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連載Cocotame Series

Eyes on

halca:アニメへの恩返しを目指して5周年からまた歩き始める

2023.03.23

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今、注目すべき旬のアーティストにスポットを当て、最新インタビューとプライベートショットで素顔に迫る連載「Eyes on」。

今回登場するのは、『かぐや様は告らせたい-ファーストキッスは終わらない-』挿入歌「ロマンティックマニフェスト」などを収録するニューアルバム『nolca solca』を1月に発表し、4月から自身初の東名阪ツアーを開催するシンガー、halca。この5月にデビュー5周年を迎える彼女が、ここまでの歩みとここから目指すところを、等身大の言葉で語る。

  • halcaプロフィール画像

    halca

    ハルカ

    2013年、ボカロ・アニソン特化型オーディション「第1回“ウタカツ!オーディション”」で準グランプリを獲得。2018年5月30日、TVアニメ『ヲタクに恋は難しい』エンディングテーマ「キミの隣」でメジャーデビュー。以降、『かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~』『彼女、お借りします』ほか、数々のTVアニメの主題歌を担当。最新アルバム『nolca solca』発売中。4月29日から自身初の東名阪ツアー『LAWSON presents halca first tour 2023 “nolca solca culca”』を開催する。

5年もつづけさせてもらえていることにびっくり

――令和5年5月にデビュー5周年を迎える心境から聞かせてください。

自分が5年も歌手のお仕事をつづけさせてもらえていることにびっくりです。もちろん歌うことが大好きだから、ずっとつづけていきたいなっていう気持ちはあったんですけど、オーディションからデビューまでが4、5年ぐらいかかって……。オーディションで見付けてもらうまでがゴールじゃなくて、そこからが大変なんだなってわかったし、実際にデビューしてからは、デビューしてからのほうが大変だなとも思いました。

あとは、自分の“やりたい”っていう気持ちだけじゃどうにもならないことがいっぱいあることも感じたので、今、健康で、チームの人に優しくしてもらいながら、楽しく活動をつづけることができているのがすごくうれしいですし、奇跡的なことなんだなと思ってます。

halca『SACRA MUSIC FES.2022‐5th Anniversary』バックステージ写真

「昨年12月にサウジアラビアで行なわれた“SACRA MUSIC FES.2022‐5th Anniversary”のバックステージです。サロペットとビスチェを組み合わせたカラフルな衣装でステージに臨みました」

――2013年秋に“ウタカツ!オーディション”で準グランプリを獲得してから、2018年にデビューするまでの期間は、halcaさんにとってどんな日々だったんでしょうか。

当時、まだ学生だったんですけど、あんまり時間を上手に使えてなかったなって思います。歌の練習はいっぱいして、初めてボイストレーニングもやらせてもらって、素敵な先生たちにも出会えて、私らしい歌い方を見付けることはできました。でも、自分がライブでステージの上に立つということをちゃんと想像できてなかったし、今振り返ってみると、頑張りが足りてなかったなって思います。まだ歌手に憧れてるという、ふんわりした状態でしたね。

――なかなかデビューできないという焦りはあったんでしょうか。

ありました! 最初の2年くらいは前向きに楽しくやっていて、「いつデビューできるのかな~?」みたいな感じで、のんきにワクワクしてたんですけど(笑)、3年、4年と時間が経っていくにつれて、「なんでデビューできないんだろう?」と不安になっていきました。所属事務所のミュージックレインの皆さんはいつも優しいから、“もしかしたら、みんな情が湧いて、「育成の契約はおしまいです」って言いづらいんじゃないだろうか”とか想像したこともありました。どこかの節目で、自分から別れを告げないといけないんだと勝手に思ってましたし、一時期、歌うこともあんまり好きじゃなくなったこともありました。友達からのカラオケの誘いも断ったり。そんな感じで気持ちが沈んでた時期もありましたね。

――そこはどうやって乗り越えたんですか?

