、プレイヤーVSプレイヤーで対戦することがメインとなるゲーム。登場するキャラクターには強さが求められる。

「キリコは、英語だと“Sarcasm”という、皮肉めいたジョークを言うキャラクターなんですけど、クールな感じにしたいというディレクションがあったんですね。収録の担当をされていたスタッフの方が、私のYouTubeをご覧になったみたいで、動画中に死んだような目で英語のジョークを言っているシーンがあるのですが(笑)、『こういう感じでやってほしい』と言ってくださったんです。あれはとてもうれしい経験でしたね」

アイドル活動では、想像しなかったような感情を味わうことができる

天城サリーインタビュー画像4

天城サリーは声優活動とともに、約6年にわたりデジタル声優アイドルグループ22/7でアイドル活動を行なっている。アイドルの現場に立つことは、声優活動にどんな影響があるのだろうか。

「アイドルをやっているときの感情は、声優のオーディションでいかされているなって思いますね。私はアイドル活動をする前に、フィギュアスケートを本格的にやっていたんですが、個人競技だったので全部の感情の向く方向が自分自身だったんですね。でも、アイドル活動をしていると、自分ひとりではないので、それまでは想像しなかったような感情をたくさん味わうことができるんです。ファンの皆さんやメンバーと一緒に味わった感動もあれば、ときには、上手く伝えられないもどかしさとかもあって。まるで演技の勉強をしているような気持ちになりますね」

天城サリーインタビュー画像7

逆に、声優としての活動が、22/7のパフォーマンスに役立つこともあると天城サリーは言う。22/7のメンバーはそれぞれ担当のキャラクターを持っており、彼女が担当するのは藤間桜。『22/7計算中』などのバラエティ番組では、そのキャラクターとして出演している。

藤間桜画像

藤間桜

「22/7の歌は、人のダークな感情を歌っていたり、重いメッセージを持った曲も多いんです。歌のなかにセリフが入っている曲もあるし、気持ちの入れ方や感情の表現では、声優の活動が役に立っているなと思います。22/7での活動は、私自身よりも、桜ちゃんが前に立つべきだと思っているんですね。桜ちゃんが歌って活動しているから、私はアイドル活動をしているという感覚があるんです。桜ちゃんにももっと注目してもらえたらうれしいです」

天城サリーインタビュー画像4

22/7のアイドル活動も順調ななか、マルチリンガル声優としての立ち位置を確立しつつある天城サリー。声優としても今後大きな活躍が期待されている。そんな彼女が見つめる未来とは。

「今はありがたいことに、外国語を話せるキャラクターをたくさん演じさせてもらっています。私がいろいろな言語を話せるから、役をいただくことが増えていると思うので、今は、この語学力が大切なものなんだと改めて実感しています。私がアメリカで暮らしていたころは、いろいろな言語が話せても特別なことだとは思っていませんでした。特に、日常生活に役立っていたというわけでもないので、日本に来て声優として活動するようになり、語学力をいかすことができて本当に良かったです。

これからは語学力だけを評価されるのではなく、私自身も評価していただけるように頑張っていきたいと思っています。英語ができる天城サリーではなくて、『天城サリーって英語もできるんだね』って言われるようになりたいですね。私が憧れている声優の杉田智和さんは、この役は杉田さんが演じれば安心だって思われるような信頼感がある方なんですが、私も“天城なら安心”と思ってもらえるように、頑張っていきたいです」

天城サリーインタビュー画像9

文・取材:志田英邦
撮影:干川 修

関連サイト

天城サリー Twitter
https://twitter.com/sally_amaki(新しいタブで開く)
 
天城サリー Instagram
https://www.instagram.com/sallyamaki/(新しいタブで開く)
 
天城サリー YouTube
https://www.youtube.com/channel/UCi4UjmN8HSi16sAhh_iEb6w(新しいタブで開く)
 
22/7公式サイト
https://nanabunnonijyuuni.com/s/n129/artist/a1?ima=2336(新しいタブで開く)
 
22/7公式Twitter
https://twitter.com/227_staff(新しいタブで開く)
 
22/7公式Instagram
https://www.tiktok.com/@227official?lang=ja-JP(新しいタブで開く)
 
22/7公式YouTube
https://www.youtube.com/channel/UChaMqqXSn8BpWdShqFSPhpQ(新しいタブで開く)
 
『トモちゃんは女の子!』公式サイト
https://tomo-chan.jp/(新しいタブで開く)

連載アーティスト・プロファイル

  • Sony Music | Tech Blogバナー

公式SNSをフォロー

ソニーミュージック公式SNSをフォローして
Cocotameの最新情報をチェック!