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連載Cocotame Series

アーティスト・プロファイル

これから始まるシンガー・柏木ひなたの第2章【前編】

2023.06.28

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気鋭のアーティストの実像に迫る連載企画「アーティスト・プロファイル」。

今回クローズアップするのは、昨年12月にアイドルグループ・私立恵比寿中学を卒業し、6月28日にソロデビューを果たした柏木ひなた。グループ在籍時から歌唱力の高さに定評があった彼女がソロシンガーになるまでの経緯と、これからのビジョンを聞く。

前編では、私立恵比寿中学在籍時からソロシンガーへとつづいた道を改めて振り返る。

柏木ひなたプロフィール画像

柏木ひなた Kashiwagi Hinata

1999年3月29日生まれ。千葉県出身。血液型B型。2010年から2022年まで、私立恵比寿中学のメンバーとして活動。2020年に、テレビ朝日系『関ジャム 完全燃SHOW』で“令和アイドル界スゴいボーカリスト10人”に選出されるなど、歌唱力やダンスの実力に定評がある。ソロとしては、私立恵比寿中学在籍時に全国主要都市ワンマンツアーを2回成功させている。24歳になった2023年3月末より、ソロシンガーとして本格的に始動。6月28日、ソロデビュー曲となる「From Bow To Toe」をリリース。

また自分の歌を届けられることがうれしい

柏木ひなた画像1

「グループを卒業してから約半年なんですが、私自身、こんなに早くソロデビューできるとは思っていなかったです。すごくありがたい環境にいることを実感しましたし、早く歌を聴きたいっていう声もたくさんいただいていたので、ファンの皆さんにまた自分の歌を届けられることが一番うれしいですね」

6月28日に「From Bow To Toe」でソロデビューした柏木ひなたは、現在の率直な気持ちをそう語る。

小学6年生のときに、当時最年少としてアイドルグループ・私立恵比寿中学に“転入”した柏木は、グループがライブパフォーマンス向上を追求する上で、ひとつの時代を作った。そして昨年12月16日をもって、12年間在籍した私立恵比寿中学を卒業した。

「加入した当初は、普段の学校生活とエビ中と、ふたつの学校を両立してるみたいな感覚でした。そのうちどんどんお仕事が増えていって、メンバーも変化していって、いろんな逆境があったり、悩んだこともたくさんありました。それでも12年間もつづけられたのは、きっとエビ中だったからだと思います。

ちょっと気持ち的にダウンしちゃうこともありましたけど、それでもやっぱり、エビ中のことが大好きで、ここにいたいって思える場所だったんですね。そう思えたことが、私は何よりうれしくて。ひとつのことをずっとつづけることはなかなか難しいと思うんですけど、今、振り返ってみても、エビ中には、私の好きなことが全部詰まっていたなと思います」

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その「好きなこと」とはなんですか? という問いかけに、彼女は迷いなく、強い意思を感じさせる表情で「歌うことと踊ること」と答える。

「ライブっていうものがすごく好きなんですよね。今でも『一番好きなお仕事はなんですか?』と聞かれたら、絶対に『ライブです』って答えます。ライブをしてるときの自分だけは好きでいられるんですよ。私、根がネガティブなほうなので、それ以外の自分はあんまり好きじゃないんです。だから、自分が出てる雑誌とかドラマとか映画を見ることはあまりないんですけど、エビ中のライブ映像は全部見てます。

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ライブをやってる最中は、自分も楽しみつつ、みんなを楽しませなきゃという気持ちでやってるので、自分がどう見えているかは意識しない。だから、映像化されたものを見たときに、ファンの方と同じ目線で『ひなた、楽しそうだな』と思うんですね(笑)。そこで改めて、私はライブが好きなんだなって実感するんです。歌とダンスが好きだから準備も頑張れるし、好きだからライブで爆発できる。ステージ上の自分は輝いてるなって思えますね」

この世界に入ったときの夢を追いかけてみよう

歌とダンスへの想いをここまで表に出すようになったのは、私立恵比寿中学に加入してから8年後の2018年ごろからだ。2014年4月に“2代目ダンス部長”に就任した柏木は、2015年には突発性難聴に見舞われ、活動を休止せざるを得ない時期もあった。その後、2018年には独特のキャラクターと高い歌唱力で柏木とともにグループを牽引してきた廣田あいかが“転校”した。

「本当にいろいろなことがあったんですけど、自分が変わったというか、周りの反応も変わったかなって思ったのは、2018年1月3日の廣田の卒業コンサートのあとからですね。6人体制になるのか、それとも新しいメンバーを入れるのかっていうところもあったんですけど、その辺りから自分の気持ち的に大きく変化して。

そのときは10代だったんですけど、それまでは私、あんまり前に出て発言するタイプではなかったんですよ。でも、そのときはどうしても『6人でやりたい』って言わないといけないと思って。そこから、自分の意見を言っても良いんだなって思えるようになったし、人から頼られることも多くなった。自分の人間力が少しずつだけど、強くなっていっているのかなとは思いました」

柏木ひなた画像4

当初、マネジメントは新メンバーオーディション開催の発表を行なう方向で動いていたが、柏木は納得せず、マネージャーと意見交換の場を持った。そこで、柏木は新メンバーの加入ではなく、現状の6人でパフォーマンス力を向上させていくと誓い、歌とダンスでオーディエンスの心を震わせるグループを目指した。