自分のなかでずっと好きだと思えることが、歌しかなかったんですよ。子どものころ、習い事をいっぱいやらせてもらったんですけど、どれもつづかなかったんです。興味があることはいっぱいあるんですけど、例えば準備をしたり、片付けをしたりするのが面倒で。でも歌は、自分の体だけでできるじゃないですか。突発的に、どこにいてもできるのが良いなと思って。お風呂のなかでも車のなかでもずっと歌ってました。

それで、そんなに好きな歌をやめちゃったら、諦めちゃったら、私に何が残るんだろう? って思ったんですよね。すごく大袈裟に言ったら、なんのために生まれてきたんだろうな? みたいな。そんなに好きなものを失うのもすごく怖かったです。小学生のころから「歌手になりたい」って言いつづけてきた私を友達も応援してくれていたし、でも逆に「歌手になんてなれるわけないだろう」って言われることもあって。そういうときに、私は落ち込むよりは燃えちゃうタイプなんです。「絶対に見返してやる」みたいな気持ちもあったし、本当に親身になって応援してくれてる人たちに良い報告をするためにも、絶対に夢を叶えなきゃとも思って。まとめると……なんて言うんだろう、しぶといんですかね?(笑)

――(笑)。揺るがない信念と根性はありますよね。

そんなふうに、自分から別れを切り出さないといけないのかなって悩んでるときに、オリジナル曲を歌えることになったんです。

――ケータイ小説サイト“野いちご”発のコンピレーションアルバム『ずっとずっと、大好きな君のそばで。』に収録された「キミの空」ですね。

はい。うれしかったんですけど、そのときはまだ歌に対して前向きな気持ちに戻れていなかったし、実際に歌も下手になってたんですよ。声がヒョロヒョロになってしまっていて、ボイストレーニングの先生と一緒に、1行1行、ニュアンスの付け方を細かく練習してから、人生で初めてのレコーディングに臨みました。

レコーディングは、練習のお陰で自分の声が戻ってきたという自信もあったし、誰もいない小部屋のなかで大きい声を出して歌うことで気持ちがすっきりしました。ちょっと前までは「自分には向いてないんじゃないか……」というぐらい落ち込んでたんですけど、ちゃんと準備すればできるんだから大丈夫だなって思えたし、やっぱり形になったものを聴いたらすごく感動して。私だけじゃなく、みんなで作った楽しさみたいなものもありましたし、そこでちょっと希望が見えてきたんです。レコーディングが終わったあとに偉い人から「すごく良かったよ」って言ってもらって。それが嘘に聞こえなかったんです。私に別れを告げづらいからお世辞を言ってるわけじゃないんだなって感じられたので、もうちょっと頑張ってみようかなって思いました。

ライブ後の記念撮影写真

「ライブ後の記念撮影です。1時間も歌わせていただいて、終わったあと向こうのメディアの方に『君はロックスターだ!』って言っていただいてうれしかったです。この日、サウジアラビアではめったに降らない雨が降ったんですよ!」

食事風景写真

「サウジアラビアの食べ物はどれもおいしかったです。これはラムチョップの店に連れていっていただいたときで、大きいのを3つぐらい食べました」

人前でしゃべったり歌ったりするのが怖かった

――その1年後に、1stシングル「キミの隣」でメジャーデビューを果たしました。冒頭で、「デビューしてからのほうが大変だった」と言ってましたが?

私のやり方がそうだったっていうだけなんですけど、デビューからコロナ禍になるまで、インストアイベントを毎週末ほぼ欠かさずやっていたんです。毎週末、常に本番が待ち構えてる感じで。最初のころは楽しみだったんですけど、自分の体調が万全じゃないときにも歌わなきゃいけないことをつらいなと思ったりしましたし、halcaとして1度世に出ちゃったら、1個1個の発言全部を、みんなにチェックされてるみたいな感じがして。変なこと言ってしまわないようになるべくしゃべりたくないけど、でも自分のことを知ってもらうためにはしゃべらないといけない、というジレンマで。だから、いろんなところに行って、いろんな人としゃべったり、歌ったりするのも怖かったです。デビューしてから、自分のことを見られるのがあんまり好きじゃないんだなってことに気付きました。

――えっ!? 歌手にはなりたいと思ってたけど、人に見られるのは好きじゃなかったんですか?