「今振り返っても、私としてはまったく後悔してないし、選択も間違ってなかったなと思ってます。もちろん、6人でやることに対しては、当時、賛成の方もいれば、反対の方もいて、私が発した言葉に対して、違う捉え方をされてしまうことも多かった。

でも、あのとき、6人だったからエビ中のパフォーマンス面は磨けたし、あのメンバーだったからきっとできたんだなって思います。エビ中の歴史のなかでは短い時代だったんですけど、そこで強くなれたと思います」

同時期には、柏木が出演した音楽バラエティ番組『THE カラオケ☆バトル』で「アイドルの歌唱力をなめんなよ」と豪語したことも話題になった。もちろん、彼女にはそう言い切れるだけの自信もあったのだろう。グループ時代、パフォーマンス力を上げることに誰よりもこだわってきた柏木は、いつごろからソロのアーティストとして旅立つことを意識するようになったのだろうか。

「もともと、ひとりで歌って踊りたいっていう気持ちはあったんですけど、アイドルグループに入ることになって。ただ、そこで好きな歌とダンスができたので、ひとりでやりたいなと思うことは全然なかったんですね。そこから、コロナ禍に入った2020年が、私がエビ中に入ってちょうど10年目だったんですよ。そのときに、10年を区切りにして、この世界に入ったときの夢を追いかけてみようかなって思ったことがきっかけですね。

でも当時は、まだそんなに深くは考えてなくて、いつかやれたらいいな~くらいだったんです。その後、2021年から2年間、生誕祭のステージをバンドをバックにやらせていただいて、ツアー形式で各地を回って。バンドの皆さんの力を借りてですけど、ひとりでステージに立って歌うっていうことを経験して、より挑戦してみたい気持ちが強くなりましたね」

ソロとグループとでは歌い方が違う

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2017年6月に開催された初のソロライブ『Live in the moment!!』以降、毎年ソロライブは行なっていたが、東名阪ツアーとなった2021年3月のライブ『over the moon』からはバンド編成となり、柏木がファンだと公言している小湊美和(元・太陽とシスコムーン)がコーラスとして参加し、最終公演ではデュエットも実現。2022年2~3月に行なわれたソロライブ『-Interlude-』は、全国6会場まで規模を拡大した。

「普段はほかのメンバーもいるので、ひとりでやるときの怖さはどうしてもありました。歌う曲もエビ中のものが多かったので、ひとりでどれだけその楽曲を理解して、聴いている人にしっかりと届けられるかどうかが重要になってくる。

ひとりで歌うときとメンバー全員で歌うときとでは、当たり前だけど、全然違うものになるので、改めて楽曲と向き合って、勉強になったことも多かったです。例えば、あのメンバーはこういう歌い方をしてたんだなってことを再認識して、じゃあ、私はこう歌いたいなって思ったりする。そういう、自分で考える力がついたんじゃないかなと思いますね。

それと、音楽を通したコミュニケーションですね。バンドの皆さんと一緒に作っていくので、『ちょっと間奏を伸ばしたいです』とか、『ここは踊りたいので繋いでもらっても良いですか』とかも自分で言わないといけない。今までだったら言えなかったけど、バンドのメンバーが『ひなたと一緒にやれることがうれしい』って言ってくれたし、『良いものを作りたいね』とも言ってくれて。バンドメンバーのライブへの意識や気持ちがすごく伝わってきたので、私も遠慮せずにどんどん言うことができて。自分で考える力とか、自分が思ったことをちゃん言葉にして伝えることの大切さをすごく学びましたね。

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あと、悪い意味ではなくて、ソロのほうがやっぱり自由なんですよ。グループにいるときは当然、決められた振り付けや決められたパートがある。みんなが一緒にいて、ユニゾンがあったり、フレーズを繋いでいかないといけない。そこでひとりだけ違う歌い方をしてみんなと違いすぎちゃうと、どうしてもバランスが崩れてしまう。そこはグループでライブをするときは気を付けてました。

でも、ソロライブのときは全部をひとりで歌うので、自分の声をどう使おうが自由にできる。振りも踊りたかったら踊れば良いし、踊りたくなかったら、何もせずに歌で気持ちを届けていけば良い。そこの自由度っていうのは、やっぱり別物でしたね。もちろんグループ内でも自由にできることはあるけれど、ひとりでやる自由と、グループでやる自由は全然違うんだなって、ソロライブをやって感じました」

そうして2022年4月にグループからの“転校”を発表し、12月16日に開催された『私立恵比寿中学 柏木ひなた卒業式「smile for you」』をもって、柏木はグループでの活動に終止符を打った。

「自分のなかではここが卒業のタイミングかなと思っていました。ひとりでやりたいという気持ちがちょっとずつ出てきたのと、新メンバーたちが加入して、私が今抜けてもエビ中は大丈夫だなって思えたことが一番大きかったですね。自分の卒コンが終わった次の日に行なわれたエビ中のライブは、家で見届けました。カッコ良かったですね、10人体制のエビ中は」

後編につづく

文・取材:永堀アツオ
撮影:荻原大志

リリース情報

柏木ひなた「From Bow To Toe」ジャケット写真

「From Bow To Toe」
配信中
試聴・購入はこちら(新しいタブで開く)

 
「ここから。」
7月12日(水)配信リリース
詳細はこちら(新しいタブで開く)

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