私もびっくりしました(笑)。世間知らずの小娘が、いろんな素敵な人たちと近い世界でお仕事を始めたことで、初めて自分の身の丈を思い知ったみたいな感じだと思います。自分のライブでの動きも駄目だし、まず、ビジュアルも自信ないなって……。小さいころに見ていた、歌番組でキラキラしてる人たちと自分は全然違うなというのを目の当たりにして。

でも、デビューしちゃったからには、今度は自分が歌手を目指してる子たちのお手本にならなきゃいけないじゃないですか。だけど、そうなれてないなってずっと思ってたので、人前に出ることがしばらくは怖かったです。“歌うことが楽しい”と“人前に出るのが怖い”のプラスマイナスがゼロになってバランスが取れるようになったのは、2年目、3年目……4年目ぐらいかな。

『SACRA MUSIC FES.』記念写真

「“SACRA MUSIC FES.”では、最前列付近のお客さんが手作りのプラカードを掲げてくれていたんです! 記念にいただきました!」

5周年のここをデビューとしたい(笑)

――転機になった曲を挙げるとすると?

何か変わったなって思い始めたのは、7thシングルの「キミがいたしるし」(2021年5月)をリリースしてからですね。レコーディングのときに、特別に何かを思ったりしたわけではなかったんですけど、ミュージックビデオの撮影のおかげもありました。

――雪の志賀高原で撮影していましたね。

【期間限定公開】halca 『キミがいたしるし』Music Video(TVアニメ『BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS』ED)

すっごく寒い思いをして大変だったんですけど、めっちゃ開放感があって。コロナ禍で、しばらくはスタジオのなかでの撮影がつづいてたんですが、すごく広いところに行ってみたら、思った以上に伸び伸びできて。夜になってから暗い森にプロジェクションマッピングを投影して、私が薄暗いなかで歌うシーンを撮影したんですけど、そこでも私、あまり照らされたくないって思っちゃって。明るすぎると、お肌とか髪の毛とか、ちっちゃいところが気になっちゃうんですよね。今まではライトがないなんてあり得なかったので考えたこともなかったんですけど、暗いなかで撮ってもらったら、自分の部屋にいるときみたいなテンションになれたんです。誰にも見られていないような気がして、自分の曲に合わせて好きに動けました。

例えば、いつもだったら肩ぐらいまでしか手をあげないところが、そのときは耳の位置まで手をあげることができたり。そこで、ちょっと暗いなかだったけど、人前で思い切りできたことが自分のなかでの勇気に繋がって。それを得たおかげで、ライブのときもお客さんが見てるけど大丈夫って、思い切ることができるようになりました。

『SACRA MUSIC FES.』控室写真

「“SACRA MUSIC FES.”が行なわれた会場の控室には出演者の皆さんがサインを書いていて。私も“せっかくだからでっかく書いちゃえ~”って(笑)」

――デビューから5年が経とうとしている今、ご自身では、halcaはどういうシンガーだと思いますか?

まだまだ生まれたてだなって思います。シンガーとしても、人間としても、やっと自分のことをわかり始めてきたので、ここからだなって思っています。もう5周年になるんですけど、ここをデビューとしたいです(笑)。今までは、みんなで楽しく、halcaの成長過程を見守る面白いコンテンツとして捉えてもらっていたんだと思いますが、ここからを新たなスタートとして、ちゃんとみんなに憧れられるような歌手になりたい。エンタテイナーとして誰かをしっかり楽しませられる準備がやっと完了したなと思うので、「お待たせしました」という感じですね。

――この先の未来はどんな想像をしてますか? これからも変わらずにアニソンを歌いつづけていきますか?

アニメが好きだからアニメの曲もどんどん歌いたいですし、アニメ以外でも自分の曲が使われたらうれしいなって思ってます。今はアニメをきっかけとして自分の曲を聴いてもらえてることが多いので、私の歌手としての目標は、いつかアニメの力を借りずにドカーンと売れてみたいです(笑)。そのあと、またアニメの主題歌を歌わせてもらえるときに、halcaきっかけでアニメのほうを見てもらえるというような形ができたらうれしいです。いつも本当におんぶにだっこというか、作品のファンの方が曲を聴いてくれることが多いので、halcaが歌ったらアニメが大ヒットしたみたいなことになったらめっちゃ素敵だなと思うし、いつかアニメに恩返しをしたいですね。

文・取材:永堀アツオ

ライブ情報

『LAWSON presents halca first tour 2023 “nolca solca culca”』
 
詳細はこちら(新しいタブで開く)

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